国土利用計画法の一部を改正する法律

法律第八十六号(平一〇・六・二)

 国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二十七条の六」を「第二十七条の十」に改める。

 第二十三条の見出し中「移転」の下に「又は設定後における利用目的」を加え、同条第一項中「しようとする場合」を「した場合」に改め、「当事者」の下に「のうち当該土地売買等の契約により土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者(次項において「権利取得者」という。)」を加え、「第十五条第一項各号」を「その契約を締結した日から起算して二週間以内に、次」に改め、同項後段を削り、同項に次の各号を加える。

 一 土地売買等の契約の当事者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 土地売買等の契約を締結した年月日

 三 土地売買等の契約に係る土地の所在及び面積

 四 土地売買等の契約に係る土地に関する権利の種別及び内容

 五 土地売買等の契約による土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的

 六 土地売買等の契約に係る土地の土地に関する権利の移転又は設定の対価の額(対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積つた額)

 七 前各号に掲げるもののほか、総理府令で定める事項

 第二十三条第二項中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同項第一号中「締結する」を「締結した」に、「土地売買等の契約の当事者の一方又は双方」を「権利取得者」に、「設定をする」を「設定を受ける」に改め、同項第二号中「規制区域」の下に「、第二十七条の三第一項の規定により指定された注視区域又は第二十七条の六第一項の規定により指定された監視区域」を加え、「土地売買等の契約を締結する」を「、土地売買等の契約を締結した」に改め、同条中第三項を削り、第四項を第三項とする。

 第二十四条の見出しを「(土地の利用目的に関する勧告)」に改め、同条第一項中「その届出に係る事項が次の各号の一に該当し」を「その届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的に従つた土地利用が土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画(総理府令で定めるところにより、公表されているものに限る。)に適合せず、」に、「当該土地売買等の契約の締結を中止すべきことその他その届出に係る事項について必要な措置を講ずべきこと」を「その届出に係る土地の利用目的について必要な変更をすべきこと」に改め、同項各号を削り、同条第二項中「六週間」を「三週間」に改め、同条第三項を次のように改める。

3 都道府県知事は、前条第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査を行うため必要があるときその他前項の期間内にその届出をした者に対し第一項の規定による勧告をすることができない合理的な理由があるときは、三週間の範囲内において、前項の期間を延長することができる。この場合においては、その届出をした者に対し、同項の期間内に、その延長する期間及びその期間を延長する理由を通知しなければならない。

 第二十七条中「当該土地売買等の契約の締結が中止された」を「当該土地の利用目的が変更された」に改める。

 第五章中第二十七条の六を第二十七条の十とする。

 第二十七条の五中「第二十七条の二第三項」を「第二十七条の六第三項」に、「第二十三条第一項」を「第二十七条の七第一項において準用する第二十七条の四第一項」に、「同条第二項第三号」を「同条第二項第二号」に改め、同条を第二十七条の九とする。

 第二十七条の四の見出しを「(監視区域における土地売買等の契約に関する勧告等)」に改め、同条第一項各号列記以外の部分中「監視区域に所在する土地について第二十三条第一項」を「前条第一項において準用する第二十七条の四第一項」に、「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、「、第二十四条第一項の規定にかかわらず」を削り、同項第一号中「第二十四条第一項各号の一」を「第二十七条の五第一項各号のいずれか」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 第二十五条から第二十七条までの規定並びに第二十七条の五第二項及び第三項の規定は、前項の規定による勧告について準用する。この場合において、第二十七条中「当該土地の利用目的が変更された」とあるのは「当該土地売買等の契約の締結が中止された」と、第二十七条の五第二項及び第三項中「前条第一項」とあるのは「第二十七条の七第一項において準用する第二十七条の四第一項」と読み替えるものとする。

 第二十七条の四を第二十七条の八とする。

 第二十七条の三の見出しを「(監視区域における土地に関する権利の移転等の届出)」に改め、同条第一項を次のように改める。

 第二十七条の四の規定は、監視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合について準用する。この場合において、同条第二項第一号中「同号イからハまでに規定する面積未満」とあるのは「同号イからハまでに規定する面積に満たない範囲内で都道府県知事が都道府県の規則で定める面積未満」と、「同号イからハまでに規定する面積以上」とあるのは「当該都道府県の規則で定められた面積以上」と、同条第三項中「次条第一項」とあるのは「第二十七条の八第一項」と、「同条第三項」とあるのは「同条第二項において準用する第二十七条の五第三項」と読み替えるものとする。

