沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法

法律第四十七号(昭四四・六・二一)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 沖縄において行なう試験及び申請等の特例(第三条―第六条)

 第三章 各資格法規に関する特例

  第一節 土地家屋調査士法に関する特例(第七条)

  第二節 公認会計士法及び税理士法に関する特例(第八条・第九条)

  第三節 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律、理容師法、栄養士法、クリーニング業法、美容師法、調理師法及び理学療法士及び作業療法士法に関する特例(第十条―第十六条)

  第四節 火薬類取締法、高圧ガス取締法、電気工事士法及び電気事業法に関する特例(第十七条―第二十条)

  第五節 船舶職員法に関する特例(第二十一条)

  第六節 電波法及び公衆電気通信法に関する特例(第二十二条・第二十三条)

  第七節 社会保険労務士法に関する特例(第二十四条)

  第八節 測量法、建築基準法、建築士法及び宅地建物取引業法に関する特例(第二十五条―第二十八条)

  第九節 消防法及び行政書士法に関する特例(第二十九条・第三十条)

 第四章 雑則(第三十一条―第三十三条)

 附則

   第一章 総則


 (趣旨)

第一条 この法律は、他の法令に定めるもののほか、沖縄が復帰するまでの間における暫定措置として、沖縄と本土との一本化に資するため、沖縄において行なう免許資格に関する試験及び沖縄の免許資格者に対する本邦の免許資格の付与等に関し必要な措置を定めるものとする。


 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 沖縄 沖縄県の区域とされていた地域をいう。

 二 免許資格 個人が一定の技術、技能又は知識を必要とする職業に従事するために法令上必要とされる免許、登録等に係る資格をいう。

 三 沖縄の免許資格者 沖縄の法令の規定に基づく免許資格を有する者をいう。

 四 本邦の免許資格 この法律の規定の適用を受けて付与される免許資格をいう。

 五 沖縄事務所 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)第十三条第一項に規定する日本政府沖縄事務所をいう。

   第二章 沖縄において行なう試験及び申請等の特例


 (沖縄において行なう試験)

第三条 次に掲げる試験及び検定(以下この章において「免許資格試験」という。)の全部又は一部は、沖縄において行なうことができる。

 一 司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号)第二条に規定する司法試験

 二 土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第五条第一項に規定する土地家屋調査士試験

 三 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第五条第一項に規定する公認会計士試験

 四 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第六条に規定する税理士試験

 五 栄養士法(昭和二十二年法律第二百四十五号)第五条の三に規定する管理栄養士試験

 六 保健婦助産婦看護婦法(昭和二十三年法律第二百三号)第十七条に規定する保健婦国家試験、助産婦国家試験及び看護婦国家試験

 七 高圧ガス取締法(昭和二十六年法律第二百四号)第二十九条第三項に規定する高圧ガス作業主任者試験

 八 ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第三十二条第三項第一号に規定するガス主任技術者国家試験

 九 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第五十六条第一項に規定する電気主任技術者国家試験

 十 船舶職員法(昭和二十六年法律第百四十九号)第四条第二項に規定する海技従事者国家試験

 十一 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二十九条第一項に規定する航空従事者に係る試験

 十二 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第四十六条に規定する無線従事者国家試験

 十三 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第九条に規定する社会保険労務士試験

 十四 測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)第五十条第五号及び第五十一条第四号に規定する測量士試験及び測量士補試験

 十五 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第五条第一項に規定する建築主事の資格検定

 十六 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十二条に規定する一級建築士試験

 十七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める試験及び検定

2 免許資格試験に関する事務を管理する行政庁は、沖縄において免許資格試験を行なう場合には、その要領その他必要な事項を、内閣総理大臣を経由して琉球政府に通知するものとする。

3 沖縄において行なう免許資格試験に係る願書の受理その他の事務は、政令で定めるところにより、沖縄事務所において行なうことができる。


 (免許資格に係る申請等の特例)

第四条 沖縄において行なう免許資格試験に合格した者又は沖縄の免許資格者で本邦の免許資格を付与されるものが沖縄においてする本邦の免許資格に係る申請その他の手続は、政令で定めるところにより、沖縄事務所の所長を経由してすることができる。


