オリンピック記念青少年総合センター法
法律第四十五号(昭四〇・四・九)
目次
第一章 総則(第一条―第六条)
第二章 役員及び職員(第七条―第十六条)
第三章 評議員会(第十七条・第十八条)
第四章 業務(第十九条・第二十条)
第五章 財務及び会計(第二十一条―第三十一条)
第六章 監督(第三十二条・第三十三条)
第七章 雑則(第三十四条・第三十五条)
第八章 罰則(第三十六条・第三十七条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 オリンピック東京大会を記念し、この法律により、オリンピック記念青少年総合センターを設立する。
2 オリンピック記念青少年総合センター(以下「青少年総合センター」という。)は、その設置する青少年のための宿泊研修施設を適切に運営し、青少年の心身の発達を図り、もつて健全な青少年の育成に寄与することを目的とする。
(法人格)
第二条 青少年総合センターは、法人とする。
(事務所)
第三条 青少年総合センターは、事務所を東京都に置く。
(資本金)
第四条 青少年総合センターの資本金は、青少年総合センターの設立の際現に国の有する別表に掲げる不動産及び政令で定めるその他の財産の価格の合計額に相当する金額とし、政府がその全額を出資する。
2 政府は、必要があると認めるときは、青少年総合センターに追加して出資することができる。
3 青少年総合センターは、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
4 政府が出資の目的とする金銭以外の財産の価格は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価格とする。
5 評価委員その他前項に規定する評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(登記)
第五条 青少年総合センターは、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつで第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第六条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、青少年総合センターについて準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第七条 青少年総合センターに、役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事二人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第八条 理事長は、青少年総合センターを代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して青少年総合センターの業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。
3 監事は、青少年総合センターの業務を監査する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は文部大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第九条 理事長及び監事は、文部大臣が任命する。
2 理事は、理事長が文部大臣の認可を受けて任命する。
(役員の任期)
第十条 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十一条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長
二 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
(役員の解任)
第十二条 文部大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 文部大臣又は理事長は、をれぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、あらかじめ、文部大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十三条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、文部大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第十四条 青少年総合センターと理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が青少年総合センターを代表する。
(職員の任命)
第十五条 青少年総合センターの職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十六条 青少年総合センターの役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 評議員会
(評議員会)
第十七条 青少年総合センターに、評議員会を置く。
2 評議員会は、十五人以内の評議員で組織する。
3 次に掲げる事項については、理事長は、あらかじめ、評議員会の意見をきかなければならない。
一 業務方法書の変更
二 毎事業年度の事業計画及び予算
三 その他青少年総合センターの業務に関する重要事項
4 前項に規定する事項のほか、評議員会は、理事長の諮問に応じ、又は必要と認める事項について、理事長に意見を述べることができる。
(評議員)
第十八条 評議員は、青少年総合センターの業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命する。
2 第十条及び第十二条第二項の規定は、評議員について準用する。
第四章 業務
(業務)
第十九条 青少年総合センターは、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。
一 青少年のための宿泊研修施設を設置し、及び運営すること。
二 その設置する宿泊研修施設を利用して、青少年の心身の鍛練その他心身の健全な発達を図るため必要な業務を行なうこと。
三 オリンピック競技大会に関する内外の資料を収集し、整理し、保存し、及び利用に供すること。
四 前三号の業務に附帯する業務
2 青少年総合センターは、前項の業務を行なうほか、第一条の目的の達成に支障のない限り、その設置する宿泊研修施設を一般の利用に供することができる。
(業務方法書)
第二十条 青少年総合センターは、業務の開始の際、業務方法書を作成し、文部大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、文部省令で定める。
第五章 財務及び会計
(事業年度)
第二十一条 青少年総合センターの事業年度は、毎年四月一日に姶まり、翌年三月三十一日に終わる。
(事業計画等の認可)
第二十二条 青少年総合センターは、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、文部大臣の認可を受けなければならない。これに重要な変更を加えようとするときも、同様とする。
(決算)
第二十三条 青少年総合センターは、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表)
第二十四条 青少年総合センターは、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、監事の意見をつけて、決算完結後二月以内に文部大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 理事長は、財務諸表及び決算報告書に監事の意見をつけて、決算完結後一月以内に、これを評議員会に提出しなければならない。
3 青少年総合センターは、第一項の規定による文部大臣の承認を受けた財務諸表を事務所に備えておかなければならない。
(利益及び損失の処理)
第二十五条 青少年総合センターは、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 青少年総合センターは、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(借入金)
第二十六条 青少年総合センターは、文部大臣の認可を受けて、長期借入金又は短期借入金をすることができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、文部大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた矩期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
(償還計画)
