船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律

法律第九十七号(昭二四・五・二四)

第一条 船舶運営会が雇用する船員であつて、船舶運航管理令(昭和二十四年政令第二十六号)第十三条の規定に基く船舶運営会と船舶所有者との間の期間よう船契約の締結に伴い、昭和二十四年四月一日から昭和二十五年三月三十一日までの間に船舶運営会を退職し、直ちに船舶所有者に雇用されるもの(以下「船員」という。)に対しては、船舶運営会は、当該船員が昭和二十二年四月一日以降船舶運営会に在職した期間(以下「在職期間」という。)に対する退職手当(以下「退職手当」という。)を直接支給しないで、別表の基準により船員ごとに算出した退職手当を合算した金額を、昭和二十四年度予算の成立後遅滞なく当該船舶所有者に交付するものとする。但し、船員法(昭和二十二年法律第百号)第四十六条の規定による雇止手当の支給は、この限りでない。

2 前項の規定により船舶運営会が船舶所有者に交付する金額を合算した総額は、四億五千万円をこえることができない。

3 船舶運営会が第一項の規定により船舶所有者に退職手当を合算した金額を交付したときは、退職手当に関し船員に対して負う一切の債務は、消滅するものとする。

第二条 前条第一項の船舶所有者と船員との間の雇用契約が解除され、又は終了したときは、当該船舶所有者は、船員に対し少くとも別表の基準により算出した金額を交付しなければならない。

第三条 船舶所有者は、第一条第一項の規定により交付を受けた金額を前条の目的以外の目的で使用してはならない。

2 船舶所有者は、第一条第一項の規定により船舶運営会から交付を受けた金額について、利子その他の金銭上の利益が生じたときは、当該利益金を船員の福利厚生施設その他運輸大臣の指定する用途に使用しなければならない。

附 則

この法律は、公布の日から施行し、昭和二十四年四月一日から適用する。

別 表

一 在職期間一年未満の船員

船舶運営会を退職した日において当該船員が乗船中に受けるべき一箇月当りの給与総額から雑手当を控除した額(以下「給与額」という。)の百分の五十

二 在職期間一年以上二年末満の船員

給与額の百分の百

三 在職期間二年以上の船員

給与額の百分の二百

(大蔵・運輸・内閣総理大臣署名)

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