特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法

法律第百二十九号(平一〇・一〇・一六)

 (趣旨)

第一条 この法律は、特定競売手続の円滑な実施に資するため、特定競売手続における現況調査及び評価等に関し民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の特例を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「特定債権者」とは、預金保険機構、預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)附則第七条第一項の規定に基づき預金保険機構との間で同項の協定を締結した銀行及び特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)第三条第一項第一号の規定により出資して設立された株式会社をいう。

2 この法律において「特定競売手続」とは、特定債権者の申立てに係る民事執行法第四十三条第一項に規定する不動産(同条第二項の規定により不動産とみなされるものを含む。以下「不動産」という。)を目的とする強制競売又は担保権の実行としての競売の手続をいう。

 (現況調査の特例)

第三条 執行裁判所は、特定競売手続について、特定債権者から不動産の形状、占有関係その他の現況を明らかにする書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、民事執行法第五十七条第一項(同法第百八十八条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定にかかわらず、同項の調査を命じないことができる。

 (評価等の特例)

第四条 執行裁判所は、特定競売手続について、特定債権者から不動産の評価を記載した書面の提出を受けた場合において、相当と認めるときは、民事執行法第五十八条第一項及び第六十条第一項(これらの規定を同法第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、評価人を選任することなく、その書面に記載された評価に基づいて最低売却価額を定めることができる。

 (最高裁判所規則)

第五条 この法律に定めるもののほか、特定競売手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。

 (この法律の失効)

2 この法律は、施行の日から起算して十年を経過した日にその効力を失う。ただし、その時までにされた申立てに係る特定競売手続については、この法律は、その時以後も、なお効力を有する。

(法務・内閣総理大臣署名)

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