文化財保護法の一部を改正する法律

法律第四十九号(昭五〇・七・一)

 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の一部を次のように改正する。

 目次中「民俗資料」を「民俗文化財」に、「第五十六条の十八」を「第五十六条の二十一」に、「第八十四条」を「第八十三条」に、「第五章の二 文化財保護審議会(第八十四の二―第八十四条の五)」を

第五章の二 伝統的建造物群保存地区(第八十三条の二―第八十三条の六)

第五章の三 文化財の保存技術の保護(第八十三条の七―第八十三条の十二)

第五章の四 文化財保護審議会(第八十四条―第八十四条の四)

に、「第百五条」を「第百五条の二」に改める。

 第二条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「わが国」を「我が国」に、「及び考古資料」を「(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料」に改め、同項第二号中「わが国」を「我が国」に改め、同項第三号中「及びこれ」を「、民俗芸能及びこれら」に、「わが国民」を「我が国民」に、「民俗資料」を「民俗文化財」に改め、同項第四号中「わが国」を「我が国」に、「橋りよう」を「橋梁」に改め、同項に次の一号を加える。

 五 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの (以下「伝統的建造物群」という。)

 第二条第二項及び第三項中「第八十四条の三」を「第八十四条の二」に改める。

 第四十一条第一項中「損害」を「損失」に、「政府」を「国」に改める。

 第四十三条の見出し中「現状変更」を「現状変更等」に改め、同条第一項中「の現状を変更」を「に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為を」に、「但し、その維持の措置をする場合」を「ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合」に改め、同条第三項中「変更」の下に「又は保存に影響を及ぼす行為」を加え、同条第四項中「変更」の下に「若しくは保存に影響を及ぼす行為」を加え、同条に次の二項を加える。

5 第一項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第三項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、国は、その通常生ずべき損失を補償する。

6 前項の場合には、第四十一条第二項から第四項までの規定を準用する。

 第四十五条第二項中「損害」を「損失」に、「政府」を「国」に改める。

 第四十六条の次に次の一条を加える。

 (管理団体による買取りの補助)

第四十六条の二 国は、管理団体である地方公共団体その他の法人が、その管理に係る重要文化財(建造物その他の土地の定着物及びこれと一体のものとして当該重要文化財に指定された土地に限る。)で、その保存のため特に買い取る必要があると認められるものを買い取る場合には、その買取りに要する経費の一部を補助することができる。

2 前項の場合には、第三十五条第二項及び第三項並びに第四十二条の規定を準用する。

 第五十一条第二項中「又は修理」を「、修理又は買取り」に改める。

 第五十二条の見出し中「損害」を「損失」に改め、同条第一項中「き損」を「き損」に、「政府」を「国」に、「通常」を「その通常」に、「損害」を「損失」に、「但し」を「ただし」に改める。

 第五十五条第一項中「左の」を「次の」に、「且つ」を「かつ」に、「当る」を「当たる」に改め、同項第一号中「の現状変更の」を「に関し現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為につき」に改め、同項第二号及び第三号中「き損」を「き損」に改め、同条第三項中「損害」を「損失」に、「政府」を「国」に改める。

 第五十六条の三第二項中「当つては」を「当たつては」に改め、「保持者」の下に「又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)」を加え、同条第三項中「保持者」の下に「又は保持団体」を加え、「者に」を「もの(保持団体にあつては、その代表者)に」に改め、同条第四項中「保持者」の下に「又は保持団体」を加え、「足りる者」を「足りるもの」に、「その者」を「そのもの」に改める。

 第五十六条の四第二項中「場合」の下に「、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合」を、「、保持者」の下に「又は保持団体」を加え、同条第三項中「保持者」の下に「又は保持団体の代表者」を加え、同条第四項前段を次のように改める。

