法人税法
法律第三十四号(昭四〇・三・三一)
法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の全部を改正する。
目次
第一編 総則
第一章 通則(第一条―第三条)
第二章 納税義務者(第四条)
第三章 課税所得等の範囲(第五条―第十条)
第四章 所得の帰属に関する通則(第十一条・第十二条)
第五章 事業年度(第十三条―第十五条)
第六章 納税地(第十六条―第二十条)
第二編 内国法人の納税義務
第一章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
第一款 課税標準(第二十一条)
第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則(第二十二条)
第三款 益金の額の計算
第一目 受取配当等(第二十三条・第二十四条)
第二目 資産の評価益(第二十五条)
第三目 還付金等(第二十六条―第二十八条)
第四款 損金の額の計算
第一目 資産の評価及び償却費(第二十九条―第三十二条)
第二目 資産の評価損(第三十三条)
第三目 役員の報酬、賞与及び退職給与等(第三十四条―第三十六条)
第四目 寄付金(第三十七条)
第五目 租税公課(第三十八条―第四十一条)
第六目 圧縮記帳(第四十二条―第五十一条)
第七目 引当金(第五十二条―第五十六条)
第八目 繰越欠損金(第五十七条―第五十九条)
第九目 契約者配当等(第六十条・第六十一条)
第五款 収益及び費用の帰属事業年度の特例(第六十二条―第六十四条)
第六款 各事業年度の所得の金額の計算の細目(第六十五条)
第二節 税額の計算
第一款 税率(第六十六条・第六十七条)
第二款 税額控除(第六十八条―第七十条)
第三節 申告、納付及び還付等
第一款 中間申告(第七十一条―第七十三条)
第二款 確定申告(第七十四条・第七十五条)
第三款 納付(第七十六条―第七十八条)
第四款 還付(第七十九条―第八十一条)
第五款 更正の請求の特例(第八十二条)
第二章 退職年金積立金に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算(第八十三条―第八十六条)
第二節 税額の計算(第八十七条)
第三節 申告及び納付(第八十八条―第九十一条)
第三章 清算所得に対する法人税及び継続等の場合の課税の特例
第一節 解散の場合の清算所得に対する法人税
第一款 課税標準及びその計算(第九十二条―第九十八条)
第二款 税額の計算(第九十九条―第百一条)
第三款 申告、納付及び還付(第百二条―第百十条)
第二節 合併の場合の清算所得に対する法人税
第一款 課税標準及びその計算(第百十一条―第百十四条)
第二款 税額の計算(第百十五条)
第三款 申告及び納付(第百十六条・第百十七条)
第三節 継続等の場合の課税の特例(第百十八条―第百二十条)
第四章 青色申告(第百二十一条―第百二十八条)
第五章 更正及び決定(第百二十九条―第百三十七条)
第三編 外国法人の納税義務
第一章 国内源泉所得(第百三十八条―第百四十条)
第二章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算(第百四十一条・第百四十二条)
第二節 税額の計算(第百四十三条・第百四十四条)
第三節 申告、納付及び還付等(第百四十五条)
第四節 青色申告(第百四十六条)
節五節 更正及び決定(第百四十七条)
第四編 雑則(第百四十八条―第百五十八条)
第五編 罰則(第百五十九条―第百六十四条)
附則
第一編 総則
第一章 通則
(趣旨)
第一条 この法律は、法人税について、納税義務者、課税所得等の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 国内 この法律の施行地をいう。
二 国外 この法律の施行地外の地域をいう。
三 内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
四 外国法人 内国法人以外の法人をいう。
五 公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。
六 公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
七 協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。
八 人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
九 普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、人格のない社団等を含まない。
十 同族会社 次のいずれかに該当する会社をいう。
イ 株主等の三人以下及びこれらと政令で定める特殊の関係のある個人及び法人(以下この号において「同族関係者」という。)が有する株式の総数又は出資の金額の合計額がその会社の発行済株式の総数又は出資金額の百分の五十以上に相当する会社
ロ 株主等の四人及びこれらの同族関係者が有する株式の総数又は出資の金額の合計額がその会社の発行済株式の総数又は出資金額の百分の六十以上に相当する会社
ハ 株主等の五人及びこれらの同族関係者が有する株式の総数又は出資の金額の合計額がその会社の発行済株式の総数又は出資金額の百分の七十以上に相当する会社
十一 合併法人 合併後存続する法人又は合併により設立された法人をいう。
十二 被合併法人 合併により消滅した法人をいう。
十三 収益事業 販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいう。
十四 株主等 株主又は合名会社、合資会社若しくは有限会社の社員その他法人の出資者をいう。
十五 役員 法人の取締役、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定めるものをいう。
十六 資本等の金額 資本の金額又は出資金額と資本積立金額との合計額をいう。
十七 資本積立金額 次に掲げる金額のうち法人が留保している金額の合計額をいう。
イ 額面株式(出資を含む。)の発行価額のうちその額面をこえる部分の金額
ロ 無額面株式の発行価額のうち資本に組み入れなかつた金額
ハ 協同組合等その他政令で定める法人が新たにその出資者となる者から徴収した加入金の額
ニ 資本又は出資の減少により減少した資本の金額又は出資金額に相当する金額のうち株式の消却若しくは払戻し又は持分の払戻しとして交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額をこえる部分の金額
ホ 資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号)又は企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法(昭和二十九年法律第百四十二号)の規定により再評価積立金として積み立て、又はこれに組み入れた金額(同法第十八条の八(再評価積立金の資本準備金への組入れ)の規定により商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十八条ノ二(資本準備金)の資本準備金として積み立て、又はこれに組み入れた金額を含む。)
へ 合併差益金のうち被合併法人の資本積立金額及び合併減資益金から成る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
ト 財団である医療法人又は社団である医療法人で持分の定めがないものがその設立について贈与又は遺贈を受けた金銭の額又は金銭以外の資産の価額(相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第六十六条第四項(公益を目的とする事業を行なう法人に対する課税)の規定によりこれらの資産につき贈与税又は相続税を納付する場合には、その贈与税又は相続税の額に相当する金額を控除した金額)
十八 利益積立金額 イに掲げる金額がロに掲げる金額をこえる場合におけるそのこえる部分の金額をいう。この場合において、法人税(退職年金積立金に対する法人税、第三十八条第一項第二号(損金に算入される法人税)に掲げる法人税並びに延滞税及び利子税を除く。)として納付すべき金額並びに地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定により当該法人税に係る道府県民税及び市町村民税(都民税及びこれらの税に係る均等割を含む。)として納付すべき金額は、イに規定する留保している金額には、含まれない。
イ 次に掲げる金額のうち法人が留保している金額の合計額
(1) 各事業年度の所得の金額
(2) 第二十三条(受取配当等の益金不算入)、第二十六条(還付金等の益金不算入)又は第二十七条(合併差益金のうち被合併法人の利益積立金額から成る部分の益金不算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額
(3) 第五十七条から第五十九条まで(繰越欠損金の損金算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額
ロ 各事業年度の欠損金額の合計額(資本等の金額により補てんされた金額を除く。)
十九 合併差益金 イに掲げる金額がロに掲げる金額をこえる場合におけるそのこえる部分の金額をいう。
イ 合併法人が合併により被合併法人から取得した資産に附した帳簿価額からその合併により引継ぎを受けた債務に附した帳簿価額を控除した金額
ロ 合併法人のその合併直後の資本の金額又は出資金額のうちその合併により増加した部分の金額(合併法人が合併により設立された法人である場合には、その設立の時における資本の金額又は出資金額)に合併法人が被合併法人の株主等に対しその合併により交付した金銭の額並びに金銭及び交付株式等(その合併により被合併法人の株主等に交付される合併法人の株式又は出資をいう。)以外の資産の価額の合計額を加算した金額
二十 欠損金額 各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額が当該事業年度の益金の額をこえる場合におけるそのこえる部分の金額をいう。
二十一 たな卸資産 商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産(有価証券を除く。)でたな卸をすべきものとして政令で定めるものをいう。
二十二 有価証券 有価証券取引税法(昭和二十八年法律第百二号)第二条(定義)に規定する有価証券その他これに準ずるもので政令で定めるものをいう。
二十三 固定資産 土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権その他の資産で政令で定めるものをいう。
二十四 減価償却資産 建物、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。
二十五 繰延資産 法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもので政令で定めるものをいう。
二十六 損金経理 法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいう。
二十七 合同運用信託 信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。)が引き受けた金銭信託で、共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するものをいう。
二十八 証券投資信託 証券投資信託法(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第一項(定義)に規定する証券投資信託をいう。
二十九 公社債投資信託 証券投資信託のうち、その信託財産を公債又は社債(会社以外の法人が特別の法律により発行する債券を含む。)に対する投資として運用することを目的とするもので、株式又は出資に対する投資として運用しないものをいう。
三十 中間申告書 第七十一条第一項(中間申告)
(第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書をいう。
三十一 確定申告書 第七十四条第一項(確定申告)(第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十二 退職年金積立金中間申告書 第八十八条(退職年金積立金に係る中間申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十三 退職年金積立金確定申告書 第八十九条(退職年金積立金に係る確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十四 清算事業年度予納申告書 第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十五 残余財産分配予納申告書 第百三条第一項(残余財産の一部分配に係る予納申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十六 清算確定申告書 第百四条第一項(清算確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十七 合併確定申告書 第百十六条第一項(合併確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十八 期限後申告書 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十八条第二項(期限後申告書)に規定する期限後申告書をいう。
三十九 修正申告書 国税通則法第十九条第三項(修正申告書)に規定する修正申告書をいう。
四十 青色申告書 第百二十一条(青色申告)(第百四十六条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定により青色の申告書によつて提出する第三十号から第三十七号までに掲げる申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書をいう。
四十一 中間納付額 第七十六条(中間申告による納付)(第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額)をいう。
四十二 清算中の予納額 第百五条(清算中の所得に係る予納申告による納付)又は第百六条(残余財産の一部分配に係る予納申告による納付)の規定により納付すべき法人税の額(これらの規定に規定する申告書に係る期限後申告書の提出又はこれらの申告書の提出がなかつたことによる決定により納付すべき法人税の額を含むものとし、これらの額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額とする。)をいう。
四十三 更正 国税通則法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)の規定による更正をいう。
四十四 決定 第十九条(納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力)の場合を除き、国税通則法第二十五条(決定)の規定による決定をいう。
四十五 附帯税 国税通則法第二条第四号(定義)に規定する附帯税をいう。
四十六 充当 国税通則法第五十七条第一項(充当)の規定による充当をいう。
四十七 還付加算金 国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金をいう。
四十八 地方税 地方税法第一条第一項第十四号(用語)に規定する地方団体の徴収金(都、特別区及び全部事務組合のこれに相当する徴収金を含む。)をいう。
(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
第三条 人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第二を除く。)の規定を適用する。
第二章 納税義務者
(納税義務者)
第四条 内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を営む場合に限る。
2 外国法人は、第百三十八条(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を有するときは、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、外国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、当該国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有する場合に限る。
3 公共法人は、前二項の規定にかかわらず、法人税を納める義務がない。
第三章 課税所得等の範囲
(内国法人の課税所得の範囲)
第五条 内国法人に対しては、各事業年度の所得について各事業年度の所得に対する法人税を、清算所得について清算所得に対する法人税を課する。
(内国普通法人等の清算中の所得の非課税)
第六条 内国法人である普通法人又は協同組合等の清算中に生じた各事業年度の所得については、前条の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。ただし、これらの法人で清算中のものが継続し又は合併により消滅した場合におけるその清算中に生じた各事業年度の所得については、この限りでない。
(内国公益法人等の非収益事業所得等の非課税)
第七条 内国法人である公益法人等又は人格のない社団等の各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得及び清算所得については、第五条(内国法人の課税所得の範囲)の規定にかかわらず、それぞれ各事業年度の所得に対する法人税及び清算所得に対する法人税を課さない。
(退職年金業務を行なう内国法人の退職年金積立金の課税)
第八条 第八十四条第一項(退職年金積立金の額の計算)に規定する退職年金業務を行なう内国法人に対しては、第五条(内国法人の課税所得の範囲)の規定により課する法人税のほか、各事業年度の退職年金積立金について、退職年金積立金に対する法人税を課する。
(外国法人の課税所得の範囲)
第九条 外国法人に対しては、各事業年度の所得のうち第百四十一条各号(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得に係る所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課する。
(外国公益法人等の非収益事業所得の非課税)
第十条 外国法人である公益法人等又は人格のない社団等の前条に規定する所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得については、同条の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。
第四章 所得の帰属に関する通則
(実質所得者課税の原則)
第十一条 資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であつて、その収益を享受せず、その者以外の法人がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する法人に帰属するものとして、この法律の規定を適用する。
(信託財産に係る収入及び支出の帰属)
第十二条 信託財産に帰せられる収入及び支出については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。ただし、合同運用信託、証券投資信託又は第八十四条第一項(退職年金積立金の額の計算)に規定する適格退職年金契約に係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出については、この限りでない。
一 受益者が特定している場合 その受益者
二 受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者
2 信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。)の合同運用信託、証券投資信託又は第八十四条第一項に規定する適格退職年金契約に係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出は、当該信託会社の収入及び支出でないものとみなして、この法律の規定を適用する。
3 第一項の場合において、受益者が特定しているかどうか又は存在しているかどうかの判定に関し必要な事項は、政令で定める。
第五章 事業年度
(事業年度の意義)
第十三条 この法律において「事業年度」とは、営業年度その他これに準ずる期間(以下この章において「営業年度等」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄付行為、規則若しくは規約(以下この章において「定款等」という。)に定めるものをいい、法令又は定款等に営業年度等の定めがない場合には、次項の規定により納税地の所轄税務署長に届け出た営業年度等又は第三項の規定により納税地の所轄税務署長が指定した営業年度等若しくは第四項に規定する期間をいう。ただし、これらの期間が一年をこえる場合は、当該期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)をいう。
2 法令及び定款等に営業年度等の定めがない法人は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に掲げる日以後二月以内に、営業年度等を定めてこれを納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。
一 内国法人 設立の日(内国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を開始した日)
二 外国法人 第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日又は当該外国法人に該当しないで第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に規定する事業を国内において開始し、若しくは第百四十一条第四号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号に掲げる対価以外のものを有することとなつた日(外国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、第百四十一条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなつた日)
3 前項の規定による届出をすべき法人(人格のない社団等を除く。)がその届出をしない場合には、納税地の所轄税務署長は、その営業年度等を指定し、当該法人に対し、書面によりその旨を通知する。
4 第二項の規定による届出をすべき人格のない社団等がその届出をしない場合には、その人格のない社団等の営業年度等は、その年の一月一日(同項第一号に掲げる収益事業を開始した日又は同項第二号に掲げる国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなつた日の属する年については、これらの日)から十二月三十一日までの期間とする。
(みなし事業年度)
第十四条 次の各号に規定する法人が当該各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該各号に掲げる期間をそれぞれ当該法人の事業年度とみなす。
一 内国法人である普通法人又は協同組合等が事業年度の中途において解散(合併による解散を除く。)をした場合 その事業年度開始の日から解散の日までの期間及び解散の日の翌日からその事業年度の末日までの期間
二 法人が事業年度の中途において合併により消滅した場合 その事業年度開始の日から合併の日までの期間
三 清算中の法人の残余財産が事業年度の中途において確定した場合 その事業年度開始の日から残余財産の確定の日までの期間
四 内国法人である普通法人又は協同組合等で清算中のものが事業年度の中途において継続した場合 その事業年度開始の日から継続の日の前日までの期間及び継続の日からその事業年度の末日までの期間
五 第百四十一条各号(外国法人に係る法人税の課税標準)のうちいずれかの号に掲げる外国法人に該当する法人が事業年度の中途において当該各号のうち他のいずれかの号に掲げる外国法人に該当することとなつた場合(同条第二号及び第三号に掲げる外国法人のいずれにも該当していた法人がこれらのうちいずれか一にのみ該当することとなつた場合を含む。) その事業年度開始の日からその該当することとなつた日の前日までの期間及びその該当することとなつた日からその事業年度の末日までの期間
六 第百四十一条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が、事業年度の中途において、国内において新たに第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に規定する事業を開始し、又は当該事業を廃止した場合 その事業年度開始の日から当該事業の開始の日の前日又は当該事業の廃止の日までの期間及びこれらの日の翌日からその事業年度の末日までの期間(当該事業の開始の日の属する事業年度の中途において当該事業を廃止した場合には、その事業年度開始の日から当該事業の開始の日の前日までの期間、当該事業の開始の日から当該事業の廃止の日までの期間及び同日の翌日からその事業年度の末日までの期間)
(事業年度を変更した場合等の届出)
第十五条 法人がその定款等に定める営業年度等を変更し、又はその定款等において新たに営業年度等を定めた場合には、遅滞なく、その変更前の営業年度等及び変更後の営業年度等又はその定めた営業年度等を納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。
第六章 納税地
(内国法人の納税地)
第十六条 内国法人の法人税の納税地は、その本店又は主たる事務所の所在地とする。
(外国法人の納税地)
第十七条 外国法人の法人税の納税地は、次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる場所とする。
一 第百四十一条第一号から第三号まで(国内に恒久的施設を有する外国法人)に掲げる外国法人 その外国法人が国内において行なう事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地(これらが二以上ある場合には、主たるものの所在地)
二 前号に該当しない外国法人で、第百三十八条第三号(不動産の貸付け等の対価)に掲げる対価(船舶又は航空機の貸付けによるものを除く。)を受けるもの 当該対価に係る資産の所在地(その資産が二以上ある場合には、主たる資産の所在地)
三 前二号に該当しない外国法人 政令で定める場所
(納税地の指定)
第十八条 前二条の規定による納税地が法人の事業又は資産の状況からみて法人税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地の所轄国税局長(政令で定める場合には、国税庁長官。以下この条において同じ。)は、これらの規定にかかわらず、その法人税の納税地を指定することができる。
2 国税局長は、前項の規定により法人税の納税地を指定したときは、同項の法人に対し、書面によりその旨を通知する。
(納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力)
第十九条 国税通則法第七十六条第一項(異議申立て)の規定による異議申立てについての決定又は判決により、前条第一項の規定による納税地の指定の処分の取消しがあつた場合においても、その処分の取消しは、その取消しの対象となつた処分のあつた時からその取消しの時までの間に、その取消しの対象となつた納税地をその処分に係る法人の法人税の納税地としてその法人税に関してされた申告、申請、請求、届出その他書類の提出及び納付並びに国税庁長官、国税局長又は税務署長の処分(その取消しの対象となつた処分を除く。)の効力に影響を及ぼさないものとする。
(納税地の異動の届出)
第二十条 法人は、その法人税の納税地に異動があつた場合(第十八条第一項(納税地の指定)の指定によりその納税地に異動があつた場合を除く。)には、政令で定めるところにより、その異動前の納税地の所轄税務署長及び異動後の納税地の所轄税務署長にその旨を届け出なければならない。
第二編 内国法人の納税義務
第一章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
第一款 課税標準
(各事業年度の所得に対する法人税の課税標準)
第二十一条 内国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得の金額とする。
第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則
(各事業年度の所得の金額の計算)
