学校教育法の一部を改正する法律
法律第五十九号(昭五〇・七・一一)
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第七章の次に次の一章を加える。
第七章の二 専修学校
第八十二条の二 第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
一 修業年限が一年以上であること。
二 授業時数が文部大臣の定める授業時数以上であること。
三 教育を受ける者が常時四十人以上であること。
第八十二条の三 専修学校には、高等課程、専門課程又は一般課程を置く。
専修学校の高等課程においては、中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者又は文部大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者に対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて前条の教育を行うものとする。
専修学校の専門課程においては、高等学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者又は文部大臣の定めるところによりこれに準ずる学力があると認められた者に対して、高等学校における教育の基礎の上に、前条の教育を行うものとする。
専修学校の一般課程においては、高等課程又は専門課程の教育以外の前条の教育を行うものとする。
第八十二条の四 高等課程を置く専修学校は、高等専修学校と称することができる。
専門課程を置く専修学校は、専門学校と称することができる。
第八十二条の五 専修学校は、国及び地方公共団体のほか、次の各号に該当する者でなければ、設置することができない。
一 専修学校を経営するために必要な経済的基礎を有すること。
二 設置者(設置者が法人である場合にあつては、その経営を担当する当該法人の役員とする。次号において同じ。)が専修学校を経営するために必要な知識又は経験を有すること。
三 設置者が社的会信望を有すること。
第八十二条の六 専修学校は、次の各号に掲げる事項について文部大臣の定める基準に適合してしなければならない。
一 目的、生徒の数又は課程の種類に応じて置かなければならない教員の数
二 目的、生徒の数又は課程の種類に応じて有しなければならない校地及び校舎の面積並びにその位置及び環境
三 目的、生徒の数又は課程の種類に応じて有しなければならない設備
四 目的又は課程の種類に応じた教科及び編制の大綱
第八十二条の七 専修学校には、校長及び相当数の教員を置かなければならない。
専修学校の校長は、教育に関する識見を有し、かつ、教育、学術又は文化に関する業務に従事した者でなければならない。
専修学校の教員は、その担当する教育に関する専門的な知識又は技能に関し、文部大臣の定める資格を有する者でなければならない。
第八十二条の八 国が設置する専修学校を除くほか、専修学校の設置廃止(高等課程、専門課程又は一般課程の設置廃止を含む。)、設置者の変更及び目的の変更は、監督庁の認可を受けなければならない。
監督庁は、専修学校の設置(高等課程、専門課程又は一般課程の設置を含む。)の認可の申請があつたときは、申請の内容が第八十二条の二、第八十二条の三及び前三条の基準に適合するかどうかを審査した上で、認可に関する処分をしなければならない。
前項の規定は、専修学校の設置者の変更及び目的の変更の認可の申請があつた場合について準用する。
監督庁は、第一項の認可をしない処分をするときは、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。
第八十二条の九 専修学校の設置者は、その設置する専修学校の名称、位置又は学則を変更しようとするときその他政令で定める場合に該当するときは、監督庁に届け出なければならない。
第八十二条の十 第五条、第六条、第九条から第十四条まで及び第三十四条の規定は、専修学校に準用する。
監督庁は、前項において準用する第十三条の規定による処分をしようとするときは、当該専修学校の設置者に対して、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
監督庁は、第一項において準用する第十三条の規定による処分をするときは、理由を付した書面をもつて当該専修学校の設置者にその旨を通知しなければならない。
第八十三条第一項中「学校教育に類する教育」の下に「を行うもの」を加え、「を除く。)を行うもの」を「及び第八十二条の二に規定する専修学校の教育を行うものを除く。)」に改め、同条第二項を削る。
第八十三条の次に次の一条を加える。
第八十三条の二 専修学校、各種学校その他第一条に掲げるもの以外の教育施設は、同条に掲げる学校の名称を用いてはならない。
高等課程を置く専修学校以外の教育施設は高等専修学校の名称を、専門課程を置く専修学校以外の教育施設は専門学校の名称を、専修学校以外の教育施設は専修学校の名称を用いてはならない。
第八十四条第一項中「学校又は各種学校以外のものが各種学校の教育」を「学校以外のもの又は専修学校若しくは各種学校以外のものが専修学校又は各種学校の教育」に、「各種学校設置」を「専修学校設置又は各種学校設置」に改め、同条第二項中「前項の関係者」を「前項に規定する関係者」に、「各種学校の教育」を「専修学校若しくは各種学校の教育」に、「同項の規定による勧告に従つて各種学校設置」を「専修学校設置若しくは各種学校設置」に改める。
第八十九条中「第八十三条第三項」を「第八十二条の十第一項及び第八十三条第二項」に改める。
第九十二条中「第八十三条第二項」を「第八十三条の二」に改める。