  保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、重要無形文化財の指定は解除されたものとする。

 第五十六条の五中「十日以内」を「二十日以内」に改め、同条に後段として次のように加える。

 保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。

 第五十六条の六第一項中「行い、又は」を「執ることができるものとし、国は、」に、「若しくは」を「、保持団体又は」に、「当る」を「当たる」に改める。

 第五十六条の七第一項中「保持者」の下に「又は保持団体」を加え、同条第二項中「重要無形文化財の記録の所有者から、」を「保持団体から」に改め、「又は重要無形文化財の記録」を削り、同条第三項を次のように改める。

3 重要無形文化財の記録の所有者からその記録を国の補助を受けて公開したい旨の申出があつた場合において、文化庁長官がこれを承認したときは、国は、その公開に要する経費の一部を補助することができる。

4 前項の規定により補助金を交付する場合には、第三十五条第二項及び第三項の規定を準用する。

 第五十六条の八中「保持者」の下に「若しくは保持団体」を加え、「当る」を「当たる」に改める。

 第五十六条の九第一項中「若しくは公開し、又は」を「又は公開することができるものとし、国は、」に、「公開若しくは」を「公開又は」に改める。

 第三章の三の章名を「第三章の三 民俗文化財」に改める。

 第五十六条の十の見出し中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財及び重要無形民俗文化財」に改め、同条第一項中「有形の民俗資料」を「有形の民俗文化財」に、「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財に、無形の民俗文化財のうち特に重要なものを重要無形民俗文化財」に改め、同条第二項中「規定による」の下に「重要有形民俗文化財の」を加え、同条に次の一項を加える。

3 第一項の規定による重要無形民俗文化財の指定は、その旨を官報に告示してする。

 第五十六条の十一の見出し中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財及び重要無形民俗文化財」に改め、同条第一項中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財」に改め、同条第二項中「規定による」の下に「重要有形民俗文化財の」を加え、同条に次の一項を加える。

3 第一項の規定による重要無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を官報に告示してする。

 第五十六条の十二(見出しを含む。)中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第五十六条の十三の前の見出し中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同条第一項中「重要民俗資料の現状を変更し」を「重要有形民俗文化財に関しその現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし」に、「、現状を変更し」を「、現状を変更し、若しくは保存に影響を及ぼす行為をし」に、「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「の現状変更」を「の現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為」に改める。

 第五十六条の十四中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第五十六条の十五の前の見出し及び同条から第五十六条の十七(同条の見出しを含む。)まで中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第五十六条の十八を次のように改める。

 (重要無形民俗文化財の保存)

第五十六条の十八 文化庁長官は、重要無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、重要無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、国は、地方公共団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第三十五条第二項及び第三項の規定を準用する。

 第三章の三に次の三条を加える。

 (重要無形民俗文化財の記録の公開)

第五十六条の十九 文化庁長官は、重要無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。

2 重要無形民俗文化財の記録の所有者からその記録を国の補助を受けて公開したい旨の申出があつた場合には、第五十六条の七第三項及び第四項の規定を準用する。

 (重要無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第五十六条の二十 文化庁長官は、地方公共団体その他重要無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

 (重要無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)

第五十六条の二十一 重要無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財には、第五十六条の九の規定を準用する。

 第五十七条の前の見出し中「発掘」を「調査のための発掘」に改め、同条第一項中「土地を発掘して埋蔵物である文化財(以下「埋蔵文化財」という。)について調査」を「土地に埋蔵されている文化財(以下「埋蔵文化財」という。)について、その調査のため土地を発掘」に、「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「必要な事項」の下に「及び報告書の提出」を加える。 第五十七条の二に見出しとして「(土木工事等のための発掘に関する届出及び指示)」を加え、同条第一項中「周知されている土地」の下に「(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)」を加え、同項に後段として次のように加える。

  この場合において、同項中「三十日前」とあるのは、「六十日前」と読み替えるものとする。

 第五十七条の二の次に次の四条を加える。

 (国の機関等が行う発掘に関する特例)