第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4 前二項に規定する資本等取引とは、法人の資本等の金額の増加又は減少を生ずる取引及び法人が行なう利益又は剰余金の分配をいう。
第三款 益金の額の計算
第一目 受取配当等
(受取配当等の益金不算入)
第二十三条 内国法人が受ける次に掲げる金額(外国法人又は人格のない社団等から受けるものを除く。以下この条において「配当等の額」という。)は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
一 利益の配当又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。次号において同じ。)の額
二 公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配の額のうち、内国法人から受ける利益の配当又は剰余金の分配の額から成るものとして政令で定めるところにより計算した金額
2 前項の規定は、内国法人がその受ける配当等の額(次条第一項又は第二項の規定により、その内国法人が受ける配当等の額とみなされる金額を除く。以下この項において同じ。)の元本である株式等(株式、出資又は受益証券をいう。以下この条において同じ。)をその配当等の額の計算の基礎となつた期間の末日以前一月以内に取得し、かつ、当該株式等又は当該株式等と銘柄を同じくする株式等を同日後二月以内に譲渡した場合における当該譲渡した株式等のうち政令で定めるものの配当等の額については、適用しない。
3 第一項の場合において、同項の内国法人が当該事業年度において支払う負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)があるときは、同項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入しない金額の合計額は、その保有する株式等につき当該事業年度において受ける配当等の額の合計額から、当該負債の利子の額のうちその株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額とする。
4 第一項の規定は、確定申告書に益金の額に算入されない配当等の額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により益金の額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
5 税務署長は、第一項の規定により益金の額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項の規定を適用することができる。
(配当等の額とみなす金額)
第二十四条 法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。以下この条において同じ。)の株主等である内国法人が当該法人から次に掲げる金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額がその交付の基因となつた当該法人の株式(出資を含む。)を取得するために要した金額をこえるときは、この法律の規定の適用については、そのこえる部分の金額のうち、当該法人の資本等の金額から成る部分の金額以外の金額は利益の配当又は剰余金の分配の額とみなす。
一 当該法人の資本若しくは出資の減少又は株式の消却により交付される金銭その他の資産
二 当該法人からの退社又は脱退により持分の払戻しとして交付される金銭その他の資産
三 当該法人の解散により残余財産の分配として交付される金銭その他の資産
四 当該法人の合併により交付される金銭その他の資産
2 法人につき次の各号に掲げる事実が生じたときは、この法律の規定の適用については、当該各号に掲げる金額のうち当該法人の株主等である内国法人が当該各号に掲げる事実の発生の時において有する株式(出資を含むものとし、第一号の場合にあつては、消却されなかつた株式とする。)に対応する部分の金額は、利益の配当又は剰余金の分配の額とみなし、かつ、その内国法人が当該事実の発生の時において当該金額の交付を受けたものとみなす。
一 利益をもつてする株式の消却 その消却した株式に対応する資本の金額(当該金額がその消却に充てた利益の金額をこえる場合には、当該利益の金額)
二 利益積立金額の資本又は出資への組入れ 資本又は出資に組み入れた利益積立金額
三 解散により残余財産の一部を分配した後における継続又は合併による消滅 その分配が、まず、資本等の金額からされたものとした場合に計算される分配後の資本等の金額が、その継続又は合併に際し資本等の金額として当該法人の貸借対照表に計上されている金額に不足する場合におけるその不足額
3 第一項第一号から第三号までに掲げる金銭その他の資産の交付が二回以上にわたつて行なわれた場合における同項に規定する資本等の金額から成る部分の金額以外の金額の計算の方法その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二目 資産の評価益
(資産の評価益の益金不算入)
第二十五条 内国法人がその有する資産の評価換え(会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)の規定による更生手続開始の決定に伴い同法の規定に従つて行なう評価換えその他政令で定める評価換えを除く。)をしてその帳簿価額を増額した場合には、その増額した部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
2 前項の規定の適用があつた場合において、同項に規定する評価換えにより増額された金額を益金の額に算入されなかつた資産については、その評価換えをした日の属する事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上、当該資産の帳簿価額は、その増額がされなかつたものとみなす。
第三目 還付金等
(還付金等の益金不算入)
第二十六条 内国法人が次に掲げるものの還付を受け、又はその還付を受けるべき金額を未納の国税若しくは地方税に充当される場合には、その還付を受け又は充当される金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
一 第三十八条(法人税額等の損金不算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないもの
二 第七十九条(確定申告による所得税額等の還付)、第百二十条(継続等の場合の所得税額等の還付)、第百三十三条(確定申告に係る更正による所得税額等の還付)又は第百三十七条(継続等の場合の更正による所得税額等の還付)の規定による還付金
2 内国法人が第七十条第一項から第三項まで(外国税額の控除)の規定の適用を受けた後において、これらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となつた同条第一項に規定する外国法人税の額が減額された場合には、その減額された部分の金額(政令で定める金額を除く。)は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
(合併差益金のうち被合併法人の利益積立金額から成る部分の益金不算入)
第二十七条 内国法人が合併した場合において、その合併に係る合併法人につき合併差益金が生じたときは、その合併差益金のうちその合併に係る被合併法人の利益積立金額から成る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、その合併法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
(法人税額から控除する外国子会社の外国税額の益金算入)
第二十八条 内国法人が各事業年度において第七十条第四項(外国税額の控除)に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額につき同項の規定の適用を受ける場合には、同項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、その内国法人の政令で定める事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
第四款 損金の額の計算
第一目 資産の評価及び償却費
(たな卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)
第二十九条 内国法人のたな卸資産につき第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる当該事業年度終了の時において有するたな卸資産の価額は、その内国法人がたな卸資産について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
2 前項の選定をすることができる評価の方法の種類、その選定の手続その他たな卸資産の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(有価証券の譲渡原価等の計算及びその評価の方法)
第三十条 内国法人の有価証券につき第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる当該事業年度終了の時において有する有価証券の価額は、その内国法人が有価証券について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
2 前項の選定をすることができる評価の方法の種類、その選定の手続その他有価証券の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)
第三十一条 内国法人の減価償却資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(損金経理により償却に係る引当金勘定に繰り入れた金額がある場合には、当該金額を加算した金額)のうち、その内国法人が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかつた場合には、償却の方法のうち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額とする。
2 前項に規定する償却費として損金経理をした金額には、同項に規定する減価償却資産につき当該事業年度前の各事業年度において償却費として損金経理をした金額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとする。
3 第一項の選定をすることができる償却の方法の種類、その選定の手続その他減価償却資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。
(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)
第三十二条 内国法人の繰延資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(損金経理により償却に係る引当金勘定に繰り入れた金額がある場合には、当該金額を加算した金額)のうち、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額とする。
2 前項に規定する償却費として損金経埋をした金額には、同項に規定する繰延資産につき当該事業年度前の各事業年度において償却費として損金経理をした金額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとする。
3 前二項に定めるもののほか、繰延資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。
第二目 資産の評価損
(資産の評価損の損金不算入等)
第三十三条 内国法人がその有する資産の評価換えをしてその帳簿価額を減額した場合には、その減額した部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2 内国法人の有する資産(預金、貯金、貸付金、売掛金その他の債権を除く。)につき災害による著しい損傷その他の政令で定める事実が生じたことにより、当該資産の価額がその帳簿価額を下ることとなつた場合において、その内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、その減額した部分の金額のうち、その評価換えの直前の当該資産の帳簿価額とその評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額との差額に達するまでの金額は、前項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3 第一項の規定の適用があつた場合において、同項に規定する評価換えにより減額された金額を損金の額に算入されなかつた資産については、その評価換えをした日の属する事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上、当該資産の帳簿価額は、その減額がされなかつたものとみなす。
第三目 役員の報酬、賞与及び退職給与等
(過大な役員報酬の損金不算入)
第三十四条 内国法人がその役員に対して支給する報酬の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2 前項に規定する報酬とは、役員に対する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)のうち、次条第四項に規定する賞与及び退職給与以外のものをいう。
(役員賞与等の損金不算入)
第三十五条 内国法人がその役員に対して支給する賞与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2 内国法人が、各事業年度においてその使用人としての職務を有する役員に対し、当該職務に対する賞与を他の使用人に対する賞与の支給時期に支給する場合において、当該職務に対する賞与の額につき当該事業年度において損金経理をしたときは、その損金経理をした金額のうち当該職務に対する相当な賞与の額として政令で定める金額に達するまでの金額は、前項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3 内国法人が、各事業年度においてその使用人に対し賞与を支給する場合において、その賞与の額につきその確定した決算において利益又は剰余金の処分による経理(利益積立金額をその支給する賞与に充てる経理を含む。)をしたときは、その経理をした金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
4 前三項に規定する賞与とは、役員又は使用人に対する臨時的な給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)のうち、他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額(利益に一定の割合を乗ずる方法により算定されることとなつているものを除く。)を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの及び退職給与以外のものをいう。
5 第二項に規定する使用人としての職務を有する役員とは、役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいう。
(過大な役員退職給与の損金不算入)
第三十六条 内国法人が各事業年度においてその退職した役員に対して支給する退職給与の額のうち、当該事業年度において損金経理をしなかつた金額及び損金経理をした金額で不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
第四目 寄付金
(寄付金の損金不算入)
第三十七条 内国法人が、各事業年度において寄付金を支出した場合において、その寄付金の額につきその確定した決算において利益又は剰余金の処分による経理(利益積立金額をその支出した寄付金に充てる経理を含む。)をしたときは、その経理をした金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2 内国法人が各事業年度において支出した寄付金の額(前項の規定の適用を受けた寄付金の額を除く。次項において同じ。)の合計額のうち、その内国法人の資本等の金額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「損金算入限度額」という。)をこえる部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3 前項の場合において、同項に規定する寄付金の額のうちに次の各号に規定する寄付金の額があるときは、当該各号に規定する寄付金の額の合計額は、同項に規定する寄付金の額の合計額に算入しない。ただし、内国法人である公益法人等が支出した第三号に規定する寄付金の額については、この限りでない。
一 国又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港務局を含む。以下この号において同じ。)に対する寄付金で国又は地方公共団体がその行政目的のために直接供する施設に充てるためのものの額の合計額
二 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条(公益法人の設立)の規定により設立された法人その他公益を目的とする事業を行なう法人又は団体に対する寄付金(当該法人の設立のためにされる寄付金その他の当該法人の設立前においてされる寄付金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより大蔵大臣が指定したものの額の合計額
イ 広く一般に募集されること。
ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。
三 科学技術又は教育の振興に寄与する法人として政令で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄付金(前号に規定する寄付金に該当するものを除く。)の額の合計額(当該合計額が当該事業年度に係る損金算入限度額をこえる場合には、当該損金算入限度額に相当する金額)
4 内国法人である公益法人等がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄付金の額とみなして、第二項の規定を適用する。
5 前各項に規定する寄付金の額は、寄付金、きよ出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。以下この条において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。
6 内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄付金の額に含まれるものとする。
7 第三項の規定は、確定申告書に、第二項に規定する寄付金の額の合計額に算入されない第三項各号に掲げる金額の記載があり、かつ、同項各号に規定する寄付金の明細書その他大蔵省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により第二項に規定する寄付金の額の合計額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
8 税務署長は、第三項の規定により第二項に規定する寄付金の額の合計額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項の記載又は書類の添附がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添附がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載又は書類の添附がなかつた金額につき第三項の規定を適用することができる。
9 大蔵大臣は、第三項第二号の指定をしたときは、これを告示する。
第五目 租税公課
(法人税額等の損金不算入)
第三十八条 内国法人が納付する法人税の額は、次に掲げる法人税の額を除き、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 退職年金積立金に対する法人税(延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税を除く。)
二 国税通則法第三十五条第二項(修正申告等による納付)の規定により納付すべき金額のうち同法第十九条第四項第三号ハ(修正申告により納付すべき還付加算金相当額)又は第二十八条第二項第三号ハ(更正により納付すべき還付加算金相当額)に掲げる金額に相当する法人税(延滞税を除く。)
三 第七十五条第七項(確定申告期限の延長の場合の利子税)又は第七十八条第三項(延納の場合の利子税)の規定による利子税
2 内国法人が納付する次に掲げるものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 相続税法第六十六条第四項(公益を目的とする事業を行なう法人に対する課税)の規定による贈与税及び相続税
二 法人税以外の国税に係る延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税
三 地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含むものとし、退職年金積立金に対する法人税に係るものを除く。)
四 地方税法の規定による延滞金(同法第十五条の三(道府県民税又は市町村民税の法人税割等の徴収猶予)の規定による徴収の猶予をされた期間につき徴収されるものを除く。)、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金
五 罰金及び科料(通告処分による罰金又は科料に相当するものを含む。)並びに過料
(第二次納税義務に係る納付税額の損金不算入等)
第三十九条 内国法人が次に掲げる国税又は地方税を納付し又は納入したことにより生じた損失の額(その納付又は納入に係る求償権につき生じた損失の額を含む。以下この条において同じ。)は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第三十五条から第三十九条まで(同族会社の第二次納税義務等)又は第四十一条第一項(人格のない社団等に係る第二次納税義務)の規定により納付すべき国税(その滞納処分費を含む。以下この条において同じ。)
二 地方税法第十一条の四から第十一条の八まで(同族会社の第二次納税義務等)又は第十二条の二第二項(人格のない社団等に係る第二次納税義務)の規定により納付し又は納入すべき地方税
2 第二十四条第一項第三号(解散の場合のみなし配当)の規定により利益の配当又は剰余金の分配の額とみなされた金額で第二十三条第一項(受取配当等の益金不算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつたものがある内国法人が、そのみなされた金額に係る残余財産の分配をした法人に関し、次に掲げる国税又は地方税を納付し又は納入したことにより生じた損失の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。ただし、当該国税又は地方税の額が当該益金の額に算入されなかつた金額をこえる場合は、その損失の額のうちそのこえる部分の金額に相当する金額については、この限りでない。
一 国税徴収法第三十四条(清算人等の第二次納税義務)の規定により納付すべき国税
二 地方税法第十一条の三(清算人等の第二次納税義務)の規定により納付し又は納入すべき地方税
(法人税額から控除する所得税額の損金不算入)
第四十条 内国法人が第六十八条第一項(所得税額の控除)に規定する所得税の額につき同項又は第七十九条第一項(確定申告による所得税額等の還付)若しくは第百三十三条第一項(確定申告に係る更正による所得税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、これらの規定による控除又は還付をされる金額に相当する金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
(法人税額から控除する外国税額の損金不算入)
第四十―条 内国法人が第七十条第一項(外国税額の控除)に規定する外国法人税の額につき同条又は第七十九条第一項(確定申告による所得税額等の還付)若しくは第百三十三条第一項(確定申告に係る更正による所得税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、当該外国法人税の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
第六目 圧縮記帳
(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十二条 内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金その他政令で定めるこれに準ずるもの(以下この条において「国庫補助金等」という。)の交付を受け、当該事業年度においてその国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合に限る。)において、その固定資産につき、当該事業年度において、その取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 内国法人が、各事業年度において国庫補助金等の交付に代わるべきものとして固定資産の交付を受けた場合において、その固定資産につき、当該事業年度において、その固定資産の価額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3 前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
(国庫補助金等に係る特別勘定の金額の損金算入)
第四十三条 内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための前条第一項に規定する国庫補助金等(以下この条において「国庫補助金等」という。)の交付を受ける場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定していない場合に限る。)において、当該事業年度の確定した決算においてその国庫補助金等の額に相当する金額以下の金額を特別勘定として経理したときは、その経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の特別勘定を設けている内国法人は、同項の国庫補助金等について返還すべきこと又は返還を要しないことが確定した場合その他政令で定める場合には、その国庫補助金等に係る特別勘定の金額のうち政令で定めるところにより計算した金額を取りくずさなければならない。
3 前項の規定により取りくずすべきこととなつた特別勘定の金額又は同項の規定に該当しないで取りくずした特別勘定の金額は、それぞれその取りくずすべきこととなつた日又は取りくずした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4 第一項の規定は、確定申告書に同項に規定する経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6 第一項の特別勘定を設けている内国法人が合併により消滅した場合には、その合併の日における当該特別勘定の金額でその合併に係る合併法人に引き継がれたものは、その合併法人が同項の規定により設けている特別勘定の金額とみなす。
(特別勘定を設けた場合の国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十四条 前条第一項の特別勘定の金額(既に取りくずすべきこととなつたものを除く。)を有する内国法人が同項の国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をし、かつ、その取得又は改良をした日の属する事業年度以後の事業年度においてその取得又は改良に充てた国庫補助金等の全部又は一部の返還を要しないことが確定した場合において、その固定資産につき、その確定した日の属する事業年度において、同日における当該特別勘定の金額のうちその返還を要しないことが確定した国庫補助金等に係るものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十五条 次に掲げる事業を営む内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において当該事業に必要な施設を設けるため電気、ガス若しくは水の需要者又は地方鉄道若しくは軌道の利用者その他その施設によつて便益を受ける者(以下この条において「受益者」という。)から金銭又は資材の交付を受け、当該事業年度においてその金銭又は資材をもつてその施設を構成する固定資産を取得した場合において、その固定資産につき、当該事業年度において、その交付を受けた金銭の額又は資材の価額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項(定義)に規定する一般電気事業
