健康保険法の一部を改正する法律
法律第三十七号(昭二四・四・三〇)
健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項但書を次のように改める
但シ臨時ニ受クルモノ及三月ヲ超ユル期間毎ニ受クルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第三条第二項を次のように改め、同条第一項を削る。
標準報酬ハ被保険者ノ報酬月額ニ基キ左ノ区別ニ依リ之ヲ定ム
標準報酬ノ等級 |
標準報酬 |
報酬月額 |
|
月額 |
日額 |
||
第一級 |
二、〇〇〇円 |
七〇円 |
二、二五〇円未満 |
第二級 |
二、五〇〇円 |
八五円 |
二、二五〇円以上 二、七五〇円未満 |
第三級 |
三、〇〇〇円 |
一〇〇円 |
二、七五〇円以上 三、二五〇円未満 |
第四級 |
三、五〇〇円 |
一一五円 |
三、二五〇円以上 三、七五〇円未満 |
第五級 |
四、〇〇〇円 |
一三〇円 |
三、七五〇円以上 四、二五〇円未満 |
第六級 |
四、五〇〇円 |
一五〇円 |
四、二五〇円以上 四、七五〇円未満 |
第七級 |
五、〇〇〇円 |
一七〇円 |
四、七五〇円以上 五、五〇〇円未満 |
第八級 |
六、〇〇〇円 |
二〇〇円 |
五、五〇〇円以上 六、五〇〇円未満 |
第九級 |
七、〇〇〇円 |
二三〇円 |
六、五〇〇円以上 七、五〇〇円未満 |
第一〇級 |
八、〇〇〇円 |
二七〇円 |
七、五〇〇円以上 八、五〇〇円未満 |
第一一級 |
九、〇〇〇円 |
三〇〇円 |
八、五〇〇円以上 九、五〇〇円未満 |
第一二級 |
一〇、〇〇〇円 |
三三〇円 |
九、五〇〇円以上一一、〇〇〇円未満 |
第一三級 |
一二、〇〇〇円 |
四〇〇円 |
一一、〇〇〇円以上一三、〇〇〇円未満 |
第一四級 |
一四、〇〇〇円 |
四七〇円 |
一三、〇〇〇円以上一五、〇〇〇円未満 |
第一五級 |
一六、〇〇〇円 |
五三〇円 |
一五、〇〇〇円以上一七、〇〇〇円未満 |
第一六級 |
一八、〇〇〇円 |
六〇〇円 |
一七、〇〇〇円以上一九、〇〇〇円未満 |
第一七級 |
二〇、〇〇〇円 |
六七〇円 |
一九、〇〇〇円以上二一、〇〇〇円未満 |
第一八級 |
二二、〇〇〇円 |
七三〇円 |
二一、〇〇〇円以上二三、〇〇〇円未満 |
第一九級 |
二四、〇〇〇円 |
八〇〇円 |
二三、〇〇〇円以上 |
第六条の次に次の一条を加える。
第六条ノ二 健康保険組合ガ其ノ事務所若ハ第二十三条ノ規定ニ依ル施設ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記ニ付テハ登録ヲ課セズ
第十一条第三項本文中「五銭」を「二十銭」に、同項第一号中「百円」を「千円」に、同条第四項中「前項」を「前二項」に、「一円」を「十円」に改め、同条同項に後段として「延滞金ノ金額二十円未満ノ端数アルトキハ之ヲ切捨ツ」を加え、同項を第五項とし、同条第四項として次の一項を加える。
延滞金ヲ計算スルニ当リ徴収金額二千円未満ノ端数アルトキハ其ノ端数ハ之ヲ切捨テ計算ス
第十一条ノ二第一項本文中「財産ノ在ル市町村」の下に「(東京都ノ区ノ存スル区域並ニ地方自治法第百五十五条第二項ノ市ニ在リテハ区以下之ニ同ジ)」を加え、同条第四項を削る。
第二十二条中第二項から第四項までを削る。
第四十二条ノ二第五項中「第二十三条、」を「第六条、第六条ノ二、第二十三条、」に改める。