 (受験資格等の特例)

第五条 沖縄において行なう免許資格試験若しくはその免除を受けようとする者又は沖縄の免許資格者で本邦の免許資格を得ようとするものについて本邦の免許資格に関する法令の規定を適用する場合には、この法律に別段の定めがあるものを除き、沖縄の学校教育に関する法令の規定による学校は、それぞれ当該法令の規定に相当する学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の規定による学校とみなす。


 (手数料の特例)

第六条 沖縄において行なう免許資格試験又は第四条の規定による申請その他の手続に係る手数料は、政令で定めるところにより、アメリカ合衆国通貨をもつて納付することができる。

   第三章 各資格法規に関する特例

    第一節 土地家屋調査士法に関する特例


 (土地家屋調査士法に関する特例)

第七条 沖縄の土地建物調査士に関する法令の規定による土地建物調査士となる資格を有する者で、第三条第一項第二号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日までに当該資格を取得したものは、土地家屋調査士法第三条の規定にかかわらず、土地家屋調査士となる資格を有する。ただし、同法第四条各号の一に該当する者については、この限りでない。

    第二節 公認会計士法及び税理士法に関する特例


 (公認会計士法に関する特例)

第八条 第三条第一項第三号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日までに沖縄の公認会計士に関する法令の規定により琉球政府が行なう第一次試験、第二次試験又は第三次試験に合格した者は、それぞれ公認会計士法第六条、第八条第一項又は第十条第一項に規定する第一次試験、第二次試験又は第三次試験に合格した者とみなす。

2 前項に規定する日までに沖縄の公認会計士に関する法令の規定により琉球政府が行なう第三次試験を受けた者のうち、当該法令に定める基準以上の成績を得たことにより筆記試験の免除を受けることができる者が、同日以後に公認会計士法第十条第一項に規定する第三次試験を受ける場合には、その申請により、その者が同日以後に沖縄の公認会計士に関する法令の規定による第三次試験を受けるとしたならば免除を受けることができる筆記試験の回数に相当する回数の同条第三項に規定する筆記試験を免除する。

3 沖縄の公認会計士に関する法令の規定による第三次試験の受験資格についての検定に合格した者及び昭和三十二年七月三十一日までに次の各号に掲げる職の一又は二以上にあつてその職にあつた年数を通算して十四年以上になつた者は、公認会計士法第十一条の規定にかかわらず、同法第十条第一項に規定する第三次試験を受けることができる。

 一 沖縄の計理士又は税務代理士に関する法令の規定による計理士又は税務代理士

 二 沖縄の学校教育に関する法令の規定による大学における商学に属する科目の教授、助教授又は講師

 三 沖縄の行政機関において会計検査、銀行検査、法人税又は会社その他の団体の財務に関する行政事務を直接担当する職で大蔵大臣の指定するもの

 四 公認会計士特例試験等に関する法律(昭和三十九年法律第百二十三条)による改正前の公認会計士法第五十七条第二項各号に掲げる職

4 この法律の施行の日の前日までに沖縄の公認会計士に関する法令の規定による実務補習を受けた期間は、公認会計士法第十二条の規定による実務補習を受けた期間とみなす。

5 公認会計士法第十二条の規定による実務補習は、沖縄の公認会計士に関する法令の規定による公認会計士の事務所、その組織する団体その他大蔵大臣の認定する沖縄の機関においても行なうことができる。

6 沖縄の計理士に関する法令の規定による計理士として会計に関する検査又は証明の業務に従事していた期間は、公認会計士法第六十五条第二項の規定の適用については、計理士として会計に関する検査又は証明の業務に従事していた期間とみなす。

7 公認会計士法第四条各号の一に該当する者のほか、沖縄の公認会計士に関する法令の規定による公認会計士又は会計士補となることができない者は、公認会計士又は会計士補となることができない。


 (税理士法に関する特例)