二 ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第二条第一項(定義)に規定するガス事業
三 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項(定義)に規定する水道事業
四 地方鉄道法(大正八年法律第五十二号)第十二条第一項(事業の免許)に規定する地方鉄道業
五 軌道法(大正十年法律第七十六号)第一条第一項(軌道法の適用対象)に規定する軌道を敷設して行なう運輸事業
2 前項各号に掲げる事業を含む内国法人が、各事業年度において当該各号に掲げる事業に係る受益者から当該事業に必要な施設を構成する固定資産の交付を受けた場合において、その固定資産につき、当該事業年度において、その固定資産の価額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3 前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十六条 協同組合等のうち出資を有しないものが、各事業年度においてその組合員又は会員に対しその事業の用に供する固定資産の取得又は改良に充てるための費用を賦課し、当該事業年度においてその賦課に基づいて納付された金額(以下この項において「納付金」という。)をもつてその事業の用に供する固定資産の取得又は改良をした場合において、その固定資産につき、当該事業年度において、その取得又は改良に充てた納付金に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十七条 内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度においてその有する固定資産の滅失又は損壊により保険金、共済金又は損害賠償金で政令で定めるもの(以下この条において「保険金等」という。)の支払を受け、当該事業年度においてその保険金等をもつてその滅失をした固定資産に代替する同一種類の固定資産(以下この条において「代替資産」という。)の取得をし、又はその損壊をした固定資産若しくは代替資産となるべき資産の改良をした場合において、これらの固定資産につき、当該事業年度において、その取得又は改良に充てた保険金等に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 内国法人が、各事業年度においてその有する固定資産の滅失又は損壊による保険金等の支払に代わるべきものとして代替資産の交付を受けた場合において、その代替資産につき、当該事業年度において、その代替資産に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3 前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
(保険差益等に係る特別勘定の金額の損金算入)
第四十八条 前条第一項に規定する保険金等(以下この条において「保険金等」という。)の支払を受ける内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、その支払を受ける事業年度の翌事業年度開始の日から二年を経過した日の前日(災害その他やむを得ない事由により同日までに同項に規定する代替資産を取得することが困難である場合には、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長が指定した日)までの期間内にその保険金等をもつて同項に規定する取得又は改良をしようとする場合において、当該事業年度の確定した決算においてその取得又は改良に充てようとする保険金等に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額以下の金額を特別勘定として経理したときは、その経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の特別勘定を設けている内国法人は、前条第一項に規定する代替資産を取得した場合その他政令で定める場合には、その保険金等に係る特別勘定の金額のうち政令で定めるところにより計算した金額を取りくずさなければならない。
3 前項の規定により取りくずすべきこととなつた特別勘定の金額又は同項の規定に該当しないで取りくずした特別勘定の金額は、それぞれその取りくずすべきこととなつた日又は取りくずした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4 第一項の規定は、確定申告書に同項に規定する経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6 第一項の特別勘定を設けている内国法人が合併により消滅した場合には、その合併の日における当該特別勘定の金額でその合併に係る合併法人に引き継がれたものは、その合併法人が同項の規定により設けている特別勘定の金額とみなす。
(特別勘定を設けた場合の保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十九条 前条第一項の特別勘定の金額(既に取りくずすベきこととなつたものを除く。)を有する内国法人が、同項に規定する期間内に同項に規定する取得又は改良をした場合において、その取得又は改良に係る固定資産につき、その取得又は改良をした日の属する事業年度において、同日における当該特別勘定の金額のうちその取得又は改良に充てた保険金等に係るものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を政令で定める方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(交換により取得した資産の圧縮額の損金算入)
第五十条 内国法人(清算中のものを除く。)が、各事業年度において、一年以上有していた固定資産で次の各号に掲げるものをそれぞれ他の者が一年以上有していた固定資産で当該各号に掲げるもの(交換のために取得したと認められるものを除く。)と交換し、その交換により取得した当該各号に掲げる資産(以下この条において「取得資産」という。)をその交換により譲渡した当該各号に掲げる資産(以下この条において「譲渡資産」という。)の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合において、その取得資産につき、当該事業年度において、その交換により生じた差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額したときは、その減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一 土地(建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権を含む。)
二 建物(これに附属する設備及び構築物を含む。)
三 機械及び装置
四 船舶
五 鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む。)
2 前項の規定は、同項の交換の時における取得資産の価額と譲渡資産の価額との差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の百分の二十に相当する金額をこえる場合には、適用しない。
3 第一項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(特定の現物出資により取得した有価証券の圧縮額の損金算入)
第五十一条 内国法人(清算中のものを除く。)が、各事業年度において新たに法人(人格のない社団等を除く。)を設立するためその有する金銭以外の資産の出資(当該資産の出資その他当該設立のための出資によりその内国法人が有することとなる当該法人の株式の数又は出資の金額が当該法人の設立の時における発行済株式の総数又は出資金額の百分の九十五以上であることその他政令で定める要件を満たすものに限る。以下この項において「特定出資」という。)をした場合において、その特定出資により取得した株式(出資を含む。)につき、当該事業年度において、その特定出資により生じた差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額したときは、その減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第七目 引当金
(貸倒引当金)
第五十二条 青色申告書を提出する内国法人が、その有する売掛金、貸付金その他これらに準ずる債権(これらの債権のうち政令で定めるものを除く。以下この項において「貸金」という。)の貸倒れによる損失の見込額として、各事業年度において損金経理により貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、当該事業年度終了の時における貸金の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された貸倒引当金勘定の金額は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3 第一項の規定は、確定申告書に貸倒引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
5 内国法人が合併により消滅した場合において、第一項の規定によりその内国法人の合併の日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された貸倒引当金勘定の金額があるときにおける当該貸倒引当金勘定の金額の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
(返品調整引当金)
第五十三条 青色申告書を提出する内国法人で出版業その他政令で定める事業を営むもののうち、常時、その販売する当該事業に係るたな卸資産の大部分につき、当該販売の際の価額による買戻しに係る特約その他の政令で定める特約を結んでいるものが、当該たな卸資産の当該特約に基づく買戻しによる損失の見込額として、各事業年度において損金経理により返品調整引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、最近における当該たな卸資産の当該特約に基づく買戻しの実績を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された返品調整引当金勘定の金額は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3 第一項の規定は、確定申告書に返品調整引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
5 内国法人が合併により消滅した場合において、第一項の規定によりその内国法人の合併の日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された返品調整引当金勘定の金額があるときにおける当該返品調整引当金勘定の金額の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
(賞与引当金)
第五十四条 青色申告書を提出する内国法人が、その使用人及び第三十五条第五項(役員賞与等の損金不算入)に規定する使用人としての職務を有する役員に対して支給する同条第四項に規定する賞与(以下この項において「賞与」という。)に充てるため、各事業年度において損金経理により賞与引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、これらの者につき当該事業年度終了の日の属する年の前年において支給された賞与の額及び同日の属する年において同日までに支給された賞与の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された賞与引当金勘定の金額は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3 第一項の規定は、確定申告書に賞与引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
5 内国法人が合併により消滅した場合において、第一項の規定によりその内国法人の合併の日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された賞与引当金勘定の金額があるときにおける当該賞与引当金勘定の金額の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
(退職給与引当金)
第五十五条 青色申告書を提出する内国法人で政令で定める退職給与規程を定めているものが、その使用人の退職により支給する退職給与に充てるため、各事業年度において損金経理により退職給与引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、当該事業年度終了の時において在職する使用人の全員が自己の都合により退職するものと仮定して計算した場合に退職給与として支給されるべき金額の見積額のうち当該事業年度において増加したと認められる部分の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 退職給与引当金勘定の金額(前項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものに限るものとし、既にこの項の規定により取りくずすべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)を有する内国法人は、その使用人が退職した場合、青色申告書の提出の承認を取り消された場合その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、その退職給与引当金勘定の金額を取りくずさなければならない。
3 前項の規定により取りくずすべきこととなつた退職給与引当金勘定の金額又は同項の規定に該当しないで取りくずした退職給与引当金勘定の金額は、それぞれその取りくずすべきこととなつた日又は取りくずした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4 第一項の規定は、確定申告書に退職給与引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6 退職給与引当金勘定の金額を有する内国法人が合併により消滅した場合には、その合併の日における当該退職給与引当金勘定の金額でその合併に係る合併法人に引き継がれたものは、その合併法人がその合併の日において有する退職給与引当金勘定の金額とみなす。
7 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特別修繕引当金)
第五十六条 青色申告書を提出する内国法人が、その有する固定資産のうち、船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第五条第一項第一号(船舶の施設等の検査)の規定による定期検査を受けなければならない船舶その他周期的に大規模な修繕を要し、かつ、その周期が相当の期間にわたると認められるものとして政令で定める固定資産について行なう修繕(政令で定める修繕に限る。以下この条において「特別の修繕」という。)に要する費用に充てるため、各事業年度において当該資産につき損金経理により特別修繕引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、当該資産につき最近において行なつた特別の修繕のために要した費用(その内国法人が当該資産につき特別の修繕を行なつたことがない場合には、当該資産に類似する他の固定資産につき最近において行なわれた特別の修繕のために要した費用)の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 特別修繕引当金勘定の金額(前項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものに限るものとし、既にこの項の規定により取りくずすべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)を有する内国法人は、その特別修繕引当金勘定を設けられた資産について特別の修繕に要する費用を支出する場合、当該資産について特別の修繕が完了した場合、青色申告書の提出の承認を取り消された場合その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、当該資産についての特別修繕引当金勘定の金額を取りくずさなければならない。
3 前項の規定により取りくずすべきこととなつた特別修繕引当金勘定の金額又は同項の規定に該当しないで取りくずした特別修繕引当金勘定の金額は、それぞれその取りくずすべきこととなつた日又は取りくずした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4 第一項の規定は、確定申告書に特別修繕引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6 特別修繕引当金勘定の金額を有する内国法人が合併により消滅した場合には、その合併の日における当該特別修繕引当金勘定の金額でその合併に係る合併法人に引き継がれたものは、その合併法人がその合併の日において有する特別修繕引当金勘定の金額とみなす。
第八目 繰越欠損金
(青色申告書を提出する法人の繰越欠損金の損金算入)
第五十七条 青色申告書である確定申告書を提出する内国法人の各事業年度開始の日前五年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(この項の規定により当該各事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十一条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該欠損金額に相当する金額が本文の規定を適用しないものとして計算した場合における当該各事業年度の所得の金額をこえる場合は、そのこえる部分の金額については、この限りでない。
2 前項の規定は、同項の内国法人が欠損金額の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
(青色申告書を提出しない法人の災害による繰越損失金の損金算入)
第五十八条 前条第一項の規定の適用がない場合においても、確定申告書を提出する内国法人の各事業年度開始の日前五年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(前条第一項の規定により当該各事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十一条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)のうち、たな卸資産、固定資産又は政令で定める繰延資産について震災、風水害、火災その他政令で定める災害により生じた損失に係るもので政令で定めるものがあるときは、当該政令で定める欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該欠損金額に相当する金額が本文及び前条第一項の規定を適用しないものとして計算した場合における当該各事業年度の所得の金額をこえる場合は、そのこえる部分の金額については、この限りでない。
2 前項の規定は、同項の内国法人が同項に規定する損失の生じた事業年度について当該損失の額の計算に関する明細を記載した確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
(資産整理に伴う私財提供等があつた場合の欠損金の損金算入)
第五十九条 内国法人について商法の規定による整理開姶の命令があつたことその他これに準ずる政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人が、当該事実が生じたことに伴いその役員若しくは株主等である者若しくはこれらであつた者から金銭その他の資産の贈与を受け、又は当該事実の生じた時においてその内国法人に対し政令で定める債権を有する者から当該債権につき債務の免除を受けるときは、その受ける日の属する事業年度前の事業年度において生じた欠損金額で政令で定めるものに相当する金額のうち、その贈与を受けた金銭の額及び金銭以外の資産の価額並びにその債務の免除を受けた金額の合計額(当該合計額がこの項の規定を適用しないものとして計算した場合における同日の属する事業年度の所得の金額をこえる場合には、そのこえる部分の金額を控除した金額)に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する金額の損金算入に関する明細の記載があり、かつ、大蔵省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載又は書類の添附がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添附がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第九目 契約者配当等
(相互会社である保険会社の契約者配当の損金算入)
第六十条 保険業法(昭和十四年法律第四十一号)に規定する相互会社である保険会社が各事業年度において保険契約に基づき保険契約者に対して分配する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2 前項の規定は、確定申告書に同項に規定する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)
第六十一条 協同組合等が各事業年度において支出する次に掲げる金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一 その組合員その他の構成員に対しその者が当該事業年度中に取り扱つた物の数量、価額その他その協同組合等の事業を利用した分量に応じて分配する金額
二 その組合員その他の構成員に対しその者が当該事業年度中にその協同組合等の事業に従事した程度に応じて分配する金額
2 前項の規定は、確定申告書に同項各号に掲げる金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第五款 収益及び費用の帰属事業年度の特例
(割賦販売に係る収益及び費用の帰属事業年度)
第六十二条 内国法人が、各事業年度においてたな卸資産の割賦販売をした場合において、当該事業年度において割賦販売をしたすべてのたな卸資産に係る収益の額及び費用の額につき、当該事業年度以後の各事業年度の確定した決算において政令で定める割賦基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、本文の規定の適用を受けることとなつた事業年度以後の事業年度において割賦販売をしたたな卸資産の全部又は一部に係る収益の額及び費用の額につき、当該各事業年度のうちいずれかの事業年度において、その確定した決算において当該割賦基準の方法により経理しなかつたことその他政令で定める事由が生じた場合は、その事由が生じた事業年度以後の事業年度については、この限りでない。
2 前項の規定は、たな卸資産の割賦販売をした事業年度の確定申告書に、当該事業年度の確定した決算において同項に規定する割賦基準の方法により経理する金額及び当該事業年度後の各事業年度において当該割賦基準の方法により経理すべき金額の合計額の計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
4 第一項及び第二項に規定する割賦販売とは、次に掲げる要件に適合する販売条件を定型的に定めた約款に基づき当該販売条件により行なわれる販売をいう。
一 月賦、年賦その他の賦払の方法により三回以上に分割して対価の支払を受けること。
二 その販売の目的物の引渡しの期日の翌日から最後の賦払金の支払の期日までの期間が二月以上二年未満であること。
三 その他政令で定める要件
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける内国法人が合併により消滅した場合における同項に規定する割賦販売をしたたな卸資産に係る収益の額及び費用の額の処理の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(延払条件付譲渡等に係る収益及び費用の帰属事業年度)
第六十三条 内国法人が、各事業年度において資産の延払条件付譲渡又は工事(製造を含む。以下この条において同じ。)の延払条件付請負をした場合において、その延払条件付譲渡又は延払条件付請負(これらのうち損失が生じたものを除く。以下次項までにおいて同じ。)をした資産又は工事に係る収益の額及び費用の額につき、当該事業年度以後の各事業年度の確定した決算において政令で定める延払基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、当該資産又は工事に係る収益の額及び費用の額につき、その延払条件付譲渡又は延払条件付請負をした事業年度後のいずれかの事業年度の確定した決算において当該延払基準の方法により経理しなかつた場合は、その経理しなかつた決算に係る事業年度後の事業年度については、この限りでない。
2 前項の規定は、延払条件付譲渡又は延払条件付請負をした事業年度の確定申告書に、当該事業年度の確定した決算において同項に規定する延払基準の方法により経理する金額及び当該事業年度後の各事業年度において当該延払基準の方法により経理すべき金額の合計額の計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3 税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
4 第一項及び第二項に規定する延払条件付譲渡又は延払条件付請負とは、次に掲げる要件に適合する条件を定めた契約に基づき当該条件により行なわれる譲渡又は請負をいう。
一 月賦、年賦その他の賦払の方法により三回以上に分割して対価の支払を受けること。
二 その譲渡又は請負の目的物の引渡しの期日の翌日から最後の賦払金の支払の期日までの期間が二年以上であること。
三 その他政令で定める要件
5 前三項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける内国法人が合併により消滅した場合における同項に規定する延払条件付譲渡又は延払条件付請負をした資産又は工事に係る収益の額及び費用の額の処理の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(長期工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度)
第六十四条 内国法人が、各事業年度において長期工事の請負に係る契約を締結した場合において、その請負(損失が生ずると見込まれるものを除く。)をした長期工事に係る収益の額及び費用の額につき、その長期工事の着手の日の属する事業年度(以下この項において「着工事業年度」という。)からその長期工事の目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の確定した決算において政令で定める工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、次の各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、当該各号に掲げる事業年度以後の事業年度については、この限りでない。
一 その長期工事に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度後のいずれかの事業年度の確定した決算において当該工事進行基準の方法により経理しなかつた場合 その経理しなかつた決算に係る事業年度の翌事業年度
二 その長期工事の請負につき損失が生ずると見込まれるに至つたことその他政令で定める事由が生じた場合 その事由が生じた日の属する事業年度
2 前項の請負をした長期工事に係る収益の額及び費用の額につき同項の規定の適用を受ける事業年度の確定申告書には、当該事業年度の確定した決算において同項に規定する工事進行基準の方法により経理する金額の計算に関する明細を記載した書類を添附しなければならない。
3 前二項に規定する長期工事とは、他の者の求めに応じて行なう工事(製造を含む。)で、その着手の日から当該他の者と締結した契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が一年以上であるものをいう。
4 前二項に定めるもののほか、第一項の規定の適用を受ける内国法人が合併により消滅した場合における同項に規定する長期工事に係る収益の額及び費用の額の処理の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六款 各事業年度の所得の金額の計算の細目
(各事業年度の所得の金額の計算の細目)
