国民健康保険法の一部を改正する法律

法律第七十号(昭二三・六・三〇)

国民健康保険法(昭和十三年法律第六十号)の一部を次のように改正する。

「主務大臣」を「厚生大臣」に、「地方長官」を「都道府県知事」に、「国民健康保険組合連合会」を「国民健康保険団体連合会」に、「組合連合会」を「連合会」に、「組合ノ事業ヲ行フ法人」を「国民健康保険ヲ行フ社団法人」に改める。

第二条 国民健康保険ハ市町村(特別区ヲ含ム以下同ジ)之ヲ行フ

第二条ノ二 国民健康保険組合(以下組合卜称ス)又ハ営利ヲ目的トセザル社団法人ハ市町村ガ国民健健保険ヲ行ハザル場合ニ於テ之ヲ行フコトヲ得

組合ハ其ノ名称中ニ国民健康保険組合ナル文字ヲ用フベシ

国民健康保険組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ国民健康保険組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ

第二条ノ三 本法ニ於テ保険者卜称スルハ前二条ノ規定ニ依ル国民健康保険ヲ行フ市町村、組合及国民健康保険ヲ行フ社団法人ヲ謂フ

第三条第一項中「一年」を「二年」に、同条第三項中「組合ガ規約ノ定ムル所ニ依リテ為ス」を「命令ノ定ムル所ニ依リ保険者ノ為ス」に改める。

第七条中「組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ法人」を「保険者」に改める。

第七条ノ二 保険料其ノ他本法ノ規定ニ依ル徴収金ヲ滞納スル者アルトキハ国民健康保険ヲ行フ市町村ハ地方自治法第二百二十五条第一項、第三項乃至第五項及第十項ノ規定ニ依リ之ヲ処分ス

第八条第二項中「町村制第百十一条第一項及第四項」を「地方自治法第二百二十五条第一項、第三項及第四項」に改める。

第八条の次に次の二章を加える。

第二章 事業

第八条ノ二 保険者ハ被保険者ノ疾病又ハ負傷ニ関シテハ療養ノ給付、分娩ニ関シテハ助産ノ給付、死亡ニ関シテハ葬祭ノ給付ヲ為ス 但シ特別ノ事由アル保険者ハ助産ノ給付又ハ葬祭ノ給付ヲ為サザルコトヲ得

保険者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ給付ニ併セテ其ノ他ノ保険給付ヲ為スコトヲ得

特別ノ事由アル保険者ハ条例、規約又ハ社団法人ニ在リテハ国民健康保険ニ関スル規定(以下規定卜称ス)ノ定ムル所ニ依リ第一項ノ給付ニ代へテ療養費、助産費又ハ葬祭費ヲ支給スルコトト為スコトヲ得

第八条ノ三 療養ノ給付、助産ノ給付、又ハ葬祭ノ給付ヲ為ス保険者其ノ給付ヲ為スコト困難ナル場合其ノ他必要アル場合ニ於テハ其ノ都度之ニ代へテ療養費、助産費又ハ葬祭費ヲ支給スルコトヲ得

第八条ノ四 保険者ハ医師、歯科医師、薬剤師其ノ他ノ者ノ中ヨリ其ノ者ノ申出ニ依リ療養ノ給付ヲ担当スル者ヲ定ムベシ、療養ノ給付ヲ担当スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ療養ノ給付ヲ担当スル者タルコトヲ辞スルコトヲ得

第八条ノ五 保険者ハ療養ノ給付ヲ担当スル者ト協議ノ上社会保険診療報酬算定協議会ニ於テ審議シタル国民健康保険ノ診療報酬額ノ標準額ヲ基準トシテ之ニ支払フベキ診療報酬ノ額ヲ定メ都道府県知事ノ認可ヲ受クベシ