第九条 沖縄の税理士に関する法令の規定による税理士となる資格を有する者(沖縄の弁護士又は公認会計士に関する法令の規定による弁護士並びに公認会計士及び外国公認会計士を除く。)は、税理士法第三条第一項の規定にかかわらず、税理士となる資格を有する。ただし、同法第四条各号の一に該当する者については、この限りでない。

2 沖縄の政府税(沖縄のとん税を除く。)又は市町村税に関する事務に従事した期間は、税理士法第三条第一項の規定の適用については、同項ただし書に規定する事務に従事した期間とみなす。

3 沖縄の税理士に関する法令の規定による税理士試験を受けることができる者は、税理士法第五条の規定にかかわらず、同法第六条に規定する税理士試験を受けることができる。

4 沖縄の税理士に関する法令の規定による税理士試験において試験科目のうちの一部の科目につき当該法令に定める基準以上の成績を得たことにより当該科目の試験の免除を受けることができる者は、税理士法第七条の規定の適用については、当該科目に類する同法第六条に規定する税理士試験の試験科目として大蔵省令で定める科目につき、同法第七条第一項に規定する成績を得た者とみなす。

5 沖縄の税理士に関する法令の規定による税理士試験の試験科目のうちの一部の科目につき試験の免除を受けることができることとされる職、業務又は事務に従事した者に対する税理士法第八条の規定の適用については、大蔵省令で定めるところにより、当該職、業務又は事務を同条第一項第一号、第二号又は第四号から第九号までに規定する職、業務又は事務とみなす。

6 沖縄の税理士に関する法令の規定による税理士試験の試験科目のうちの一部の科目につき試験の免除を受けることができることとされる学位を授与された者又は沖縄の公認会計士に関する法令の規定による会計士補若しくは会計士補となる資格を有する者は、税理士法第八条の規定の適用については、大蔵省令で定めるところにより、同条第一項第一号から第三号までに該当する者とみなす。

7 次の各号の一に該当する者については、税理士法第二十二条第一項の規定にかかわらず、大蔵省令で定めるところにより税法又は会計学に属する科目に関する講習の課程を修了した後でなければ、同法第十八条の規定による税理士の登録をしない。

 一 第一項の規定により税理士となる資格を有する者

 二 前三項の規定の適用を受けて税理士法第三条第一項第三号又は第四号に該当することとなつた者

    第三節 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律、理容師法、栄養士法、クリーニング業法、美容師法、調理師法及び理学療法士及び作業療法士法に関する特例


 (あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律に関する特例)

第十条 沖縄のあん摩マツサージ指圧師、はり師又はきゆう師に係る学校又は養成施設を卒業した者で、厚生大臣の定める基準により都道府県知事が適当と認めたものは、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第二条第一項の規定の適用については、同項に規定するあん摩マツサージ指圧師、はり師又はきゆう師となるのに必要な知識及び技能を修得した者とみなす。


 (理容師法に関する特例)

第十一条 次の各号の一に該当する者は、理容師法(昭和二十二年法律第二百三十四号)第二条第一項の規定にかかわらず、都道府県知事の免許を受けて理容師となることができる。

 一 沖縄の理容師に関する法令の規定による理容師試験に合格した者

 二 沖縄の学校教育に関する法令の規定による高等学校に入学することができる者又はこれとみなされる者のうち、沖縄の理容師に関する法令の規定により琉球政府が指定した理容師養成施設又は当該理容師養成施設及び理容師法第二条第一項の理容師養成施設において同項の厚生省令で定める期間以上理容師たるに必要な知識及び技能を修得した後、同項に規定する実地習練を経た者であつて、更に都道府県知事が行なう理容師試験に合格したもの

 三 前二号に掲げる者のほか、この法律の施行の日において現に沖縄の理容師に関する法令の規定による理容師の免許(琉球政府が指定した外国において理容師の免許を受けた者で、琉球政府が適当と認めたことにより理容師の免許を受けたものに係るものを除く。第三項において「沖縄の理容師免許」という。)を受けている者

2 理容師法第七条に規定する者のほか、沖縄の理容師に関する法令の規定に違反した者又は当該法令の規定による免許の取消しを受けた者には、前項の規定による理容師の免許を与えないことができる。