第六十五条 第二款から前款まで(所得の金額の計算)に定めるもののほか、各事業年度の所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節 税額の計算
第一款 税率
(各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第六十六条 内国法人である普通法人又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる税率を乗じて計算した金額の合計額とする。
一 年三百万円以下の金額 百分の三十一
二 年三百万円をこえる金額 百分の三十七
2 内国法人である公益法人等又は協同組合等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十六の税率を乗じて計算した金額とする。
3 事業年度が一年に満たない法人に対する第一項の規定の適用については、同項各号中「年三百万円」とあるのは、「三百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
4 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
(同族会社の特別税率)
第六十七条 内国法人である同族会社(同族会社であることについての判定の基礎となつた株主又は社員のうちに同族会社でない法人がある場合には、当該法人をその判定の基礎となる株主又は社員から除外して判定するものとした場合においても同族会社となるものに限る。以下この条において同じ。)の各事業年度の留保金額が留保控除額をこえる場合には、その同族会社に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、前条第一項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した法人税の額に、そのこえる部分の留保金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる割合を乗じて計算した金額の合計額を加算した金額とする。
一 年三千万円以下の金額 百分の十
二 年三千万円をこえ、年一億円以下の金額 百分の十五
三 年一億円をこえる金額 百分の二十
2 前項に規定する留保金額とは、次に掲げる金額の合計額(以下この条において「所得等の金額」という。)のうち留保した金額(当該事業年度の確定した決算において利益の処分による経理をした第三十五条第四項(賞与の意義)に規定する賞与のうちにその利益の処分の確定した日において当該賞与を受ける者ごとに債務の確定していないものがある場合における当該債務の確定していない賞与の額を含む。)から、当該事業年度の所得の金額につき前条第一項の規定により計算した法人税の額(次条から第七十条まで(所得税額等の控除)の規定により控除する金額がある場合には、当該金額を控除した金額)並びに当該法人税の額に係る地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額をいう。
一 当該事業年度の所得の金額
二 第二十三条(受取配当等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額
三 第二十六条(還付金等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額(同条第一項第一号の規定により益金の額に算入されなかつた金額のうち、第二条第十八号(定義)に規定する法人税並びに同号に規定する道府県民税及び市町村民税に係る部分の金額を除く。)
四 第五十七条から第五十九条まで(繰越欠損金の損金算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額
3 第一項に規定する留保控除額とは、次に掲げる金額のうち最も多い金額をいう。
一 当該事業年度の所得等の金額の百分の二十五に相当する金額
二 年百万円
三 当該事業年度終了の時における利益積立金額(当該事業年度の所得等の金額に係る部分の金額を除く。)がその時における資本の金額又は出資金額の百分の二十五に相当する金額に満たない場合におけるその満たない部分の金額に相当する金額
4 事業年度が一年に満たない同族会社に対する第一項及び前項の規定の適用については、第一項中「年三千万円」とあるのは「三千万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と、「年一億円」とあるのは「一億円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と、前項中「年百万円」とあるのは「百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
5 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6 第一項の場合において、会社が同項の同族会社に該当するかどうかの判定は、当該会社の当該事業年度終了の時の現況による。
第二款 税額控除
(所得税額の控除)
第六十八条 内国法人が各事業年度において所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する利子等、配当等、利益の分配又は報酬若しくは料金(以下この条において「利子及び配当等」という。)の支払を受ける場合には、これらにつき同法の規定により課される所得税の額は、当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
2 前項の規定は、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等が支払を受ける利子及び配当等で収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずるものにつき所得税法の規定により課される所得税の額については、適用しない。
3 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
4 税務署長は、第一項に規定する所得税の額の全部又は一部につき前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項の規定を適用することができる。
(みなし配当金額の一部の控除)
第六十九条 内国法人が各事業年度において受ける第二十四条第一項第三号又は第四号(解散又は合併の場合のみなし配当)に掲げる金銭その他の資産(外国法人から受けるものを除く。)につき同項の規定により利益の配当又は剰余金の分配の額とみなされる金額がある場合には、当該金額の百分の二十五に相当する金額は、当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
2 前項の規定は、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等が収益事業以外の事業に係る株式又は出資について受ける同項に規定する金銭その他の資産につき第二十四条第一項の規定により利益の配当又は剰余金の分配の額とみなされる金額がある場合における当該金額については、適用しない。
3 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
4 税務署長は、第一項に規定する百分の二十五に相当する金額の全部又は一部につき前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項の規定を適用することができる。
(外国税額の控除)
第七十条 内国法人が各事業年度において外国法人税(外国の法令により課される法人税に相当する税で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を納付することとなる場合には、当該事業年度の所得の金額につき第六十六条第一項又は第二項(各事業年度の所得に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した金額のうち、当該事業年度の所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国法人税の額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
2 内国法人が各事業年度において納付することとなる外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額をこえる場合において、当該事業年度開始の日前五年以内に開始した各事業年度(以下この条において「前五年以内の各事業年度」という。)の控除限度額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、そのこえる部分の金額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
3 内国法人が各事業年度において納付することとなる外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額に満たない場合において、その前五年以内の各事業年度において納付することとなつた外国法人税の額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越外国法人税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額から当該事業年度において納付することとなる外国法人税の額を控除した残額を限度として、その繰越外国法人税額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
4 内国法人が外国子会社(その発行済株式の総数又は出資金額の百分の二十五以上に相当する数又は金額の株式又は出資がその内国法人により所有されていることその他の政令で定める要件を備えている外国法人をいう。以下この条において同じ。)から受ける利益の配当又は剰余金の分配の額(以下この条において「配当等の額」という。)がある場合には、その外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額のうちその配当等の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額は、政令で定めるところにより、その内国法人が納付する外国法人税の額とみなして、前三項の規定を適用する。
5 内国法人が納付することとなつた外国法人税の額(前項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額のうち同項の規定によりその内国法人が納付するものとみなされる部分の金額を含む。)につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた後において当該外国法人税の額が減額された場合におけるこれらの規定の適用については、政令で定めるところによる。
6 前各項の規定は、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等が収益事業以外の事業若しくはこれに属する資産から生ずる所得について納付する外国法人税又は当該事業に係る株式若しくは出資につき外国子会社から受ける配当等の額については、適用しない。
7 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載があり、かつ、外国法人税を課されたことを証する書類その他大蔵省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
8 第二項及び第三項の規定は、繰越控除限度額又は繰越外国法人税額に係る事業年度のうち最も古い事業年度以後の各事業年度について当該各事業年度の控除限度額及び当該各事業年度において納付することとなつた外国法人税の額を記載した確定申告書を提出し、かつ、これらの規定の適用を受けようとする事業年度の確定申告書にこれらの規定による控除を受けるべき金額を記載するとともに、当該申告書に繰越控除限度額又は繰越外国法人税額の計算の基礎となるべき事項を記載した書類その他大蔵省令で定める書類を添附した場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額は、当該各事業年度の確定申告書に当該各事業年度の控除限度額及び当該各事業年度において納付することとなつた外国法人税の額として記載された金額を基礎として計算した金額を限度とする。
9 税務署長は、第一項から第三項までの規定による控除をされるべきこととなる金額又は前項に規定する控除限度額若しくは外国法人税の額の全部又は一部につき前二項の記載又は書類の添附がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添附がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載又は書類の添附がなかつた金額につき第一項から第三項までの規定を適用することができる。
第三節 申告、納付及び還付等
第一款 中間申告
(中間申告)
第七十一条 内国法人である普通法人(清算中のものを除く。)は、その事業年度(新たに設立された内国法人である普通法人のうち合併により設立されたもの以外のものの設立後最初の事業年度を除く。)が六月をこえる場合には、当該事業年度開始の日以後六月を経過した日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる金額が二万五千円以下である場合又は当該金額がない場合は、当該申告書を提出することを要しない。
一 当該事業年度の前事業年度の確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号(確定申告に係る法人税額)に掲げる金額で当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定したものを当該前事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額
二 前号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項の場合において、同項の普通法人が合併後存続する法人で次の各号に掲げる期間内にその合併をしたものであるときは、その普通法人が提出すべき当該事業年度の中間申告書については、同項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、同号の規定により計算した金額に相当する金額に当該各号に掲げる金額を加算した金額とする。
一 当該事業年度の前事業年度 被合併法人のその合併の日の属する事業年度の前事業年度の確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号に掲げる金額でその合併法人の当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定したもの(以下この条において「被合併法人の確定法人税額」という。)をその計算の基礎となつたその被合併法人の事業年度の月数で除し、これにその合併法人の前事業年度の月数のうちに占める当該前事業年度開始の日からその合併の日までの期間の月数の割合に六を乗じた数を乗じて計算した金額
二 当該事業年度開始の日から同日以後六月を経過した日の前前日までの期間 被合併法人の確定法人税額をその計算の基礎となつたその被合併法人の事業年度の月数で除し、これにその合併の日の翌日から当該六月を経過した日の前日までの期間の月数を乗じて計算した金額
3 第一項の場合において、同項の普通法人が合併により設立された法人であるときは、その普通法人が提出すべきその設立後最初の事業年度の中間申告書については、同項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、各被合併法人の確定法人税額をその計算の基礎となつたその被合併法人の事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額の合計額とする。
4 前三項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等)
第七十二条 中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人が当該事業年度開始の日以後六月の期間を一事業年度とみなして当該期間に係る課税標準である所得の金額又は欠損金額を計算した場合には、その普通法人は、その提出する中間申告書に、前条第一項各号に掲げる事項に代えて、次に掲げる事項を記載することができる。
一 当該所得の金額又は欠損金額
二 当該期間を一事業年度とみなして前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)(第六十七条(同族会社の特別税率)を除く。)の規定を適用するものとした場合に計算される法人税の額
三 前二号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項に規定する事項を記載した中間申告書には、同項に規定する期間の末日における貸借対照表、当該期間の損益計算書その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
3 第一項に規定する期間に係る課税標準である所得の金額又は欠損金額及び同項第二号に掲げる法人税の額の計算については、第一節第三款から第五款まで(課税標準の計算)(第五十七条第二項(青色申告書を提出する法人の繰越欠損金の損金算入の要件)及び第五十八条第二項(青色申告書を提出しない法人の災害による繰越損失金の損金算入の要件)を除く。)の規定中「確定申告書」とあるのは「中間申告書」と、「確定した決算」とあるのは「決算」と、前節第二款(税額控除)(第七十条第八項(繰越外国法人税額等の控除の要件)を除く。)の規定中「確定申告書」とあるのは「中間申告書」とする。
(中間申告書の提出がない場合の特例)
第七十三条 中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し第七十一条第一項各号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。
第二款 確定申告
(確定申告)
第七十四条 内国法人(清算中の内国法人である普通法人及び清算中の協同組合等を除く。)は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二 前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)の規定を適用して計算した法人税の額
三 第六十八条から第七十条まで(税額控除)の規定による控除をされるべき金額で前号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
四 その内国法人が当該事業年度につき中間申告書を提出した法人である場合には、第二号に掲げる法人税の額から当該申告書に係る中間納付額を控除した金額
五 前号に規定する中間納付額で同号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
六 前各号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項の規定による申告書には、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
(確定申告書の提出期限の延長)
第七十五条 前条第一項の規定による申告書を提出すべき内国法人が、災害その他やむを得ない理由により決算が確定しないため、当該申告書を同項に規定する提出期限までに提出することができないと認められる場合には、国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定によりその提出期限が延長された場合を除き、納税地の所轄税務署長は、その内国法人の申請に基づき、期日を指定してその提出期限を延長することができる。
2 前項の申請は、同項に規定する申告書に係る事業年度終了の日の翌日から四十五日以内に、当該申告書の提出期限までに決算が確定しない理由、その指定を受けようとする期日その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書をもつてしなければならない。
3 税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、その申請に係る理由が相当でないと認めるときは、その申請を却下することができる。
4 税務署長は、第二項の申請書の提出があつた場合において、第一項の提出期限の延長又は前項の却下の処分をするときは、その申請をした内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。
5 第二項の申請書の提出があつた場合において、第一項に規定する申告書に係る事業年度終了の日の翌日から二月以内に同項の提出期限の延長又は第三項の却下の処分がなかつたときは、その申請に係る指定を受けようとする期日を第一項の期日として同項の提出期限の延長がされたものとみなす。
6 第一項の規定の適用を受ける内国法人が同項に規定する申告書を同項の規定により指定された期日前に税務署長に提出した場合には、その提出があつた日をもつて同項の期日とされたものとみなす。
7 第一項の規定の適用を受ける内国法人は、同項に規定する申告書に係る事業年度の所得に対する法人税について、当該事業年度終了の日の翌日以後二月を経過した日から同項の規定により指定された期日までの期間に応じ、税額百円につき一日二銭の割合で計算した金額に相当する利子税をその計算の基礎となる法人税にあわせて納付しなければならない。
第三款 納付
(中間申告による納付)
第七十六条 中間申告書を提出した内国法人である普通法人は、当該申告書に記載した第七十一条第一項第一号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる金額(第七十二条第一項各号(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書を提出した場合には、同項第二号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(確定申告による納付)
第七十七条 第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書を提出した内国法人は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額(同項第四号の規定に該当する場合には、同号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(延納)
第七十八条 中間申告書又は第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書を提出した内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が前二条の規定により納付すべき税額の二分の一に相当する金額以上の法人税をこれらの申告書の提出期限までに国に納付したときは、その内国法人は、その残額についてその提出期限の翌日から三月間その納付を延期することができる。
2 前項の規定は、同項に規定する申告書を提出した内国法人が、当該申告書の提出期限までに、納税地の所轄税務署長に対し、前二条の規定により納付すべき税額、当該税額のうちその提出期限までに納付する金額その他大蔵省令で定める事項を記載した延納届出書を提出した場合に限り、適用する。
3 第一項の規定の適用を受ける内国法人は、その延納に係る法人税について、同項の規定による延納の期間に応じ、税額百円につき一日二銭の割合で計算した金額に相当する利子税をその延納に係る法人税にあわせて納付しなければならない。
第四款 還付
(所得税額等の還付)
第七十九条 確定申告書の提出があつた場合において、当該申告書に第七十四条第一項第三号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、当該申告書を提出した内国法人に対し、当該金額に相当する税額を還付する。
2 前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、前項の確定申告書の提出期限(当該申告書が期限後申告書である場合には、当該申告書を提出した日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
3 前項に定めるもののほか、第一項の還付の手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(中間納付額の還付)
第八十条 中間申告書を提出した内国法人である普通法人からその中間申告書に係る事業年度の確定申告書の提出があつた場合において、その確定申告書に第七十四条第一項第五号(中間納付額の控除不足額)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、その普通法人に対し、当該金額に相当する中間納付額を還付する。
2 税務署長は、前項の規定による還付金の還付をする場合において、同項の中間申告書に係る中間納付額について納付された延滞税又は利子税があるときは、これらの額のうち、同項の規定により還付される中間納付額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額をあわせて還付する。
3 第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の規定により還付をすべき中間納付額の納付の日(その中間納付額が同項の中間申告書の提出期限前に納付された場合には、その提出期限)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。ただし、同項の確定申告書が期限後申告書である場合には、当該申告書の提出期限の翌日からその提出された日までの日数は、当該期間に算入しない。
4 第一項の規定による還付金をその額の計算の基礎とされた中間納付額に係る事業年度の所得に対する法人税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を附さないものとし、その充当される部分の法人税については、延滞税及び利子税を免除するものとする。
5 第二項の規定による還付金については、還付加算金は、附さない。
6 第三項に定めるもののほか、第一項又は第二項の還付の手続、第一項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他同項又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(欠損金の繰戻しによる還付)
第八十一条 内国法人の青色申告書である確定申告書を提出する事業年度において生じた欠損金額がある場合(第四項の規定に該当する場合を除く。)には、その内国法人は、当該申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、当該欠損金額に係る事業年度(以下この条において「欠損事業年度」という。)開始の日前一年以内に開始したいずれかの事業年度の所得に対する法人税の額(附帯税の額を除くものとし、第六十八条から第七十条まで(税額控除)の規定により控除された金額がある場合には、当該金額を加算した金額とする。以下この条において同じ。)に、当該いずれかの事業年度(以下この条において「還付所得事業年度」という。)の所得の金額のうちに占める欠損事業年度の欠損金額(この条の規定により他の還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。第四項において同じ。)に相当する金額の割合を乗じて計算した金額に相当する法人税の還付を請求することができる。
2 前項の場合において、既に当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、その額からその適用により還付された金額を控除した金額をもつて当該法人税の額とみなし、かつ、当該還付所得事業年度の所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額をもつて当該還付所得事業年度の所得の金額とみなして、同項の規定を適用する。
3 第一項の規定は、同項の内国法人が還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合であつて、欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出した場合(税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、当該申告書をその提出期限後に提出した場合を含む。)に限り、適用する。