普通国民健康保険組合又ハ国民健康保険ヲ行フ社団法人前項ノ規定ニ依リ都道府県知事ノ認可ヲ受ケントスルトキハ関係市町村長ヲ経由スベシ

第八条ノ六 前二条ノ規定ニ依リ療養ノ給付ヲ担当スル者又ハ之ニ支払フベキ診療報酬ノ額ガ定マラザルトキハ保険者ハ国民健康保険審査会ニ対シ其ノ決定ニ付斡旋ヲ請求スべシ

第八条ノ七 国民健康保険ノ診療報酬ノ標準額ヲ審議スル為社会保険診療報酬算定協議会ヲ置ク

協議会ノ委員ハ保険者ヲ代表スル者、被保険者ヲ代表スル者、医師又ハ歯科医師ヲ代表スル者並ニ公益ヲ代表スル者ニ就キ厚生大臣各同数ヲ委嘱ス

前項ノ委嘱ハ保険者ヲ代表スル者、医師又ハ歯科医師ヲ代表スル者ニ付テハ各所属団体ノ推薦ニ依ル

前三項ニ規定スルモノノ外協議会ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

第八条ノ八 保険者ハ療養ノ給付ニ要スル費用ノ一部ヲ其ノ給付ヲ受クル者(給付ヲ受クル者世帯主タル被保険者ニ非ザル場合ニ於テハ其ノ属スル世帯ノ世帯主タル被保険者)ヨリ徴収スルコトヲ得

前項ノ規定ニ於テ世帯主タル被保険者トアルハ普通国民健康保険組合ニ在リテハ世帯主タル組合員、特別国民健康保険組合ニ在リテハ組合員トス

第八条ノ九 保険者ハ被保険者ノ療養若ハ助産ノ給付又ハ被保険者ノ健康ノ保持増進ノ為必要ナル施設ヲ為スコトヲ得

第八条ノ十 保険者ハ其ノ事業ニ要スル費用ニ充ツル為保険料ヲ世帯主タル被保険者(普通国民健康保険組合ニ在リテハ世帯主タル組合員、特別国民健康保険組合ニ在リテハ組合員)ヨリ徴収ス

保険者ハ特別ノ事由アル者ニ対シ保険料ヲ減免シ又ハ其ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得

第八条ノ十一 保険給付ノ種類範囲支給期間及支給額、保険料ノ額徴収方法及減免其ノ他保険給付及保険料ニ関シ必要ナル事項ハ条例、規約又ハ規程ヲ以テ之ヲ定ムベシ

第三章 国民健康保険ヲ行フ市町村

第八条ノ十二 市町村ハ国民健康保険ヲ行ハントスルトキハ国民健康保険ニ関スル条例ヲ制定スベシ

前項ノ規定ニ依ル条例ノ制定、変更又ハ廃止ニ付テハ都道府県知事ノ認可ヲ受クベシ

第八条ノ十三 国民健康保険ニ関スル条例ニハ左ノ事項ニ付本法ニ於テ定ムルモノノ外必要ナル事項ヲ規定スベシ

一 被保険者ノ資格ニ関スル事項

二 保険給付ニ関スル事項

三 保険料ニ関スル事項

四 重要ナル財産及営造物ニ関スル事項

五 其ノ他重要ナル事項

第八条ノ十四 国民健康保険ヲ行フ市町村ノ被保険者ハ其ノ区域内ノ世帯主及其ノ世帯ニ属スル者トス 但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ此ノ限ニ在ラズ

一 健康保険ノ被保険者及船員保険ノ被保険者 但シ船員保険法第二十条第一項ノ規定ニ依ル被保険者ヲ除ク

二 特別国民健康保険組合ノ被保険者

三 特別ノ事由アル者ニシテ条例ヲ以テ定ムルモノ

前項但書ノ規定ニ依リ被保険者タル資格ナキ世帯主ニシテ其ノ世帯ニ被保険者タルベキ者アルトキハ第八条ノ八及第八条ノ十ノ規定ノ適用ニ関シテハ之ヲ世帯主タル被保険者卜看做ス

第八条ノ十五 国民健康保険ヲ行フ市町村ハ条例ヲ以テ保険料其ノ他ノ徴収金ノ徴収ニ関シ二千円以下ノ過料ニ処スル規定ヲ設クルコトヲ得

第八条ノ十六 国民健康保険ヲ行フ市町村ハ国民健康保険ニ関スル収入支出ノ予算、準備金ノ処分、条例ヲ以テ定ムル重要ナル財産ノ取得及処分並ニ営造物ノ設置ニ付テハ議会ノ議決ヲ経テ之ヲ定メ都道府県知事ニ報告スベシ