第百六条第一項中「第十一条」の下に「(第八十二条の十第一項及び第八十三条第二項において準用する場合を含む。)」を、「第二十三条」の下に「(第三十九条第三項において準用する場合を含む。)」を、「第四十七条」の下に「(第七十六条において準用する場合を含む。)」を、「第四十八条第二項」の下に「(第七十六条において準用する場合を含む。)」を、「第四十九条」の下に「(第七十条の九及び第七十六条において準用する場合を含む。)」を加え、「第八十三条第四項」を「第八十三条第三項」に改め、同条第二項中「第四条」の下に「(第八十三条第二項において準用する場合を含む。)」を、「第十四条」の下に「(第八十二条の十第一項及び第八十三条第二項において準用する場合を含む。)」を加え、「及び幼稚園」を「、幼稚園、専修学校及び各種学校」に改め、同条に次の一項を加える。
第八十二条の八及び第八十二条の九並びに第八十二条の十第一項において準用する第十三条の監督庁は、公立の専修学校については、当分の間、都道府県の教育委員会とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
(各種学校等に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に存する各種学校(我が国に居住する外国人を専ら対象とする教育施設に該当するものを除く。)で改正後の学校教育法(以下この条において「新法」という。)第八十二条の二の専修学校の教育を行おうとするものは、新法第八十二条の八第一項の規定による高等課程、専門課程又は一般課程の設置の認可を受けることにより、新法の規定による専修学校となることができる。
2 前項に規定する各種学校に係る学校教育法第八十三条第一項の規定の適用については、当該各種学校が前項の規定により専修学校となるまでの間は、なお従前の例による。
3 この法律の施行の際現に高等専修学校、専門学校又は専修学校の名称を用いている教育施設は、新法第八十三条の二第二項の規定にかかわらず、昭和五十三年三月三十一日までの間は、なお従前の名称を用いることができる。
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(関係法律の一部改正)
第三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第三第二号(二)中「設備」を「及び設備」に、「及び公立の各種学校」を「公立の専修学校及び各種学校」に、「行ない」を「行い」に改める。
別表第七第一号の表私立学校審議会の項中「及び私立各種学校」を「、私立専修学校及び私立各種学校」に改める。
第四条 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)の一部を次のように改正する。
第十八条の二第一項中「終つた」を「終わつた」に、「第八十三条第一項」を「第八十二条の二又は第八十三条第一項」に改める。
第五条 教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)の一部を次のように改正する。
第二十二条中「各種学校」を「専修学校又は各種学校」に改める。
第六条 文部省設置法(昭和二十四年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一号中「及び同法第八十三条に定める各種学校」を「、同法第八十二条の二に定める専修学校及び同法第八十三条に定める各種学校」に改め、同条第六号の次に次の一号を加える。
六の二 「専修学校教育」とは、専修学校における教育をいう。
第十二条第一項第三号の次に次の二号を加える。
三の二 専修学校教育の振興に関し、企画し、及び援助と助言を与えること(他部局に属するものを除く。)。
三の三 専修学校教育の基準の設定に関すること。
第七条 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「「各種学校」とは、学校教育法第八十三条第一項」を「、「専修学校」とは学校教育法第八十二条の二に規定する専修学校をいい、「各種学校」とは同法第八十三条第一項」に改める。
第四条第二号中「の私立学校」の下に「並びに私立専修学校及び私立各種学校」を加え、同条第四号中「学校法人」の下に「及び第六十四条第四項の法人」を加え、同条第五号中「第二号に掲げる私立学校」の下に「、私立専修学校又は私立各種学校」を加え、「あわせて」を「併せて」に改める。
第九条第二項中「及び私立各種学校」を「並びに私立専修学校及び私立各種学校」に改める。
第十条第二項第一号中「園長」の下に「、私立専修学校の校長」を、「これらの学校」の下に「若しくは専修学校」を、「学校法人」の下に「若しくは第六十四条第四項の法人」を加え、同条第四項中「これらの学校」の下に「若しくは各種学校」を加える。
第十一条第一項中「目的とする団体」の下に「又は当該都道府県の区域内にある私立専修学校の教育一般の改善振興を図ることを目的とする団体」を加え、「私立学校の総数」を「私立学校又は私立専修学校の総数」に改め、「ときは」の下に「、それぞれ」を加え、「幼児の数が」を「幼児の数又はその団体を組織する私立専修学校に在籍する生徒の数が、それぞれ、」に改め、「幼児の総数」の下に「又は当該都道府県の区域内にある私立専修学校に在籍する生徒の総数」を加え、「こえる」を「超える」に改め、同条第二項中「候補者の数」を「侯補者の総数」に改め、同項に後段として次のように加える。
この場合において、前項の私立専修学校の団体が推薦する候補者の数は、都道府県知事が定める。
第十一条第四項中「私立学校の団体が」を「私立学校又は私立専修学校の団体がそれぞれ」に改め、「組織する私立学校」の下に「又は私立専修学校」を、「団体に対して」の下に「それぞれ」を加え、同条第五項中「私立学校」の下に「又は私立専修学校」を加える。
第十五条中「関係する学校」の下に「、専修学校」を加える。
第二十条第二項中「私立学校」の下に「又は私立専修学校」を加える。
第六十四条の見出しを「(私立専修学校等)」に攻め、同条第一項を次のように改める。