4 第一項及び第二項の規定は、内国法人につき解散、営業の全部の譲渡、会社更生法の規定による更生手続の開始その他これらに準ずる事実で政令で定めるものが生じた場合において、当該事実が生じた日前一年以内に終了したいずれかの事業年度又は同日の属する事業年度の欠損金額(第五十七条(青色申告書を提出する法人の繰越欠損金の損金算入)又は第五十八条(青色申告書を提出しない法人の災害による繰越損失金の損金算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを除く。)があるときについて準用する。この場合において、第一項中「当該申告書の提出と同時に」とあるのは「当該事実が生じた日以後一年以内に」と、「請求することができる。」とあるのは「請求することができる。ただし、還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合に限る。」と読み替えるものとする。
5 第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による還付の請求をしようとする内国法人は、その還付を受けようとする法人税の額、その計算の基礎その他大蔵省令で定める事項を記載した還付請求書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
6 税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、その請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした内国法人に対し、その請求に係る金額を限度として法人税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。
7 前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項(第四項において準用する場合を含む。)の規定による還付の請求がされた日(第一項の規定による還付の請求がされた日が同項に規定する確定申告書の提出期限前である場合には、その提出期限)の翌日以後三月を経過した日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
第五款 更正の請求の特例
(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)
第八十二条 確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第一号から第五号まで(確定申告書の記載事項)に掲げる金額につき、修正申告書を提出し、又は更正若しくは決定を受けた内国法人は、その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い次の各号に掲げる場合に該当することとなるときは、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日の翌日から一月以内に限り、税務署長に対し、当該各号に規定する金額につき国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求をすることができる。この場合においては、同条第二項に規定する更正請求書には、同項に規定する事項のほか、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日を記載しなければならない。
一 その修正申告書若しくは更正若しくは決定に係る事業年度後の事業年度の確定申告書に記載した、又は決定を受けた当該事業年度に係る第七十四条第一項第二号又は第四号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過大となる場合
二 その修正申告書若しくは更正若しくは決定に係る事業年度後の事業年度の確定申告書に記載した、又は決定を受けた当該事業年度に係る第七十四条第一項第一号に掲げる欠損金額又は同項第三号若しくは第五号に掲げる金額(これらの金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過少となる場合
第二章 退職年金積立金に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
(退職年金積立金に対する法人税の課税標準)
第八十三条 退職年金積立金に対する法人税の課税標準は、各事業年度の退職年金積立金の額とする。
(退職年金積立金の額の計算)
第八十四条 退職年金業務(適格退職年金契約に係る信託又は生命保険の業務をいう。以下この章において同じ。)を行なう内国法人の各事業年度の退職年金積立金の額は、当該事業年度開始の時における退職年金積立金額を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額とする。
2 前項に規定する退職年金積立金額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。
一 適格退職年金契約に係る信託の業務を行なう内国法人 各適格退職年金契約につき、当該契約に係る信託財産の価額から、当該契約に係る掛金の額のうちその信託の受益者が負担した部分の金額でその信託財産に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
二 適格退職年金契約に係る生命保険の業務を行なう内国法人 各適格退職年金契約につき、当該契約に係る保険業法第八十八条第一項(責任準備金)に規定する責任準備金として積み立てられている金額のうち保険料積立金に相当する金額から、当該契約に係る保険料の額のうちその保険金受取人が負担した部分の金額でその保険料積立金に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
3 前二項に規定する適格退職年金契約とは、退職年金に関する信託又は生命保険の契約で、その契約に係る掛金又は保険料及び給付の額が適正な年金数理に基づいて算定されていることその他の政令で定める要件を備えたものをいう。
4 第一項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(退職年金業務の引継ぎを受けた場合の特例)
第八十五条 退職年金業務を行なう内国法人が合併により消滅し、又はその退職年金業務に係る事業の全部を譲渡した場合において、その合併又は譲渡がその合併後存続する内国法人又はその譲渡を受けた内国法人(以下この項において「合併法人等」という。)の事業年度の中途においてされ、かつ、その合併法人等が当該退職年金業務に係る事業の全部を引き継いだときは、その合併法人等のその合併又は譲渡の日の属する事業年度の前条第一項に規定する退職年金積立金の額は、同項の規定にかかわらず、次に掲げる金額の合計額とする。
一 その合併法人等の当該事業年度開始の時における前条第二項に規定する退職年金積立金額を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額
二 その合併又は譲渡により引き継いだ退職年金業務に係る前条第三項に規定する適格退職年金契約につき計算されるその合併又は譲渡の時における同条第二項に規定する退職年金積立金額を十二で除し、これにその合併又は譲渡の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額
2 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(退職年金業務を廃止した場合の特例)
第八十六条 退職年金業務を行なう内国法人が前二条に規定する事業年度において退職年金業務を廃止した場合におけるこれらの規定の適用については、第八十四条第一項(退職年金積立金の額の計算)及び前条第一項第一号中「当該事業年度の月数」とあるのは「当該事業年度開始の日から退職年金業務の廃止の日までの期間の月数」と、同項第二号中「その合併又は譲渡の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数」とあるのは「その合併又は譲渡の日から退職年金業務の廃止の日までの期間の月数」とする。
第二節 税額の計算
(退職年金積立金に対する法人税の税率)
第八十七条 退職年金額立金に対する法人税の額は、各事業年度の退職年金積立金の額に千分の十二の税率を乗じて計算した金額とする。
第三節 申告及び納付
(退職年金積立金に係る中間申告)
第八十八条 退職年金業務を行なう内国法人は、その事業年度が六月をこえる場合には、当該事業年度開始の日以後六月を経過した日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 当該事業年度開始の日以後六月の期間を一事業年度とみなして計算した場合における当該期間に係る課税標準である退職年金積立金の額
二 前号に掲げる退職年金積立金の額につき前条の規定を適用して計算した法人税の額
三 前二号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
(退職年金積立金に係る確定申告)
第八十九条 退職年金業務を行なう内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 当該事業年度の課税標準である退職年金積立金の額
二 前号に掲げる退職年金積立金の額につき第八十七条(退職年金積立金に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した法人税の額
三 その内国法人が当該事業年度につき前条の規定による申告書を提出すべき法人である場合には、前号に掲げる法人税の額から次条の規定により納付すべき法人税の額(当該申告書に係る期限後申告書の提出又はこれらの申告書の提出がなかつたことによる決定により納付すべき法人税の額を含むものとし、これらの額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額とする。)を控除した金額
四 前三号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
(退職年金積立金に係る中間申告による納付)
第九十条 第八十八条(退職年金積立金に係る中間申告)の規定による申告書を提出した内国法人は、当該申告書に記載した同条第二号に掲げる金額があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(退職年金積立金に係る確定申告による納付)
第九十一条 第八十九条(退職年金積立金に係る確定申告)の規定による申告書を提出した内国法人は、当該申告書に記載した同条第二号に掲げる金額(同条第三号の規定に該当する場合には、同号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
第三章 清算所得に対する法人税及び継続等の場合の課税の特例
第一節 解散の場合の清算所得に対する法人税
第一款 課税標準及びその計算
(解散の場合の清算所得に対する法人税の課税標準)
第九十二条 内国法人である普通法人又は協同組合等(以下この章において「内国普通法人等」という。)が解散(合併による解散を除く。以下この章において同じ。)をした場合における清算所得に対する法人税の課税標準は、解散による清算所得の金額とする。
(解散による清算所得の金額の計算)
第九十三条 内国普通法人等の解散による清算所得の金額は、その残余財産の価額からその解散の時における資本等の金額を控除した金額とする。
(法人税額等の残余財産価額への算入)
第九十四条 内国普通法人等が清算中に納付する次に掲げる国税及び地方税の額(その内国普通法人等に課されたものに限る。)は、その内国普通法人等の解散による清算所得の金額の計算上、残余財産の価額に算入する。
一 法人税のうち次に掲げるもの以外のもの
イ 解散の日の属する事業年度以前の各事業年度の所得に対する法人税
ロ 退職年金積立金に対する法人税
二 資産再評価法の規定による再評価税
三 地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含むものとし、第一号イ又はロに掲げる法人税に係るものを除く。)
四 地方税法の規定による事業税(解散の日の属する事業年度以前の各事業年度に係るものを除く。)
五 前二号に掲げる地方税に係る地方税法の規定による延滞金、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金
(寄付金の残余財産価額への算入)
第九十五条 内国普通法人等が清算中に支出した第三十七条第五項(寄付金の意義)に規定する寄付金の額は、その内国普通法人等の解散による清算所得の金額の計算上、残余財産の価額に算入する。ただし、当該寄付金の額のうち、その清算業務の遂行上通常必要と認められるもの並びに同条第三項第一号及び第二号に掲げるものについては、この限りでない。
2 前項ただし書の規定は、清算確定申告書に、同項ただし書に規定する寄付金の額の記載があり、かつ、当該寄付金の明細書その他大蔵省令で定める書類の添附がある場合に限り、適用する。この場合において、同項ただし書の規定により残余財産の価額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
3 税務署長は、第一項ただし書に規定する寄付金の全部又は一部につき前項の記載又は書類の添附がない清算確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添附がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載又は書類の添附がなかつた金額につき第一項ただし書の規定を適用することができる。
(所得税額の残余財産価額への算入)
第九十六条 内国普通法人等が第百条第一項(解散の場合の清算所得に対する法人税額からの所得税額の控除)に規定する所得税の額につき同項又は第百九条第一項(清算中の所得税額等の還付)若しくは第百三十五条第一項(清算確定申告に係る更正による所得税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、これらの規定による控除又は還付をされる金額に相当する金額は、その内国普通法人等の解散による清算所得の金額の計算上、残余財産の価額に算入する。
(みなし配当金額の一部の残余財産価額への算入)
第九十七条 内国普通法人等が第百一条第一項(解散の場合の清算所得に対する法人税額からのみなし配当金額の一部の控除)に規定する利益の配当又は剰余金の分配の額とみなされる金額につき同項又は第百九条第一項(清算中の所得税額等の還付)若しくは第百三十五条第一項(清算確定申告に係る更正による所得税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、第百一条第一項に規定する百分の二十五に相当する金額は、その内国普通法人等の解散による清算所得の金額の計算上、残余財産の価額に算入する。
(解散による清算所得の金額の計算の細目)
第九十八条 この款に定めるもののほか、内国普通法人等の解散による清算所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第二款 税額の計算
(解散の場合の清算所得に対する法人税の税率)
第九十九条 内国法人である普通法人が解散をした場合における清算所得に対する法人税の額は、解散による清算所得の金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる税率を乗じて計算した金額の合計額とする。
一 利益積立金額等に相当する金額以下の金額 百分の二十
二 利益積立金額等に相当する金額をこえる金額 百分の四十三
2 協同組合等が解散をした場合における清算所得に対する法人税の額は、解散による清算所得の金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる税率を乗じて計算した金額の合計額とする。
一 利益積立金額等に相当する金額以下の金額 百分の二十
二 利益積立金額等に相当する金額をこえる金額 百分の三十八
3 前二項に規定する利益積立金額等とは、次に掲げる金額の合計額をいう。
一 解散の時における利益積立金額
二 清算中に内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)から受けた第二十三条第一項(受取配当等の益金不算入)に規定する配当等の額(同条第二項の規定に該当するものを除く。)の合計額から、清算中に支払つた負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)の額のうち、その元本である株式、出資又は受益証券に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額
三 第二十六条第一項各号(還付金等の益金不算入)に掲げる金額(当該金額のうち、第二条第十八号(定義)に規定する法人税並びに同号に規定する道府県民税及び市町村民税に係る部分の金額を除く。)で、清算中に還付を受け、又は未納の国税若しくは地方税に充当をされたもの及び第二十六条第二項に規定する外国法人税の額で清算中に還付を受けたもの
四 第九十七条(みなし配当金額の一部の残余財産価額への算入)の規定により残余財産の価額に算入される金額
(解散の場合の清算所得に対する法人税額からの所得税額の控除)
第百条 内国普通法人等が清算中に所得税法第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する利子等、配当等、利益の分配又は報酬若しくは料金の支払を受ける場合には、これらにつき同法の規定により課された所得税の額は、その内国普通法人等の清算所得に対する法人税の額から控除する。
2 前項の規定は、清算確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
3 税務署長は、第一項に規定する所得税の額の全部又は一部につき前項の記載がない清算確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項の規定を適用することができる。
(解散の場合の清算所得に対する法人税額からのみなし配当金額の一部の控除)
第百一条 内国普通法人等が清算中に受けた第二十四条第一項第三号又は第四号(解散又は合併の場合のみなし配当)に掲げる金銭その他の資産(外国法人から受けるものを除く。)につき同項の規定により利益の配当又は剰余金の分配の額とみなされる金額がある場合には、当該金額の百分の二十五に相当する金額は、その内国普通法人等の清算所得に対する法人税の額から控除する。
2 前項の規定は、清算確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
3 税務署長は、第一項に規定する百分の二十五に相当する金額の全部又は一部につき前項の記載がない清算確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項の規定を適用することができる。
第三款 申告、納付及び還付
(清算中の所得に係る予納申告)
第百二条 内国普通法人等は、その清算中の各事業年度(残余財産の確定の日の属する事業年度を除く。)の終了の日の翌日から二月以内(当該期間内に残余財産の最後の分配が行なわれる場合には、その行なわれる日の前日まで)に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 当該事業年度の所得を解散をしていない内国普通法人等の各事業年度の所得とみなして計算した場合における当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二 当該事業年度の所得を解散をしていない内国普通法人等の所得とみなして前号に掲げる所得の金額につき第一章第二節(税額の計算)(第六十七条(同族会社の特別税率)を除く。)の規定を適用するものとした場合に計算される法人税の額
三 当該事業年度中に残余財産の一部の分配をしている場合において、その分配に係る残余財産分配予納申告書に記載すべき次条第一項第二号ロに掲げる金額があるときは、当該金額(当該事業年度中に二回以上残余財産の一部の分配をしている場合には、これらの分配に係る当該金額の合計額)に百分の三十七(協同組合等については、百分の二十六)を乗じて計算した金額
四 第二号に掲げる法人税の額から前号に掲げる金額を控除した金額
五 第六十八条から第七十条まで(税額控除)の規定による控除をされるべき金額で第二号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額(第三号に掲げる金額がある場合には、当該控除をされるべき金額のうち、当該控除をしないものとして計算した場合における第二号に掲げる法人税の額から第三号に掲げる金額を控除した金額をこえる部分の金額)
六 前各号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項第一号に掲げる課税標準である所得の金額又は欠損金額及び同項第二号に掲げる法人税の額の計算については、第一章第一節第三款から第五款まで(課税標準の計算)(第四十二条から第五十一条まで(圧縮記帳)を除く。)及び同章第二節第二款(税額控除)の規定中「確定申告書」とあるのは、「清算事業年度予納申告書」(第五十七条第二項(青色申告書を提出する法人の繰越欠損金の損金算入の要件)、第五十八条第二項(青色申告書を提出しない法人の災害による繰越欠損金の損金算入の要件)及び第七十条第八項(繰越外国法人税額等の控除の要件)にあつては、「確定申告書又は清算事業年度予納申告書」)とする。
3 第一項の規定による申告書には、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
(残余財産の一部分配に係る予納申告)
第百三条 内国普通法人等は、その清算中に残余財産の分配をしようとする場合において、その分配をしようとする残余財産の価額がその解散の時における資本等の金額(既に残余財産の一部の分配をしている場合には、その分配をした残余財産の価額に相当する金額を控除した金額。以下この項において同じ。)をこえるときは、残余財産の全部の分配をする場合を除き、分配のつど、その分配の日の前日までに、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 その分配をしようとする残余財産の価額のうちその解散の時における資本等の金額をこえる部分の金額
二 前号に掲げる金額を第九十三条(解散による清算所得の金額の計算)に規定する解散による清算所得の金額とみなし、かつ、第九十九条第一項又は第二項(解散の場合の清算所得に対する法人税の税率)に規定する法人の区分に応じイ及びロに掲げる金額をそれぞれ同条第一項第一号若しくは第二号又は第二項第一号若しくは第二号に掲げる金額とみなして、これらの規定を適用して計算した場合における法人税の額
イ その清算所得の金額とみなされる金額のうちその分配の時における利益積立金額(当該金額のうちに既に行なつた残余財産の分配により第九十九条第一項各号又は第二項各号に掲げる金額とみなされたものがある場合には、そのみなされた金額に相当する金額を控除した金額。以下この項において同じ。)に相当する金額以下の金額
ロ その清算所得の金額とみなされる金額のうちその分配の時における利益積立金額に相当する金額をこえる金額
三 前二号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項の規定による申告書には、解散の時及び当該分配の時における貸借対照表その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
(清算確定申告)
第百四条 清算中の内国普通法人等は、その残余財産が確定した場合には、その確定した日の翌日から一月以内(当該期間内に残余財産の最後の分配が行なわれる場合には、その行なわれる日の前日まで)に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 課税標準である解散による清算所得の金額
二 前号に掲げる解散による清算所得の金額につき前款(税額の計算)の規定を適用して計算した法人税の額
三 第百条第一項(解散の場合の清算所得に対する法人税額からの所得税額の控除)又は第百一条第一項(解散の場合の清算所得に対する法人税額からのみなし配当金額の一部の控除)の規定による控除をされるべき金額で前号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
四 その内国普通法人等が第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)又は前条第一項の規定による申告書を提出すべき法人である場合には、第二号に掲げる法人税の額から当該申告書に係る清算中の予納額を控除した金額
五 前号に規定する清算中の予納額で同号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
六 前各号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項の規定による申告書には、解散の時及び残余財産の確定の時における貸借対照表その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
(清算中の所得に係る予納申告による納付)
第百五条 第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書を提出した内国普通法人等は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額(同項第三号の規定に該当する場合には、同項第四号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(残余財産の一部分配に係る予納申告による納付)
第百六条 第百三条第一項(残余財産の一部分配に係る予納申告)の規定による申告書を提出した内国普通法人等は、当該申告書の提出期限までに、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(清算確定申告による納付)
第百七条 第百四条第一項(清算確定申告)の規定による申告書を提出した内国普通法人等は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額(同項第四号の規定に該当する場合には、同号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(清算中の予納額)
第百八条 第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)又は第百三条第一項(残余財産の一部分配に係る予納申告)の規定による申告書を提出して納付すべき法人税は、第百四条第一項(清算確定申告)の規定による申告書を提出して納付すべき法人税の予納として納付されるものとする。ただし、第百十九条(継続等の場合の法人税額の特例)の規定の適用がある場合は、この限りでない。
(清算中の所得税額等の還付)
第百九条 清算確定申告書の提出があつた場合において、当該申告書に第百四条第一項第三号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、当該申告書を提出した内国普通法人等に対し、当該金額に相当する税額を還付する。
2 前項の規定による還付金については、還付加算金は、附さない。
3 前項に定めるもののほか、第一項の還付の手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(清算中の予納額の還付)
第百十条 第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)又は第百三条第一項(残余財産の一部分配に係る予納申告)の規定による申告書を提出すべき内国普通法人等から当該申告書に係る清算確定申告書の提出があつた場合において、その清算確定申告書に第百四条第一項第五号(清算中の予納額の控除不足額)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、その内国普通法人等に対し、当該金額に相当する清算中の予納額を還付する。
2 税務署長は、前項の規定による還付金の還付をする場合において、同項に規定する申告書に係る清算中の予納額について納付された延滞税があるときは、その額のうち、その清算中の予納額で第百五条(清算中の所得に係る予納申告による納付)又は第百六条(残余財産の一部分配に係る予納申告による納付)の規定による納期限がその還付の日に最も近いものから順次前項の規定による還付金に達するまでさかのぼつて求めた場合における各清算中の予納額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額の合計額をあわせて還付する。
3 前二項の規定による還付金については、還付加算金を附さないものとし、第一項の規定による還付金を清算中の予納額で未納のものに充当する場合には、その充当される部分の清算中の予納額については、延滞税を免除するものとする。
4 前項に定めるもののほか、第一項又は第二項の還付の手続、第一項の規定による還付金につき充当する場合の方法その他同項又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節 合併の場合の清算所得に対する法人税
第一款 課税標準及びその計算
(合併の場合の清算所得に対する法人税の課税標準)