3 次の各号の一に該当する者で管理理容師となろうとするものに対する理容師法第十一条の三第二項の規定の適用については、「理容師の免許を受けた後三年以上理容の業務に従事し」とあるのは、「理容師の免許(沖縄の理容師免許を含む。)を受けた後三年以上理容の業務(沖縄における理容の業務を含む。)に従事し」とする。

 一 沖縄の理容師免許を受けた者で第一項の規定による理容師の免許を受けたもの

 二 第一項又は理容師法第二条第一項の規定による理容師の免許を受けた後沖縄において理容の業務に従事する者


 (栄養士法に関する特例)

第十二条 次の各号の一に該当する者は、栄養士法第二条第一項の規定にかかわらず、都道府県知事の免許を受けて栄養士となることができる。

 一 沖縄の栄養士に関する法令の規定により琉球政府が指定した栄養士の養成施設(第三項において「沖縄の養成施設」という。)又は当該養成施設及び栄養士法第二条第一項第一号の養成施設(第三項において「本邦の養成施設」という。)において二年以上栄養士たるに必要な知識及び技能を修得した者

 二 沖縄の栄養士に関する法令の規定による栄養士試験に合格した者

2 栄養士法第三条各号の一に該当する者のほか、沖縄の栄養士に関する法令の規定により栄養士の免許を与えることができない者に対しては、前項の規定による栄養士の免許を与えない。

3 沖縄の栄養士に関する法令の規定による栄養士の免許(以下この項において「沖縄の栄養士免許」という。)又は第一項若しくは栄養士法第二条第一項の規定による栄養士の免許(以下この項において「本邦の栄養士免許」という。)を受けた者で次の各号の一に該当するものは、同法第五条の四の規定にかかわらず、同法第五条の三に規定する管理栄養士試験を受けることができる。

 一 修業年限が二年である沖縄の養成施設を卒業して沖縄の栄養士免許若しくは本邦の栄養士免許を受け、又は修業年限が二年である本邦の養成施設を卒業して沖縄の栄養士免許を受けた後、栄養士法第五条の四第一号の厚生省令で定める施設において二年以上栄養の指導に従事した者

 二 修業年限が三年である沖縄の養成施設を卒業して沖縄の栄養士免許若しくは本邦の栄養士免許を受け、又は修業年限が三年である本邦の養成施設を卒業して沖縄の栄養士免許を受けた後、栄養士法第五条の四第二号の厚生省令で定める施設において一年以上栄養の指導に従事した者

 三 修業年限が四年である沖縄の養成施設を卒業した者


 (クリーニング業法に関する特例)

第十三条 都道府県知事は、クリーニング業法(昭和二十五年法律第二百七号)第六条の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者にクリーニング師の免許を与えることができる。

 一 沖縄のクリーニング業に関する法令の規定によるクリーニング師の試験に合格した者

 二 前号に掲げる者のほか、この法律の施行の日において現に沖縄のクリーニング業に関する法令の規定によるクリーニング師の免許を受けている者(琉球政府が指定した外国においてクリーニング師の免許を受けた者で、琉球政府が適当と認めたことによりクリーニング師の免許を受けたものを除く。)


 (美容師法に関する特例)

第十四条 次の各号の一に該当する者は、美容師法(昭和三十二年法律第百六十三号)第三条第一項の規定にかかわらず、都道府県知事の免許を受けて美容師となることができる。

 一 沖縄の美容師に関する法令の規定による美容師試験に合格した者

 二 前号に掲げる者のほか、この法律の施行の日において現に沖縄の美容師に関する法令の規定による美容師の免許(琉球政府が指定した外国において美容師の免許を受けた者で、琉球政府が適当と認めたことにより美容師の免許を受けたものに係るものを除く。第四項において「沖縄の美容師免許」という。)を受けている者

2 美容師法第三条第二項及び第三項に規定する者のほか、沖縄の美容師に関する法令の規定に違反した者又は当該法令の規定による免許の取消しを受けた者には、前項の規定による美容師の免許を与えないことができる。