第五十七条の三 国の機関、地方公共団体又は国若しくは地方公共団体の設立に係る法人で政令の定めるもの(以下この条及び第五十七条の六において「国の機関等」と総称する。)が、前条第一項に規定する目的で周知の埋蔵文化財包蔵地を発掘しようとする場合においては、同条の規定を適用しないものとし、当該国の機関等は、当該発掘に係る事業計画の策定に当たって、あらかじめ、文化庁長官にその旨を通知しなければならない。

2 文化庁長官は、前項の通知を受けた場合において、埋蔵文化財の保護上特に必要があると認めるときは、当該国の機関等に対し、当該事業計画の策定及びその実施について協議を求めるべき旨の通知をすることができる。

3 前項の通知を受けた国の機関等は、当該事業計画の策定及びその実施について、文化庁長官に協議しなければならない。

4 文化庁長官は、前二項の場合を除き、第一項の通知があつた場合において、当該通知に係る事業計画の実施に関し、埋蔵文化財の保護上必要な勧告をすることができる。

5 前四項の場合において、当該国の機関等が各省各庁の長(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第四条第二項に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)であるときは、これらの規定に規定する通知、協議又は勧告は、文部大臣を通じて行うものとする。

 (埋蔵文化財包蔵地の周知)

第五十七条の四 国及び地方公共団体は、周知の埋蔵文化財包蔵地について、資料の整備その他その周知の徹底を図るために必要な措置の実施に努めなければならない。

2 国は、地方公共団体が行う前項の措置に関し、指導、助言その他の必要と認められる援助をすることができる。

 (遺跡の発見に関する届出、停止命令等)

第五十七条の五 土地の所有者又は占有者が出土品の出土等により貝づか、住居跡、古墳その他遺跡と認められるものを発見したときは、第五十七条第一項の規定による調査に当たつて発見した場合を除き、その現状を変更することなく、遅滞なく、文部省令の定める事項を記載した書面をもつて、その旨を文化庁長官に届け出なければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置を執る場合は、その限度において、その現状を変更することを妨げない。

2 文化庁長官は、前項の届出があつた場合において、当該届出に係る遺跡が重要なものであり、かつ、その保護のため調査を行う必要があると認めるときは、その土地の所有者又は占有者に対し、期間及び区域を定めて、その現状を変更することとなるような行為の停止又は禁止を命ずることができる。ただし、その期間は、三箇月を超えることができない。

3 文化庁長官は、前項の命令をしようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体の意見を聴かなければならない。

4 第二項の命令は、第一項の届出があつた日から起算して一箇月以内にしなければならない。

5 第二項の場合において、同項の期間内に調査が完了せず、引き続き調査を行う必要があるときは、文化庁長官は、一回に限り、当該命令に係る区域の全部又は一部について、その期間を延長することができる。ただし、当該命令の期間が、同項の期間と通算して六箇月を超えることとなつてはならない。

6 第二項及び前項の期間を計算する場合においては、第一項の届出があつた日から起算して第二項の命令を発した日までの期間が含まれるものとする。

7 文化庁長官は、第一項の届出がなされなかつた場合においても、第二項及び第五項に規定する措置を執ることができる。

8 文化庁長官は、第二項の措置を執つた場合を除き、第一項の届出がなされた場合には、当該遺跡の保護上必要な指示をすることができる。前項の規定により第二項の措置を執つた場合を除き、第一項の届出がなされなかつたときも、同様とする。

9 第二項の命令によつて損失を受けた者に対しては、国は、その通常生ずべき損失を補償する。

10 前項の場合には、第四十一条第二項から第四項までの規定を準用する。

 (国の機関等の遺跡の発見に関する特例)

第五十七条の六 国の機関等が前項第一項に規定する発見をしたときは、同条の規定を適用しないものとし、第五十七条第一項又は第九十八条の二第一項の規定による調査に当たつて発見した場合を除き、その現状を変更することなく、遅滞なく、その旨を文化庁長官に通知しなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置を執る場合は、その限度において、その現状を変更することを妨げない。