第百十一条 内国普通法人等が合併により消滅した場合における清算所得に対する法人税の課税標準は、合併による清算所得の金額とする。
(合併による清算所得の金額の計算)
第百十二条 内国普通法人等の合併による清算所得の金額は、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額とする。
一 被合併法人の株主等がその合併により合併法人から交付を受ける合併法人の株式又は出資の価額の総額並びに当該交付を受ける金銭及びこれらの資産以外の資産の価額の総額の合計額
二 被合併法人のその合併の時における資本等の金額
2 前項第一号に規定する合併法人の株式又は出資の価額は、当該株式の額面金額又は当該出資の金額による。ただし、合併法人が合併により無額面株式を発行した場合には、当該株式の価額は、その合併により増加した資本の金額(合併法人が合併により設立された法人である場合には、その設立の時における資本の金額)をその合併により発行した株式の総数で除して計算した金額による。
3 第一項の場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、同項第二号に掲げる金額は、当該金額に相当する金額から当該各号に掲げる金額を控除した金額とする。
一 第一項の被合併法人の株式又は出資を合併法人又はその合併に係る他の被合併法人が有していた場合において、合併法人が当該株式又は出資に対しその合併による株式又は出資の割当てをしなかつたとき。 同項の被合併法人のその合併の時における資本の金額又は出資金額のうち、その割当てをされなかつた当該被合併法人の株式又は出資に対応する部分の金額
二 第一項の被合併法人のその合併の時における資本積立金額が合併法人に引き継がれた場合 その引き継がれた資本積立金額
(合併の場合のみなし交付金)
第百十三条 内国普通法人等が合併した場合にその合併法人が納付する次に掲げる租税の額は、被合併法人の株主等がその合併により合併法人から交付を受ける金銭とみなして、前条第一項の規定を適用する。
一 合併による清算所得に対する法人税(附帯税を除く。)
二 前号に掲げる法人税に係る地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)
三 地方税法の規定による清算所得に対する事業税
(合併による清算所得の金額の計算の細目)
第百十四条 この款に定めるもののほか、内国普通法人等の合併による清算所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第二款 税額の計算
(合併の場合の清算所得に対する法人税の税率)
第百十五条 内国法人である普通法人が合併した場合における清算所得に対する法人税の額は、合併による清算所得の金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる税率を乗じて計算した金額の合計額とする。
一 被合併法人の利益積立金額に相当する金額以下の金額 百分の二十
二 被合併法人の利益積立金額に相当する金額をこえる金額 百分の四十三
2 協同組合等が合併した場合における清算所得に対する法人税の額は、合併による清算所得の金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる税率を乗じて計算した金額の合計額とする。
一 被合併法人の利益積立金額に相当する金額以下の金額 百分の二十
二 被合併法人の利益積立金額に相当する金額をこえる金額 百分の三十八
3 前二項に規定する被合併法人の利益積立金額とは、被合併法人のその合併の時における利益積立金額のうちその合併の際合併法人に引き継がれなかつたものをいう。
第三款 申告及び納付
(合併確定申告)
第百十六条 内国普通法人等が合併した場合には、その合併に係る合併法人は、その合併の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 課税標準である合併による清算所得の金額
二 前号に掲げる合併による清算所得の金額につき前条の規定を適用して計算した法人税の額
三 前二号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 前項の規定による申告書には、被合併法人のその合併の時における貸借対照表、合併法人がその合併により承継した資産の明細書その地大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
(合併確定申告による納付)
第百十七条 前条第一項の規定による申告書を提出した合併法人は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
第三節 継続等の場合の課税の特例
(継続等の場合の清算所得の金額の特例)
第百十八条 清算中の内国普通法人等が、その残余財産の一部を分配した後において、継続し又は合併により消滅した場合における第九十三条(解散による清算所得の金額の計算)に規定する解散による清算所得の金額は、同条の規定にかかわらず、その分配につき提出する残余財産分配予納申告書に記載すべき第百三条第一項第一号(残余財産の一部分配に係る予納申告)に掲げる金額(その清算中に二回以上残余財産の一部の分配をした場合には、これらの分配に係る当該金額の合計額)に相当する金額とする。
(継続等の場合の法人税額の特例)
第百十九条 清算中の内国普通法人等が継続し又は合併により消滅した場合には、その内国普通法人等に対しその解散の日の翌日から継続の日の前日又は合併の日までの期間(以下この条において「清算期間」という。)に係る法人税として課する税額は、次の各号に掲げる法人税の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。
一 各事業年度の所得に対する法人税 清算期間に係る各清算事業年度予納申告書に記載すべき第百二条第一項第二号(清算中の所得に係る予納申告)に掲げる金額(同項第三号の規定に該当する場合には、同項第四号に掲げる金額)の合計額
二 清算所得に対する法人税 清算期間に係る残余財産分配予納申告書に記載すべき第百三条第一項第二号(残余財産の一部分配に係る予納申告)に掲げる金額(その清算期間中に二回以上残余財産の一部の分配をした場合には、これらの分配に係る当該金額の合計額)
(継続等の場合の所得税額等の還付)
第百二十条 清算中の内国普通法人等が継続し又は合併により消滅した場合において、その清算中の各事業年度の清算事業年度予納申告書に記載すべき第百二条第一項第五号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額があるときは、納税地の所轄税務署長は、その継続の日の前日又は合併の日の属する事業年度の清算事業年度予納申告書の提出と同時に還付の請求があつた場合に限り、その請求をした内国普通法人等に対し、当該金額に相当する税額を還付する。
2 税務署長は、前項の還付の請求が同項に規定する継続の日の前日又は合併の日の属する事業年度の清算事業年度予納申告書の提出後にされた場合においても、その提出後にされたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、同項の還付をすることができる。
3 第一項の還付の請求をしようとする内国普通法人等は、その還付を受けようとする税額その他大蔵省令で定める事項を記載した還付請求書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
4 第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の還付の請求があつた日(同日が同項に規定する継続の日の前日又は合併の日の属する事業年度の第百二条第一項の規定による申告書の提出期限前である場合には、その提出期限)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
5 前三項に定めるもののほか、第一項の還付の手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 青色申告
(青色申告)
第百二十一条 内国法人は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、次に掲げる申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を青色の申告書により提出することができる。
一 中間申告書
二 確定申告書
三 清算事業年度予納申告書
2 前項の承認を受けている内国法人は、次に掲げる申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書についても、青色の申告書により提出することができる。
一 退職年金積立金中間申告書
二 退職年金積立金確定申告書
三 残余財産分配予納申告書
四 清算確定申告書
五 合併確定申告書
(青色申告の承認の申請)
第百二十二条 当該事業年度以後の各事業年度の前条第一項各号に掲げる申告書を青色の申告書により提出することについて同項の承認を受けようとする内国法人は、当該事業年度開始の日の前日までに、当該事業年度開始の日その他大蔵省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2 前項の場合において、当該事業年度が次の各号に掲げる事業年度に該当するときは、同項の申請者の提出期限は、同項の規定にかかわらず、当該各号に掲げる日の前日とする。
一 内国法人である普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度 同日以後三月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
二 内国法人である公益法人等又は人格のない社団等の新たに収益事業を開始した日の属する事業年度 同日以後三月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
三 内国法人である普通法人若しくは協同組合等の設立の日又は内国法人である公益法人等若しくは人格のない社団等の新たに収益事業を開始した日から前二号に規定する事業年度終了の日までの期間が三月に満たない場合における当該事業年度の翌事業年度 その設立の日又は新たに収益事業を開始した日以後三月を経過した日と当該翌事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
(青色申告の承認申請の却下)
第百二十三条 税務署長は、前条第一項の申請書の提出があつた場合において、その申請書を提出した内国法人につき次の各号の一に該当する事実があるときは、その申請を却下することができる。
一 前条第一項に規定する当該事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が第百二十六条第一項(青色申告法人の帳簿書類)に規定する大蔵省令で定めるところに従つて行なわれていないこと。
二 その備え付ける帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載していることその他不実の記載があると認められる相当の理由があること。
三 第百二十七条第二項(青色申告の承認の取消し)の規定による通知を受け、又は第百二十八条(青色申告の取りやめ)に規定する届出書の提出をした日以後一年以内にその申請書を提出したこと。
(青色申告の承認等の通知)
第百二十四条 税務署長は、第百二十二条第一項(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請をした内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。
(青色申告の承認があつたものとみなす場合)
第百二十五条 第百二十二条第一項(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、同項に規定する当該事業年度終了の日(当該事業年度について中間申告書を提出すべき法人については、当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日)までにその申請につき承認又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。
(青色申告法人の帳簿書類)
第百二十六条 第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている内国法人は、大蔵省令で定めるところにより、帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。
2 納税地の所轄税務署長は、必要があると認めるときは、第百二十一条第一項の承認を受けている内国法人に対し、前項に規定する帳簿書類について必要な指示をすることができる。
(青色申告の承認の取消し)
第百二十七条 第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けた内国法人につき次の各号の一に該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に掲げる事業年度までさかのぼつて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、青色申告書以外の申告書とみなす。
一 その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第一項に規定する大蔵省令で定めるところに従つて行なわれていないこと。 当該事業年度
二 前条第二項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと。 その事実の生じた日の属する事業年度
三 その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ペいし又は仮装して記載し、その他その記載事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること。 当該事業年度
四 第七十四条第一項(確定申告)又は第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと。 当該申告書に係る事業年度
2 税務署長は、前項の規定による取消しの処分をする場合には、同項の内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。この場合において、その書面には、その取消しの処分の基因となつた事実が同項各号のいずれに該当するかを附記しなければならない。
(青色申告の取りやめ)
第百二十八条 第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている内国法人は、当該事業年度以後の各事業年度の同項各号に掲げる申告書を青色の申告書により提出することをやめようとするときは、当該事業年度終了の日の翌日から二月以内に、当該事業年度開始の日その他大蔵省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。この場合において、その届出書の提出があつたときは、当該事業年度以後の各事業年度については、その承認は、その効力を失うものとする。
第五章 更正及び決定
(更正をすべき事項に関する特例)
第百二十九条 法人税に係る更正については、国税通則法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)に規定する事項のほか、第百二条第一項第五号(所得税額等の控除不足額)に掲げる事項についても行なうことができる。この場合において、当該事項につき更正をするときは、同法第二十八条第二項(更正通知書の記載事項)中「税額等」とあるのは、「税額等並びに法人税法第百二条第一項第五号(所得税額等の控除不足額)に掲げる事項」とする。
(青色申告書に係る更正)
第百三十条 税務署長は、内国法人の提出した青色申告書に係る法人税の課税標準又は欠損金額の更正をする場合には、その内国法人の帳簿書類を調査し、その調査により当該課税標準又は欠損金額の計算に誤りがあると認められる場合に限り、これをすることができる。ただし、当該申告書及びこれに添附された書類に記載された事項によつて、当該課税標準又は欠損金額の計算がこの法律の規定に従つていないことその他その計算に誤りがあることが明らかである場合は、その帳簿書類を調査しないでその更正をすることを妨げない。
2 税務署長は、内国法人の提出した青色申告書に係る法人税の課税標準又は欠損金額の更正をする場合には、その更正に係る国税通則法第二十八条第二項(更正通知書の記載事項)に規定する更正通知書にその更正の理由を附記しなければならない。
(推計による更正又は決定)
第百三十一条 税務署長は、内国法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合には、内国法人の提出した青色申告書に係る法人税の課税標準又は欠損金額の更正をする場合を除き、その内国法人の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその内国法人に係る法人税の課税標準(更正をする場合にあつては、課税標準又は欠損金額)を推計して、これをすることができる。
(同族会社等の行為又は計算の否認)
第百三十二条 税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
一 内国法人である同族会社
二 イからハまでのいずれにも該当する内国法人
イ 三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。
ロ その事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。
ハ ロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその内国法人の株式の数又は出資の金額の合計額がその内国法人の発行済株式の総数又は出資金額の三分の二以上に相当すること。
2 前項の場合において、内国法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。
(確定申告に係る更正による所得税額等の還付)
第百三十三条 内国法人の提出した確定申告書に係る法人税につき更正があつた場合において、その更正により第七十四条第一項第三号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その内国法人に対し、その増加した部分の金額に相当する税額を還付する。
2 前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、前項の確定申告書の提出期限(当該申告書が期限後申告書である場合には、当該申告書を提出した日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
(確定申告に係る更正又は決定による中間納付額の還付)
第百三十四条 中間申告書を提出した内国法人である普通法人のその中間申告書に係る事業年度の法人税につき決定があつた場合において、その決定に係る第七十四条第一項第五号(中間納付額の控除不足額)に掲げる金額があるときは、税務署長は、その普通法人に対し、当該金額に相当する中間納付額を還付する。
2 中間申告書を提出した内国法人である普通法人のその中間申告書に係る事業年度の法人税につき更正があつた場合において、その更正により第七十四条第一項第五号に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その普通法人に対し、その増加した部分の金額に相当する中間納付額を還付する。
3 税務署長は、前二項の規定による還付金の還付をする場合において、これらの規定に規定する中間申告書に係る中間納付額について納付された延滞税又は利子税があるときは、これらの額のうち、これらの規定により還付される中間納付額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額をあわせて還付する。
4 第一項又は第二項の規定により還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項又は第二項の規定により還付すべき中間納付額の納付の日(その中間納付額が第一項又は第二項の中間申告書の提出期限前に納付された場合には、その提出期限)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。ただし、次の各号に掲げる還付金については、当該各号に掲げる日数は、当該期間に算入しない。
一 第一項の規定による還付金 同項に規定する事業年度の第七十四条第一項の規定による申告書の提出期限の翌日から第一項の決定があつた日までの日数
二 第二項の規定による還付金(その基因となつた更正が次のいずれにも該当しないものを除く。)同項に規定する事業年度の第七十四条第一項の規定による申告書の提出期限の翌日から、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に掲げる日までの日数
イ 第二項の更正に係る確定申告書が期限後申告書である場合 その提出の日
ロ 第二項の更正が決定に係る更正である場合 その決定があつた日
5 第一項又は第二項の規定による還付金をその額の計算の基礎とされた中間納付額に係る事業年度の所得に対する法人税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を附さないものとし、その充当される部分の法人税については、延滞税及び利子税を免除するものとする。
6 第三項の規定による還付金については、還付加算金は、附さない。
7 前三項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(清算確定申告に係る更正による所得税額等の還付)
第百三十五条 内国法人である普通法人又は協同組合等の提出した清算確定申告書に係る法人税につき更正があつた場合において、その更正により第百四条第一項第三号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その普通法人又は協同組合等に対し、その増加した部分の金額に相当する税額を還付する。
2 前項の規定による還付金については、還付加算金は、附さない。
(清算確定申告に係る更正又は決定による清算中の予納額の還付)
第百三十六条 第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)又は第百三条第一項(残余財産の一部分配に係る予納申告)の規定による申告書を提出すべき内国法人である普通法人又は協同組合等のその解散に係る清算所得に対する法人税につき決定があつた場合において、その決定に係る第百四条第一項第五号(清算中の予納額の控除不足額)に掲げる金額があるときは、税務署長は、その普通法人又は協同組合等に対し、当該金額に相当する清算中の予納額を還付する。
2 前項に規定する申告書を提出すべき内国法人である普通法人又は協同組合等のその解散に係る清算所得に対する法人税につき更正があつた場合において、その更正により第百四条第一項第五号に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その普通法人又は協同組合等に対し、その増加した部分の金額に相当する清算中の予納額を還付する。
3 税務署長は、前二項の規定による還付金の還付をする場合において、これらの規定に規定する申告書に係る清算中の予納額について納付された延滞税があるときは、その額のうち、その清算中の予納額で第百五条(清算中の所得に係る予納申告による納付)又は第百六条(残余財産の一部分配に係る予納申告による納付)の規定による納期限がその還付の日に最も近いものから順次前二項の規定による還付金に達するまでさかのぼつて求めた場合における各清算中の予納額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額の合計額をあわせて還付する。
4 前三項の規定による還付金については、還付加算金を附さないものとし、第一項又は第二項の規定による還付金を清算中の予納額で未納のものに充当する場合には、その充当される部分の清算中の予納額については、延滞税を免除するものとする。
5 前項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定による還付金につき充当をする場合の方法その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(継続等の場合の更正による所得税額等の還付)
第百三十七条 第百二十条第一項(継続等の場合の所得税額等の還付)に規定する還付の請求があつた後に同項に規定する清算中の各事業年度の清算事業年度予納申告書に係る法人税につき更正があつた場合において、その更正により第百二条第一項第五号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、当該還付の請求をした内国法人である普通法人又は協同組合等に対し、その増加した部分の金額に相当する税額を還付する。
2 前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、前項に規定する還付の請求があつた日(同日が第百二十条第一項に規定する継続の日の前日又は合併の日の属する事業年度の第百二条第一項の規定による申告書の提出期限前である場合には、その提出期限)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
第三編 外国法人の納税義務
第一章 国内源泉所得
(国内源泉所得)
第百三十八条 この編において「国内源泉所得」とは、次に掲げるものをいう。
一 国内において行なう事業から生じ、又は国内にある資産の適用、保有若しくは譲渡により生ずる所得(次号から第十号までに該当するものを除く。)その他その源泉が国内にある所得として政令で定めるもの
二 国内において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行なう法人が受ける当該人的役務の提供に係る対価
三 国内にある不動産、国内にある不動産の上に存する権利若しくは採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)の規定による採石権の貸付け(地上権又は採石権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の規定による租鉱権の設定又は所得税法第二条第一項第三号(定義)に規定する居住者若しくは内国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
四 所得税法第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等のうち次に掲げるもの
イ 所得税法第二条第一項第九号に規定する公社債のうち日本国の国債若しくは地方債又は内国法人の発行する債券の利子
ロ 国内にある営業所(事務所その他これらに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)に預け入れられた所得税法第二条第一項第十号に規定する預貯金の利子
ハ 国内にある営業所に信託された合同運用信託又は公社債投資信託の収益の分配
五 内国法人から受ける所得税法第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等
六 国内において業務を行なう者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(政令で定める利子を除く。)
七 国内において業務を行なう者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
イ 工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡による対価
ロ 著作権(出版権並びに映画フイルムの上映権及びこれに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)の使用料又はその譲渡による対価
ハ 機械、装置その他政令で定める用具の使用料
八 国内において行なう事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
九 国内にある営業所又は契約の締結の代理をする者を通じて締結した生命保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
十 国内において事業を行なう者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約を含む。)で政令で定めるものに基づいて受ける利益の分配
(租税条約に異なる定めがある場合の国内源泉所得)
第百三十九条 日本国が締結した所得に対する租税に関する二重課税防止のための条約において国内源泉所得につき前条の規定と異なる定めがある場合には、その条約の適用を受ける法人については、同条の規定にかかわらず、国内源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その条約に定めるところによる。この場合において、その条約が同条第二号から第十号までの規定に代わつて国内源泉所得を定めているときは、この法律中これらの号に規定する事項に関する部分の適用については、その条約により国内源泉所得とされたものをもつてこれに対応するこれらの号に掲げる国内源泉所得とみなす。
