特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部を改正する法律
法律第三十九号(平一〇・四・一〇)特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第六号中「財産が」を「財産(当該債務者に対する当該債権の担保として第三者から提供を受けている不動産を含む。以下この号及び次号並びに第十二条第六号及び第七号において同じ。)が」に改める。
第六条第三項中「(第十三条第一項の規定により緊急金融安定化基金に充てた納付金の額を除く。)」を削る。
第八条中「及び第二十四条」を「、第十七条第二項及び第二十四条第二項」に、「場合においては、」を「場合における」に改め、「金額の」の下に「二分の一に相当する金額の合計額が、次に掲げる金額の合計額を超えるときは、その超える部分の金額に相当する金額の全部又は」を加え、「同条第二項」を「同項」に改め、同条に次の各号を加える。
一 第十二条第十号イ及びロに掲げる金額の合計額
二 この条の規定に基づき機構が債権処理会社に対して既に交付した助成金の額から第十二条第十号の規定により債権処理会社が機構に対して既に納付した金額を控除した金額
第十二条第七号の次に次の一号を加える。
七の二 債権処理会社は、前号に定めるものを除くほか、譲受債権等に係る債権の取立てを、あらかじめ機構の承認を受けて預金保険法附則第七条第一項第一号に規定する協定銀行に委託する場合を除き、弁護士以外の者に委託しないこと。
第十二条第十号を次のように改める。
十 債権処理会社は、毎事業年度、次に掲げる金額の当該事業年度の合計額が、第八条に規定する政令で定める金額の二分の一に相当する金額の当該事業年度の合計額を超えるときは、その超える部分の金額に相当する金額を、当該金額とこの号の規定により既に納付した金額との合計額が第七条第一項又は第八条の規定により交付された助成金の額の合計額に達するまでを限り、当該事業年度の終了後三月以内に機構に納付すること。
イ 第七条第一項に規定する特定住宅金融専門会社の債務処理に要する財源のうち第一号の契約により債権処理会社が支援するものについて同項の規定による助成金の交付を受けた場合において、譲受債権等のそれぞれにつきその取得価額を上回る金額で回収が行われたことその他の政令で定める事由により利益が生じたときにおける当該利益の金額として政令で定める金額
ロ 譲受債権等のそれぞれにつき第八条に規定する損失が生じた場合において、当該損失が生じた事業年度の翌事業年度以後に当該損失の生じた譲受債権等の全部又は一部の回収が行われたことその他の政令で定める事由により当該損失が減少をしたときにおける当該減少をした損失の金額として政令で定める金額に政令で定める割合を乗じて得た金額
第十二条第十一号を削る。
第十三条を次のように改める。
(債権処理会社からの納付金の処理)
第十三条 機構は、債権処理会社から前条第十号の規定による納付を受けたときは、政令で定めるところにより、当該納付を受けた金額に相当する金額を国庫に納付しなければならない。
第十七条中「含む。」の下に「次項において同じ。」を加え、同条に次の一項を加える。
2 機構の職員は、第三条第一項第六号に掲げる業務を行う場合において必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、当該債務者に対する譲受債権等に係る債権の担保として第三者から提供を受けている不動産(以下この項において「担保不動産」という。)に立ち入り、若しくは当該担保不動産の現況の確認をし、又は次に掲げる者に当該担保不動産について質問し、若しくは当該担保不動産に関する帳簿等の提示及び当該帳簿等についての説明を求めることができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、その居住者の承諾を得なければならない。
一 当該担保不動産の所有者及びその者から当該担保不動産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者
二 当該担保不動産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者
第十九条に次の一項を加える。
2 第十二条第七号の二に規定する協定銀行は、債権処理会社から同号の規定に基づき譲受債権等に係る債権の取立ての委託を受けたときは、債権処理会社のために自己の名をもって、当該委託を受けた債権の取立てに関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
第二十四条第二項中「に係る損失で」を「のそれぞれにつき」に、「ものが生じた場合には」を「損失が生じた場合における当該損失の金額として同条に規定する政令で定める金額の二分の一に相当する金額の合計額が、次に掲げる金額の合計額を超えるときは」に、「譲受債権等に係る損失の金額として同条に規定する政令で定める金額の二分の一」を「その超える部分の金額」に改め、同項に次の各号を加える。
一 第十二条第十号イ及びロに掲げる金額の合計額
二 この項の規定により政府が機構に対して既に交付した補助金の額の合計額から第十三条の規定により機構が既に国庫に納付した金額を控除した金額
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 改正後の特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(以下「新法」という。)第十二条第十号及び第十三条の規定は、それぞれ債権処理会社(同条に規定する債権処理会社をいう。以下同じ。)の平成十年四月一日の属する事業年度の直前の事業年度(次項において「適用開始年度」という。)以後の事業年度に係る債権処理会社から預金保険機構(以下「機構」という。)ヘの納付及び当該納付に係る機構から国庫への納付について適用する。
2 債権処理会社が、譲受債権等(改正前の特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(以下「旧法」という。)第八条に規定する譲受債権等をいう。)につき適用開始年度の開始の日からこの法律の施行の日までの間(以下この項において「経過期間」という。)に生じた旧法第十二条第十号に規定する利益について同号の規定により機構に納付をした金額がある場合には、機構は、当該納付を受けた金額のうち経過期間に生じた旧法第八条に規定する損失の金額として政令で定める金額の合計額の二分の一に相当する金額(当該金額が当該納付を受けた金額を超えるときは、当該納付を受けた金額に相当する金額)を債権処理会社に返還するものとする。
3 旧法第十二条第十号の規定により債権処理会社が機構に納付をした金額(前項の規定により機構が債権処理会社に返還をする金額がある場合には、当該返還をする金額を控除した金額)及び旧法第十三条第二項の規定により機構が国庫に納付をした金額は、それぞれ新法第十二条第十号の規定により債権処理会社が機構に納付をした金額及び新法第十三条の規定により機構が国庫に納付をした金額とみなす。
4 第二項の規定により債権処理会社に返還される金額がある場合における新法第十二条第十号及び第十三条の規定の適用に係る計算の特例は、政令で定める。
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(大蔵・内閣総理大臣署名)