鉱業法の一部を改正する法律
法律第五十七号(昭二八・七・九)
鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の一部を次のように改正する。
目次中
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第四節 地方鉱害賠償基準協議会(第百六十五条―第百七十条) |
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第七章 異議の申立(第百七十一条―第百八十条) |
」 |
を
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第六章の二 地方鉱業協議会(第百六十五条―第百七十条) |
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第七章 異議の申立(第百七十一条―第百八十条) |
」 |
に改める。
第十五条に次の一項を加える。
2 土地調整委員会は、前項の規定による禁止をした場合において、その鉱区禁止地域内における同項の規定により指定された鉱物の掘採が著しく公共の福祉に反するようになつていると認めるときは、通商産業局長に対し、その鉱区禁止地域内に存する当該鉱物を目的とする鉱業権について第五十三条の規定による処分をすべきことを勧告することができる。
第三十三条中「第十五条」を「第十五条第一項」に改める。
第三十五条及び第五十三条中「公共の用に供する施設」の下に「若しくはこれに準ずる施設」を加え、「破壊し、」の下に「文化財、公園若しくは温泉資源の保護に支障を生じ、」を加える。
第五十三条の次に次の一条を加える。
第五十三条の二 国は、前条の規定による鉱区の減少の処分又は鉱業権の取消によつて生じた損失を当該鉱業権者(減少の処分に係る鉱区の部分又は取消に係る鉱業権の鉱区に租鉱権が設定されているときは、当該鉱業権者及び当該租鉱権者)に対し補償しなければならない。
2 前項の規定により補償すべき損失は、前条の規定による鉱区の減少の処分又は鉱業権の取消によつて通常生ずべき損失とする。
3 通商産業局長は、前条の規定による鉱区の減少の処分又は鉱業権の取消によつて著しく利益を受ける者があるときは、その者に対し、その利益を受ける限度において第一項の規定による補償金の額の全部又は一部を負担させることができる。
4 第一項の規定による補償金及び前項の規定による負担金の額は、通商産業局長が地方鉱業協議会の意見をきき、且つ、通商産業大臣の承認を受けて決定する。
5 前条の規定により鉱区の減少の処分を受け、又は取り消された採掘権の上に抵当権があるときは、当該抵当権者の承諾を得た場合を除き、国は、その補償金を供託しなければならない。
6 前項の抵当権者は、同項の規定により供託した補償金に対して、その権利を行うことができる。
第六十四条の次に次の一条を加える。
第六十四条の二 鉱業権者は、前条の管理人の承諾を得ることができないときは、通商産業局長の決定を申請することができる。
2 第四十七条第二項から第六項までの規定は、前項の決定に準用する。
3 通商産業局長は、第一項の決定をしようとするときは、あらかじめ土地調整委員会の承認を得なければならない。
第八十七条中「第六十四条、」の下に「第六十四条の二、」を加える。
第百十二条第一項、第百六十五条、第百六十九条及び第百七十条中「地方鉱害賠償基準協議会」を「地方鉱業協議会」に改める。
「第四節 地方鉱害賠償基準協議会」を削り、第百六十五条の前に次の章名を加える。
第六章の二 地方鉱業協議会
第百六十六条を次のように改める。
(所掌事務)
第百六十六条 地方鉱業協議会は、通商産業局長の諮問に応じて、第五十三条の二第一項の規定による補償金及び同条第三項の規定による負担金の額並びに第百十二条第一項の基準に関し調査審議する。
第百六十七条第一項中「地方鉱害賠償基準協議会」を「地方鉱業協議会」に、「十二人」を「二十人」に改め、同条第二項中「職員」の下に「及び鉱業に関し学識経験がある者」を加える。
第百八十七条第一項中「租鉱権の取消、」の下に「第五十三条の二第四項の決定、」を加える。
第百八十九条中「規定による通知又は」の下に「第三十七条第一項、第三十八条第一項、第三十九条第一項、第四十八条第一項、第四十九条第一項、」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(強制徴収)
第百八十九条の二 通商産業局長は、第五十三条の二第三項の規定による負担金を納付しない者があるときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。
2 通商産業局長は、前項の規定により督促をするときは、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
3 通商産業局長は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までにその督促に係る負担金を納付しないときは、国税滞納処分の例により、これを処分する。
4 通商産業局長は、第一項の規定により督促をしたときは、その督促に係る負担金の金額百円につき一日八銭の割合で、納期限の翌日からその納付の日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。但し、省令で定めるときは、この限りでない。
5 第一項に規定する負担金及び前項の延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税につぎ、他の公課に先だつものとする。
6 国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第四条ノ九及び第四条ノ十の規定は、第一項に規定する負担金及び第四項の延滞金に関する書類の送達に準用する。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。但し、附則第三項の規定は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から適用する。
2 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)及び鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)の適用に関しては、鉱業法施行法(昭和二十五年法律第二百九十号)第四条の規定により鉱物の掘採を継続することができる者は、鉱山保安法第二条第一項の鉱業権者と、その者が掘採の事業を行う事業場は、同条第二項の鉱山と、その事業場において掘採の事業に従事する者は、同条第三項の鉱山労働者とみなす。
3 日本国との平和条約の規定に基き同条約の最初の効力発生の日において日本の国籍を喪失した者がその日に鉱業権又は租鉱権を有していたときは、その者及びその相続人は、鉱業法第十七条(同法第八十七条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、昭和二十九年四月二十七日までは、当該鉱業権又は租鉱権を有することができる。
4 鉱業法施行法(昭和二十五年法律第二百九十号)の一部を次のように改正する。
第七条に次の一項を加える。
3 新法第百八十九条の規定は、第一項の土地の所有者が知れない場合又はその所在が不分明な場合における同項の通知に準用する。
5 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第三十条中「地方鉱害賠償基準協議会」を「地方鉱業協議会」に改める。
(内閣総理・通商産業大臣署名)