(国内源泉所得の範囲の細目)
第百四十条 前二条に定めるもののほか、国内源泉所得の範囲に関し必要な事項は、政令で定める。
第二章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の課税標準)
第百四十一条 外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得のうち次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得に係る所得の金額とする。
一 国内に支店、工場その他事業を行なう一定の場所で政令で定めるものを有する外国法人 すべての国内源泉所得
二 国内において建設、すえ付け、組立てその他の作業又はその作業の指揮監督の役務の提供(以下この号において「建設作業等」という。)を一年をこえて行なう外国法人(前号に該当する外国法人を除く。) 次に掲げる国内源泉所得
イ 第百三十八条第一号から第三号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得
ロ 第百三十八条第四号から第十号までに掲げる国内源泉所得のうち、その外国法人が国内において行なう建設作業等に係る事業に帰せられるもの
三 国内に自己のために契約を締結する権限のある者その他これに準ずる者で政令で定めるもの(以下この号において「代理人等」という。)を置く外国法人(第一号に該当する外国法人を除く。) 次に掲げる国内源泉所得
イ 第百三十八条第一号から第三号までに掲げる国内源泉所得
ロ 第百三十八条第四号から第十号までに掲げる国内源泉所得のうち、その外国法人が国内においてその代理人等を通じて行なう事業に帰せられるもの
四 前三号に掲げる外国法人以外の外国法人 次に掲げる国内源泉所得
イ 第百三十八条第一号に掲げる国内源泉所得のうち、国内にある資産の運用若しくは保有又は国内にある不動産の譲渡により生ずるものその他政令で定めるもの
ロ 第百三十八条第二号及び第三号に掲げる国内源泉所得
(国内源泉所得に係る所得の金額の計算)
第百四十二条 外国法人の前条に規定する国内源泉所得に係る所得の金額は、当該国内源泉所得に係る所得について、政令で定めるところにより、前編第一章第一節第二款から第六款まで(内国法人の各事業年度の所得の金額の計算)(第四十六条(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)及び第六十一条(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)を除く。)の規定に準じて計算した金額とする。
第二節 税額の計算
(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第百四十三条 外国法人である普通法人又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、第百四十一条(外国法人に係る法人税の課税標準)に規定する国内源泉所得に係る所得の金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に掲げる税率を乗じて計算した金額の合計額とする。
一 年三百万円以下の金額 百分の三十一
二 年三百万円をこえる金額 百分の三十七
2 外国法人である公益法人等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、第百四十一条に規定する国内源泉所得に係る所得の金額に百分の二十六の税率を乗じて計算した金額とする。
3 事業年度が一年に満たない外国法人に対する第一項の規定の適用については、同項各号中「年三百万円」とあるのは、「三百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
4 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
(所得税額の控除)
第百四十四条 第六十八条(内国法人に係る所得税額の控除)の規定は、外国法人が各事業年度において第百四十一条各号(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得で所得税法の規定により所得税を課されるもの(同法第百六十一条第五号(内国法人から受ける配当等)に掲げる配当等を除く。)の支払を受ける場合について準用する。この場合において、第六十八条第一項中「所得税の額」とあるのは「所得税の額(所得税法第百六十一条第二号(国内源泉所得)に掲げる対価につき同法第二百十二条第一項(非居住者又は外国法人の所得に係る源泉徴収義務)の規定により徴収された所得税については、その額のうち、同法第二百十五条(非居住者の人的役務の提供による給与等に係る源泉徴収の特例)の規定により同項の規定による徴収が行なわれたものとみなされる同法第百六十一条第八号に掲げる給与又は報酬に対応する部分の金額を除く。)」と、同条第二項中「利子及び配当等」とあるのは「当該国内源泉所得」と読み替えるものとする。
第三節 申告、納付及び還付等
(申告、納付及び還付等)
第百四十五条 前編第一章第三節(内国法人の各事業年度の所得に対する法人税の申告、納付及び還付等)の規定は、外国法人の各事業年度の所得に対する法人税についての申告、納付、還付及び国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求について準用する。
2 前項の場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句にそれぞれ読み替えるものとする。
第七十一条第一項(中間申告) |
普通法人(清算中のものを除く。) |
普通法人 |
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(新たに設立された内国法人である普通法人のうち合併により設立されたもの以外のものの設立後最初の事業年度を除く。) |
(第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する普通法人のこれらの号に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日の属する事業年度又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人の第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に規定する事業(以下「人的役務提供事業」という。)を国内において開始した日の属する事業年度若しくは当該普通法人の第百四十一条第四号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号に掲げる対価以外のものを有することとなつた日の属する事業年度を除く。) |
又は当該金額がない場合 |
若しくは当該金額がない場合又は当該二月以内に、第百四十一条第一号から第三号までに掲げる外国法人に該当する普通法人が国税通則法第八十九条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出(以下「納税管理人の届出」という。)をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合若しくは第百四十一条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合 |
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第七十二条第三項(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等) |
繰越損失金の損金算入の要件)を除く |
繰越損失金の損金算入の要件)並びに第四十六条(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)及び第六十一条(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)を除く |
|
前節第二款(税額控除)(第七十条第八項(繰越外国法人税額等の控除の要件)を除く。) |
第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する第六十八条(所得税額の控除) |
第七十四条第一項(確定申告) |
内国法人(清算中の内国法人である普通法人及び清算中の協同組合等を除く。) |
外国法人 |
二月以内 |
二月以内(第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する法人が納税管理人の届出をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合には、当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過した日の前日とその該当しないこととなる日又はその廃止の日とのうちいずれか早い日まで) |
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前節 |
第三編第二章第二節 |
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第六十八条から第七十条まで(税額控除) |
第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する第六十八条(所得税額の控除) |
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第七十五条第一項(確定申告書の提出期限の延長) |
前条第一項の規定による申告書 |
前条第一項の規定による申告書(第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する法人が納税管理人の届出をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合において提出すべきものを除く。) |
第七十八条第一項(延納) |
三月間 |
三月間(当該期間内に第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する法人が納税管理人の届出をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合には、当該提出期限の翌日からその該当しないこととなる日又はその廃止の日までの期間) |
|
納付を延期することができる。 |
納付を延期することができる。ただし、第百四十一条第一号から第三号までに掲げる外国法人に該当する法人が納税管理人の届出をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合において提出すべき第七十四条第一項の規定による申告書に係る法人税については、この限りでない。 |
第八十一条第一項(欠損金の繰戻しによる還付) |
第六十八条から第七十条まで(税額控除) |
第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する第六十八条(所得税額の控除) |
第四節 青色申告
(青色申告)
第百四十六条 前編第四章(内国法人に係る青色申告)の規定は、外国法人の提出する確定申告書及び中間申告書並びにこれらの申告書に係る修正申告書について準用する。
2 前項の場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句にそれぞれ読み替えるものとする。
第百二十二条第二項第一号(青色申告の承認の申請) |
内国法人である普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度
|
第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する普通法人のこれらの号に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日の属する事業年度又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人の人的役務提供事業を国内において開始した日の属する事業年度若しくは当該普通法人の同号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に掲げる対価以外のものを有することとなつた日の属する事業年度 |
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同日 |
その該当することとなつた日又はその開始した日若しくはその有することとなつた日 |
第百二十二条第二項第二号 |
収益事業を開始した日 |
第百四十一条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有することとなつた日 |
第百二十二条第二項第三号 |
内国法人である普通法人若しくは協同組合等の設立の日 |
第百四十一条第一号から第三号までに掲げる外国法人に該当する普通法人がこれらの号に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日若しくは同条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人が人的役務提供事業を国内において開始した日若しくは当該普通法人が同号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号に掲げる対価以外のものを有することとなつた日 |
収益事業を開始した日 |
第百四十一条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有することとなつた日 |
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その設立の日 |
その該当することとなつた日、その開始した日若しくはその有することとなつた日 |
第五節 更正及び決定
(更正及び決定)
第百四十七条 第百三十条から第百三十四条まで(内国法人に係る更正及び決定)の規定は、外国法人の各事業年度の所得に対する法人税に係る更正又は決定について準用する。
第四編 雑則
(内国普通法人等の設立の届出)
第百四十八条 新たに設立された内国法人である普通法人又は協同組合等は、その設立の日以後二月以内に、次に掲げる事項を記載した届出書にその設立の時における貸借対照表その他大蔵省令で定める書類を添附し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
一 その名称、本店又は主たる事務所の所在地、納税地及び代表者の氏名
二 その事業の目的
三 その設立の日
(外国普通法人となつた旨の届出)
第百四十九条 第百四十一条第四号(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する普通法人が同条第一号から第三号までに掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた場合又は当該普通法人が第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に規定する事業を国内において開始し、若しくは第百四十一条第四号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号に掲げる対価以外のものを有することとなつた場合には、その普通法人は、その該当することとなつた日又はその開始した日若しくはその有することとなつた日以後二月以内に、次に掲げる事項を記載した届出書にその該当することとなつた時又はその開始した時若しくはその有することとなつた時における貸借対照表その他大蔵省令で定める書類を添附し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
一 その名称、本店又は主たる事務所の所在地、納税地及び国内において行なう事業又は国内にある資産の経営又は管理の責任者の氏名
二 国内において行なう事業の目的及び種類又は国内にある資産の種類及び所在地
三 国内において行なう事業を開始した日若しくはその開始予定日又は国内にある資産を有することとなつた日
(公益法人等又は人格のない社団等の収益事業開始の届出)
第百五十条 内国法人である公益法人等又は人格のない社団等は、新たに収益事業を開始した場合には、その開始した日以後二月以内に、次に掲げる事項を記載した届出書にその開始した時における収益事業に係る貸借対照表その他大蔵省令で定める書類を添附し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
一 その名称、本店又は主たる事務所の所在地、納税地及び代表者(人格のない社団等で代表者の定めがなく、管理人の定めがあるものにあつては、管理人)の氏名
二 その事業の目的
三 その収益事業の種類
四 その収益事業を開始した日
2 外国法人である公益法人等又は人格のない社団等は、第百四十一号各号(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなつた場合には、その有することとなつた日以後二月以内に、前項各号に掲げる事項に準ずる事項を記載した届出書にその有することとなつた時における収益事業に係る貸借対照表その他大蔵省令で定める書類を添附し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
(代表者等の自署押印)
第百五十一条 法人の提出する第二条第三十号から第三十七号まで(定義)に掲げる申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書(以下この条において「法人税申告書」という。)には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる者が自署し、自己の印を押さなければならない。
一 法人の代表者(人格のない社団等で代表者の定めがなく、管理人の定めがあるものにあつては、管理人。以下この項において同じ。)が一人である場合 当該代表者
二 法人の代表者が二人以上ある場合(次号に掲げる場合を除く。)これらの者のうち社長、理事長、専務取締役、常務取締役その他の者でその法人税申告書の作成の時においてその法人の業務を主宰しているもの
三 二人以上の者が共同して法人を代表する場合 その全員
2 法人税申告書には、前項の代表者のほか、法人の役員及び職員のうちその法人税申告書の作成の時においてその法人の経理に関する事務の上席の責任者である者が自署し、自己の印を押さなければならない。
3 外国法人の提出する法人税申告書については、第一項の規定によりその法人税申告書に自署し、自己の印を押すべき者は、国内において行なう事業又は国内にある資産の経営又は管理の責任者とし、前項の規定によりその法人税申告書に自署し、自己の印を押すべき者は、当該事業又は資産に係る経理に関する事務の上席の責任者とする。
4 前三項の規定による自署及び押印の有無は、法人税申告書の提出による申告の効力に影響を及ぼすものと解してはならない。
(申告書の公示)
第百五十二条 税務署長は、確定申告書又は当該申告書に係る修正申告書に記載された各事業年度の所得の金額(修正申告書についてはその申告後の当該所得の金額)が千万円(当該事業年度が六月をこえる場合には、二千万円)をこえる法人について、大蔵省令で定めるところにより、その法人の名称、これらの申告書に記載された当該所得の金額その他の事項を公示しなければならない。
(当該職員の質問検査権)
第百五十三条 国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、法人税に関する調査について必要があるときは、法人に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
第百五十四条 国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、法人税に関する調査について必要があるときは、法人に対し、金銭の支払若しくは物品の譲渡をする義務があると認められる者又は金銭の支払若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類を検査することができる。
第百五十五条 前二条の規定は、国税庁の当該職員及び納税地の所轄税務署又は所轄国税局の当該職員以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄区域内に本店、支店、工場、営業所その他これらに準ずるものを有する法人に対する質問又は検査について準用する。
第百五十六条 前三条の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(身分証明書の携帯等)
第百五十七条 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第百五十三条又は第百五十四条(当該職員の質問検査権)(これらの規定を第百五十五条(質問検査権に係る準用)において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(附加税の禁止)
第百五十八条 地方公共団体は、法人税の附加税を課することができない。
第五編 罰則
第百五十九条 偽りその他不正の行為により、第七十四条第一項第二号(確定申告に係る法人税額)(第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)、第八十九条第二号(退職年金積立金確定申告に係る法人税額)、第百四条第一項第二号(清算確定申告に係る法人税額)若しくは第百十六条第一項第二号(合併確定申告に係る法人税額)に規定する法人税の額につき法人税を免れ、又は第八十一条第六項(欠損金の繰戻しによる還付)(第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)の規定による法人税の還付を受けた場合には、法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。以下この編において同じ。)、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた法人税の額又は同項の還付を受けた法人税の額が五百万円をこえるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円をこえその免れた法人税の額又は還付を受けた法人税の額に相当する金額以下とすることができる。
第百六十条 正当な理由がなくて第七十四条第一項(確定申告)(第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)、第八十九条(退職年金積立金に係る確定申告)、第百四条第一項(清算確定申告)又は第百十六条第一項(合併確定申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
第百六十一条 第百五十一条第一項から第三項まで(代表者等の自署押印)の規定に違反した者又はこれらの規定に違反する同条第一項に規定する法人税申告書の提出があつた場合のその行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
第百六十二条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第七十一条第一項(中間申告)(第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書で第七十二条第一項各号(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載したもの、第八十八条(退職年金積立金に係る中間申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)、第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)又は第百三条第一項(残余財産の一部分配に係る予納申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)に偽りの記載をして税務署長に提出した場合の法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者
二 第百五十三条又は第百五十四条(当該職員の質問検査権)(これらの規定を第百五十五条(質問検査権に係る準用)において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
三 前号の検査に関し偽りの記載をした帳簿書類を提示した者
第百六十三条 法人税の調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務に関して知ることのできた秘密を漏らし又は盗用したときは、これを二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第百六十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第百五十九条(法人税を免れる等の罪)、第百六十条(確定申告書を提出しない等の罪)又は第百六十二条(偽りの記載をした中間申告書を提出する等の罪)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十年四月一日から施行する。
(経過規定の原則)
第二条 この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後の法人税法(以下「新法」という。)の規定は、法人のこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に終了する事業年度の所得及び退職年金積立金に対する法人税並びに同日以後の解散又は合併による清算所得に対する法人税(清算所得に対する法人税を課される法人の清算中の事業年度の所得に係る法人税及び残余財産の一部分配により納付すべき法人税を含む。以下この条において同じ。)について適用し、法人の同日前に終了した事業年度の所得及び退職年金積立金に対する法人税並びに同日前の解散又は合併による清算所得に対する法人税については、なお従前の例による。
(旧法の規定に基づく処分又は手続の効力)
第三条 施行日前に改正前の法人税法(以下「旧法」という。)又はこれに基づく命令の規定によつてした承認、指定又は申告、申請、請求、届出その他の処分又は手続で新法又はこれに基づく命令に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、新法又はこれに基づく命令の相当の規定によつてした相当の処分又は手続とみなす。
(事業年度に関する経過規定)
第四条 新法第十四条(みなし事業年度)の規定は、施行日以後に同条各号に該当する事実が生じた場合について適用し、同日前に当該事実が生じた場合については、なお従前の例による。
(配当等の額とみなす金額に関する経過規定)
第五条 新法第二十四条第一項第三号(解散の場合のみなし配当)の規定は、法人が施行日以後に解散した法人から残余財産の分配として金銭その他の資産の交付を受ける場合について適用し、法人が同日前に解散した法人から残余財産の分配として金銭その他の資産の交付を受ける場合については、なお従前の例による。
(租税公課の損金不算入に関する経過規定)
第六条 新法第三十八条第二項(租税公課の損金不算入)の規定は、法人が施行日以後に同項各号に掲げるものを納付する場合について適用し、法人が同日前に当該納付をした場合については、なお従前の例による。
(圧縮記帳に関する経過規定)
第七条 新法第四十二条から第五十一条まで(圧縮記帳)の規定は、法人が施行日以後に、新法第四十二条第一項に規定する国庫補助金等、同条第二項に規定する固定資産、新法第四十五条第一項に規定する金銭若しくは資材若しくは同条第二項に規定する固定資産の交付を受け、新法第四十六条第一項に規定する納付金の納付を受け、新法第四十七条第一項に規定する保険金等の支払若しくは同条第二項に規定する代替資産の交付を受け、新法第五十条第一項に規定する交換をし、又は新法第五十一条第一項に規定する特定出資をする場合について適用し、同日前に、当該交付、納付若しくは支払を受け、当該交換をし、又は当該特定出資をした場合については、なお従前の例による。
(引当金に関する経過規定)
第八条 法人が施行日の属する事業年度開始の日において有する旧法(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定による貸倒引当金勘定、退職給与引当金勘定又は特別修繕引当金勘定の金額(既に旧法の規定により取りくずすべきこととなつたものを除く。以下この条において「旧貸倒引当金勘定等の金額」という。)は、それぞれ新法第五十二条第一項(貸倒引当金)、第五十五条第一項(退職給与引当金)又は第五十六条第一項(特別修繕引当金)の規定によりその法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された貸倒引当金勘定、退職給与引当金勘定又は特別修繕引当金勘定の金額とみなす。
