森林法の一部を改正する法律
法律第三十八号(昭四三・五・一)
森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中「十年」を「十五年」に改める。
第五条第一項中「、政令で定めるところにより」を削り、「森林計画区別に」の下に「、五年ごとに」を加え、「五年を一期とする」を「十年を一期とする」に改める。
第八条の見出し中「森林計画」を「地域森林計画」に改める。
第十条第一項第一号の次に次の一号を加える。
一の二 次条第五項の認定に係る森林施業計画(その変更につき第十二条第三項において準用する次条第五項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの)において定められている伐採をする場合
第十一条から第二十条までを次のように改める。
(森林施業計画)
第十一条 森林所有者は、省令で定めるところにより、五年を一期とする森林施業計画を作成し、これを当該森林施業計画の対象とする森林の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、当該森林施業計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
2 森林施業計画は、当該森林所有者が森林所有者である森林の全部につき、当該森林所有者が定める森林施業に関する長期の方針に基づいて、作成しなければならない。
3 森林施業計画には、左に掲げる事項を記載しなければならない。
一 その対象とする森林についての所在場所別の面積、人工植栽に係る森林とその他の森林との区別、樹種又は林相、林齢及び立木の材積
二 伐採する森林についての所在場所別の伐採時期、伐採面積、伐採立木材積及び伐採方法
三 造林する森林についての所在場所別の造林時期、造林面積、造林樹種及び造林方法
四 保育の種類別の面積
五 その他省令で定める事項
4 第一項の規定による認定の請求は、第二項の森林施業に関する長期の方針を記載した書面その他の省令で定める書類を添えてしなければならない。
5 都道府県知事は、第一項の規定による認定の請求があつた場合において、当該森林施業計画の内容が左の各号に掲げる要件のすべてをみたすときは、当該森林施業計画が適当である旨の認定をするものとする。
一 森林施業計画の対象とする森林(政令で定めるものを除く。)の規模に応じ、森林生産の保続及び森林生産力の増進を図るために必要なものとして、政令で定める樹種又は林相の改良その他の森林施業の合理化に関する基準に適合していること。
二 地域森林計画の内容に照らして適当であると認められること。
(森林施業計画の変更)
第十二条 前条第五項の認定を受けた森林所有者(以下「認定森林所有者」という。)は、左の各号に掲げる場合には、当該森林施業計画を変更しなければならない。この場合には、当該認定森林所有者は、省令で定めるところにより、あらかじめ、都道府県知事にその変更が適当であるかどうかにつき認定を求めなければならない。
一 当該認定森林所有者が当該森林施業計画の対象とする森林の一部につき森林所有者でなくなつた場合、当該認定森林所有者が当該森林施業計画の対象とする森林以外の森林につき新たに森林所有者となつた場合その他当該森林施業計画の対象とする森林と当該認定森林所有者が森林所有者である森林との範囲が異なることとなつた場合
二 当該認定森林所有者が次条の規定による通知を受けた場合
2 認定森林所有者は、前項各号に掲げる場合を除くほか、当該森林施業計画の変更を必要とする場合には、省令で定めるところにより、あらかじめ、都道府県知事にその変更が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
3 前二項の規定による認定の請求については、前条第二項、第四項及び第五項の規定を準用する。この場合において、同条第二項中「森林施業計画」とあるのは「当該変更後の森林施業計画」と、「作成し」とあるのは「作成されたものとなるようにし」と、同条第五項中「当該森林施業計画の内容」とあるのは「当該変更後の森林施業計画の内容」と、「当該森林施業計画が適当である」とあるのは「当該変更が適当である」と読み替えるものとする。
(森林施業計画の変更に関する通知)
第十三条 都道府県知事は、第十一条第五項の認定に係る森林施業計画(その変更につき前条第三項において準用する第十一条第五項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの。)の内容が同項各号に掲げる要件の全部又は一部に適合しなくなつたと認めるときは、当該森林施業計画に係る認定森林所有者に対し、当該森林施業計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
(森林施業計画の遵守)
第十四条 認定森林所有者は、災害その他やむを得ない理由による場合を除き、当該森林施業計画の対象とする森林の施業について当該森林施業計画を遵守しなければならない。
(森林施業計画に係る森林の伐採等の届出)