2 文化庁長官は、前項の通知を受けた場合において、当該通知に係る遺跡が重要なものであり、かつ、その保護のため調査を行う必要があると認めるときは、当該国の機関等に対し、その調査、保存等について協議を求めるべき旨の通知をすることができる。

3 前項の通知を受けた国の機関等は、文化庁長官に協議しなければならない。

4 文化庁長官は、前二項の場合を除き、第一項の通知があつた場合において、当該遺跡の保護上必要な勧告をすることができる。

5 前四項の場合には、第五十七条の三第五項の規定を準用する。

 第五十八条第一項を次のように改める。

  文化庁長官は、歴史上又は学術上の価値が特に高く、かつ、その調査が技術的に困難なため国において調査する必要があると認められる埋蔵文化財については、その調査のため土地の発掘を施行することができる。

 第五十八条第二項中「自ら」を削り、「基く」を「基づく」に改め、同条第三項中「第三十九条」の下に「(同条第三項において準用する第三十二条の二第五項の規定を含む。)」を加える。

 第七十三条第一項中「損害」を「損失」に改める。

 第八十条第一項中「但し」を「ただし」に、「措置をする」を「措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る」に改め、同条中第五項を第七項とし、第四項の次に次の二項を加える。

5 第一項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第三項で準用する第四十三条第三項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、国は、その通常生ずべき損失を補償する。

6 前項の場合には、第四十一条第二項から第四項までの規定を準用する。

 第八十条の二第一項中「但し、前条」を「ただし、第八十条」に改め、同条を第八十条の三とし、第八十条の次に次の一条を加える。

 (関係行政庁による通知)

第八十条の二 前条第一項の規定により許可を受けなければならないこととされている行為であつてその行為をするについて、他の法令の規定により許可、認可その他の処分で政令に定めるものを受けなければならないこととされている場合において、当該他の法令において当該処分の権限を有する行政庁又はその委任を受けた者は、当該処分をするときは、政令の定めるところにより、文化庁長官(同条第一項の規定による許可の権限が都道府県の教育委員会に委任されているときは、当該委任を受けた都道府県の教育委員会)に対し、その旨を通知するものとする。

 第八十一条第二項中「損害」を「損失」に、「政府」を「国」に改め、同条第三項中「第五項」を「第七項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (管理団体による買取りの補助)

第八十一条の二 管理団体である地方公共団体その他の法人が、史跡名勝天然記念物の指定に係る土地又は建造物その他の土地の定着物で、その管理に係る史跡名勝天然記念物の保存のため特に買い取る必要があると認められるものを買い取る場合には、国は、その買取りに要する経費の一部を補助することができる。

2 前項の場合には、第三十五条第二項及び第三項並びに第四十二条の規定を準用する。

 第八十三条第二項中「損害」を「損失」に、「政府」を「国」に改める。

 第八十四条を削り、第五章の二中第八十四条の二を第八十四条とする。

 第八十四条の三第一項第三号中「保持者」の下に「又は保持団体」を加え、同項第四号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財」に改め、同項に次の三号を加える。

 七 重要伝統的建造物群保存地区の選定及びその選定の解除

 八 選定保存技術の選定及びその選定の解除

 九 選定保存技術の保持者又は保存団体の認定及びその認定の解除

 第八十四条の三第二項第三号中「現状変更」を「現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為」に改め、同項第五号中「重要文化財」を「国による重要文化財」に改め、同項第七号及び第八号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同項第九号中「無形の民俗資料」を「重要無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財」に改め、同号の次に次の一号を加える。

 九の二 遺跡の現状変更となる行為についての停止命令又は禁止命令の期間の延長

 第八十四条の三第二項第十三号中「現状変更等」を「現状変更又は保存に影響を及ぼす行為」に改め、同項第十五号中「現状変更等」を「現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為」に改め、同項第十六号中「現状変更」及び「現状変更等」を「現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為」に改め、同条を第八十四条の二とし、第八十四条の四及び第八十四条の五を順次一条ずつ繰り上げる。