3 沖縄の学校教育に関する法令の規定による高等学校に入学することができる者又はこれとみなされる者で、沖縄の美容師に関する法令の規定により琉球政府が指定した美容師養成施設又は当該美容師養成施設及び美容師法第四条第二項の美容師養成施設において同項の厚生省令で定める期間以上美容師たるに必要な知識及び技能を修得した後、同項に規定する実地習練を経たものは、同項の規定にかかわらず、美容師試験を受けることができる。

4 次の各号の一に該当する者で管理美容師となろうとするものに対する美容師法第十二条の二第二項の規定の適用については、「美容師の免許を受けた後三年以上美容の業務に従事し」とあるのは、「美容師の免許(沖縄の美容師免許を含む。)を受けた後三年以上美容の業務(沖縄における美容の業務を含む。)に従事し」とする。

 一 沖縄の美容師免許を受けた者で第一項の規定による美容師の免許を受けたもの

 二 第一項又は美容師法第三条第一項の規定による美容師の免許を受けた後沖縄において美容の業務に従事する者


 (調理師法に関する特例)

第十五条 都道府県知事は、調理師法(昭和三十三年法律第百四十七号)第三条第一項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者に調理師の免許を与えることができる。

 一 沖縄の学校教育に関する法令の規定による高等学校に入学することができる者又はこれとみなされる者で、沖縄の調理師に関する法令の規定により琉球政府が指定する調理師養成施設又は当該調理師養成施設及び調理師法第三条第一項第一号の調理師養成施設において一年以上調理、栄養及び衛生に関して調理師たるに必要な知識及び技能を修得したもの

 二 沖縄の学校教育に関する法令の規定による高等学校に入学することができる者又はこれとみなされる者で、調理師法第三条第一項第三号の厚生省令で定める施設又は営業において二年以上調理の業務に従事した後、沖縄の調理師に関する法令の規定による調理、栄養及び衛生に関する知識及び技能についての試験に合格したもの

 三 前二号に掲げる者のほか、この法律の施行の日において現に沖縄の調理師に関する法令の規定による調理師の免許を受けている者

2 調理師法第四条各号の一に該当する者のほか、沖縄の調理師に関する法令の規定により調理師の免許を与えることができない者に対しては、前項の規定による調理師の免許を与えない。


 (理学療法士及び作業療法士法に関する特例)

第十六条 理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年法律第百三十七号)の施行の際に沖縄の同法附則第四項に規定する施設において医師の指示の下に理学療法若しくは作業療法を業として行なつていた者又は同法の施行の際に同項に規定する施設において医師の指示の下に理学療法若しくは作業療法を業として行なつていた者で沖縄において当該業務を行なうものに対する同項の規定の適用については、「病院、診療所その他省令で定める施設」とあるのは、「病院、診療所その他省令で定める施設(沖縄のこれらの施設を含む。)」とする。

    第四節 火薬類取締法、高圧ガス取締法、電気工事士法及び電気事業法に関する特例


 (火薬類取締法に関する特例)

第十七条 通商産業大臣又は都道府県知事は、火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)第三十一条第三項の規定にかかわらず、沖縄の火薬類の取締りに関する法令の規定による火薬類作業主任者試験又は火薬類取扱主任者試験に合格した者に対し、通商産業省令で定めるところにより、同条第一項又は第二項に規定する火薬類製造保安責任者免状又は火薬類取扱保安責任者免状を交付することができる。

2 通商産業大臣又は都道府県知事は、火薬類取締法第三十一条第四項各号の一に該当する者のほか、次の各号の一に該当する者に対しては、前項の規定による火薬類製造保安責任者免状又は火薬類取扱保安責任者免状の交付を行なわないことができる。

 一 沖縄の火薬類の取締りに関する法令の規定により火薬類作業主任者免状又は火薬類取扱主任者免状の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者

 二 沖縄の火薬類の取締りに関する法令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者


 (高圧ガス取締法に関する特例)