第八条ノ十七 国民健康保険ヲ行フ市町村ハ国民健康保険ニ関スル収入支出ニ付特別会計ヲ設クベシ

第八条ノ十八 国民健康保険事業ノ運営ニ関スル事項ヲ審議スル為国民健康保険ヲ行フ市町村ニ国民健康保険運営協議会(以下協議会卜称ス)ヲ置ク

協議会ノ委員ハ被保険者ヲ代表スル者、医師又ハ歯科医師ヲ代表スル者並ニ公益ヲ代表スル者ニ就キ議会ノ議決ヲ経テ市町村長五人以上ヲ委嘱ス

第八条ノ十九 協議会ハ国民健康保険事業ノ運営ニ関スル事項ニ付市町村長ノ諮問ニ応ジテ審議シ又ハ必要アルトキハ当該市町村長ニ建議スルコトヲ得ルモノトス

国民健康保険ヲ行フ市町村ノ被保険者其ノ他ノ利害関係者ヨリ国民健康保険ニ関スル意見ノ開陳アリタルトキハ協議会ハ之ヲ受理シ意見ヲ付シテ当該市町村長ニ提出スベシ

第八条ノ二十 前条第一項ノ規定ニ依ル諮問アリタルトキハ協議会ハ其ノ都度之ヲ開キ速ニ答申スベシ

前項ノ規定ニ依ル場合ノ外協議会ハ特別ノ事由ナキ限リ毎月一回之ヲ開キ其ノ他ノ事項ヲ審議シ必要ナル事項ヲ市町村長ニ報告スベシ

第八条ノ二十一 協議会ハ毎年一回当該年度内ニ於テ国民健康保険事業ニ関シ審議シタル事項及其ノ他必要ナル事項並ニ之ニ関スル意見ヲ取纏メ市町村長ニ報告スベシ

市町村長前項ノ規定ニ依ル報告ヲ受ケタルトキハ之ヲ市町村ノ議会ニ提出スルト共ニ之ヲ公表スベシ

第八条ノ二十二 本法ニ規定スルモノノ外協議会ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

「第二章 国民健康保険組合」を「第四章 国民健康保険組合」に改める。

第十条第一項中「世帯主」を「世帯主及其ノ世帯ニ属スル成年者」に、同条第三項中「市町村」を「一又ハ二以上ノ市町村」に改める。

第十一条 組合ヲ設立セントスルトキハ十五人以上ノ発起人ニ於テ規約ヲ作リ組合員タル資格ヲ有スル者ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得タル上関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経テ都道府県知事ノ認可ヲ受クベシ 但シ特別国民健康保険組合ニ在リテハ関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経ルコトヲ要セズ

組合ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時ニ成立ス

第十一条ノ二及び第十一条ノ三を削る。

第十三条 普通国民健康保険組合ノ設立アリタルトキハ其ノ組合ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ総テ組合員ト為ルモノトス