第四十三条ノ二に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ給付ヲ受クル者ハ其ノ給付ヲ受クル際第四十三条ノ六第二項ニ規定スル厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ算定セラルル初診料ノ額ニ相当スル額ヲ一部負担金トシテ支払フベシ但シ健康保険組合ハ其ノ規約ヲ以テ組合ノ指定スル者ニ就キ給付ヲ受クル者ニ付テハ一部負担金ニ相当スル額ヲ限度トシテ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第四十三条ノ三第一項中「保険医又ハ保険薬剤師ハ」の下に「命令ノ定ムル所ニ依リ」を加える。
第四十三条ノ四第一項中「保険医及保険薬剤師ハ」の下に「厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ」を加え、同条第二項を第三項とし、第二項として次の一項を加える。
厚生大臣前項ノ定ヲ為サントスルトキハ中央社会保険診療協議会ノ意見を聴クベシ
第四十三条ノ六第一項中「療養ニ要スル費用」の下に「ヨリ一部負担金ニ相当スル額ヲ控除シタル額」を加える。
第四十四条ノ二第一項中「療養ニ要スル費用」の下に「ヨリ一部負担金ニ相当スル額ヲ控除シタル額」を加える。
第四十九条第一項但書を削る。
第五十条第一項但書を削る。
第五十条ノ二第一項中「百円」を「二百円」に改め、同条第二項を削る。
第五十九条ノ二第五項中「第四十三条ノ二、」を「第四十三条ノ二第一項、」に改める。
第五十九条ノ三中「千円」を「二千円」に改める。
第五十九条ノ四第一項中「五百円」を「千円」に、同条第三項中「第五十条ノ二第一項」を「第五十条ノ二及第五十五条」に改める。
第六十二条第三項中「第四十六条及第五十一条第二項」を「第四十六条並ニ第五十一条第二項及第三項」に改める。
第六十九条ノ二中「第六十二条第一項及第二項、」を「第六十一条、第六十二条第一項及第二項、第六十三条、」に改める。
第七十一条ノ四第一項中「千分ノ四十」を「千分ノ五十」に、同条第二項中「千分ノ三十六乃至千分ノ四十四」を「千分ノ四十五乃至千分ノ五十五」に、「健康保険委員会」を「健康保険審議会」に改める。
第七十五条ノ二中「千分ノ二十五」を「千分ノ三十」に改める。
第七章を第八章とし、第六章を第七章とし、第七十九条ノ二の次に、次の一章を加える。
第六章 健康保険審議会
第七十九条ノ三 政府ノ管掌スル健康保険事業ノ運営ニ関スル事項ヲ審議スル為、厚生省ニ健康保険審議会(以下審議会ト称ス)ヲ置ク
第七十九条ノ四 審議会ハ政府ノ管掌スル健康保険事業ノ運営ニ関スル事項ニ付、厚生大臣ノ諮問ニ応ジ審議シ及文書ヲ以テ答申スルノ外自ラ厚生大臣若ハ関係各大臣ニ文書ヲ以テ建議スルコトヲ得
厚生大臣ハ政府ノ管掌スル健康保険事業ニ付テノ企画、立法又ハ実施ノ大綱ニ関シ予メ審議会ノ意見ヲ求ムルモノトス
第七十九条ノ五 審議会ハ被保険者ヲ代表スル委員、事業主ヲ代表スル委員及公益ヲ代表スル委員各六人ヲ以テ之ヲ組織ス公益ヲ代表スル委員中ニハ医療関係ノ経験者ヲ含ムモノトス
各委員ハ厚生大臣之ヲ命ズ
第七十九条ノ六 委員ノ任期ハ二年トシ一年毎ニ其ノ年数ヲ命ズ
委員ニ欠員ヲ生ジタルトキ新ニ命ゼラレタル委員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
第七十九条ノ七 審議会ニ公益ヲ代表スル委員中ヨリ委員ノ選挙セル会長一人ヲ置ク
会長ハ会務ヲ総理シ審議会ヲ代表ス
会長事故アルトキハ第一項ノ規定ニ準ジ選挙セラレタル者其ノ職務ヲ代理ス
第七十九条ノ八 厚生大臣ハ審議会ノ要求アリタルトキハ健康保険事業ニ関スル資料及情報ヲ提供スベシ
第七十九条ノ九 審議会ハ必要ニ応ジ開クモノトス但シ正当ナル理由アル場合ヲ除クノ外少クトモ三月ニ一回以上之ヲ開クベシ