第十八条 通商産業大臣又は都道府県知事は、高圧ガス取締法第二十九条第三項の規定にかかわらず、沖縄の液化石油ガスの取締りに関する法令の規定による液化石油ガス作業主任者試験又は液化石油ガス販売主任者試験に合格した者であつて通商産業省令で定める液化石油ガスの製造の作業又は販売に関する経験を有するものに対し、通商産業省令で定めるところにより、同条第一項に規定する高圧ガス作業主任者免状又は高圧ガス販売主任者免状を交付することができる。

2 通商産業大臣又は都道府県知事は、高圧ガス取締法第二十九条第四項各号の一に該当する者のほか、次の各号の一に該当する者に対しては、前項の規定による高圧ガス作業主任者免状又は高圧ガス販売主任者免状の交付を行なわないことができる。

 一 沖縄の液化石油ガスの取締りに関する法令の規定により液化石油ガス作業主任者免状又は液化石油ガス販売主任者免状の返納を命ぜられ、その日から二年を経過しない者

 二 沖縄の液化石油ガスの取締りに関する法令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者


 (電気工事士法に関する特例)

第十九条 都道府県知事は、電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第四条第二項の規定にかかわらず、沖縄の電気事業に関する法令の規定による電気工事に従事する者の免許を受けている者のうち、琉球政府が行なう講習で通商産業大臣が指定するものの課程を修了した者に対し、同条第一項の電気工事士免状を交付することができる。

2 都道府県知事は、電気工事士法第四条第三項各号の一に該当する者のほか、沖縄の電気事業に関する法令の規定により電気工事の業務の停止の処分を受けている者に対しては、前項の規定による電気工事士免状の交付を行わないことができる。


 (電気事業法に関する特例)

第二十条 通商産業大臣は、電気事業法第五十四条第四項の規定にかかわらず、第三条第一項第九号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日までに沖縄の電気事業に関する法令の規定により琉球政府が行なう主任技術者資格検定(試験によるものに限る。)に合格した者に対し、通商産業省令で定めるところにより、同条第一項に規定する主任技術者免状を交付することができる。

2 通商産業大臣は、電気事業法第五十四条第六項各号の一に該当する者のほか、次の各号の一に該当する者に対しては、前項の規定による主任技術者免状の交付を行なわないことができる。

 一 沖縄の電気事業に関する法令の規定による解任命令により解任され、その日から一年を経過しない者

 二 沖縄の電気事業に関する法令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

    第五節 船舶職員法に関する特例


 (船舶職員法に関する特例)

第二十一条 運輸大臣は、船舶職員法第四条第二項の規定にかかわらず、第三条第一項第十号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日としてその種別ごとに運輸大臣が指定する日までに沖縄の船舶職員に関する法令の規定により琉球政府が与えた海技従事者の免許を有する者に対し、運輸省令で定めるところにより、海技従事者の免許を与えることができる。

2 船舶職員法第六条に規定する者のほか、次の各号の一に該当する者には、前項の規定による海技従事者の免許を与えない。

 一 沖縄の船舶職員に関する法令又は沖縄の海難審判に関する法令の規定により業務の停止の処分を受けている者

 二 船舶職員法第五条第一項に規定する甲種船舶通信士、乙種船舶通信士又は丙種船舶通信士の資格に係る免許にあつては、運輸省令で定める電波法第四十条第一項の無線従事者の資格について同法第四十一条第一項の免許を受けていない者

    第六節 電波法及び公衆電気通信法に関する特例


 (電波法に関する特例)

第二十二条 郵政大臣は、電波法第四十一条第二項の規定にかかわらず、第三条第一項第十二号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日としてその種別ごとに郵政大臣が指定する日までに沖縄の電波に関する法令の規定により琉球政府が与えた無線従事者の免許を有する者に対し、郵政省令で定めるところにより、無線従事者の免許を与えることができる。

2 電波法第四十二条各号の一に該当する者に対しては、前項の規定による無線従事者の免許を与えないことができる。

3 第一項の規定による無線従事者の免許を受けた者が、琉球政府から受けた免許による無線従事者として業務に従事していた期間は、電波法第五十条第一項及び第二項の規定の適用については、琉球政府の免許に係る資格に応じ郵政省令で定めるところによりこれらの規定に規定する第一級無線通信士又は第二級無線通信士として業務に従事していた期間とみなす。