 第五章の二を第五章の四とし、第五章の次に次の二章を加える。

   第五章の二 伝統的建造物群保存地区

 (伝統的建造物群保存地区)

第八十三条の二 この章において「伝統的建造物群保存地区」とは、伝統的建造物群及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存するため、次条第一項又は第二項の定めるところにより市町村が定める地区をいう。

 (伝統的建造物群保存地区の決定及びその保護)

第八十三条の三 市町村は、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五条の規定により指定された都市計画区域内においては、都市計画に伝統的建造物群保存地区を定めることができる。この場合においては、市町村は、条例で、当該地区の保存のため、政令の定める基準に従い必要な現状変更の規制について定めるほか、その保存のため必要な措置を定めるものとする。

2 市町村は、前項の都市計画区域以外の区域においては、条例の定めるところにより、伝統的建造物群保存地区を定めることができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。

3 都道府県知事は、第一項の伝統的建造物群保存地区に関する都市計画についての都市計画法による承認に当たつては、あらかじめ、当該都道府県の教育委員会の意見を聴かなければならない。

4 市町村は、伝統的建造物群保存地区に関し、地区の決定若しくはその取消し又は条例の制定若しくはその改廃を行つた場合は、文化庁長官に対し、その旨を報告しなければならない。

5 文化庁長官又は都道府県の教育委員会は、市町村に対し、伝統的建造物群保存地区の保存に関し、必要な指導又は助言をすることができる。

 (重要伝統的建造物群保存地区の選定)

第八十三条の四 文部大臣は、市町村の申出に基づき、伝統的建造物群保存地区の区域の全部又は一部で我が国にとつてその価値が特に高いものを、重要伝統的建造物群保存地区として選定することができる。

2 前項の規定による選定は、その旨を官報で告示するとともに、当該申出に係る市町村に通知してする。

 (選定の解除)

第八十三条の五 文部大臣は、重要伝統的建造物群保存地区がその価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 前項の場合には、前条第二項の規定を準用する。

 (管理等に関する補助)

第八十三条の六 国は、重要伝統的建造物群保存地区の保存のための当該地区内における建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の管理、修理、修景又は復旧について市町村が行う措置について、その経費の一部を補助することができる。

   第五章の三 文化財の保存技術の保護

 (選定保存技術の選定等)

第八十三条の七 文部大臣は、文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術又は技能で保存の措置を講ずる必要があるものを選定保存技術として選定することができる。

2 文部大臣は、前項の規定による選定をするに当たつては、選定保存技術の保持者又は保存団体(選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 一の選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第一項の規定による選定及び前二項の規定による認定には、第五十六条の三第三項から第五項までの規定を準用する。

 (選定等の解除)

第八十三条の八 文部大臣は、選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなつた場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 文部大臣は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 前二項の場合には、第五十六条の四第三項の規定を準用する。

4 前条第二項の認定が保持者のみについてなされた場合にあつてはそのすべてが死亡したとき、同項の認定が保存団体のみについてなされた場合にあつてはそのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)、同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあつては促持者のすべてが死亡しかつ保存団体のすべてが解散したときは、選定保存技術の選定は、解除されたものとする。この場合には、文部大臣は、その旨を官報で告示しなければならない。

 (保持者の氏名変更等)

第八十三条の九 保持者及び保存団体には、第五十六条の五の規定を準用する。この場合において、同条後段中「代表者」とあるのは、「代表者又は管理人」と読み替えるものとする。

 (選定保存技術の保存)

第八十三条の十 文化庁長官は、選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、選定保存技術について自ら記録を作成し、又は伝承者の養成その他選定保存技術の保存のために必要と認められるものについて適当な措置を執ることができる。

 (選定保存技術の記録の公開)

第八十三条の十一 選定保存技術の記録の所有者には、第五十六条の十九の規定を準用する。

 (選定保存技術の保存に関する援助)

