郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律
法律第九十一号(昭二四・五・二〇)
第一条 この法律において「郵便切手類」とは、郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票をいい、「印紙」とは、収入印紙をいう。
第二条 郵政大臣は、郵便切手類及び印紙を売りさばくのに必要な資力及び信用を有する者のうちから郵便切手類及び印紙の売さばき人を選定し、郵便切手類及び印紙の売さばきの業務を委託することができる。
2 郵政大臣は、営利を目的としない法人のうちから印紙の売さばき人を選定し、印紙の売さばきの業務を委託することができる。
3 郵政大臣は、前二項の郵便切手類及び印紙の売さばき人並びに印紙の売さばき人(以下「売さばき人」と総称する。)を選定しようとするときは、売さばき人になろうとする者の申込を受けるため、省令の定めるところにより、必要な事項を公告しなければならない。
4 郵政大臣は、売さばき人になろうとする者であつて第一項又は第二項に規定する資格を有するものが二人以上あるときは、抽せんにより売さばき人を選定しなければならない。
第三条 売さばき人は、その業務を行うため、郵政大臣の定める場所に、郵便切手類及び印紙の売さばき人にあつては郵便切手類売さばき所を、印紙のみの売さばき人にあつては印紙売さばき所を設けなければならない。
第四条 売さばき人は、国の行う郵便に関する業務の一部を行う者として、公共の利益のため、誠実にその業務を行わなければならない。
第五条 売さばき人は、省令の定めるところにより、一般の需要をみたすに足る数量の郵便切手類及び印紙を郵政省から買い受けて常備し、定価で公平に売りさばかなければならない。
第六条 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所(以下「売さばき所」と総称する。)における郵便切手類及び印紙の売さばき時間は、省令で定める。
第七条 郵政大臣は、売さばき人に対し、第五条の規定による郵便切手類及び印紙の売渡月額に左の割合を乗じて得た金額の売さばき手数料を支払うものとする。但し、その金額は、一箇月一万千百円をこえてはならない。
売渡月額五千円以下の金額 百分の五
売渡月額五千円をこえる五万円以下の金額 百分の三
売渡月額五万円をこえる金額 百分の一
2 前項の売さばき手数料の支払の手続は、省令で定める。
第八条 郵便切手類及び印紙の売さばき人が死亡した場合において、その相続人から申出のあつたときは、郵政大臣は、第二条の規定にかかわらず、死亡の日から六十日以内に限り、その相続人の一人を売さばき人として郵便切手類及び印紙の売さばきの業務を委託することができる。
第九条 売さばき人が郵便切手類又は印紙の売さばきの業務をやめようとするときは、省令の定めるところにより、少くとも三十日前に郵政大臣にその旨を届け出なければならない。
第十条 左の場合においては、郵政大臣は、郵便切手類又は印紙の売さばきに関する契約を解除することができる。
一 郵便切手類及び印紙の売さばき人が郵便切手類及び印紙を売りさばくのに必要な資力又は信用を失つたとき。
二 印紙の売さばき人が、営利を目的としない法人でなくなつたとき。
三 売さばき人が、この法律又はこの法律に基く省令の規定に違反したとき。
四 郵政大臣において当該売さばき人の売さばき所の場所において、郵便切手類又は印紙の売さばきの業務を行う必要がなくなつたと認めるとき。
第十一条 第五条の規定に違反して、郵便切手類又は印紙をその定価と異なる金額で売りさばいた者は、一万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても同項の刑を科する。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 この法律施行の際、現に郵便切手類の売さばき人である者は、この法律により選定され郵便切手類及び印紙の売さばきの業務を委託された者と、現に印紙の売さばき人である者は、この法律により選定され印紙の売さばきの業務を委託された者とみなす。
3 第一条の規定にかかわらず、当分の間この法律において「印紙」とは、収入印紙及びこれに代る取引高税印紙をいうものとする。
(逓信・内閣総理大臣署名)