航空法の一部を改正する法律

法律第九十五号(昭四五・五・二三)

 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の一部を次のように改正する。

 第七十三条中「機長は」を「機長(機長に事故があるときは、機長に代わつてその職務を行なうべきものとされている者。以下同じ。)は」に改める。

 第七十三条の二の次に次の一条を加える。

 (安全阻害行為等の抑止の措置等)

第七十三条の三 機長は、航空機内にある者が、離陸のため当該航空機のすべての乗降口が閉ざされた時から着陸の後降機のためこれらの乗降口のうちいずれかが開かれる時までに、当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序をみだし、若しくは当該航空機内の規律に違反する行為をし、又はこれらの行為をしようとしていると信ずるに足りる相当な理由があるときは、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持のために必要な限度で、その者に対し拘束その他これらの行為を抑止するための措置をとり、又はその者を降機させることができる。

2 機長は、前項の規定に基づき拘束している場合において、航空機を着陸させたときは、拘束されている者が拘束されたまま引き続き搭乗することに同意する場合及びその者を降機させないことについてやむを得ない事由がある場合を除き、その者を引き続き拘束したまま当該航空機を離陸させてはならない。

3 航空機内にある者は、機長の要請又は承認に基づき、機長が第一項の措置をとることに対し必要な援助を行なうことができる。

4 機長は、航空機を着陸させる場合において、第一項の規定に基づき拘束している者があるとき、又は同項の規定に基づき降機させようとする者があるときは、できる限り着陸前に、拘束又は降機の理由を示してその旨を着陸地のもよりの航空交通管制機関に連絡しなければならない。

 第七十四条中「事項」の下に「(機長が前条第一項の措置をとることに対する必要な援助を除く。)」を加える。


   附 則

 この法律は、公布の日から起算して四月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

(法務・運輸・内閣総理大臣署名)

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