 (公衆電気通信法に関する特例)

第二十三条 日本電信電話公社は、公衆電気通信法(昭和二十八年法律第九十七号)第五十二条第一項(同法第百五条第八項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、沖縄の電気通信に関する法令の規定により電話交換取扱者又は工事担任者としての資格の認定を受けた者に対し、日本電信電話公社が定めるところにより、同法第五十一条第一項又は第百五条第七項の認定を行なうことができる。

2 前項の規定による認定を受けた者又は公衆電気通信法第五十一条第一項若しくは第百五条第七項の認定を受けた者が、沖縄において構内交換電話若しくは地域団体加入電話の交換設備による交換又は公衆電気通信設備の設置(以下この項において「交換等」という。)に従事した場合には、同法第五十三条第三項(同法第百五条第八項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、交換等に従事したものとみなす。

    第七節 社会保険労務士法に関する特例


 (社会保険労務士法に関する特例)

第二十四条 次の各号の一に該当する者は、社会保険労務士法第三条の規定にかかわらず、社会保険労務士となる資格を有する。

 一 沖縄の弁護士に関する法令の規定による弁護士となる資格を有する者

 二 前号に掲げる者のほか、社会保険労務士となるにふさわしい知識及び能力を有すると認められる者で政令で定めるもの。

    第八節 測量法、建築基準法、建築士法及び宅地建物取引業法に関する特例


 (測量法に関する特例)

第二十五条 第三条第一項第十四号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日までに沖縄の測量に関する法令の規定により琉球政府が行なう測量士試験又は測量士補試験に合格した者で、国土地理院の長が行なう講習の課程を修了したものは、それぞれ測量法第五十条第五号又は第五十一条第四号に規定する測量士試験又は測量士補試験に合格した者とみなす。


 (建築基準法に関する特例)

第二十六条 第三条第一項第十五号に掲げる資格検定を沖縄において最初に行なう日までに沖縄の建築基準に関する法令の規定により琉球政府が行なう建築主事の資格検定に合格した者は、建築基準法第五条第一項に規定する建築主事の資格検定に合格した者とみなす。


 (建築士法に関する特例)

第二十七条 沖縄の建築士に関する法令の規定による一級建築士試験で第三条第一項第十六号に掲げる試験を沖縄において最初に行なう日までに琉球政府が行なうもの又は当該法令の規定による二級建築士試験に合格した者(それぞれ選考により当該法令の規定による一級建築士又は二級建築士の免許を受けることが認められた者を含む。)は、建築士法第四条の規定にかかわらず、それぞれ一級建築士又は二級建築士の免許を受けることができる。

2 建築士法第七条各号の一に該当する者のほか、沖縄の建築士に関する法令の規定による一級建築士又は二級建築士の免許を与えないこととされる者には、前項の規定による一級建築士又は二級建築士の免許を与えない。

3 建築士法第八条各号の一に該当する者のほか、次の各号の一に該当する者には、第一項の規定による一級建築士又は二級建築士の免許を与えないことができる。

 一 沖縄の法令の規定により禁錮以上の刑に処せられた者

 二 沖縄の建築士に関する法令の規定に違反して、又は沖縄において建築物の建築に関し罪を犯して罰金以上の刑に処せられた者

4 沖縄に住所を有する一級建築士に対する建築士法第五条第四項の規定の適用については、同項中「住所地の都道府県知事を経由して」とあるのは、「日本政府沖縄事務所の所長を経由して」とする。

5 沖縄の建築士に関する法令の規定による二級建築士として四年以上の実務の経験を有する者は、建築士法第十四条の規定の適用については、同条第三号に該当する者とみなす。


 (宅地建物取引業法に関する特例)

第二十八条 沖縄の土地建物取引業に関する法令の規定による土地建物取引員試験に合格した者で、建設大臣が行なう講習の課程を修了したものは、宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第十一条の二第一項に規定する宅地建物取引主任者資格試験に合格した者とみなす。