第八十三条の十二 国は、選定保存技術の保持者若しくは保存団体又は地方公共団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、指導、助言その他の必要と認められる援助をすることができる。

 第八十五条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第二号中「取消」を「取消し」に改め、同項第四号中「第五十六条の七第二項」の下に「及び第五十六条の十六」を、「第五十一条の二」の下に「(第五十六条の十六で準用する場合を含む。)」を加え、同項第八号中「第八十条第五項」を「第八十条第七項」に改め、同項第六号の次に次の一号を加える。

 六の二 第五十七条の五第二項の規定による同項の調査のための停止命令若しくは禁止命令又は同条第五項の規定によるこれらの命令の期間の延長

 第八十五条の三第一項第一号中「現状変更等」を「現状変更又は保存に影響を及ぼす行為」に改める。

 第八十七条中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、「(昭和二十三年法律第七十三号)」を削り、「但し」を「ただし」に改め、「(同法第四条第二項に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)」を削る。

 第八十七条の二中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「所管換又は所属替」を「所管換え又は所属替え」に改める。

 第八十八条第一項中「民俗資料」を「有形の民俗文化財」に、「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同条第二項中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第八十九条中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「基いて」を「基づいて」に改める。

 第九十条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同項第二号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「所管換」を「所管換え」に、「所属替」を「所属替え」に改め、同項第三号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「き損」を「き損」に改め、同項第四号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同項第六号中「重要民俗資料の現状を変更し」を「重要有形民俗文化財の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし」に改め、同項第八号を削り、同条第二項中「第三十三条並びに同項」を「第三十三条並びに同条」に、「第八十条の二」を「第八十条の三」に改め、「、前項第八号の場合に係る通知には、第八十四条第一項の規定を」を削り、同条第三項中「、第六号又は第八号」を「又は第六号」に改める。

 第九十一条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。 第九十二条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同項第二号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「き損」を「き損」に改め、同項第四号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第九十四条中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「当り」を「当たり」に、「当る」を「当たる」に改める。

 第九十五条第一項及び第五項並びに第九十五条の三第一項及び第三項中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第九十五条の三の次に次の一条を加える。

第九十五条の四 第九十五条第一項の規定による指定を受けた地方公共団体は、その管理する国の所有に属する重要文化財、重要有形民俗文化財又は史跡名勝天然記念物でその指定に係る土地及び建造物を、その管理のため必要な限度において、無償で使用することができる。

2 国有財産法第二十二条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により土地及び建造物を使用させる場合について準用する。

 第九十六条中「自ら」を削り、「但し」を「ただし」に改める。

 第九十八条第二項中「重要民俗資料、重要無形文化財」を「重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財」に改め、同条の次に次の三条を加える。

第九十八条の二 地方公共団体は、文化庁長官が第五十八条第一項の規定により発掘を施行するものを除き、埋蔵文化財について調査する必要があると認めるときは、埋蔵文化財を包蔵すると認められる土地の発掘を施行することができる。

2 前項の規定により発掘を施行しようとする場合において、その発掘を施行しようとする土地が国の所有に属し、又は国の機関の占有するものであるときは、教育委員会は、あらかじめ、発掘の目的、方法、着手の時期その他必要と認める事項につき、関係各省各庁の長その他の国の機関と協議しなければならない。

3 地方公共団体は、第一項の発掘に関し、事業者に対し協力を求めることができる。

4 文化庁長官は、地方公共団体に対し、第一項の発掘に関し必要な指導及び助言をすることができる。

5 国は、地方公共団体に対し、第一項の発掘に要する経費の一部を補助することができる。

第九十八条の三 都道府県の教育委員会が前条第一項の規定による発掘により文化財を発見した場合には、第五十九条及び第六十二条の規定を準用する。この場合において、第六十二条中「第五十九条第一項又は前条第二項」とあるのは、「第九十八条の三第一項において準用する第五十九条第一項」と読み替えるものとする。

