国鉄時代の運転取扱基準規程

附則
第3節 標等の保守その他
運転作業内規の作成
  1. 内規の作成

    駅、区、所長は、運転作業内規の作成基準にもとづいて駅、区、所の実状に合う運転作業内規(以下「内規」という)を制定するものとする。

  2. 題名

    「運転作業内規(基準規程)」とする。
    (例)OO駅(区)運転作業内規(基準規程)

  3. 職種別の区分

    内規は、場所別、職種別に定めるものを最良とするが、それぞれの職の者に該当する条文を指定することにより、これに代えることができる。この場合、内規の貸与を受けた者は、自己の適用条文の冒頭に赤丸を付けるものとする。

  4. 制定の内容

    ア 制定する事項は、観念的、抽象的なことを避けて、連絡、確認、作業の方法、事故の処置等、従事員の執務に関して作業上はっきり示しておく必要のあるものとし、かつ、実行のできるものであること。
    イ 他の規程等に規定されている事項は規制しないこと。

  5. 条文の表現

    ア 条文は、つとめて具体的、かつ、簡単明りよう、平易に表現すること。
    イ つとめて、図解、表等により一目りよう然とすること。
    ウ つとめて、箇条書に列挙すること。
    エ 条文は、その取扱いをする者をはっきりさせて責任の所在を明確にすること。

  6. 別冊、別表とするもの

    列車遅転時刻改正、設備改良等に伴う変動性のあるもの、又は別冊、別表としたほうがよいものは、別冊(番号をつける。)、又は別表(番号をつける。)として、内規は次のような条文とする。

    (例1) 第OO条要注箇所、要注作業に対する執務方は、別冊(No.1)によるものとする。
    (例2) 第OO条事故復旧の場合における職務分担は、別表(No.2)によるものとする。

  7. 制定した後の管理

    ア 制定した内規は、時刻改正、設備の変更等に伴い内容の改正を必要とすろ事態が発生したときは、内容を修正し、常に実状に合うよう管理すること。
    イ 駅、区、所長は、毎年一定の時機に制定の内容と取扱の内容と取扱の現状とについて照合すること。

  8. 改正の記録

    改正を明確にするため、表紙の次に記録欄を設け記入すること。

  9. 作成標準

    運転作業内規の作成基準項目は次のとおりとし、駅、区、所長は、自箇所の実状に応じた必要事項を定めるものとする。
    ただしこの項目以外で必要と認めた事項を加えることができる。