 第二十七条の三第二項中「前項の規定により読み替えて適用される第二十三条第二項第一号」を「前項において読み替えて準用する第二十七条の四第二項第一号」に改め、同条を第二十七条の七とする。

 第二十七条の二第三項中「監視区域」の下に「の指定」を加え、「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改め、同条第四項中「第二十七条の二第三項」を「第二十七条の六第三項」に改め、同条を第二十七条の六とする。

 第二十七条の次に次の四条を加える。

 (助言)

第二十七条の二 都道府県知事は、第二十三条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出をした者に対し、その届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的について、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をすることができる。

 (注視区域の指定)

第二十七条の三 都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、又は上昇するおそれがあるものとして内閣総理大臣が定める基準に該当し、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域(第十二条第一項の規定により規制区域として指定された区域又は第二十七条の六第一項の規定により監視区域として指定された区域を除く。)を、期間を定めて、注視区域として指定することができる。

2 都道府県知事は、注視区域を指定しようとする場合には、あらかじめ、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

3 第十二条第二項から第五項まで及び第十項から第十二項までの規定は、注視区域の指定について準用する。この場合において、同条第十一項中「第一項」とあるのは「第二十七条の三第一項」と、「行うものとする」とあるのは「行うことができる」と読み替えるものとする。

4 第二項及び第十二条第五項の規定は、前項において準用する同条第十二項の規定による注視区域の指定の解除及びその公告について準用する。この場合において、同条第五項中「第三項」とあるのは「第二十七条の三第三項において準用する第十二条第十二項」と、「指定された区域及び期間その他総理府令で定める事項」とあり、及び「当該事項」とあるのは「その旨」と読み替えるものとする。

5 第三項において準用する第十二条第十二項及び前項の規定は、注視区域に係る区域の減少及びその公告について準用する。

6 注視区域の全部又は一部の区域が、第十二条第一項の規定により規制区域として指定された場合又は第二十七条の六第一項の規定により監視区域として指定された場合においては、当該注視区域の指定が解除され、又は当該一部の区域について注視区域に係る区域の減少があつたものとする。この場合においては、第十二条第三項(第二十七条の六第三項において準用する場合を含む。)の規定による公告をもつて注視区域の指定の解除又は区域の減少の公告があつたものとみなす。

 (注視区域における土地に関する権利の移転等の届出)

第二十七条の四 注視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合には、当事者は、第十五条第一項各号に掲げる事項を、総理府令で定めるところにより、当該土地が所在する市町村の長を経由して、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。その届出に係る事項のうち、土地に関する権利の移転若しくは設定の予定対価の額の変更(その額を減額する場合を除く。)をして、又は土地に関する権利の移転若しくは設定後における土地の利用目的の変更をして、当該契約を締結しようとするときも、同様とする。

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。

 一 第二十三条第二項第一号イからハまでに規定する区域に応じそれぞれその面積が同号イからハまでに規定する面積未満の土地について土地売買等の契約を締結する場合(土地売買等の契約の当事者の一方又は双方が当該土地を含む一団の土地で同号イからハまでに規定する区域に応じそれぞれその面積が同号イからハまでに規定する面積以上のものについて土地に関する権利の移転又は設定をすることとなる場合を除く。)

 二 前号に定めるもののほか、民事調停法による調停に基づく場合、当事者の一方又は双方が国等である場合その他政令で定める場合

3 第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して六週間を経過する日までの間、その届出に係る土地売買等の契約を締結してはならない。ただし、次条第一項の規定による勧告又は同条第三項の規定による通知を受けた場合は、この限りでない。

4 第十五条第二項の規定は、第一項の規定による届出のあつた場合について準用する。

 (注視区域における土地売買等の契約に関する勧告等)

第二十七条の五 都道府県知事は、前条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る事項が次の各号のいずれかに該当し当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、土地利用審査会の意見を聴いて、その届出をした者に対し、当該土地売買等の契約の締結を中止すべきことその他その届出に係る事項について必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

 一 届出に係る土地に関する権利の移転又は設定の予定対価の額が、近傍類地の取引価格等を考慮して政令で定めるところにより算定した土地に関する権利の相当な価額(その届出に係る土地が地価公示法第二条第一項に規定する都市計画区域に所在し、かつ、同法第六条の規定による公示価格を取引の指標とすべきものである場合において、その届出に係る土地に関する権利が所有権であるときは、政令で定めるところにより同条の規定による公示価格を規準として算定した所有権の価額)に照らし、著しく適正を欠くこと。