2 前項の場合に係る第六十三条の規定の適用については、同条第一項中「第五十九条第一項又は第六十一条第二項」とあるのは、「第九十八条の三第一項において準用する第五十九条第一項」とする。

 (地方債についての配慮)

第九十八条の四 地方公共団体が文化財の保存及び活用を図るために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、適切な配慮をするものとする。

 第九十九条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「第五十六条の六第二項」を「第四十六条の二第二項、第五十六条の六第二項、第五十六条の七第四項(第五十六条の十九第二項(第八十三条の十一で準用する場合を含む。)で準用する場合を含む。)」に、「第五十六条の十八で」を「第五十六条の二十一で」に、「第七十三条の二」を「第五十六条の十八第二項、第七十三条の二」に改め、「第七十五条」の下に「、第八十一条の二第二項」を加え、同項第二号中「取消」を「取消し」に改め、同項第三号中「第五十六条の七第二項」の下に「及び第五十六条の十六」を加え、同項第四号中「取消」を「取消し」に改める。

 第百条及び第百二条第一項中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

 第六章第三節中第百四条の三及び第百五条を次のように改める。

 (都道府県文化財保護審議会)

第百五条 都道府県の教育委員会に、条例の定めるところにより、都道府県文化財保護審議会を置くことができる。

2 都道府県文化財保護審議会は、当該都道府県の教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、及びこれらの事項に関して当該都道府県の教育委員会に建議する。

3 都道府県文化財保護審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。

 (文化財保護指導委員)

第百五条の二 都道府県の教育委員会に、文化財保護指導委員を置くことができる。

2 文化財保護指導委員は、文化財について、随時、巡視を行い、並びに所有者その他の関係者に対し、文化財の保護に関する指導及び助言をするとともに、地域住民に対し、文化財保護思想について普及活動を行うものとする。

3 文化財保護指導委員は、非常勤とする。

 第百六条中「禁こ」を「禁錮」に、「十万円」を「五十万円」に改める。

 第百七条第一項中「き棄」を「き棄」に、「禁こ」を「禁錮」に、「三万円」を「二十万円」に改め、「若しくは科料」を削り、同条第二項中「禁こ」を「禁錮」に、「一万円」を「十万円」に改める。

 第百七条の二第一項中「き損」を「き損」に、「禁こ」を「禁錮」に、「三万円」を「二十万円」に改め、「若しくは科料」を削り、同条第二項中「禁こ」を「禁錮」に、「一万円」を「十万円」に改める。

 第百七条の三中「前三条」を「前五条」に、「罰する外」を「罰するほか」に改め、同条を第百七条の五とし、第百七条の二の次に次の二条を加える。

第百七条の三 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第四十三条又は第八十条の規定に違反して、文化庁長官若しくはその権限の委任を受けた都道府県の教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、重要文化財若しくは史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は文化庁長官若しくはその権限の委任を受けた都道府県の教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかつた者

 二 第五十七条の五第二項の規定に違反して、文化庁長官の現状を変更することとなるような行為の停止又は禁止の命令に従わなかつた者

第百七条の四 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金を処する。

 一 第三十九条第三項(第百一条第二項で準用する場合を含む。)で準用する第三十二条の二第五項の規定に違反して、国宝の修理又は滅失、き損若しくは盗難の防止の措置の施行を拒み、又は妨げた者

 二 第五十八条第三項(第百一条第二項で準用する場合を含む。)で準用する第三十九条第三項で準用する第三十二条の二第五項の規定に違反して、発掘の施行を拒み、又は妨げた者

 三 第七十八条第二項(第百一条第二項で準用する場合を含む。)で準用する第三十九条第三項で準用する第三十二条の二第五項の規定に違反して、特別史跡名勝天然記念物の復旧又は滅失、き損、衰亡若しくは盗難の防止の措置の施行を拒み、又は妨げた者

 第百八条中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「き損」を「き損」に、「三万円」を「二十万円」に改める。

