家畜保健衛生所法
法律第十二号(昭二五・三・一八)
(設置)
第一条 家畜保健衛生所は、地方における家畜衛生の向上を図り、もつて畜産の振興に資するため、都道府県が設置する。
2 家畜保健衛生所の位置、名称及び管轄区域は、条例で定める。
3 家畜保健衛生所には、その名称中に「家畜保健衛生所」という文字を用いなければならない。
第二条 都道府県は、家畜保健衛生所を設置しようとするときは、農林大臣の承認を得なければならない。
(事務の範囲)
第三条 家畜保健衛生所は、第一条第一項に規定する目的を達成するため、左に掲げる事務を行う。
一 家畜衛生に関する思想の普及及び向上に関する事務
二 家畜の伝染病の予防に関する事務
三 家畜の繁殖障害の除去及び人工授精の実施に関する事務
四 家畜の保健衛生上必要な試験及び検査に関する事務
五 寄生虫病、骨軟症その他農林大臣の指定する疾病の予防のためにする家畜の診断に関する事務
六 地方的特殊疾病の調査に関する事務
七 その他地方における家畜衛生の向上に関する事務
(家畜保健衛生所の利用)
第四条 都道府県知事は、条例の定めるところにより、獣医師に家畜保健衛生所の試験及び検査に関する施設を利用させることができる。
(農林大臣の権限)
第五条 農林大臣は、地方における家畜衛生の向上を図るため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、家畜保健衛生所の運営に関して必要な事項を命じ、及び必要な報告を求めることができる。
(名称の制限)
第六条 この法律による家畜保健衛生所でないものは、その名称中に「家畜保健衛生所」という文字又はこれに類似する文字を用いてはならない。
(国からの補助)
第七条 国は、家畜保健衛生所に要する経費に対し、毎年予算の範囲内で、都道府県に、創設費及びこれに伴う初度調弁費並びに職員に要する経費の二分の一以内の補助金を交付することができる。
附 則
この法律は、昭知二十五年四月一日から施行する。但し、第六条の規定は、昭和二十五年七月一日から施行する。
(内閣総理・農林大臣署名)