特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法
法律第一号(昭二九・三・五)
(目的)
第一条 この法律は、昭和二十七年四月二十八日からこの法律施行の日の前日までの間に、政令で定める海域において漁船が正当に操業又は航行中捕獲、だ捕又は抑留されたため、当該漁船の所有者たる漁業者が当該漁船の代船を建造し、若しくは取得し、又はその所有に係る他の漁船を漁場若しくは漁業の転換の目的で改造するのに必要な資金(漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)に規定する特殊保険に係る保険金の支払を受けることができる場合における当該保険金の金額に相当する資金を除き、政令で定める漁具を取得するのに必要な資金を含む。以下「代船建造等資金」という。)の農林漁業金融公庫からの融通を促進し、もつて漁業経営の安定に資することを目的とする。
(事業計画及び資金計画)
第二条 農林漁業金融公庫は、前条の目的を達成するため、農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号。以下「公庫法」という。)第二十一条の規定により作成する事業計画及び資金計画の一部として代船建造等資金の融通に関する計画を定めなければならない。
(農林漁業金融公庫法の特例)
第三条 代船建造等資金の融通に関する公庫法の適用については、第一条の政令で定める漁具を取得するのに必要な資金は、公庫法第十八条第一項五号の二に掲げる資金とみなす。
第四条 代船建造等資金の貸付の利率は、公庫法第十八条第二項の規定にかかわらず、年五分五厘とする。但し、捕獲、だ捕又は抑留された漁船が帰還した場合においては、帰還した日以後における当該融資残高に対する利率に限り、年七分五厘とすることができる。
(貸付申請期限)
第五条 この法律により代船建造等資金の貸付をすることができるのは、昭和二十九年四月三十日までに農林漁業金融公庫に対し貸付の申請をした者に貸し付ける場合に限るものとする。但し、政令で定める者については、政令で定める日までその申請期限を延期することができる。
(都道府県の利子補給)
第六条 都道府県は、代船建造等資金の融通を受ける漁業者に対し、当該資金の利子の一部を補給することができる。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
(大蔵・農林・内閣総理大臣署名)