輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律
法律第八十一号(平三・五・二四)
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 輸入品専門売場に関する特例等(第三条―第十一条)
第三章 雑則(第十二条―第十五条)
第四章 罰則(第十六条―第十九条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、大規模小売店舗において輸入品専門売場を設置して小売業を営もうとする者の事業活動の調整に関し、当分の間、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(昭和四十八年法律第百九号。以下「法」という。)の特例を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「輸入品専門売場」とは、大規模小売店舗における店舗の全部又は一部であって、専ら輸入品(外国を原産地とする物品として政令で定めるものをいう。)を販売するために設置されるものであることその他の政令で定める要件に適合するもの(法第五条第一項若しくは第二項又は第六条第二項の規定による届出に係るものを除く。)をいう。
2 この法律において「大規模小売店舗」、「第一種大規模小売店舗」、「第二種大規模小売店舗」、「開店日」又は「種別変更の届出」とは、それぞれ法に規定する大規模小売店舗、第一種大規模小売店舗、第二種大規模小売店舗、開店日又は種別変更の届出をいう。
第二章 輸入品専門売場に関する特例等
(届出)
第三条 第一種大規模小売店舗又は第二種大規模小売店舗において輸入品専門売場を設置して小売業(飲食店業及び物品加工修理業を除く。以下同じ。)を営もうとする者は、第一種大規模小売店舗又は第二種大規模小売店舗ごとに、輸入品専門売場の開店日までに、次の事項を当該第一種大規模小売店舗又は第二種大規模小売店舗につき法第三条第二項若しくは第三項又は第三条の二第三項の公示(以下「大規模小売店舗の公示」という。)をした通商産業大臣又は都道府県知事(以下単に「通商産業大臣又は都道府県知事」という。)に届け出ることができる。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては代表者の氏名
二 第一種大規模小売店舗又は第二種大規模小売店舗の所在地
三 輸入品専門売場の開店日
四 輸入品専門売場の店舗画積(小売業を営むための店舗の用に供される床面積をいう。以下同じ。)
2 前項の場合において、同項の規定による届出に係る輸入品専門売場が設置されることによりその大規模小売店舗内の輸入品専門売場の店舗面積の合計が千平方メートルを超えることとなるときは、届け出ることができない。
3 第一項の規定による届出には、通商産業省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(開店日の繰上げ等の届出)
第四条 前条第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る輸入品専門売場の開店日の繰上げをしようとするときは、繰上げ後の輸入品専門売場の開店日までに、その旨を通商産業大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
2 前条第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る輸入品専門売場の店舗面積の増加をしようとするときは、輸入品専門売場の店舗面積を増加する日までに、その旨を通商産業大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
3 前条第二項及び第三項の規定は、前二項の規定による届出に準用する。
(大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例)
第五条 第三条第一項又は前条第一項若しくは第二項の規定による届出をした者のその届出に係る輸入品専門売場における小売業の営業については、法第四条、第五条及び第九条の規定は、適用しない。
(改善勧告)
第六条 通商産業大臣又は都道府県知事は、第三条第一項又は第四条第一項若しくは第二項の規定による届出をした者のその届出に係る輸入品専門売場が第二条第一項の規定に基づく政令で定める要件に適合しなくなったと認めるときは、その届出をした者に対し、相当の期間を定めてその届出に係る店舗をその要件に適合させるために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(改善命令)
第七条 通商産業大臣又は都道府県知事は、前条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、相当の期間を定めてその勧告に従うべきことを命ずることができる。
(営業の停止)
第八条 通商産業大臣又は都道府県知事は、その大規模小売店舗の公示に係る第一種大規模小売店舗又は第二種大規模小売店舗における小売業者が次の各号の一に該当するときは、その小売業者に対し、一年以内の期間を定めてその小売業の営業の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
一 第三条第一項の規定による届出をする場合において虚偽の届出をしたとき。
二 第四条第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 前条の規定による命令に違反したとき。
(氏名等の変更の届出)
第九条 第三条第一項の規定による届出をした者は、第四条第一項又は第二項の規定による届出を要する場合を除き、その届出に係る第三条第一項各号に掲げる事項の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該事項の変更(同項第一号又は第二号に掲げる事項の変更に限る。)について法第十二条第一項の規定による届出をした者については、この限りでない。
(承継)
第十条 法第十三条の規定は、第三条第一項の規定による届出をした者の地位の承継に準用する。この場合において、法第十三条中「第五条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項まで」とあるのは、「輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の特例に関する法律(以下「特例法」という。)第三条第一項」と読み替えるものとする。
(種別変更前にされた届出)
第十一条 法第十四条の二の規定は、その種別変更の届出の時までにされた第三条第一項の規定による届出に準用する。この場合において、法第十四条の二第一項中「第五条第一項若しくは第二項又は第九条第一項から第三項まで」とあるのは「特例法第三条第一項」と、同条第二項中「第六条第一項若しくは第二項、第十二条又は第十三条」とあるのは「特例法第四条第一項若しくは第二項若しくは第九条又は特例法第十条において準用する第十三条」と読み替えるものとする。
第三章 雑則
(届出の経由)
第十二条 法第十四条の三の規定は、この法律の規定による届出であって、通商産業大臣にするものに準用する。この場合において、「この法律」とあるのは、「特例法」と読み替えるものとする。
(報告及び立入検査)
第十三条 法第十六条の規定は、第三条第一項の規定による届出に係る輸入品専門売場における小売業の営業に関する報告の徴収及び立入検査に準用する。この場合において、法第十六条第一項中「この法律」とあるのは、「特例法」と読み替えるものとする。
(不服申立ての手続における聴聞)
第十四条 法第十七条の規定は、第七条又は第八条の規定による命令についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定(却下の裁決又は決定を除く。)に準用する。この場合において、法第十七条第一項中「第八条第一項(第九条第四項において準用する場合を含む。)又は第十四条」とあるのは、「特例法第七条又は第八条」と読み替えるものとする。
(経過措置)
第十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第四章 罰則
第十六条 第七条又は第八条の規定による命令に違反した者は、三百万円以下の罰金に処する。
第十七条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項の規定による届出をする場合において虚偽の届出をした者
二 第四条第一項又は第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第十八条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第九条又は第十条において準用する法第十三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十三条において準用する法第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第十三条において準用する同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
1 この法律は、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律(平成三年法律第八十号)の施行の日から施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(通商産業・内閣総理大臣署名)