簡易生命保険法の一部を改正する法律
法律第四十五号(昭四四・六・一七)
簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第五条に次の一項を加える。
2 保険契約には、次条に規定する傷害特約を附することができる。
第五条の次に次の一条を加える。
第五条の二 傷害特約においては、国が、前条第一項の契約に係る被保険者が不慮の事故又は第三者の加害行為(以下「不慮の事故等」という。)に因り受けた傷害について保険金を支払うことを約し、保険契約者が国に保険料を支払うことを約するものとする。
第六条第一項中第十一号を第十二号とし、第四号から第十号までを一号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の一号を加える。
四 傷害特約を附することができない場合に関する事項
第七条の二第一項中「家族保険の保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(傷害特約の被保険者の制限)
第七条の三 第十六条の二の家族保険の保険契約においては、傷害特約に係る被保険者は、第七条第二項に規定する被保険者でなければならない。
第八条に次の一項を加える。
2 前項の保険契約に傷害特約を附する場合には、同項の規定を準用する。
第九条中「保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加える。
第十条の二第一項に次のただし書を加える。
ただし、これに傷害特約を附することについては、この限りでない。
第十条の二第二項中「申込」を「申込み(保険契約の改定の申込みを除く。以下同じ。)」に改める。
第十一条中「保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加える。
第十一条の二第一項中「保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加え、同条第四項中「第八条本文」を「第八条第一項本文」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(傷害特約の保険金受取人)
第十一条の三 傷害特約においては、次の者を保険金受取人とする。
一 第十六条の四の規定により被保険者の死亡に係る保険金を支払う場合にあつては、被保険者が不慮の事故等に因り傷害を受けた時に死亡したとした場合に当該傷害特約に係る主契約(当該傷害特約が附されている保険契約における第五条第一項の契約に係る部分をいう。以下同じ。)において保険金受取人となる者
二 前号に掲げる場合以外の場合にあつては、被保険者。ただし、保険金を請求する前に被保険者が死亡したときにあつては、被保険者の遺族
2 前項第二号の遺族については、第三十四条第二項から第六項までの規定を準用する。
第十六条の三の次に次の一条を加える。
(傷害特約)
第十六条の四 傷害特約においては、被保険者が保険期間中に不慮の事故等に因り傷害を受けたときは、保険約款の定めるところにより、当該傷害を直接の原因とする死亡、身体障害、病院又は診療所への入院その他当該傷害に因つて生じた結果に対し、保険金を支払う。
第十七条第一項中「被保険者一人につき」を「第五条第一項の契約及び傷害特約の別に、被保険者一人につきそれぞれ」に、「百五十万円」を「二百万円」に改め、同条第二項中「保険金額)は」の下に「、傷害特約に係るものを除き」を加える。
第十七条の二中「主たる被保険者に係る保険金額」の下に「(傷害特約に係るものを除く。)」を加える。
第十八条及び第十九条を次のように改める。
(保険料等の計算)
第十八条 保険料の計算の基礎及び被保険者のために積み立てるべき金額の計算の方法は、官報で公示しなければならない。
第十九条 削除
第二十一条第一項中「被保険者が」の下に「第五条第一項の契約に関する」を加える。
第二十二条第二項中「特別養老保険の保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加え、同条第三項中「家族保険の保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加える。
第二十三条第一項中「家族保険の保険契約にあつては、保険約款で定める保険金受取人」を「傷害特約が附されている保険契約にあつては主契約に係る保険金受取人とし、家族保険の保険契約にあつては保険約款で定める保険金受取人とする。」に改める。
第二十五条第二項中第十号を第十一号とし、第九号を第十号とし、第八号の次に次の一号を加える。
九 傷害特約が附されたときは、その旨並びにこれに係る保険金額、保険料の額及び保険期間
第二十七条第一項中「当時、既に保険事故」の下に「(傷害特約に係る保険事故を除く。)」を加え、同条に次の一項を加える。
3 傷害特約においては、国又は保険契約者が、保険契約の申込みの当時、既に傷害特約に係る保険事故の生じたことを知つているときは、国は、当該傷害について保険金の支払をする責めに任じない。
第二十八条第一項に次のただし書を加える。