特別ノ事由アル者ニシテ規約ヲ以テ定ムルモノハ前項ノ規定ニ拘ラズ組合員ト為ラザルモノトス

第十四条第一項第一号及び第二号を次のように改める。

一 健康保険ノ被保険者及船員保険ノ被保険者 但シ船員保険法第二十条第一項ノ規定ニ依ル被保険者ヲ除ク

二 特別国民健康保険組合ノ被保険者

「第二節 事業」を削る。

第十八条乃至第二十四条削除

第十九条ノ二乃至第十九条ノ五を削る。

「第三節 管理」を「第二節 管理」に改める。

第二十五条第三項及び第四項を次のように改める。

組合会議長ハ組合会議員ニ於テ、組合会議員ハ組合員ニ於テ之ヲ互選ス

組合会議員ノ定数ハ左ノ基準ニ依リ規約ヲ以テ之ヲ定ムベシ

一 組合員二千未満ノ組合

二十二人

二 組合員二千以上五千未満ノ組合

二十六人

三 組合員五千以上一万未満ノ組合

三十二人

四 組合員一万以上二万未満ノ組合

三十六人

五 組合員二万以上五万未満ノ組合

四十人

六 組合員五万以上十五万未満ノ組合

四十六人

七 組合員十五万以上二十万未満ノ組合

五十人

八 組合員二十万以上三十万未満ノ組合

五十四人

九 組合員三十万以上ノ組合

五十八人

第二十五条ノ二 組合会議員ノ任期ハ選挙ノ日ヨリ起算シ二年トス

補欠議員ノ任期ハ其ノ前任者ノ残任期間トス

議員ノ定数ニ異動ヲ生ジタル為新ニ選挙セラレタル議員ノ任期ハ現任者ノ残任期間トス

第二十五条ノ三 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ組合会議員タルコトヲ得ズ

一 未成年者

二 禁治産者又ハ準禁治産者

三 懲役又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレ其ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至ル迄ノ者

第二十六条第二項中「決議ハ」の次に「関係市町村長ヲ経由シテ」を加え、同条同項に次の但書を加える。

但シ特別国民健康保険組合ニ在リテハ関係市町村長ヲ経由スルコトヲ要セズ

第二十八条第一項中「理事数人」を「理事五人以上」に改め、同条第二項中「此ノ場合ニ於テハ其ノ選任ニ付地方長官ノ認可ヲ受クベシ」を削り、同条第三項中「吏員」の次に「及医師又ハ歯科医師」を加える。

第二十八条ノ二 理事ノ任期ハ二年トス

第二十九条第二項但書を削る。

第三十条中「地方長官ノ指揮」を「関係市町村長ヲ経由シテ都道府県知事ノ指揮」に改め、次の但書を加える。

但シ特別国民健康保険組合ニ在リテハ関係市町村長ヲ経由スルコトヲ要セズ

「第四節 分合及解散」を「第三節 分合及解散」に改める。

第三十四条中「地方長官ノ認可」を「関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経タル上都道府県知事ノ認可」に改め、同条に次の但書を加える。

但シ特別国民健康保険組合ニ在リテハ関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経ルコトヲ要セズ

第三十五条第三項中「地方長官ノ認可」を「関係市町村長ヲ経由シテ都道府県知事ノ認可」に改め、同条同項に次の但書を加える。

但シ特別国民健康保険組合ニ在リテハ関係市町村長ヲ経由スルコトヲ要セズ

第三十七条第四項中「清算方法及財産処分ニ付テハ」の次に「関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経タル上」を加え、同条同項に次の但書を加える。

但シ特別国民健康保険組合ニ在リテハ関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経ルコトヲ要セズ

第五章 国民健康保険ヲ行フ社団法人

第三十七条ノ二 営利ヲ目的トセザル社団法人国民健康保険ヲ行ハントスルトキハ規程ヲ作リ関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経タル上都道府県知事ノ許可ヲ受クベシ

都道府県知事ハ営利ヲ目的トセザル社団法人ニシテ左ノ各号ニ該当スルモノニ限リ前項ノ許可ヲ為スコトヲ得

一 定款ヲ以テ一又ハ二以上ノ市町村ノ区域ヲ其ノ地区ト定ムルモノ

二 地区内ノ世帯主ノ五分ノ四以上其ノ社員タルモノ

第一項ノ規定ハ国民健康保険ヲ行フ社団法人ガ規程ヲ変更シ又ハ国民健康保険ヲ廃止セントスル場合ニ之ヲ準用ス

第三十七条ノ三 国民健康保険ヲ行フ社団法人ノ規程ニハ左ノ事項ニ付本法ニ規定スルモノノ外必要ナル事項ヲ記載スベシ

一 被保険者ノ資格ニ関スル事項

二 保険給付ニ関スル事項

三 保険料ニ関スル事項

四 其ノ他重要ナル事項

第三十七条ノ四 国民健康保険ヲ行フ社団法人ノ被保険者ハ其ノ社員及社員ノ世帯ニ属スル者並ニ当該法人ノ地区内ノ世帯主及其ノ世帯ニ属スル者トス 但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ此ノ限ニ在ラズ

