最低賃金法の一部を改正する法律
法律第九十号(昭四三・六・三)
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。
第九条及び第十条を次のように改める。
第九条及び第十条 削除
第十二条の見出しを「(最低賃金の決定の申請に関する異議の申出)」に改め、同条第一項中「第十条又は」を削り、同条第二項中「第十条又は」及び「最低賃金又は」を削り、同条第三項中「最低賃金審議会」を「中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会(以下「最低賃金審議会」という。)」に改め、同条第四項及び第五項中「第十条又は」を削る。
第十三条の見出しを「(労働協約に基づく地域的最低賃金の改正等)」に改め、同条第一項中「第九条第一項、第十条又は」を削り、「これらの最低賃金の決定」を「その決定」に改め、同条第二項を削る。
第十四条を次のように改める。
第十四条 削除
第十五条第一項中「第九条第一項、第十条、第十一条若しくは第十三条第一項若しくは第二項の決定又は前条の勧告」を「第十一条又は第十三条の決定」に改め、同条第二項中「、第九条第二項」を削る。
第十六条第一項中「必要があると認める場合において、第九条第一項、第十条、第十一条又は第十三条第一項の規定により最低賃金を決定することが困難又は不適当と認めるときは」を「必要があると認めるときは」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条の次に次の三条を加える。
(最低賃金審議会の意見に関する異議の申出)
第十六条の二 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつたときは、労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなければならない。
2 前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見に係る事業、職業若しくは地域の労働者又はこれを使用する使用者は、前項の規定による公示があつた日から十五日以内に、労働大臣又は都道府県労働基準局長に、異議を申し出ることができる。
3 第十二条第三項の規定は、前項の規定による申出があつた場合について準用する。
4 第十二条第四項及び第五項の規定は、前条第一項の決定について準用する。この場合において、第十二条第四項中「三十日」とあるのは、「十五日」と読み替えるものとする。
5 第十五条第二項の規定は、前項において準用する第十二条第五項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつた場合について準用する。
(最低賃金審議会の調査審議に基づく最低賃金の改正等)
第十六条の三 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、第十六条第一項の規定による最低賃金について必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止の決定をすることができる。
(最低賃金の決定等に関する関係労働者又は関係使用者の申出)
第十六条の四 労働者又は使用者の全部又は一部を代表する者は、労働省令で定めるところにより、労働大臣又は都道府県労働基準局長に対し、当該労働者若しくは使用者に適用される第十六条第一項の規定による最低賃金の決定又は当該労働者若しくは使用者に現に適用されている同条同項の規定による最低賃金の改正若しくは廃止の決定をするよう申し出ることができる。
2 労働大臣又は都道府県労働基準局長は、前項の規定による申出があつた場合において必要があると認めるときは、その申出について最低賃金審議会に意見を求めるものとする。
第十七条第二項中「第十条、」を削り、「前条第一項」を「第十六条第一項」に、「その他の最低賃金に関する決定」を「最低賃金の廃止の決定」に改める。
第十八条中「第九条第一項、第十条又は」及び「業者間協定又は」を削る。
第二十条第一項中「第十条、第十一条又は第十六条第一項の規定による」を削る。
第三十一条第六項中「最低賃金審議会は」の下に「、前項の規定によるほか」を加え、同項を同条第七項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。
6 最低賃金審議会は、第十六条第一項の規定による最低賃金の決定又はその改正若しくは廃止の決定について調査審議を行なう場合においては、労働省令で定めるところにより、関係労働者及び関係使用者の意見をきくものとする。
第三十六条第一項中「第九条第一項及び第二項、第十条、」を削り、「第十四条、第十六条第一項及び第二項」を「第十六条第一項、第十六条の三」に改め、同条第二項中「最低賃金」を「第十六条第一項の規定による最低賃金」に改める。
第四十二条第六項中「第三十一条第六項」の下に「及び第七項」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行する。
2 この法律の施行の際現に効力を有するこの法律による改正前の最低賃金法(以下「旧法」という。)第九条第一項又は第十条の規定による最低賃金については、この法律の施行後二年間は、旧法の規定は、なおその効力を有する。
3 前項に規定する最低賃金は、同項に規定する期間内に第十六条第一項の規定による最低賃金の決定又はその改正の決定がされたときは、当該決定が効力を生じた日において、当該決定に係る最低賃金の適用を受ける労働者については、その効力を失う。
4 第二項に規定する期間の満了の際現に効力を有する同項に規定する最低賃金は、その期間の満了後も、この法律による改正後の最低賃金法(以下「新法」という。)の規定による最低賃金としての効力を存する。この場合において、その最低賃金は、新法第十六条の三及び第三十六条第二項の規定の適用については、第十六条第一項の規定による最低賃金とみなす。
5 第二項に規定する最低賃金の適用を受ける労働者は、労働省令で定めるところにより、当該最低賃金が前項の規定によりその効力を存することに異議がある旨を申し出ることができる。この申出があつたときは、当該申出に係る最低賃金は、労働大臣又は都道府県労働基準局長が、第二項に規定する期間の満了前に、あらかじめ最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見に基づき、当該申出に係る最低賃金の効力を存続させる旨の決定をした場合を除いては、前項の規定にかかわらず、第二項に規定する期間の満了と同時に、その効力を失う。
6 最低賃金審議会は、前項の規定による調査審議を行なう場合においては、労働省令で定めるところにより、関係労働者及び関係使用者の意見をきくものとする。
7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、この法律の施行後も、なお従前の例による。第二項に規定する最低賃金に関し、同項に規定する期間内にした行為に対するその期間の満了後における罰則の適用についても、同様とする。
8 政府は、最低賃金制度の基本的なあり方について、中央最低賃金審議会の意見の提出があつたときは、これを尊重して、すみやかに、必要な措置を講ずるものとする。
(運輸・労働・内閣総理大臣署名)