 二 届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的が土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画に適合しないこと。

 三 届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的が、道路、水道その他の公共施設若しくは学校その他の公益的施設の整備の予定からみて、又は周辺の自然環境の保全上、明らかに不適当なものであること。

2 前項の規定による勧告は、前条第一項の規定による届出があつた日から起算して六週間以内にしなければならない。

3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告をする必要がないと認めたときは、遅滞なく、その旨を前条第一項の規定による届出をした者に通知しなければならない。

4 第二十五条から第二十七条までの規定は、第一項の規定による勧告について準用する。この場合において、同条中「当該土地の利用目的が変更された」とあるのは、「当該土地売買等の契約の締結が中止された」と読み替えるものとする。

 第二十八条第一項中「第二十三条第一項」の下に「若しくは第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。)」を加え、同項第一号ロ中「第二十七条の三第二項」を「第二十七条の七第二項」に改める。

 第三十九条第九項中「第二十七条の二第二項」を「第二十七条の三第二項(同条第四項「同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第二十七条の五第一項、第二十七条の六第二項」に、「第二十七条の三第四項」を「第二十七条の七第四項」に、「第二十七条の四第一項」を「第二十七条の八第一項」に改める。

 第四十一条第一項中「第二十三条第一項」の下に「、第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。)」を加える。

 第四十三条中「第二十四条第一項第一号」を「第二十七条の五第一項第一号」に改める。

 第四十七条第一号を削り、同条第二号中「第二十九条第一項」を「第二十三条第一項又は第二十九条第一項」に改め、同号を同条第一号とし、同号の次に次の一号を加える。

 二 第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をしないで土地売買等の契約を締結した者

 第四十七条第三号中「第二十三条第一項」の下に「、第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。)」を加える。

 第四十八条中「第二十三条第三項」を「第二十七条の四第三項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。)」に改める。

 第四十九条第一号中「第二十七条の四第二項」を「第二十七条の五第四項、第二十七条の八第二項」に改める。

   附 則

 (施行期日等)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次項及び第三項の規定は、公布の日から施行する。

2 改正後の国土利用計画法(以下「新法」という。)第二十七条の三第一項に規定する内閣総理大臣が定める基準は、この法律の施行前においても定めることができる。

3 新法第二十七条の三第一項の規定による注視区域の指定については、都道府県知事及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の長は、この法律の施行前においても土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴くことができる。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に改正前の国土利用計画法(以下「旧法」という。)の規定によりされた監視区域の指定並びにその指定、指定の解除及び区域の減少のために行われた手続その他の行為は、それぞれ新法の相当規定によりされたものとみなす。

2 施行日前にされた旧法第二十三条第一項の規定による届出に係る土地売買等の契約については、なお従前の例による。

3 施行日前にした行為及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正)

第三条 公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二項第八号中「第二十三条第一項」を「第二十七条の四第一項又は第二十七条の七第一項」に、「同項」を「第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)」に改め、同条第三項中「第二十三条第一項」を「第二十七条の四第一項」に、「第二十四条第一項」を「第二十七条の五第一項」に、「第二十七条の四第一項」を「第二十七条の八第一項」に、「第二十四条第三項」を「第二十七条の五第三項」に、「第二十七条の四第二項」を「第二十七条の八第二項」に改める。

 (大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部改正)

第四条 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条の七中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (多極分散型国土形成促進法の一部改正)

第五条 多極分散型国土形成促進法(昭和六十三年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十条中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法の一部改正)

第六条 大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法(平成元年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

  第九条中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律の一部改正)

第七条 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律(平成四年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。

  第十八条中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (国会等の移転に関する法律の一部改正)

第八条 国会等の移転に関する法律(平成四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (大阪湾臨海地域開発整備法の一部改正)

第九条 大阪湾臨海地域開発整備法(平成四年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  第十七条中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (被災市街地復興特別措置法の一部改正)

第十条 被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条中「第二十七条の二第一項」を「第二十七条の六第一項」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第十一条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十一条の二第二項第八号、第三十四条の二第二項第三号、第三十七条の七第一項、第六十二条の三第四項第八号、第六十五条の四第一項第三号及び第六十五条の十一第一項中「第二十三条第一項」の下に「若しくは第二十七条の四第一項(第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。)」を加え、「若しくは第二十七条の四第一項」を「、第二十七条の五第一項若しくは第二十七条の八第一項」に改める。

(内閣総理・大蔵・通商産業・運輸・建設・自治大臣署名)

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