一 健康保険ノ被保険者及船員保険ノ被保険者 但シ船員保険法第二十条第一項ノ規定ニ依ル被保険者ヲ除ク

二 特別国民健康保険組合ノ被保険者

三 特別ノ事由アル者ニシテ規程ヲ以テ定ムルモノ

前項但書ノ規定ニ依リ被保険者タル資格ナキ世帯主ニシテ其ノ世帯ニ被保険者タルベキ者アルトキハ第八条ノ八及第八条ノ十ノ規定ノ適用ニ関シテハ之ヲ世帯主タル被保険者卜看做ス

第三十七条ノ五 国民健康保険ヲ行フ社団法人ハ国民健康保険ニ関スル収入支出ニ付特別会計ヲ設クベシ

第三十七条ノ六 国民健康保険ヲ行フ社団法人ノ国民健康保険ニ関スル左ニ掲グル事項ハ社員総会又ハ規程ノ定ムル所ニ依リ之ニ代ルベキ会議ノ議決ヲ経ベシ

一 収入支出ノ予算

二 事業報告及決算

三 収入支出ノ予算ヲ以テ定ムルモノノ外新ナル義務ノ負担又ハ権利ノ放棄

四 準備金其ノ他重要ナル財産ノ処分

五 借入金(一時借入金ヲ除ク)

六 其ノ他重要ナル事項

前項第一号、第四号及第五号ニ掲グル事項ノ決議ハ関係市町村長ヲ経由シテ都道府県知事ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ

第三十七条ノ七 国民健康保険ヲ行フ社団法人第三十七条ノ二第一項ノ許可ヲ取消サレ若ハ同条第三項ノ規定ニ依ル廃止ノ許可ヲ受ケ又ハ解散シタルトキハ当該社団法人ノ代表者又ハ清算人ハ国民健康保険ニ関スル収支ノ計算及財産処分ニ付関係市町村ノ議会ノ議決ヲ経タル上都道府県知事ノ認可ヲ受クベシ

「第三章 国民健康保険組合連合会」を「第六章 国民健康保険団体連合会」に改める。

第三十八条中「組合及組合ノ事業ヲ行フ法人」を「保険者」に改め、同条に次の二項を加える。

適合会ハ其ノ名称中ニ国民健康保険団体連合会ナル文字ヲ用フベシ

国民健康保険団体連合会ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ国民健康保険団体連合会ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ

第四十条ノ二中「組合又ハ組合ノ事業ヲ行フ法人」を「保険者」に改める。

第四十一条 連合会ニ総会ヲ置ク

総会ハ議員及議長ヲ以テ之ヲ組織ス

議員ハ会員タル保険者ヲ代表スル者各一名ヲ以テ之ニ充ツ

議長ハ議員ニ於テ之ヲ互選ス

第四十一条ノ二 連合会ニ理事三人以上ヲ置ク

理事ハ総会ニ於テ議員中ヨリ之ヲ選任ス 但シ特別ノ事由アルトキハ議員ニ非ザル者ノ中ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ

理事ノ中一人ヲ理事長トス

理事長ハ理事ニ於テ之ヲ互選ス

第四十一条ノ三 理事ノ任期ハ二年トス

第四十二条 第八条ノ九、第十五条乃至第十七条、第二十六条、第二十七条、第二十九条第三項第四項及第三十条乃至第三十七条ノ規定ハ連合会ニ之ヲ準用ス 但シ第三十四条及第三十七条第四項ノ規定ニ依ル関係市町村ノ議会ノ議決並ニ第二十六条、第三十条及第三十五条第三項ノ規定ニ依ル関係市町村長ノ経由ハ之ヲ要セズ

「第四章 監督及補助」を「第七章 監督及補助」に改める。

第四十三条第一項中「組合若ハ組合ノ事業ヲ行フ法人」を「保険者」に、「規約ノ変更」を「条例、規約又ハ規程ノ変更」に改め、同条に次の一項を加える。

前項ノ規定ニ依リ普通国民健康保険組合若ハ国民健康保険ヲ行フ社団法人ニ対シ報告ヲ為サシメ若ハ命令又ハ処分ヲ為サントスルトキハ関係市町村長ヲ経由スベシ

第四十四条第一項中「官吏」を「官吏、吏員」に改める。

第四十五条中「地方長官ハ組合若ハ」を「都道府県知事ハ国民健康保険ヲ行フ市町村ノ議会ノ議決又ハ組合、」に、「法令、規約、」を「法令、条例、規約、規程、」に改め、「困難ナリト認ムルトキハ」の次に「議決又ハ」を加え、「第五十四条ノ許可」を「第三十七条ノ二第一項ノ許可」に改める。