ア 停車場関係

項目 制定上の参考事例
1.点呼 1.施行時刻
2.場所
3.施行者
4.施行順序
5.参加者
2.達示命令の伝達及び処理 1.達示命令の伝達方法(定期、臨時)
2.伝達系統
3.運転記録及び整理記録の取扱い
4.公局報等の抜粋処理
3.職務の指揮命令系統 命令系統
4.指導教養及び監督 1.指導訓練の分担
2.新任者指導手引書の管理と使用
3.作業員に対する監督
5.事務の引継ぎ連絡及び照合 1.事務引継ぎ簿の取扱い
2.職別の引継ぎ方法
3.引継ぎ事項
4.退出時の復命
5.関係箇所との照合
6.業務の分担 業務分担の指定(職別、出面別、勤務箇所別、勤務種別)
7.書類及び図書の取扱い並びに保管 1.規定類の配布、保存、点検及び保管責任者
2.公、局報等の閲覧
8.休養及び休憩 1.休養・休憩の時間及び場所の指定
2.代行者の指定
3.起床の確認者
4.起床時の取扱方
9.各種会合 会合の種類、開催時期及び参集範囲
10.運転用品の配置 1.運転用品、閉そく用品の備付場所、員数、保管責任者
2.信号炎管・信号雷管の備付及び保管責任者
11.列車の組成 1.作業の監視及び指示
2.列車のすえつけ
3.列車の点検
4.ブレーキ試験
5.組成完了等の連絡
6.詰めゴムの携行
12.列車の取扱い 1.運転整理
2.列車の監視(分担区域、競合時、出場時機)
3.接近表示器の取扱
4.列車の同時進入出
5.列車運転線路変更の場合の打合せ連絡
6.列車着発の際、関係信号扱所相互間の連絡
13.構内運転 1.運転開始の指示
2.入換信号機故障時の取扱及び通告者
14.構内作業 1.構内略図
2.線路有効長
3.収用車数
4.使用方法
5.線路の曲線及び勾配
15.打合せ連絡 1.打合せ用語
2.作業別の打合せ連絡
3.特殊合図
4.特殊連絡事項
16.車両の入換 1.現場出場時機、要員配置
2.両面作業、競合作業の制限又は禁止
3.入換作業の打合せ連絡(内容、時機)
4.関係信号所相互間の連絡
5.機関車又は大型車両の通過禁止線路
6.突放制限及び禁止線路
7.引上車数制限
8.1回突放車数制限
9.連結禁止又は連結不能箇所
10.飛び降り禁止箇所
11.車側添乗禁止箇所
12.入換合図の中継方
13.動力車区所属線との境界における車両授受方
14.手押し入換の間合い
17.車両の留置 1.車両留置の禁止線路
2.留置車両と車止めとの間隔
3.転動防止方法(ブレーキのない車両を含む)
18.転てつ器の取扱い 1.現場出場時機
2.転てつ器の鎖錠(無連動となった場合を含む)
3.転換目標
4.構内掛2名以上で作業する場合の連絡方
5.転てつ器の清掃分担、清掃時刻及びかまし木の使用
6.電気鎖錠器付転てつ器解錠用かぎの使用及び保管
7.手廻しハンドル、転てつ器鎖錠金具の使用保管
19.工事作業の取扱い 1.線路閉鎖工事
2.トロリーの使用
3.停電工事
4.保守作業
20.閉そく 1.通票現在数記録
2.適任者・指導者及び伝令者の選定
3.閉そく機電話にかかるものの指定
21.鉄道信号 1.駅長、運転掛(信号担当)間の指示連絡
2.運転掛相互間の連絡
3.出発信号機反位取扱の指示方
4.信号現時の確認
5.反応標識故障の場合の信号現示野確認
6.信号、合図、表紙起用電球の点検及び取替え
7.信号保安装置の清掃及び注油の分担及び施行時機
8.職務補助者に対する指示方
9.手信号現示者と現示の指示方
22.踏切 1.出務時機
2.着順表の取扱い
3.しゃ断機閉鎖前の取扱い
4.しゃ断機閉鎖目標
5.しゃ断機開放前の取扱い
6.交通保安掛相互間の連絡
7.接近ベル等の取扱い
8.接近ベル、電話機等の故障の場合の取扱い
9.運転が乱れたときの連絡
10.踏切を支障する入換作業の連絡
11.停車場間の交通保安掛への連絡
23.異常時の取扱い 1.異常気象の取扱い(鉄道気象通報、風雪雨、濃霧、凍結等)
2.機器の故障(閉そく、信号、線路等)
3.単線運転
4.要員配置
24.事故の処置 1.列車の防護方
2.列車防護器具の設置場所
3.発見者の第一にとるべき手段
4.事故発生時の職務分担
5.非常召集
6.応急処置計画
7.関係箇所への通報、連絡
8.非常用器具の備付、使用方責任者
9.準事故の取扱い
10.非常召集台帳の整備
25.特殊事項 1.要注箇所、要注作業
2.渡線車の使用方、責任者
3.緒車類の使用方、留置方、責任者
26.その他必要なこと 各種協定(関係駅区、直通運転、共同使用、専用線、日通等の構内作業者)

イ 車掌区関係

項目 制定上の参考事項
27.停車場関係の1〜10までと同じ 停車場関係による他
1.達示命令の伝達を受領した乗務員の処理方
2.乗務員準備方
3.予備勤務者の執務方
28.乗務員の運用 1.乗務員の操配
2.予備勤務
29.携帯品の整備及び保管 携帯品の指定及び運用
30.現場出場 1.列車別及び場所別の出場標準
2.現場出場後の執務
3.機関士に対する照合
31.列車の運転 1.機関士に対する打合せ、通告
2.列車の検査
3.列車の監視
4.後部標識の取扱い
32.車両の入換 1.入換作業のある停車場に到着するまでの取扱い
2.入換着手前の取扱い
3.合図の表示
4.引上げ車数の多い場合の車掌相互間の協力
5.車両の留置
6.気動車の連結、解放、入換えの取扱い
33.異常時の取扱い 1.異常気象時の取扱い(鉄道気象通報、風雨雪、濃霧、凍結等)
2.要員配置
34.事故の処置 1.事故発生の職務分担
2.応急処置計画
3.関係箇所への通報、連絡
4.非常召集
5.非常用器具の備付け、使用方、責任者
6.準事故の取扱い
7.非常召集台帳の整備
35.特殊事項 変更箇所、要注作業
36.その他必要なことがら。 関係駅区との協議

