旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律
法律第七十四号(昭二三・六・三〇)
第一条 旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた普通財産は、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十二条第一項に規定する公共団体(以下公共団体という。)において水道施設及び防波堤、岩壁等の臨港施設として公共又は公益の用に供するときは、これを当該公共団体に無償で貸し付けることができる。
2 前項の無償貸付は、公共団体における当該施設の経営が営利を目的とし、又は利益をあげる場合は、これを行うことができない。
3 各省各庁の長(国有財産法第四条第二項に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)は、第一項の規定により普通財産を無償で貸し付けた場合において、公共団体の当該財産の管理が良好でないと認めるとき又は前項の規定に該当することとなつたときは、直ちにその契約を解除しなければならない。
第二条 旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた普通財産は、公共団体において医療施設の用に供するとき又は学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(以下学校という。)の用に供するときは、この法律施行の日から三年以内に限り、当該公共団体又は当該学校の設置者に対して、時価の二割以内において減額した対価で、これを譲渡することができる。
2 前項の規定による譲渡は、公共団体における当該施設の経営が営利を目的とし、又は利益をあげる場合においては、これを行うことができない。
3 第一項の規定によつて普通財産を譲渡した後において前項の規定に該当することとなつたときは、直ちにその割引額を追徴しなければならない。
第三条 旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた普通財産を譲渡し、又は財産税法(昭和二十一年法律第五十二号)若しくは戦時補償特別措置法(昭和二十一年法律第三十八号)により物納された普通財産をその財産の譲渡時における従前よりの使用者に譲渡した場合において、当該財産の譲渡を受けたものが、売払代金又は交換差金を一時に支払うことが困難であると認められるときは、確実な担保を徴し、利息を附し、三年以内の延納の特約をすることができる。
2 国有財産法第三十一条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により延納の特約をする場合に、これを準用する。
第四条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)施行の際都道府県において、事務、事業又は職員の住居の用に供されていた公用財産は、この法律施行の日から五年以内に限り、これを当該都道府県に無償で貸し付けるものとする。
2 第一条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による無償貸付に、これを準用する。
第五条 国の学校の用に供する目的をもつて、地方公共団体により無償で国の用に供せられた財産は、国がその用に供しない場合においては、これを当該地方公共団体(当該地方公共団体に当該財産を寄附した地方公共団体を含む。)に無償で返還しなければならない。
第六条 国有財産法第三十六条第一項の規定による国有財産無償貸付状況報告書は、第一条及び第四条の規定により無償貸付をした普通財産についても、これを調製しなければならない。
附 則
この法律は、昭和二十三年七月一日から、これを施行する。
(大蔵・内閣総理大臣署名)