第四十六条 国民健康保険ヲ行フ社団法人第三十七条ノ二第二項各号ニ定ムル要件ノ一ヲ欠クニ至リタルトキハ都道府県知事ハ同条第一項ノ許可ヲ取消スコトヲ得

第四十七条 国庫ハ命令ノ定ムル所ニ依リ予算ノ範囲内ニ於テ国民健康保険ニ要スル費用ニ対シ補助金ヲ交付スルコトヲ得

都道府県及市町村ハ国民健康保険ニ要スル費用ニ対シ補助金ヲ交付スルコトヲ得

「第五章 審査会、訴願及訴訟」を「第八章 審査、斡旋及訴訟」に改める。

第四十八条 保険給付ニ関スル決定ニ不服アル者ハ国民健康保険審査会ニ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アル者ハ裁判所ニ訴ヲ提起スルコトヲ得

前項ノ審査ノ請求ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求卜看做ス

第五十条 保険者又ハ連合会ト療養ノ給付ヲ担当スル者又ハ其ノ団体トノ間ニ於ケル保険給付ニ関スル契約ニ関シ紛争ヲ生ジタルトキハ国民健康保険審査会ハ当事者ノ請求ニ依リ其ノ解決ニ付斡旋ヲ為スコトヲ得

第五十一条 国民健康保険審査会ハ第八条ノ六ノ規定ニ依リ斡旋ノ請求ヲ受ケタルトキハ療養ノ給付ヲ担当スル者又ハ之ニ支払フベキ診断報酬ノ額ノ決定ニ付斡旋ヲ為スべシ

第五十二条 保険料其ノ他本法ノ規定ニ依ル徴収金ノ賦課若ハ徴収ノ処分又ハ第七条ノ二若ハ第八条ノ規定ニ依ル滞納処分ニ不服アル者ハ国民健康保険審査会ニ審査ヲ請求スルコトヲ得

第五十二条ノ二 国民健康保険審査会ハ各都道府県ニ之ヲ置ク

第五十二条ノ三 国民健康保険審査会ハ被保険者ヲ代表スル委員、保険者ヲ代表スル委員及公益ヲ代表スル委員各三人ヲ以テ之ヲ組織シ都道府県知事之ヲ委嘱ス

斡旋ヲ為ス場合ニ於テハ国民健康保険審査会ハ前項ニ掲グル委員ノ外療養ノ給付ヲ担当スル者ノ中ヨリ其ノ都度都道府県知事ノ委嘱スル臨時委員五人以内ヲ以テ之ヲ組織ス

第五十二条ノ四 委員ノ任期ハ三年トシ一年毎ニ委員ノ数ノ三分ノ一ヲ委嘱ス

委員ニ欠員ヲ生ジタルトキ新ニ委嘱セラレタル委員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス

臨時委員ハ当該事件ニ関スル斡旋ヲ終了シタルトキ退任ス

第五十二条ノ五 国民健康保険審査会ニ公益ヲ代表スル委員中ヨリ委員ノ選挙セル会長一人ヲ置ク

会長事故アルトキハ前項ノ規定ニ準ジ選挙セラレタル者其ノ職務ヲ代理ス

第五十二条ノ六 国民健康保険審査会ハ被保険者ヲ代表スル委員、保険者ヲ代表スル委員及公益ヲ代表スル委員夫々一人以上出席スルニ非ザレバ審査ノ議事ヲ開キ議決ヲ為スコトヲ得ズ

国民健康保険審査会ハ被保険者ヲ代表スル委員、保険者ヲ代表スル委員、公益ヲ代表スル委員及臨時委員各一人以上出席スルニ非ザレバ斡旋ノ議事ヲ開キ議決ヲ為スコトヲ得ズ

第五十二条ノ七 審査又ハ斡旋ハ出席シタル委員及臨時委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決シ可否同数ナルトキハ会長ノ決スル所ニ依ル