学校教育法第八十二条の八第一項の監督庁の権限及び同法第八十二条の十第一項において準用する同法第十三条の監督庁の権限は、所轄庁が行うものとし、第五条第二項、第六条及び第八条第一項の規定は私立専修学校について、第五条、第六条及び第八条第一項の規定は私立各種学校について、それぞれ準用する。この場合において、私立専修学校について準用する第八条第一項中「第五条各号に掲げる事項」とあるのは「学校教育法第八十二条の八第一項の監督庁の権限又は同法第八十二条の十第一項において準用する同法第十三条の監督庁の権限」と読み替え、私立各種学校について準用する第八条第一項中「第五条各号」とあるのは「第六十四条第一項において準用する第五条第一項各号」と読み替えるものとする。
第六十四条第二項中「各種学校」を「専修学校又は各種学校」に改め、同条第三項中「各種学校」を「専修学校又は各種学校」に、「私立各種学校」を「私立専修学校又は私立各種学校」に改め、同条第四項中「各種学校」を「専修学校又は各種学校」に改め、同条第五項中「私立各種学校」を「私立専修学校又は私立各種学校」に改める。
第八条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。
第二条第二号中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改める。
別表第二(い)項第四号中「及び各種学校」を「、専修学校及び各種学校」に改める。
第九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七百一条の四十一第一項の表施設の欄中「学校教育法」の下に「第八十二条の二に規定する専修学校又は同法」を加え、「もの」を「専修学校又は各種学校」に改める。
第十条 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改める。
第十一条 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の一部を次のように改正する。
第二十九条の二第三号中「私立学校」の下に「、私立専修学校」を加える。
第十二条 学校保健法(昭和三十三年法律第五十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十一条」を「第二十二条」に改める。
本則に次の一条を加える。
(専修学校の保健管理)
第二十二条 専修学校には、保健管理に関する専門的事項に関し、技術及び指導を行う医師を置くように努めなければならない。
2 専修学校には、健康診断、健康相談、救急処置等を行うため、保健室を設けるように努めなければならない。
3 第二条、第三条、第六条、第七条、第八条第一項及び第三項、第九条第一項、第十条から第十四条まで並びに前二条の規定は、専修学校に準用する。
第十三条 首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律(昭和三十四年法律第十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「又は」の下に「同法第八十二条の二に規定する専修学校若しくは」を加え、「政令で定める各種学校」を「政令で定める専修学校及び各種学校」に、「「各種学校」」を「「専修学校及び各種学校」」に改め、同条第五項中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改め、同条第六項中「高等専門学校」の下に「並びに専修学校」を加える。
第十四条 近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律(昭和三十九年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「又は」の下に「同法第八十二条の二に規定する専修学校若しくは」を加え、「政令で定める各種学校」を「政令で定める専修学校及び各種学校」に、「「各種学校」」を「「専修学校及び各種学校」」に改め、同条第五項中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改め、同条第六項中「高等専門学校」の下に「並びに専修学校」を加える。
第十五条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第三十二号ロ中「私立各種学校」を「私立専修学校及び私立各種学校」に改め、「学校教育法」の下に「第八十二条の二(専修学校)に規定する専修学校又は同法」を加える。
別表第一第一号の表名称の欄中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改める。
第十六条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表名称の欄中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改める。
第十七条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第三の表名称の欄中「各種学校」を「専修学校及び各種学校」に改める。
第十八条 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第二十九条第三号中「大学」の下に「、専修学校」を加え、「行なう」を「行う」に改める。
第十九条 日本私学振興財団法(昭和四十五年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
第二条中第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
四 専修学校 学校教育法第八十二条の二に規定する専修学校をいう。
第二十条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同項第二号中「各種学校で」を「専修学校若しくは各種学校で」に、「各種学校の」を「専修学校及び各種学校の」に改め、同項第五号中「行ない」を「行い」に改める。
(内閣総理・大蔵・文部・厚生・建設・自治大臣署名)