2 前項の規定は、法人が、施行日の属する事業年度開始の日から施行日の前日までの間において行なつた合併により、その合併に係る被合併法人から旧貸倒引当金勘定等の金額を引き継いだ場合におけるその旧貸倒引当金勘定等の金額について準用する。
3 新法第五十四条(賞与引当金)の規定は、法人の昭和四十年十月一日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用する。
(繰越欠損金の損金算入に関する経過規定)
第九条 新法第五十七条第一項(青色申告書を提出する法人の繰越欠損金の損金算入)又は第五十八条第一項(青色申告書を提出しない法人の災害による繰越損失金の損金算入)の規定を適用する場合において、これらの規定に規定する各事業年度開始の日前五年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額のうちに旧法第九条第五項(青色申告書を提出する法人の繰越欠損金の損金算入)の規定により各事業年度の所得の計算上損金に算入された金額又は旧法第二十六条の四(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額があるときは、これらの金額を当該欠損金額に相当する金額から控除した金額をもつて当該欠損金額とみなす。
2 新法第五十九条(資産整理に伴う私財堤供等があつた場合の欠損金の損金算入)の規定は、施行日以後に同条第一項に規定する事実が生じた場合について適用する。
(みなし配当金額の一部の控除等に関する経過規定)
第十条 新法第六十九条(みなし配当金額の一部の控除)、第九十七条(みなし配当金額の一部の残余財産価額への算入)及び第百一条(解散の場合の清算所得に対する法人税額からのみなし配当金額の一部の控除)の規定(新法第二十四条第一項第三号(解散の場合のみなし配当)に掲げる金銭その他の資産に係る部分に限る。)は、内国法人が施行日以後に解散した法人から残余財産の分配として金銭その他の資産の交付を受ける場合について適用し、内国法人が同日前に解散した法人から残余財産の分配として金銭その他の資産の交付を受ける場合については、なお従前の例による。
2 外国法人が施行日前に交付を受けた旧法第九条の六第二項第二号又は第三号(解散又は合併の場合のみなし配当)に規定する金銭その他の資産については、旧法第十条の二(各事業年度の所得に対する法人税額からのみなし配当金額の一部の控除)その他の旧法の規定は、なおその効力を有する。
(中間申告に関する経過規定)
第十一条 普通法人の施行日の属する事業年度の中間申告に係る法人税(次項の規定に該当するものを除く。)に対する新法第七十一条(中間申告)(新法第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新法第七十一条第一項第一号中「確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号(確定申告に係る法人税額)に掲げる金額」とあるのは「旧法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第十八条第一項(中間申告を要しない法人の確定申告)又は第二十一条第一項(中間申告を要する法人の確定申告)の規定による申告書(以下この条において「旧確定申告書」という。)に記載すべき法人税額」と、同条第二項第一号中「確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号に掲げる金額」とあるのは「旧確定申告書に記載すべき法人税額」とする。
2 施行日の前日までに提出期限の到来した旧法第十九条(中間申告)又は第二十条(新設法人等の中間申告の特例)の規定による申告書に係る法人税については、なお従前の例による。
3 前項の規定によりなお従前の例によることとされる法人税は、新法の規定の適用については、新法第七十一条第一項(新法第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告書に係る法人税とみなす。
(欠損金の繰戻しによる還付に関する経過規定)
第十二条 新法第八十一条第一項(欠損金の繰戻しによる還付)(新法第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、法人の施行日以後に終了する事業年度において生じた欠損金額について適用し、法人の同日前に終了した事業年度において生じた欠損金額については、なお従前の例による。
2 新法第八十一条第四項(新法第百四十五条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、施行日以後に新法第八十一条第四項に規定する事由が生じた場合について適用し、同日前に当該事由が生じた場合については、なお従前の例による。
3 新法第八十一条第一項の規定を適用する場合において、同項に規定する還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき既に旧法第二十六条の四(欠損金の繰戻しによる還付)の規定の適用があつたときは、その額からその適用により還付された金額を控除した金額をもつて当該法人税の額とみなし、かつ、当該還付所得事業年度の所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額をもつて当該還付所得事業年度の所得の金額とみなす。
4 新法第八十一条第四項の規定を適用する場合において、同項に規定する欠損金額のうちに旧法第九条第五項若しくは第六項(繰越欠損金の損金算入)の規定により各事業年度の所得の計算上損金に算入された金額又は旧法第二十六条の四の規定による還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額があるときは、これらの金額を当該欠損金額に相当する金額から控除した金額をもつて当該欠損金額とみなす。
(清算中の内国普通法人等の継続等に関する経過規定)
第十三条 新法第二編第三章第三節(継続等の場合の課税の特例)及び第百三十七条(継続等の場合の更正による所得税額等の還付)の規定は、施行日以後に解散した内国法人である普通法人又は協同組合等が継続し又は合併により消滅する場合について適用し、同日前に解散した内国法人である普通法人又は協同組合等が継続し又は合併により消滅する場合については、なお従前の例による。
(更正の請求に関する経過規定)
第十四条 新法第八十二条(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)(新法第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、法人が施行日以後に新法第八十二条各号に掲げる場合に該当することとなる場合について適用し、法人が同日前に同条各号に掲げる場合に該当することとなつた場合については、なお従前の例による。
(青色申告に関する経過規定)
第十五条 新法第百二十三条第三号(青色申告の承認申請の却下)(新法第百四十六条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定(同号に規定する届出書に係る部分に限る。)は、施行日以後に提出された同号に規定する届出書について適用する。
2 新法第百二十七条第一項(青色申告の承認の取消し)(新法第百四十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当分の間、新法第百二十七条第一項第四号中「又は第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書」とあるのは、「若しくは第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書又は旧法人税法第十八条、第二十一条若しくは第二十二条の二(旧確定申告書等)の規定による申告書」とする。
(申告書の公示に関する経過規定)
第十六条 新法第百五十二条(申告書の公示)の規定は、施行日以後に提出される法人税に係る申告書について適用し、同日前に提出された法人税に係る申告書については、なお従前の例による。
2 新法第百五十二条の規定の適用については、当分の間、同条中「確定申告書」とあるのは、「確定申告書(旧法人税法第十八条又は第二十一条(旧確定申告書)の規定による申告書を含む。)」とする。
(政令への委任)
第十七条 附則第一条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(関係法令の整理)
第十八条 この法律の施行に伴う関係法令の整理については、別に法律で定める。
(罰則に関する経過規定)
第十九条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる法人税に係る同日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
別表第一 公共法人の表
一 次の表に掲げる法人
名称 |
根拠法 |
愛知用水公団 |
愛知用水公団法(昭和三十年法律第百四十一号) |
奄美群島振興信用基金 |
奄美群島振興特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号) |
医療金融公庫 |
医療金融公庫法(昭和三十五年法律第九十五号) |
海外移住事業団 |
海外移住事業団法(昭和三十八年法律第百二十四号) |
海外技術協力事業団 |
海外技術協力事業団法(昭和三十七年法律第百二十号) |
海外経済協力基金 |
海外経済協力基金法(昭和三十五年法律第百七十三号) |
簡易保険郵便年金福祉事業団 |
簡易保険郵便年金福祉事業団法(昭和三十七年法律第六十四号) |
金属鉱物探鉱促進事業団 |
金属鉱物探鉱促進事業団法(昭和三十八年法律第七十八号) |
健康保険組合 |
健康保険法(大正十一年法律第七十号) |
健康保険組合連合会 |
|
原子燃料公社 |
原子燃料公社法(昭和三十一年法律第九十四号) |
公営企業金融公庫 |
公営企業金融公庫法(昭和三十二年法律第八十三号) |
鉱害賠償基金 |
石炭鉱害賠償担保等臨時措置法(昭和三十八年法律第九十七号) |
港務局 |
港湾法 |
国際観光振興会 |
国際観光振興会法(昭和三十四年法律第三十九号) |
国民金融公庫 |
国民金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号) |
国民健康保険組合 |
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号) |
国民健康保険団体連合会 |
|
国立教育会館 |
国立教育会館法(昭和三十九年法律第八十九号) |
国立競技場 |
国立競技場法(昭和三十三年法律第二十号) |
雇用促進事業団 |
雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号) |
産炭地域振興事業団 |
産炭地域振興事業団法(昭和三十七年法律第九十五号) |
社会福祉事業振興会 |
社会福祉事業振興会法(昭和二十八年法律第二百四十号) |
社会保険診療報酬支払基金 |
社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号) |
住宅金融公庫 |
住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号) |
首都高速道路公団 |
首都高速道路公団法(昭和三十四年法律第百三十三号) |
私立学校振興会 |
私立学校振興会法(昭和二十七年法律第十一号) |
新技術開発事業団 |
新技術開発事業団法(昭和三十六年法律第八十二号) |
森林開発公団 |
森林開発公団法(昭和三十一年法律第八十五号) |
水害予防組合 |
水害予防組合法(明治四十一年法律第五十号) |
水害予防組合連合 |
|
地方公共団体 |
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号) |
中小企業金融公庫 |
中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号) |
中小企業信用保険公庫 |
中小企業信用保険公庫法(昭和三十三年法律第九十三号) |
特定船舶整備公団 |
特定船舶整備公団法(昭和三十四年法律第四十六号) |
土地改良区 |
土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号) |
土地改良区連合 |
|
土地区画整理組合 |
土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号) |
日本育英会 |
日本育英会法(昭和十九年法律第三十号) |
日本開発銀行 |
日本開発銀行法(昭和二十六年法律第百八号) |
日本国有鉄道 |
日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五六号) |
日本蚕繭事業団 |
日本蚕繭事業団法(昭和三十四年法律第百四号) |
日本住宅公団 |
日本住宅公団法(昭和三十年法律第五十三号) |
日本消防検定協会 |
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号) |
日本専売公社 |
日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号) |
日本中央競馬会 |
日本中央競馬会法(昭和二十九年法律第二百五号) |
日本中小企業指導センター |
中小企業指導法(昭和三十八年法律第百四十七号) |
日本鉄道建設公団 |
日本鉄道建設公団法(昭和三十九年法律第三号) |
日本てん菜振興会 |
日本てん菜振興会法(昭和三十四年法律第百八号) |
日本電信電話公社 |
日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号) |
日本道路公団 |
日本道路公団法(昭和三十一年法律第六号) |
日本貿易振興会 |
日本貿易振興会法(昭和三十三年法律第九十五号) |
日本放送協会 |
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号) |
日本輸出入銀行 |
日本輸出入銀行法(昭和二十五年法律第二百六十八号) |
日本労働協会 |
日本労働協会法(昭和三十三年法律第百三十二号) |
年金福祉事業団 |
年金福祉事業団法(昭和三十六年法律第百八十号) |
農地開発機械公団 |
農地開発機械公団法(昭和三十年法律第百四十二号) |
農林漁業金融公庫 |
農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号) |
阪神高速道路公団 |
阪神高速道路公団法(昭和三十七年法律第四十三号) |
北海道東北開発公庫 |
北海道東北開発公庫法(昭和三十一年法律第九十七号) |
水資源開発公団 |
水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号) |
労働福祉事業団 |
労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号) |
二 前号の表に掲げる内国法人のうちいずれかのものの国外に源泉がある所得について法人税に相当する税を課さないこととしている外国に本店又は主たる事務所を有する外国法人で、当該内国法人に準ずるものとして政令で定めるところにより大蔵大臣が指定したもの
別表第二 公益法人等の表
一 次の表に掲げる法人
名称 |
根拠法 |
アジア経済研究所 |
アジア経済研究所法(昭和三十五年法律第五十一号) |
開拓融資保証協会 |
開拓融資保証法(昭和二十八年法律第九十一号) |
学校法人(私立学校法第六十四条第四項(各種学校)の規定により設立された法人を含む。) |
私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号) |
環境衛生同業組合(組合員に出資をさせないものに限る。) |
環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律(昭和三十二年法律第百六十四号) |
環境衛生同業組合連合会(会員に出資をさせないものに限る。) |
|
魚価安定基金 |
魚価安定基金法(昭和三十六年法律第百二十九号) |
漁業共済基金 |
漁業災害補償法(昭和三十九年法律第百五十八号) |
漁業共済組合 |
|
漁業共済組合連合会 |
|
漁業協同組合整備基金 |
漁業協同組合整備促進法(昭和三十五年法律第六十一号) |
漁業信用基金協会 |
中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号) |
漁業生産調整組合 |
漁業生産調整組合法(昭和三十六年法律第百二十八号) |
漁船保険組合 |
漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号) |
漁船保険中央会 |
|
高圧ガス保安協会 |
高圧ガス取締法(昭和二十六年法律第二百四号) |
鉱害復旧事業団 |
臨時石炭鉱害復旧法(昭和二十七年法律第二百九十五号) |
小型自動車競走会 |
小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号) |
国家公務員共済組合 |
国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号) |
国家公務員共済組合連合会 |
|
国家公務員の団体(法人であるのものに限る) |
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号) |
国鉄共済組合 |
公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号) |
国民生活研究所 |
国民生活研究所法(昭和三十七年法律第八十号) |
財団法人(民法第三十四条(公益法人の設立)の限定により設立されたものに限る。) |
民法 |
市町村職員共済組合連合会 |
地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号) |
自転車競技会 |
自転車競技法(昭和二十三年法律第二百九号) |
社会福祉法人 |
社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号) |
社会保障研究所 |
社会保障研究所法(昭和三十九年法律第百五十六号) |
社団法人(民法第三十四条の規定により設立されたものに限る。) |
民法 |
宗教法人 |
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号) |
住宅組合 |
住宅組合法(大正十年法律第六十六号) |
酒造組合 |
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号) |
酒造組合中央会 |
|
酒造組合連合会 |
|
酒販組合 |
|
酒販組合中央会 |
|
酒販組合連合会 |
|
商工会 |
商工会の組織等に関する法律(昭和三十五年法律第八十九号) |
商工会議所 |
商工会議所法(昭和二十八年法律第百四十三号) |
商工会連合会 |
商工会の組織等に関する法律 |
商工組合(組合員に出資をさせないものに限る。) |
中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号) |
商工組合連合会(会員に出資ををさせないものに限る。) |
|
消防団員等公務災害補償等共済基金 |
消防団員等公務災害補償等共済基金法(昭和三十一年法律第百七号) |
私立学校教職員共済組合 |
私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号) |
信用保証協会 |
信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号) |
税理士会 |
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号) |
石炭鉱業合理化事業団 |
石炭鉱業合理化臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号) |
全国農業会議所 |
農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号) |
専売共済組合 |
公共企業体職員等共済組合法 |
損害保険料率算出団体 |
損害保険料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号) |
畜産振興事業団 |
畜産物の価格安定等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十三号) |
地方議会議員共済会 |
地方公務員等共済組合法 |
地方競馬全国協会 |
競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号) |
地方公務員共済組合 |
地方公務員等共済組合法 |
地方公務員の団体(法人であるものに限る。) |
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号) |
地方団体関係団体職員共済組合 |
地方公務員等共済組合法 |
中央労働災害防止協会 |
労働災害防止団体等に関する法律(昭和三十九年法律第百十八号) |
中小企業退職金共済事業団 |
中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号) |
中小企業団体中央会 |
中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号) |
特定業種退職金共済組合 |
中小企業退職金共済法 |
都市職員共済組合連合会 |
地方公務員等共済組合法 |
土地改良事業団体連合会 |
土地改良法 |
都道府県農業会議 |
農業委員会等に関する法律 |
南方同胞援護会 |
南方同胞援護会法(昭和三十二年法律第百六十号) |
日本学校安全会 |
日本学校安全会法(昭和三十四年法律第百九十八号) |
日本学校給食会 |
日本学校給食会法(昭和三十年法律第百四十八号) |
日本原子力船開発事業団 |
日本原子力船開発事業団法(昭和三十八年法律第百号) |
日本小型自動車振興会 |
小型自動車競走法 |
日本自転車振興会 |
自転車競技法 |
日本商工会議所 |
商工会議所法 |
日本税理士会連合会 |
税理士法 |
日本赤十字社 |
日本赤十字社法(昭和二十七年法律第三百五号) |
日本電気計器検定所 |
日本電気計器検定所法(昭和三十九年法律第百五十号) |
日本電信電話公社共済組合 |
公共企業体職員等共済組合法 |
日本弁護士連合会 |
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号) |
農業機械化研究所 |
農業機械化促進法(昭和二十八年法律第二百五十二号) |
農業共済基金 |
農業共済基金法(昭和二十七年法律第二百二号) |
農業共済組合 |
農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号) |
農業共済組合連合会 |
|
農業協同組合中央会 |
農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号) |
農業信用基金協会 |
農業信用基金協会法(昭和三十六年法律第二百四号) |
農林漁業団体職員共済組合 |
農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号) |
負債整理組合 |
農村負債整理組合法(昭和八年法律第二十一号) |
弁護士会 |
弁護士法 |
弁理士会 |
弁理士法(大正十年法律第百号) |
北方協会 |
北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律(昭和三十六年法律第百六十二号) |
郵便募金管理会 |
お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する法律(昭和二十四年法律第二百二十四号) |
輸出組合(組合員に出資をさせないものに限る。) |
輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号) |
輸出入組合(組合員に出資をさせないものに限る。) |
|
輸入組合(組合員に出資をさせないものに限る。) |
|
林業信用基金 |
林業信用基金法(昭和三十八年法律第五十五号) |
労働組合(法人であるものに限る。) |
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号) |
労働災害防止協会 |
労働災害防止団体等に関する法律 |
二 前号の表に掲げる内国法人のうちいずれかのものの国外に源泉がある所得(収益事業から生ずる所得を除く。)について法人税に相当する税を課さないこととしている外国に本店又は主たる事務所を有する外国法人で、当該内国法人に準ずるものとして政令で定めるところにより大蔵大臣が指定したもの
別表第三 協同組合等の表
名称 |
根拠法 |
塩業組合 |
塩業組合法(昭和二十八年法律第百七号) |
貸室組合 |
貸家組合法(昭和十六年法律第四十七号) |
貸室組合連合会 |
|
貸家組合 |
|
貸家組合連合会 |
|
環境衛生同業組合(組合員に出資をさせるものに限る。) |
環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律 |
環境衛生同業組合連合会(会員に出資をさせるものに限る。) |
|
漁業協同組合 |
水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号) |
漁業協同組合連合会 |
|
漁業生産組合(当該組合の事業に従事する組合員に対し給料、賃金、賞与その他これらの性質を有する給与を支給するものを除く。) |
|
蚕糸業会 |
蚕糸業法(昭和二十年法律第五十七号) |
商工組合(組合員に出資をさせるものに限る。) |
中小企業団体の組織に関する法律 |
商工組合中央金庫 |
商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号) |
商工組合連合会(会員に出資をさせるものに限る。) |
中小企業団体の組織に関する法律 |
商店街振興組合 |
商店街振興組合法(昭和三十七年法律第百四十一号) |
商店街振興組合連合会 |
|
消費生活協同組合 |
消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号) |
消費生活協同組合連合会 |
|
信用金庫 |
信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号) |
信用金庫連合会 |
|
森林組合(森林法第八十六条第二項(生産組合員の資格)に規定する生産組合でその事業に従事する組合員に対し給料、賃金、賞与その他これらの性質を有する給与を支給するものを除く。) |
森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号) |
森林組合連合会 |
|
水産加工業協同組合 |
水産業協同組合法 |
水産加工業協同組合連合会 |
|
水産業協同組合共済会 |
|
船主相互保険組合 |
船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号) |
たばこ耕作組合 |
たばこ耕作組合法(昭和三十三年法律第百三十五号) |
中小企業等協同組合(企業組合を除く。) |
中小企業等協同組合法 |
内航海運組合 |
内航海運組合法(昭和三十二年法律第百六十二号) |
内航海運組合連合会 |
|
農業協同組合 |
農業協同組合法 |
農業協同組合連合会 |
|
農事組合法人(農業協同組合法第七十二条の八第一項第二号(農業の経営)の事業を行なう農事組合法人でその事業に従事する組合員に対し給料、賃金、賞与その他これらの性質を有する給与を支給するものを除く。) |
|
農林中央金庫 |
農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号) |
輸出組合(組合員に出資をさせるものに限る。) |
輸出入取引法 |
輸出振興事業協会 |
軽機械の輸出の振興に関する法律(昭和三十四年法律第百四十四号) |
輸出水産業組合 |
輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号) |
輸出入組合(組合員に出資をさせるものに限る。) |
輸出入取引法 |
輸入組合(組合員に出資をさせるものに限る。) |
|
労働金庫 |
労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号) |
(大蔵・内閣総理大臣署名) |