第五十二条ノ八 保険給付ニ関スル決定又ハ第五十二条ノ規定ニ関スル決定ニ不服アル者審査ヲ請求スル場合ハ此等ノ決定又ハ処分ヲ為シタル保険者ノ所在地ヲ管轄スル国民健康保険審査会ニ之ヲ為スベシ

前項ノ請求ハ其ノ決定又ハ処分ヲ為シタル保険者ヲ経由シテ之ヲ為スコトヲ得

斡旋ノ請求ハ紛争ノ当事者タル保険者又ハ連合会ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル国民健康保険審査会ニ之ヲ為スベシ

審査及斡旋ノ請求ガ管轄違ナルトキハ国民健康保険審査会ハ速ニ之ヲ所轄国民健康保険審査会ニ移送シ且其ノ旨ヲ請求者ニ通知スベシ

第五十二条ノ九 国民健康保険審査会ニ対スル審査ノ請求ハ書面又ハ口頭ニ依リ之ヲ為スコトヲ得

第五十二条ノ十 国民健康保険審査会審査ノ請求ヲ受ケタルトキハ速ニ当事者ノ説明ヲ聴取シ審査ヲ為スベシ 但シ保険給付ヲ受クベキ者ガ出頭スルコト困難ナルトキハ此ノ手続ヲ省キ文書ニ依リ審査ヲ為スコトヲ得

第五十二条ノ十一 国民健康保険審査会審査又ハ斡旋ノ為必要アリト認ムルトキハ保険給付ニ関スル決定ヲ為シタル者、保険給付ヲ受クベキ者、紛争ノ当事者又ハ其ノ他ノ利害関係人若ハ参考人ニ対シ報告ヲ為サシメ若ハ出頭ヲ命ジ又ハ医師ニ診断若ハ検案ヲ為サシムルコトヲ得

前項ノ規定ニ依リ国民健康保険審査会ノ請求ニ依リ出頭シタル者ニ対シテハ都道府県知事ハ政令ノ定ムル所ニ依リ旅費、日当及宿泊料ヲ支給ス

第五十二条ノ十二 保険給付ニ関スル決定ヲ為シタル者、保険給付ヲ受クベキ者、紛争ノ当事者又ハ其ノ他ノ利害関係人若ハ参考人ハ国民健康保険審査会ニ対シ意見ヲ述べ参考書類ヲ提示スルコトヲ得

保険給付ヲ受クベキ者審査ノ場合ニ於テ補佐人ヲ必要トスルトキハ補佐人一人卜共ニ出頭スルコトヲ得

審査ノ為出頭スベキ者出頭スルコト能ハザルトキハ其ノ者ハ代理人ヲ出頭セシムルコトヲ得

第五十二条ノ十三 国民健康保険審査会ハ事件ノ一部ガ審査ノ決定ヲ為スニ熟シタルトキハ其ノ部分ニ付先ヅ決定ヲ為スコトヲ得

第五十二条ノ十四 国民健康保険審査会審査ノ決定ヲ為ス場合ハ理由ヲ付シ文書ヲ以テ之ヲ為スベシ

第五十二条ノ十五 国民健康保険審査会斡旋ヲ終了シタルトキハ其ノ経過、概要ヲ公表スベシ 但シ紛争ノ解決シタル場合ニ於テ当事者ノ一方又ハ双方ヨリ予メ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第五十二条ノ十六 審査ノ請求者ガ審査ノ決定前ニ死亡シタルトキハ承継人ニ於テ審査ノ請求手続ヲ受継グモノトス

第五十二条ノ十七 第四十八条及第五十二条ニ関スル訴ニ関シテハ組合ハ之ヲ行政庁卜看做ス

第五十二条ノ十八 国民健康保険審査会ノ委員若ハ事務ニ従事スル者又ハ之等ノ職ニ在リタル者ハ其ノ職務上知得シタル秘密ヲ漏洩スベカラズ

第五十三条 審査ノ請求又ハ訴ノ提起ハ処分ノ通知又ハ決定書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ六十日以内ニ之ヲ為スベシ 但シ審査ノ請求ニ付テハ国民健康保険審査会ニ於テ正当ノ事由アリト認ムルトキハ期限経過後ニ於テモ仍之ヲ受理スルコトヲ得

