郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律

法律第七十八号(平一〇・五・二七)

 (目的)

第一条 この法律は、郵政大臣が郵便貯金等の業務に係る金銭の受入れ又は払渡し等の事務を金融機関に委託して行わせるとともに、郵政官署において金融機関から委託を受けて預金等の業務に係る金銭の受入れ又は払渡し等の事務を行うことによって、預金者等の利便の増進を図ることを目的とする。

 (事務の委託)

第二条 郵政大臣は、現金自動預払機又は現金自動支払機(以下「自動預払機等」という。)で取り扱う郵便貯金又は貸付けの業務に係る金銭の受入れ又は払渡しに関する事務及びこれらに付随する事務であって郵政省令で定めるもの(以下「郵便貯金受払事務」という。)の一部を銀行、信託会社、保険会社その他の金融業を営む者であって郵政省令で定めるもの(以下「金融機関」という。)に委託することができる。

2 郵政大臣は、前項の規定により郵便貯金受払事務の一部を委託したときは、遅滞なく、当該委託を受けた金融機関(以下「受託金融機関」という。)の名称その他郵便貯金受払事務の委託に関し必要な事項を公示しなければならない。

 (手数料)

第三条 受託金融機関において前条第一項の規定により委託された郵便貯金受払事務に係る金銭の受入れ又は払渡しその他の役務の提供を受けようとする者は、郵便貯金受払事務の委託に要する費用及び預金者の利便を勘案するとともに金融機関の同種の手数料にも配意して郵政省令で定める額の手数料を、郵政省令で定めるところにより、国に納付しなければならない。

 (事務の受託)

第四条 郵政大臣は、金融機関から、自動預払機等で取り扱う預金、貸付け、信託、保険その他の金融機関の業務で郵政省令で定めるものに係る金銭の受入れ又は払渡しに関する事務及びこれらに付随する事務であって郵政省令で定めるもの(以下「金融機関預金受払事務」という。)の一部の委託を受けることができる。

2 郵便局において前項の規定により委託された金融機関預金受払事務に係る金銭の受入れ又は払渡しその他の役務の提供を受けようとする者は、郵政省令で定めるところにより、当該役務の提供の申込みをするものとする。

3 郵政大臣は、第一項の規定により金融機関預金受払事務の一部の委託を受けたときは、遅滞なく、当該委託をした金融機関の名称その他金融機関預金受払事務に関し必要な事項を公示しなければならない。

 (利用の制限及び業務の停止)

第五条 郵政大臣は、天災その他やむを得ない事由がある場合において、重要な業務の遂行を確保するため必要があるときは、郵便局を指定し、かつ、期間を定めて、金融機関預金受払事務について利用を制限し、又は停止することができる。

 (省令への委任)

第六条 この法律に規定するもののほか、郵便貯金受払事務及び金融機関預金受払事務に関し必要な事項は、郵政省令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (郵便法の一部改正)

第二条 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十条第一項中「買取り」の下に「、郵政省が郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律(平成十年法律第七十八号)第四条第一項の規定により同法第二条第一項の金融機関から委託された金銭の受入れ又は払渡し等に関する業務」を加える。

 (国営企業労働関係法の一部改正)

第三条 国営企業労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一号イ中「並びに本邦通貨と」を「、本邦通貨と」に改め、「買取りに関する業務」の下に「並びに郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律(平成十年法律第七十八号)第四条第一項の規定により同法第二条第一項の金融機関から委託された金銭の受入れ又は払渡し等に関する業務」を加える。

 (郵政事業特別会計法の一部改正)

第四条 郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  第二条中「買取りに関する事務」の下に「、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律(平成十年法律第七十八号)第四条第一項の規定により同法第二条第一項の金融機関から郵政省に委託された金銭の受入れ又は払渡し等に関する事務」を加える。

 (簡易郵便局法の一部改正)

第五条 簡易郵便局法(昭和二十四年法律第二百十三号)の一部を次のように改正する。

  第六条中「支払に関する郵政窓口事務」の下に「、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律(平成十年法律第七十八号)第四条第一項の規定により同法第二条第一項の金融機関から委託された金銭の受入れ又は払渡し等に関する郵政窓口事務」を加える。

  第十条第一項中「及び国民年金法」を「、国民年金法」に改め、「法律第百四十一号)」の下に「及び郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律」を加える。

 (郵政省設置法の一部改正)

第六条 郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二項に次の一号を加える。

  八 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律(平成十年法律第七十八号)第四条第一項の規定により同法第二条第一項の金融機関から委託された金銭の受入れ又は払渡し等に関する業務

  第四条中第三十二号の二を第三十二号の三とし、第三十二号の次に次の一号を加える。

  三十二の二 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律第四条第一項の規定により同法第二条第一項の金融機関から委託された金銭の受入れ又は払渡し等に関する事務を処理すること。

(郵政・労働・内閣総理大臣署名)

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