第十五条 認定森林所有者は、当該森林施業計画の対象とする森林につき立木の伐採又は造林をした場合その他省令で定める場合には、省令で定めるところにより、都道府県知事にその届出書を提出しなければならない。
(認定の取消し)
第十六条 都道府県知事は、左の各号の一に該当する場合には、当該森林施業計画に係る第十一条第五項の認定を取り消すことができる。
一 認定森林所有者が、第十二条第一項各号に掲げる場合において、同項の規定による認定の請求をせず、又は請求をしたが当該認定を受けられなかつたとき。
二 認定森林所有者が、第十四条の規定に違反していると認められるとき。
三 認定森林所有者が、前条の規定による届出書の提出をせず、又は虚偽の届出書の提出をしたとき。
(死亡又は解散の場合の包括承継人に対する効力等)
第十七条 第十一条から第十三条まで、第十五条若しくは前条の規定又はこれらの規定に基づく省令の規定によつてした処分、手続その他の行為は、第十一条第一項の規定による認定の請求をした者又は認定森林所有者が死亡し、又は合併により解散した場合には、その包括承継人に対しても、その効力を有する。
2 前項に規定する場合には、同項の包括承継人は、省令で定めるところにより、都道府県知事にその届出書を提出しなければならない。
3 第一項に規定する処分、手続その他の行為については、第三条の規定は、適用しない。
(数人共同の森林施業計画)
第十八条 森林所有者は、数人共同して、一の森林施業計画を作成し、これを第十一条第一項の都道府県知事に提出して、当該森林施業計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
2 前項の森林施業計画に関しては、前七条の規定の適用があるものとする。この場合において、第十一条第二項中「当該森林所有者が定める」とあるのは「当該森林所有者が共同して定める」と、第十二条第一項中「左の各号に掲げる場合には」とあるのは「左の各号に掲げる場合には、共同して(当該認定森林所有者のうちに森林所有者でなくなつた者があるときは、その者を除き共同して)」と、同条第二項中「変更を必要とする場合には」とあるのは「変更を必要とする場合には、共同して」とする。
(数都道府県にわたる事項の処理等)
第十九条 森林施業計画の対象とする森林の所在地が二以上の都道府県にわたる場合には、第十一条から第十三条まで及び第十五条から前条までにおいて都道府県知事の権限に属させた事項は、農林大臣が処理する。
2 農林大臣は、前項の規定により第十一条第五項(第十二条第三項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の認定又は第十三条の規定による通知をしようとするときは、関係都道府県知事の意見を聞かなければならない。
3 農林大臣は、第一項の規定により第十一条第五項の認定又は第十六条の規定による認定の取消しをしたときは、関係都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
(農林大臣及び都道府県知事の援助)
第二十条 農林大臣及び都道府県知事は、全国森林計画及び地域森林計画の達成並びに森林施業計画の作成及びその達成のために必要な助言、指導、資金の融通のあつせんその他の援助を行なうように努めるものとする。
第七十九条第二項第六号の次に次の一号を加える。
六の二 組合員のための森林施業計画の作成
第百九十二条第三号中「行う」を「行なう」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。
二 森林施業計画に関し都道府県知事が行なう事務に要する費用
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十条第一項第一号の次に一号を加える改正規定、第十一条から第二十条までの改正規定、第七十九条第二項第六号の次に一号を加える改正規定及び第百九十二条の改正規定は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行の際現に改正前の森林法(以下「旧法」という。)第四条又は第五条の規定によりたてられている全国森林計画又は地域森林計画は、それぞれ、改正後の森林法(以下「新法」という。)第四条又は第五条の規定によりたてられた全国森林計画又は地域森林計画とみなす。
3 農林大臣は、この法律の施行の日から起算して三十日以内に、この法律の施行の際現に旧法第四条の規定によりたてられている全国森林計画であつて昭和四十三年四月一日をその期間の始期とするものを、同日以降十五年間をその期間とするものに変更しなければならない。この場合には、新法第四条第四項及び第五項の規定を準用する。
4 都道府県知事は、前項に規定する全国森林計画につき同項において準用する新法第四条第五項の規定による公表があつたときは、その公表があつた日から起算して三十日以内に、この法律の施行の際現に旧法第五条の規定によりたてられている地域森林計画を、当該地域森林計画の始期とされている日以降十年間をその期間とするものに変更しなければならない。この場合には、新法第五条第四項及び第五項並びに第七条の規定を準用する。
(農林・内閣総理大臣署名)