第二十七条 青少年総合センターは、毎事業年度、長期借入金の償還計画をたてて、文部大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第二十八条 青少年総合センターは、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債その他文部大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行への預金又は郵便貯金
三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
(財産の処分等の制限)
第二十九条 青少年総合センターは、文部省令で定める重要な財産を譲り受け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、文部大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第三十条 青少年総合センターは、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、文部大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(文部省令への委任)
第三十一条 この法律に規定するもののほか、青少年総合センターの財務及び会計に関し必要な事項は、文部省令で定める。
第六章 監督
(監督)
第三十二条 青少年総合センターは、文部大臣が監督する。
2 文部大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、青少年総合センターに対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十三条 文部大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、青少年総合センターに対してその業務に関し報告をさせ、又はその職員に青少年総合センターの事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第七章 雑則
(解散)
第三十四条 青少年総合センターの解散については、別に法律で定める。
(大蔵大臣との協議)
第三十五条 文部大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第二十条第一項、第二十二条、第二十六条第一項若しくは第二項ただし書、第二十七条又は第二十九条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十四条第一項又は第三十条の規定による承認をしようとするとき。
三 第二十条第二項、第二十九条又は第三十一条の規定により文部省令を定めようとするとき。
四 第二十八条第一号の規定による指定をしようとするとき。
第八章 罰則
(罰則)
第三十六条 第三十三条第一項の規定による報告を求められて、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした青少年総合センターの役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
第三十七条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした青少年総合センターの役員は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により文部大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第五条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 第十九条に規定する業務以外の業務を行なったとき。
四 第二十八条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十二条第二項の規定による文部大臣の命令に違反したとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(青少年総合センターの設立)
第二条 文部大臣は、青少年総合センターの理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、青少年総合センターの成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
第三条 文部大臣は、設立委員を命じて、青少年総合センターの設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、青少年総合センターの設立の準備を完了したときは、遅滞なく、政府に対し、出資の目的たる財産の給付を求めなければならない。
3 設立委員は、出資の目的たる財産の給付があつた日において、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第三項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第五条 青少年総合センターは、設立の登記をすることによつて成立する。
(経過規定)
第六条 青少年総合センターの最初の事業年度は、第二十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十一年三月三十一日に終わるものとする。
第七条 青少年総合センターの最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十二条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「青少年総合センターの成立後遅滞なく」とする。
(金銭以外の財産の追加出資)
第八条 政府は、昭和四十一年三月三十一日までの間において第四条第二項の規定により青少年総合センターに出資するときは、金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。
(登録税の非課税)
第九条 青少年総合センターが第四条第一項又は同条第二項及び前条の規定により政府から出資を受けた不動産の所有権の取得又は保存の登記については、登録税を課さない。
(不動産取得税の非課税)
第十条 都道府県は、青少年総合センターが第四条第一項又は同条第二項及び附則第八条の規定により政府から不動産の出資を受けた場合には、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
(登録税法の一部改正)
第十一条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「国立教育会館」の下に「、オリンピック記念青少年総合センター」を、「国立教育会館法」の下に「、オリンピック記念青少年総合センター法」を加える。
(印紙税法の一部改正)
第十二条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ二ノ二中「又ハ国立教育会館」を「、国立教育会館又ハオリンピック記念青少年総合センター」に改める。
(地方税法の一部政正)
第十三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第三号中「国立教育会館」の下に「、オリンピック記念青少年総合センター」を加える。
第三百四十八条第二項第十八号の次に次の一号を加える。
十八の二 オリンピック記念青少年総合センターが直接青少年の研修の用に供する固定資産で政令で定めるもの
(地方財政再建促進特別措置法の一部改正)
第十四条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。
第二十四条第二項中「日本中小企業指導センター」の下に「、オリンピック記念青少年総合センター」を加える。
(所得税法の一部改正)
第十五条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中医療金融公庫の項の次に次のように加える。
オリンピック記念青少年総合センター |
オリンピック記念青少年総合センター法(昭和四十年法律第四十五号) |
(法人税法の一部改正)
第十六条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中医療金融公庫の項の次に次のように加える。
オリンピック記念青少年総合センター |
オリンピック記念青少年総合センター法(昭和四十年法律第四十五号) |
別表
一 土地
東京都渋谷区代々木山谷町三百四十六番地
所在
宅地 五万五千四百七十一・一六平方メートル
二 建物
東京都渋谷区代々木山谷町三百四十六番地
所在
鉄筋コンクリート造陸屋根付き四階建 九むね
鉄筋コンクリート造陸屋根付き二階建 一むね
総床面積 二万八千八百六十六・六三平方メートル
(法務・大蔵・文部・自治・内閣総理大臣署名)