新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律

法律第七号(昭四五・三・二八)

 (趣旨)

第一条 この法律は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の計画的な整備を促進するために必要な国の財政上の特別措置について規定するものとする。

 (空港周辺地域整備計画の決定等)

第二条 千葉県知事は、新東京国際空港の周辺地域における公共施設その他の施設の整備に関する計画(以下「空港周辺地域整備計画」という。)の案を作成し、これを自治大臣に提出しなければならない。この場合において、千葉県知事は、あらかじめ、関係市町村の長の意見をきかなければならない。

2 空港周辺地域整備計画は、次に掲げる施設の整備の目標、整備に関する事業の概要及び経費の概算について定めるものとする。

 一 道路

 二 河川

 三 生活環境施設

 四 教育施設

 五 消防施設

 六 農地及び農業用施設

 七 前各号に掲げるもののほか、新東京国際空港の周辺地域の整備を促進するために特に必要と認められる施設

3 自治大臣は、第一項の規定により空港周辺地域整備計画の案の提出があつた場合には、遅滞なく、これを当該空港周辺地域整備計画の案について関係がある行政機関の長に通知するものとする。

4 自治大臣及び次条第一項の主務大臣は、空港周辺地域整備計画の案に基づき、協議により空港周辺地域整備計画を決定する。

5 自治大臣は、空港周辺地域整備計画の決定があつたときは、これを千葉県知事に通知しなければならない。

6 前各項の規定は、空港周辺地域整備計画を変更する場合について準用する。

 (国の負担又は補助の割合の特例)

第三条 前条第四項の規定により決定された空港周辺地域整備計画に基づいて行なわれる事業で別表に掲げるもののうち自治大臣が主務大臣及び大蔵大臣と協議して指定するものに要する経費に対する国の負担又は補助の割合(以下「国の負担割合」という。)は、当該事業に関する法令の規定にかかわらず、同表のとおりとする。

2 前項に規定する事業が首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十一年法律第百十四号)第四条に規定する特定事業に該当する場合において、当該事業に係る経費について同法第五条の規定の例により算定した国の負担割合が同項の規定による国の負担割合をこえるときは、同項の規定にかかわらず、当該事業に係る国の負担割合については、同法同条の規定の例により算定した割合とする。

 (財政上及び金融上の援助)

第四条 国は、前条に定めるもののほか、空港周辺地域整備計画を達成するために必要があると認めるときは、地方公共団体に対し、財政上及び金融上の援助を与えるものとする。

 (政令への委任)

第五条 第三条第二項の規定により国が負担し又は補助することとなる額の交付その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (この法律の失効)

2 この法律は、昭和五十四年三月三十一日限り、その効力を失う。ただし、空港周辺地域整備計画に基づく事業に係る国の負担金又は補助金のうち昭和五十四年度以降に繰り越されるものについては、第三条及び第五条の規定は、この法律の失効後も、なおその効力を有する。

 (自治省設置法の一部改正)

3 自治省設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第十三号の五の次に次の一号を加える。

  十三の六 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十五年法律第七号)の施行に関する事務を行なうこと。

  第十二条中第十七号を第十九号とし、第十六号の二を第十八号とし、第十六号の次に次の一号を加える。

  十七 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の施行に関すること。

 (首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正)

4 首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を次のように改正する。

  第六条第二項を次のように改める。

 2 特定事業で新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十五年法律第七号)第三条の規定の適用を受けるものに係る国の負担割合については、前条の規定にかかわらず、同法同条の規定を適用する。

 

別表

事業の区分

事業主体

国の負担割合

道路

道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路の新設又は改築で道路整備緊急措置法(昭和三十三年法律第三十四号)第二条第一項に規定する道路整備五箇年計画に基づくもの(次に掲げるものを除く)

四分の三

市町村

十分の八

道路法第二条第一項に規定する道路の改築で政令で定めるもの

市町村

三分の二

河川

河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第四条第一項に規定する一級河川の改良工事

知事

四分の三

生活環境施設

下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第二号に規定する下水道の設置又は改築

十分の五・五

市町村

十分の五

清掃法(昭和二十九年法律第七十二号)第十八条第一号に規定するごみ又は糞尿を処理するための施設の設置

市町村

三分の一

教育施設

義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第二条に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校又は中学校の建物の新築、増築又は改築

市町村

三分の二

消防施設

消防施設強化促進法(昭和二十八年法律第八十七号)第三条に規定する消防の用に供する機械器具及び設備の購入又は設置

市町村

三分の二

農地及び農業用施設

土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業(次に掲げるものを除く。)

百分の七十五

百分の六十

土地改良法第二条第二項に規定する土地改良事業のうち国営土地改良事業又は水資源開発公団が行なう次に掲げる事業に関連して行なうもの

国以外の者

百分の六十五

水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号)第十八条第一項第二号に規定する水資源開発施設の新築(かんがいに係るものに限る。)

水資源開発公団

百分の七十五

(内閣総理・大蔵・文部・厚生・農林・運輸・建設・自治大臣署名) 

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