前項ノ訴ノ提起ニ付テハ民事訴訟法第百五十八条第二項及第百五十九条ノ規定ヲ準用ス

第五十三条ノ二 国民健康保険審査会ノ事務ニ関シテハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

「第六章 雑則」を「第九章 雑則」に改める。

第五十四条 第八条ノ十二第二項ノ規定ニ依ル条例制定ノ認可アリタルトキハ其ノ市町村ノ区域内ニ在ル普通国民健康保険組合ハ解散ノ認可、国民健康保険ヲ行フ社団法人ハ第三十七条ノ二第三項ノ規定ニ依ル国民健康保険ヲ廃止スルコトノ許可アリタルモノト看做ス

普通国民健康保険組合ノ地区ガ二以上ノ市町村ノ区域ニ跨ル場合ニ於テ第八条ノ十二第二項ノ規定ニ依ル条例制定ノ認可アリタルトキハ普通国民健康保険組合ハ其ノ認可アリタル市町村ノ区域ニ依リ分割スルコトニ付認可アリタルモノト看做ス

国民健康保険ヲ行フ社団法人ガ二以上ノ市町村ノ区域ニ跨ル場合ニ於テ第八条ノ十二第二項ノ規定ニ依ル条例制定ノ認可アリタルトキハ第三十七条ノ二第三項ノ規定ニ依ル国民健康保険ヲ廃止スルコトノ許可アリタルモノト看做ス

第五十四条ノ二 厚生大臣及都道府県知事保険給付ニ関シ必要アリト認ムルトキハ当該官吏又ハ吏員ヲシテ診療録其ノ他ノ帳簿書類ヲ検査セシムルコトヲ得 此ノ場合ニ於テハ当該官吏又ハ吏員ハ其ノ身分ヲ示スベキ証票ヲ携帯シ関係人ノ請求アルトキハ之ヲ呈示スベシ

第五十四条ノ三を削る。

第五十五条中「道府県」を「都道府県」に改める。

第五十六条 当該官吏若ハ吏員又ハ之等ノ職ニ在リタル者故ナク第五十四条ノ二ノ規定ニ依ル診療録ノ検査ニ関シ知得シタル医師若ハ歯科医師ノ業務上ノ秘密又ハ個人ノ秘密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス

職務上前項ノ秘密ヲ知得シタル他ノ公務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ秘密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ

第五十四条ノ二ノ規定ニ依ル当該官吏又ハ吏員ノ検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五千円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス

第五十六条ノ二を削る。

第五十七条中「百円」を「五千円」に改める。

附 則

第一条 この法律は、昭和二十三年七月一日から、これを施行する。

第二条 従前の第十一条の規定により設立された組合で、この法律施行の際、現に存するものは、これを第十一条の改正規定により設立されたものとみなす。

2 従前の第五十四条の規定による許可を受けた社団法人で、この法律施行の際、現に存するものは、これを第三十七条ノ二第一項の許可を受けたものとみなす。

第三条 組合会議員、組合会議長及び理事長の互選並びに理事の選任は、この法律施行後九十日以内に、これを行わなければならない。

2 前項の規定により後任者が互選又は選任されたときは、現に在職する組合会議員、理事長及び理事は当然その地位を失う。

第四条 第八条ノ四及び第八条の五の改正規定による療養の給付を担当する者及びこれに支払わなければならない診療報酬の額が定まるまでは、組合又は国民健康保険を行う社団法人の療養の給付を担当する者及びこれに支払わなければならない診療報酬の額は、なお従前の例による。

第五条 この法律施行の際、現に存する地方社会保険審査会及びその職員は、この法律に基く相当の機関及びその職員となり、同一性をもつて存続するものとする。

第六条 この法律の規定は、この法律施行の際、現に存し、又は将来設立される法人若しくは団体が第二章に規定する事業に類する事業を行うことを妨げるものではない。但し、その法人若しくは団体は、その名称中に国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会の文字を用いることができない。

(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名)

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