ただし、次条に規定する場合においては、この限りでない。
第二十八条第二項中「災害」を「不慮の事故等」に改め、同条第三項中「保険金」の下に「(傷害特約に係るものを除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(傷害特約の失効)
第二十八条の二 保険契約者が、傷害特約が附されている保険契約の主契約に係る保険料払込期間の経過後もなお払い込むべき当該傷害特約に係る保険料を払い込まないで、保険約款の定める払込猶予期間を経過したときは、当該傷害特約は、その効力を失う。
第二十九条本文中「前条第一項」を「第二十八条第一項」に改め、同条ただし書中「前条第一項」を「同項」に改める。
第二十九条の二の次に次の一条を加える。
第二十九条の三 傷害特約が附されている保険契約が保険料払済保険契約に変更されたときは、当該傷害特約は、その効力を失う。
第三十一条第一項中「家族保険の保険契約にあつては、」を「傷害特約が附されている保険契約にあつては主契約に係る被保険者とし、家族保険の保険契約にあつては」に、「不慮の事故その他不可抗力若しくは第三者の加害行為」を「不慮の事故等」に改める。
第三十二条中「災害」を「不慮の事故等」に改める。
第三十三条第一項中「被保険者」の下に「(傷害特約が附されている保険契約にあつては、主契約に係る被保険者)」を加え、同条に次の一項を加える。
3 傷害特約に係る被保険者で年齢六年に満たないものが不慮の事故等に因り傷害を受けた場合において、当該傷害を直接の原因として死亡し、又はその身体に障害が生じたときは、保険約款の定めるところにより、保険金額の一部を支払う。
第三十四条第一項中「保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加える。
第三十五条第一項中「左の場合」を「保険契約(傷害特約に係る部分を除く。)においては、次に掲げる場合」に改め、同条に次の一項を加える。
2 傷害特約においては、保険契約者又は保険金受取人が故意に被保険者に傷害を与えたときは、国は、当該傷害について保険金を支払う責めに任じない。ただし、当該保険金受取人が保険金の一部を受け取るべき場合には、国は、他の保険金受取人にその残額を支払う。
第三十七条第一項中「ないときは、」の下に「第三十八条第一項の規定により」を加える。
第三十七条の三中「被保険者について保険金」の下に「(傷害特約に係るものを除く)。」を加える。
第三十七条の六中「災害」を「不慮の事故等」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(傷害特約の追加による改定)
第三十七条の七 傷害特約が附されていない保険契約については、保険契約者は、保険約款の定めるところにより、傷害特約を附するための当該保険契約の改定の申込みをすることができる。
2 前項の保険契約の改定については、第二十七条第三項及び第三十七条の四の規定を準用する。
第三十八条第一項中「特別養老保険の保険契約」の下に「(傷害特約に係る部分を除く。)」を加え、同条第三項中「第八条」を「第八条第一項」に改める。
第三十九条中「主たる被保険者について保険金」の下に「(傷害特約に係るものを除く。)」を加え、「第三十五条第三号の場合及び」を「第三十五条第一項第三号及び同条第二項の場合並びに」に、「家族保険の保険契約にあつては、主たる被保険者に係る保険金受取人」を「傷害特約が附されている保険契約にあつては主契約に係る保険金受取人とし、家族保険の保険契約にあつては主たる被保険者に係る保険金受取人とする。」に改める。
第四十二条に次の一項を加える。
3 傷害特約においては、保険契約の復活があつた場合においても、国は、保険契約の失効後その復活までに被保険者が不慮の事故等に因り受けた傷害について保険金の支払をする責めに任じない。
第四十四条中「災害」を「不慮の事故等」に改める。
第四十五条第一項中「被保険者が」を「被保険者(傷害特約が附されている保険契約にあつては、主契約に係る被保険者。以下この項において同じ。)が」に改め、「保険金受取人」の下に「(傷害特約が附されている保険契約にあつては、主契約に係る保険金受取人)」を加える。
第四十七条第一項中「(家族保険の保険契約にあつては、主たる被保険者に係る保険金受取人に限る。)」を削り、同条第二項中「減ずる」を「減ずることができる」に改める。
第五十一条中「(家族保険の保険契約にあつては、主たる被保険者に係る保険金に限る。)」を削り、「控除する」を「控除することができる」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和四十四年九月一日から施行する。ただし、第十条の二第二項の改定規定、第十七条第一項の改定規定(「百五十万円」を「二百万円」に改める部分に限る。)並びに第十八条、第十九条、第三十七条第一項、第四十七条及び第五十一条の改定規定は、公布の日から施行する。
2 第十九条の改定規定の施行前に効力が発生した簡易生命保険契約に係る被保険者のために積み立てるべき金額の計算の方法については、なお従前の例による。
(郵政・内閣総理大臣署名)