郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律
法律第四十三号(昭三四・三・二六)
(郵便貯金の旧預金者等に対する交付)
第一条 政府は、大蔵省預金部等損失特別処理法(昭和二十一年法律第五十六号)第四条第二項の規定にかかわらず、同項に規定する差額に相当する金額のうち同法第五条の規定により債権が消滅した郵便貯金又は郵便振替貯金の金額に相当するものを、当該郵便貯金又は郵便振替貯金の預金者又は加入者であつた者(相続人その他の一般承継人を含む。以下「郵便貯金の旧預金者等」という。)に交付することができる。
2 前項の規定により郵便貯金の旧預金者等に交付する金額には、同項に規定する郵便貯金又は郵便振替貯金の金額に相当する金額が昭和二十四年二月二十一日から昭和三十四年三月三十一日までの間郵便貯金又は郵便振替貯金として継続して預け入れられていたものとした場合に附されることとなる利子に相当する金額を加算するものとする。
3 郵便貯金の旧預金者等は、この法律の施行の日から起算して二年以内に第一項の規定による交付の申請をしないときは、その交付を受けることができない。
4 前三項に定めるもののほか、第一項の規定による交付に関し必要な事項は、政令で定める。
(交付金に関する非課税)
第二条 前条の規定による交付金については、所得税を課さない。
2 前条の規定による交付金に関する書類については、印紙税を課さない。
(繰入及び資金の交付)
第三条 第一条の規定により交付すべき金額(同条第二項の規定により加算する金額を除く。)に相当する金額は、予算の定めるところにより、資金運用部資金から資金運用部特別会計の歳入に繰り入れるものとする。
2 第一条の規定により交付すべき金額は、予算の定めるところにより、資金運用部特別会計の歳出として郵便貯金特別会計に繰り入れるものとする。
3 逓信大臣は、第一条の規定による交付に必要な資金をその指定する出納官吏に交付することができる。
(不要額の繰入)
第四条 前条第二項の規定により郵便貯金特別会計に繰り入れられた金額のうち、第一条の規定による交付をする必要がなくなつた金額があるときは、当該金額は、予算の定めるところにより、同会計から資金運用部特別会計の歳入に繰り入れるものとする。
2 前項の繰入金の額のうち、第一条の規定により交付すべき金額(同条第二項の規定により加算する金額を除く。)に係るものは、資金運用部特別会計の歳出として資金運用部資金に繰り入れるものとする。
附 則
1 この法律は、昭和三十四年四月一日から施行する。
2 第三条第二項の規定による郵便貯金特別会計への繰入があつた場合における大蔵省預金部等損失特別処理法第四条第五項の規定の適用については、同項中「差額に相当する金額」とあるのは、「差額に相当する金額から、郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律(昭和三十四年法律第四十三号)第一条の規定により交付する金額を控除した金額」とする。
3 大蔵省預金部等損失特別処理法の一部を次のように改正する。
第四条第四項及び第五項中「第三項」を「第二項」に改める。
4 郵便貯金特別会計法(昭和二十六年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
附則第五項以下を一項ずつ繰り下げ、附則第四項の次に次の一項を加える。
5 当分の間、郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律(昭和三十四年法律第四十三号)第三条第二項の規定による繰入金は、この会計の歳入とし、同法第一条の規定による交付金及び同法第四条第一項の規定による繰入金は、この会計の歳出とする。
(大蔵・郵政・内閣総理大臣署名)