ウ 動力車区関係

項目 制定上の参考事項
37.停車場関係の1〜10までと同じ 停車場関係による他
1.達示命令の伝達を受領した乗務員の処理方
2.乗務員準備方
3.予備勤務者の執務方
38.車両の運用 1.使用予定表の作成
2.運用変更するときの処置
3.入出場車両の取扱い及び使用方
4.使用休止車両の処置
39.乗務員の運用 1.乗務員及び予備乗務員の選定、変更
2.勤務予定表の作成
40.乗務員関係の作業基準 別冊として定める。
 点呼、服装、携帯品、点検、信号確認方(喚呼応答、指差し、汽笛吹鳴、いったん起立等)、運転の取扱い、ブレーキ取扱い、構内作業、事故及び異常時の取扱い
41.庫内勤務者の作業基準 機関士、機関助士、誘導掛等の執務
42.車両の仕業準備 1.使用準備(点保火、水張り、水抜等)
2.車両の授受(場所、時機、気圧、缶水、水、燃料、機器の取扱い等)
43.連結及び解放の作業基準 乗務員の交代、機器の取扱い、ブレーキ試験
44.区内作業の指示及び連絡並びに監視 1.滞泊車両の凍結防止方
2.車両の留置箇所及び順序
45.区間専属線内の車両の運転 1.速度制限
2.転車台進入の取扱い
46.車両の留置 1.転動防止
2.手歯止めの使用
3.パンタグラフの取扱い
4.箇所の指定
5.監視
47.転てつ器の取扱い 1.鎖錠
2.転てつ器の清掃分担、清掃時刻及びかまし木の使用
48.機械器具の整備保管 整備保管箇所、方法及び責任者の指定
49.異常時の取扱い 1.異常気象の取扱い(鉄道気象通報、風雪雨、濃霧、凍結等)
2.機器の故障(閉そく、信号、線路等)
3.単線運転
4.要員配置
50.事故の処置 1.事故発生の職務分担
2.応急処置計画
3.関係箇所への通報、連絡
4.非常召集
5.非常用器具の備付け、使用方、責任者
6.準事故の取扱い
7.非常召集台帳の整備
51.特殊事項 要注箇所、要注作業
52.その他必要なことがら 関係駅区との協定

エ 客貨車区関係

項目 制定上の参考事項
53.停車場関係の1〜10までと同じ 車掌区関係と同じ
54.車両の運用 1.使用予定表の作成
2.運用変更するときの処置
3.入出場車両及び試運転車両の取扱い
4.使用休止車両の処置
55.乗務員の運用 1.乗務員及び予備乗務員の操配
2.勤務予定表の作成
56.車両の留置 1.転動防止
2.箇所の指定
3.移動禁止合図及び表示の手配、取扱い責任者
57.列車の検査 1.作業基準の作成
2.駅長、車掌及び機関士に対する合図及び打合せ
3.携行機材
4.後部標識の取扱い
58.異常時の取扱い 1.異常気象の取扱い(鉄道気象通報、風雪雨、濃霧、凍結等)
2.雪カキ車の取扱い及び使用方
59.事故の処置 1.事故発生の職務分担
2.応急処置計画(事故復旧に出動の手順を含む。)
3.関係箇所への通報、連絡
4.非常召集
5.操重車の取扱いz
6.非常用器具の整備と使用方、責任者
7.準事故の取扱い
8.非常召集台帳の整備
60.特殊事項 要注箇所、要注作業
61.その他必要なことがら 1.関係駅区との協定
2.研修手順

日本国有鉄道【私見】

日本国有鉄道に関する私見を述べています

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