2 次の各号の一に該当する者は、宅地建物取引業法第十一条の二の規定の適用については、同条第一項各号の一に該当するものとみなす。

 一 沖縄の土地建物取引業に関する法令の規定により土地建物取引業者の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合には、その取消しの日前三十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役又はこれらに準ずる者をいう。)であつた者でその取消しの日から二年を経過しないものを含む。)

 二 沖縄の法令の規定により禁錮以上の刑に処せられ、又は沖縄の土地建物取引業に関する法令の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

     第九節 消防法及び行政書士法に関する特例


 (消防法に関する特例)

第二十九条 都道府県知事は、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第十三条の二第三項の規定にかかわらず、沖縄の消防に関する法令の規定による危険物取扱主任者免許を受けている者(当該免許の停止の処分を受けている者を除く。)のうち、琉球政府が行なう講習で自治大臣が指定するものの課程を修了した者に対し、自治省令で定めるところにより、同条第一項に規定する危険物取扱主任者免状を交付することができる。


 (行政書士法に関する特例)

第三十条 沖縄の行政書士に関する法令の規定による行政書士となる資格を有する者で次の各号の一に該当するものは、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第二条の規定にかかわらず、いずれの都道府県においても行政書士となる資格を有する。

 一 沖縄の弁護士、公認会計士又は税理士に関する法令の規定による弁護士、公認会計士又は税理士となる資格を有する者

 二 琉球政府又は沖縄の地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が通算して十二年以上(沖縄の学校教育に関する法令の規定による高等学校を卒業した者その他当該法令の規定による大学に入学することができる者にあつては、九年以上)になる者

2 沖縄の行政書士に関する法令の規定による行政書士試験を受けることができる者は、行政書士法第三条の規定にかかわらず、同法第四条第一項に規定する行政書士試験を受けることができる。

3 沖縄の行政書士に関する法令の規定による行政書士の登録を受けている者は、重ねて行政書士法第六条第一項の規定による行政書士の登録を受けることができない。

4 行政書士法第六条第五項の規定は、沖縄の行政書士に関する法令の規定による行政書士試験に合格して当該法令の規定による行政書士の登録を受けた者について適用する。

   第四章 雑則


 (免許等の処分についての琉球政府への通知)

第三十一条 沖縄の免許資格者に対して本邦の免許資格に係る免許(これに類する処分を含む。次条第一項において同じ。)又は登録をした場合には、これらの事務を管理する行政庁又は団体は、その旨を内閣総理大臣を経由して琉球政府に通知するものとする。


 (免許等の取消し)

第三十二条 沖縄の免許資格者が、本邦の免許資格に係る免許又は登録を受けた後において、沖縄の法令の規定に基づく免許資格が不正の事実に基づいたことその他当該法令の規定に基づき免許資格を付与されないこととされる要件に該当したことを理由とする取消し(登録の抹消その他政令で定める処分を含む。以下この条において同じ。)を受けた場合には、当該免許又は登録に関する事務を管理する行政庁又は団体は、当該免許又は登録の取消しをし、その旨を内閣総理大臣を経由して琉球政府に通知するものとする。

2 沖縄の免許資格者が、本邦の免許資格に係る登録を受けた後において、沖縄の当該免許資格に関する法令の規定により沖縄の免許資格者となることができないことが判明した場合又は当該資格を有しないこととなつた場合には、当該登録に関する事務を管理する行政庁又は団体は、当該登録の取消しをすることができる。

3 第一項の規定による取消しは、琉球政府の通知に基づいて行なうものとする。


 (主務省令への委任)

第三十三条 別段の定めがあるものを除くほか、この法律の実施に関し必要な事項は、主務省令で定める。


   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第九条第一項及び第四項から第七項までの規定は、昭和四十五年四月一日から施行する。

2 総理府設置法の一部を次のように改正する。

  第十三条第一項に次の一号を加える。

  六 沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法(昭和四十四年法律第四十七号)の規定による免許資格試験又は申請に関する事務を行なうこと。

  第十四条第四項中「第四号まで」の下に「及び第六号」を加える。

(内閣総理・法務・大蔵・厚生・通商産業・運輸・郵政・労働・建設・自治大臣署名) 

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