海上運送法の一部を改正する法律

法律第百十三号(昭四五・六・一)

 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)の一部を次のように改正する。

 第四条第二号の次に次の一号を加える。

 二の二 当該事業の計画が輸送の安全を確保するため適切なものであること。

 第四条第六号中「港湾(河川を含む。)における」を削る。

 第十条の次に次の一条を加える。

 (運航管理規程等)

第十条の二 旅客定期航路事業者は、運航管理規程を作成し、省令の定める手続により、運輸大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも同様である。

2 運航管理規程は、省令の定める基準に従い、船舶の運航の管理に関する責任者(以下「運航管理者」という。)の選任等船舶の運航の管理の組織並びに実施の基準及び手続に関する事項その他輸送の安全を確保するため旅客定期航路事業者及び従業員が遵守すべき事項を定めたものでなければならない。

3 運輸大臣は、運航管理規程が前項の省令の定める基準に適合しないと認めるときは、当該旅客定期航路事業者に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

4 旅客定期航路事業者は、運航管理規程に基づき運航管理者を選任し、又は解任したときは、省令の定める手続により、運輸大臣にその旨を届け出なければならない。

5 運輸大臣は、運航管理者が運航管理規程に違反する等によりその職務を引き続き行なうことが輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、旅客定期航路事業者に対し、当該運航管理者を解任すべきことを命ずることができる。

6 運輸大臣は、前項の命令をしようとするときは、当該旅客定期航路事業者及び当該運航管理者に対し、あらかじめ期日及び場所を指定して、聴聞をしなければならない。これらの者は、聴聞の場所において、意見を述べ、及び証拠を提出することができる。

 第十一条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 第四条の規定は、前項の認可について準用する。

 第十九条の見出し中「改善」の下に「及び輸送の安全の確保」を加え、同条に次の一項を加える。

2 運輸大臣は、旅客定期航路事業者の事業について輸送の安全を阻害している事実があると認めるときは、当該旅客定期航路事業者に対し、輸送施設の改善、事業計画の変更、運航管理規程の遵守その他の輸送の安全を確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 第十九条の三第二項中「及び前二条」を「、第十九条第一項及び前条」に改める。

 第二十一条第二項中「、第四条(第二号、第三号及び第五号に係るものを除く。)」を削り、「、前項の許可」を「前項の許可について、第四条(第二号から第三号まで及び第五号に係るものを除く。)の規定は同項の自動車航送貨物定期航路事業の許可について、同条(第三号及び第五号に係るものを除く。)の規定は同項の旅客不定期航路事業の許可」に改める。

 第二十三条の四中「第十一条まで」を「第十条まで、第十一条」に改め、「及び旅客不定期航路事業」及び「、これらの規定の自動車航送貨物定期航路事業への準用については」を削り、「読み替える」を「、第十一条第二項中「第四条」とあるのは「第四条(第二号から第三号まで及び第五号に係るものを除く。)」と読み替える」に改め、同条に次の一項を加える。

2 第八条から第十一条まで、第十三条第二項、第十六条、第十九条第二項及び第十九条の二の規定は、旅客不定期航路事業について準用する。この場合において、第十一条第二項中「第四条」とあるのは、「第四条(第三号及び第五号に係るものを除く。)」と読み替えるものとする。

 第二十三条の五を第二十三条の六とし、第二十三条の四の次に次の一条を加える。

 (旅客の安全を害するおそれのある行為の禁止)

第二十三条の五 何人も、みだりに旅客定期航路事業若しくは旅客不定期航路事業に使用する船舶の操舵設備その他の運航のための設備又はこれらの船舶に係る旅客乗降用可動施設の作動装置を操作し、その他これらの船舶の旅客の安全を害するおそれのある行為で省令で定めるものをしてはならない。

 第四十八条第二号の次に次の一号を加える。

 二の二 第十条の二第一項又は第四項(第二十三条の四第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第四十八条の次に次の一条を加える。

第四十八条の二 第二十三条の五の規定に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。

 第四十九条第一号中「第十一条第二項」を「第十一条第三項」に改める。


   附 則

 この法律は、公布の日から起算して四月を経過した日から施行する。

(法務・運輸・内閣総理大臣署名) 

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