国家公務員法の一部を改正する法律
法律第七十七号(昭五六・六・一一)
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第一款 分限」を
「 |
第一款 分限 |
|
第一目 降任、休職、免職等 |
||
第二目 定年 |
」 |
に改める。
第三章第六節第一款中第七十五条の前に次の目名を付する。
第一目 降任、休職、免職等
第八十一条第一項中「左に」を「次に」に、「分限」を「分限(定年に係るものを除く。次項において同じ。)」に、「乃至前条」を「から前条まで」に改める。
第三章第六節第一款に次の一目を加える。
第二目 定年
(定年による退職)
第八十一条の二 職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
前項の定年は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる職員の定年は、当該各号に定める年齢とする。
一 病院、療養所、診療所等で人事院規則で定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢六十五年
二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する職員で人事院規則で定めるもの 年齢六十三年
三 前二号に掲げる職員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる官職を占める職員で人事院規則で定めるもの 六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢
前二項の規定は、臨時的職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び常時勤務を要しない官職を占める職員には適用しない。
(定年による退職の特例)
第八十一条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
(定年退職者の再任用)
第八十一条の四 任命権者は、第八十一条の二第一項の規定により退職した者又は前条の規定により勤務した後退職した者について、その者の能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるときは、人事院規則の定めるところにより、一年を超えない範囲内で任期を定め、その者を常時勤務を要する官職に採用することができる。
前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、人事院規則の定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。
前二項の規定による任期については、その末日は、その者に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
(定年に関する事務の調整等)
第八十一条の五 内閣総理大臣は、職員の定年に関する事務の適正な運営を確保するため、各行政機関が行う当該事務の運営に関し必要な調整を行うほか、職員の定年に関する制度の実施に関する施策を調査研究し、その権限に属する事項について適切な方策を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十年三月三十一日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(実施のための準備)
第二条 この法律による改正後の国家公務員法(以下「新法」という。)の規定による職員の定年に関する制度の円滑な実施を確保するため、任命権者は、長期的な人事管理の計画的推進その他必要な準備を行うものとし、人事院及び内閣総理大臣は、それぞれの権限に応じ、任命権者の行う準備に関し必要な連絡、調整その他の措置を講ずるものとする。
(経過措置)
第三条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに新法第八十一条の二第二項に規定する定年に達している職員(同条第三項に規定する職員を除く。)は、施行日に退職する。
第四条 新法第八十一条の三の規定は、前条の規定により職員が退職すべきこととなる場合について準用する。この場合において、新法第八十一条の三第一項中「同項」とあるのは「国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「昭和五十六年法律第七十七号」という。)附則第三条」と、同条中「その職員に係る定年退職日」とあるのは「昭和五十六年法律第七十七号の施行の日」と読み替えるものとする。
第五条 新法第八十一条の四の規定は、附則第三条の規定により職員が退職した場合又は前条において準用する新法第八十一条の三の規定により職員が勤務した後退職した場合について準用する。この場合において、新法第八十一条の四第三項中「その者に係る定年退職日」とあるのは、「その者が年齢六十年(退職した時に第八十一条の二第二項各号に掲げる職員であつた者にあつては、当該各号に定める年齢)に達した日」と読み替えるものとする。
(国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法の一部改正)
第六条 国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
第五条の次に次の一条を加える。
(定年)
第五条の二 職員に関する国家公務員法第八十一条の二第一項及び第二項並びに第八十一条の三第二項の規定の適用については、同法第八十一条の二第一項中「第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者」とあるのは「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(以下「給与特例法」という。)第四条に規定する主務大臣又は政令の定めるところによりその委任を受けた者(以下「主務大臣等」という。)」と、同条第二項中「人事院規則で」とあるのは「給与特例法第四条に規定する主務大臣が」と、同法第八十一条の三第二項中「人事院の承認を得て」とあるのは「主務大臣等の定めるところにより」とする。
(国の経営する企業に勤務する職員に関する経過措置)
第七条 国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法第二条第二項に規定する職員についての附則第三条及び第四条の規定の適用については、附則第三条中「新法第八十一条の二第二項」とあるのは「附則第六条の規定による改正後の国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(以下「給与特例法」という。)第五条の二の規定により読み替えて適用される新法第八十一条の二第二項」と、附則第四条中「新法第八十一条の三」とあるのは「給与特例法第五条の二の規定により読み替えて適用される新法第八十一条の三」と、「国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「昭和五十六年法律第七十七号」という。)附則第三条」とあるのは「国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「昭和五十六年法律第七十七号」という。)附則第七条の規定により読み替えて適用される昭和五十六年法律第七十七号附則第三条」とする。
(裁判所職員臨時措置法の一部改正)
第八条 裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)の一部を次のように改正する。
本則第一号中「罰則」の下に「並びに執行官について第八十一条の二から第八十一条の五までの規定」を加える。
(内閣総理大臣臨時代理・法務・大蔵・農林水産・通商産業・郵政大臣署名)