第七十九条ノ十 審議会ハ会長之ヲ招集ス
会長ハ厚生大臣ノ諮問アリタルトキ又ハ委員ノ三分一以上ノ要求アリタルトキハ二週間以内ニ審議会ヲ招集スベシ
第七十九條ノ十一 審議会ハ毎会計年度経過後六十日以内ニ其ノ年度ニ於ケル審議会ノ活動状況、審議ノ結果及建議ノ大要ヲ文書ヲ以テ厚生大臣ニ報告スベシ
第七十九条ノ十二 審議会ニ幹事八人以内ヲ置キ厚生省ノ職員又ハ学識経験者ニ就キ厚生大臣之ヲ命ズ
幹事ハ委員ノ要求アリタルトキハ常ニ之ニ対シ技術上ノ助言及事務上ノ援助ヲ為スモノトス
第七十九条ノ十三 審議会ニ書記五人以内ヲ置キ厚生省ノ職員ニ就キ厚生大臣之ヲ命ズ
書記ハ上司ノ指揮ヲ受ケ庶務ニ従事ス
第八十四条ノ二の次に次の二条を加える。
第八十四条ノ三 健康保険審査会ニ幹事六人以内ヲ置キ厚生省ノ職員ニ就キ厚生大臣之ヲ命ズ
幹事ハ健康保険審査会ノ委員ノ要求アリタルトキハ常ニ之ニ対シ技術上ノ助言及事務上ノ援助ヲ為スモノトス
第八十四条ノ四 健康保険審査会ニ書記五人以内ヲ置キ厚生省ノ職員ニ就キ厚生大臣之ヲ命ズ
書記ハ上司ノ指揮ヲ受ケ庶務ニ従事ス
第八十七条第一頂中「六月」を「一年」に、「五千円」を「三万円」に改め、同条第三項及び第四項を削る。
第八十八条を次のように改める。
第八十八条 被保険者ヲ使用スル事業主故ナク左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ六月以下ノ懲役又ハ三万円以下ノ罰金ニ処ス
一 本法ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ若ハ虚偽ノ報告ヲ為シ、文書ノ提示ヲ為サズ又ハ出頭セザルトキ
二 本法ノ規定ニ依ル当該官吏吏員ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタルトキ
三 第七十七条本文ニ規定スル保険料ヲ督促状ニ指定シタル期限迄ニ納付セザルトキ
第八十八条ノ二を次のように改める。
第八十八条ノ二 前条ニ規定スル者以外ノ者ニシテ保険給付ヲ受クベキモノ其ノ他ノ関係者故ナク左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ六月以下ノ懲役又ハ一万円以下ノ罰金ニ処ス
一 本法ノ規定ニ依ル報告、申出若ハ届出ヲ為サズ、虚偽ノ報告、申出若ハ届出ヲ為シ、文書ノ提出ヲ為サズ若ハ出頭セズ又ハ医師ノ診断ヲ拒ミタルトキ
二 本法ノ規定ニ依ル当該官吏吏員ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタルトキ
第八十八条ノ三を削る。
第九十一条中「第八十七条第三項若ハ第四項、」を削る。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年五月一日から施行する。但し、第七十一条の四第一項の改正規定は、昭和二十四年四月一日から適用する。
2 この法律の施行の日前に被保険者の資格を取得して、この法律施行の日まで引き続いて被保険者の資格のある者の標準報酬については、その者が同日において被保険者の資格を取得したものとみなして、これを算定する。
3 この法律施行の日前に督促状を発した保険料に対する延滞金については、なお、従前の例による。
4 この法律施行の日において現に健康保険委員会の委員、幹事及び書記の職にある者は、それぞれ健康保険審議会の委員、幹事、又は書記を命ぜられたものとみなす。但し、委員の任期は、その者が健康保険委員会の委員を命ぜられ、又は委嘱された時から起算する。
(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名)