郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律
法律第九十四号(昭二四・五・二〇)
(整理の内容)
第一条 郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の定めるところにより郵便貯金の預金者のために保管する証券であつて昭和二十三年三月三十一日以前に発行されたもの(以下「整理証券」という。)は、郵政省が、預金者に代りこれを大蔵省預金部等に売却し、その代金を当該証券の証券保管証又は証券保管通帳に記入されている記号番号の郵便貯金通帳に係る通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金に組み入れる。但し、預金者が昭和二十四年八月三十一日までにその返付又は売却の請求をした整理証券については、この限りでない。
2 前項の規定により組み入れられた貯金(以下「証券整理貯金」という。)は、昭和二十四年九月一日から当該通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金となつたものとみなす。
3 第一項本文の規定による売却については、預金者は、料金を納めることを要しない。
(売却の価格)
第二条 前条第一項本文の規定により売却する整理証券の価格は、政令で定める。
(郵便貯金通帳に対する記入)
第三条 地方貯金局は、預金者の請求に因り、証券整理貯金の金額を当該証券整理貯金が組み入れられた通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金の郵便貯金通帳に記入する。
2 前項の規定による記入の請求は、郵便局に、同項の郵便貯金通帳及び当該整理証券の証券保管証又は証券保管通帳(証券保管証又は証券保管通帳を亡失したときはその事由書)を提出してするものとする。
(証券整理貯金の払もどし)
第四条 証券整理貯金については、その金額が前条第一項の規定により郵便貯金通帳に記入された後でなければ、その払もどしをすることができない。但し、通常郵便貯金となつた証券整理貯金については、その全部払もどしをする場合に限り、その金額が郵便貯金通帳に記入されなくても、その払もどしをすることができる。
2 前項但書の規定による払もどしの請求は、郵便局に、当該証券整理貯金が組み入れられた通常郵便貯金の郵便貯金通帳を提示し、且つ、当該整理証券の証券保管証又は証券保管通帳(証券保管証又は証券保管通帳を亡失したときはその事由書)を提出してするものとする。
3 第一項但書の規定による払もどし金の払渡は、郵便局において、地方貯金局の発行する払もどし証書と引換にする。
(権利の消滅)
第五条 昭和三十四年八月三十一日までに第三条第一項の規定による記入の請求又は前条第一項但書の規定による払もどしの請求がないときは、証券整理貯金についての預金者の権利は、その時において消滅する。
(郵便貯金法の適用)
第六条 第三条第一項の規定による記入の請求は、郵便貯金法第二十九条第一項の規定の適用については、貯金の預入とみなす。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 郵便貯金法の一部を次のように改正する。
第九条中「その他の証券」を削る。
第六十五条を次のように改める。
第六十五条(保管証券) 第九条に規定する取扱をする国債証券は、昭和二十三年四月一日以後の発行に係る国債証券で額面金額千円以上のものに限る。
第六十八条第一項中但書を削る。
(大蔵・逓信・内閣総理大臣署名)