 第百九条中「左の」を「次の」に、「三万円」を「二十万円」に改め、同条第一号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同条中第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を削る。

 第百十条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「五万円」に改め、同条中第一号を削り、第二号を第一号とし、同条第三号中「売渡」を「売渡し」に、「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に、「同項但書」を「同項ただし書」に改め、同号を同条第二号とし、同号の次に次の一号を加える。

 三 第四十八条第四項(第五十一条第三項(第五十六条の十六で準用する場合を含む。)及び第五十六条の十六で準用する場合を含む。)の規定に違反して、出品若しくは公開をせず、又は第五十一条第五項(同条第七項(第五十六条の七第二項及び第五十六条の十六で準用する場合を含む。)、第五十一条の二 (第五十六条の十六で準用する場合を含む。)、第五十六条の十五第二項及び第五十六条の十六で準用する場合を含む。)の規定に違反して、文化庁長官若しくはその権限の委任を受けた都道府県の教育委員会の公開の停止若しくは中止の命令に従わなかつた者

 第百十条中第五号を削り、第六号を第七号とし、第四号の次に次の二号を加える。

五 第五十四条(第五十六条の十七及び第九十五条第五項で準用する場合を含む。)、第五十五条、第八十二条(第九十五条第五項で準用する場合を含む。)又は第八十三条の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該公務員の立入調査若しくは調査のための必要な措置の施行を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

六 第五十七条第二項の規定に違反して、文化庁長官又はその権限の委任を受けた都道府県の教育委員会の発掘の禁止、停止又は中止の命令に従わなかつた者

 第百十一条中「左の」を「次の」に、「五千円」を「三万円」に改め、同条第一号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改め、同条第二号中「第五十六条の十二、第七十五条」を「第五十六条の十二、第七十三条の二、第七十五条」に、「第五十七条第一項、第七十二条第二項(」を「第五十七条第一項、第五十七条の五第一項、第七十二条第二項(第七十五条及び」に、「、第八十条の二第一項又は第八十四条第一項」を「又は第八十条の三第一項」に改め、同条中第四号から第七号までを削る。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三箇月を経過した日から施行する。


 (遺跡発見の場合の停止命令等の特例)

2 この法律の施行の日から起算して五年間は、この法律による改正後の文化財保護法(以下「新法」という。)第五十七条の五の規定の適用については、同条第二項ただし書中「三箇月」とあるのは「六箇月」と、同条第五項ただし書中「六箇月」とあるのは「九箇月」とする。この場合において、この法律の施行の日から起算して五年を経過する日前に執つた同条第二項に規定する措置については、同日以後も、なお、同日前の同条の例によるものとする。


 (経過措置)

3 文部大臣は、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の文化財保護法(以下「旧法」という。)第五十六条の三第一項の規定により指定されている重要無形文化財のうち、旧法第五十六条の三第二項の規定による保持者の認定に代えて新法第五十六条の三第二項の保持団体の認定をする必要があると認められるものについては、この法律の施行後一年以内に、旧法第五十六条の三第二項の規定によつてしたすべての保持者の認定を解除するとともに、新法第五十六条の三第二項の規定により保持団体の認定をしなければならない。この場合においては、新法第五十六条の三第三項及び第五十六条の四第三項の規定を準用する。

4 この法律の施行の際現に旧法第五十六条の十第一項の規定により指定されている重要民俗資料は、新法の規定の適用については、新法第五十六条の十第一項の規定により指定された重要有形民俗文化財とみなす。この場合において、旧法第五十六条の十第二項において準用する旧法第二十八条第三項の規定により交付された重要民俗資料の指定書は、新法第五十六条の十第二項において準用する新法第二十八条第三項の規定により交付された重要有形民俗文化財の指定書とみなす。

5 この法律の施行前に旧法第五十七条の二第一項の規定によりした届出に係る発掘については、新法第五十七条の二及び第五十七条の三の規定にかかわらず、旧法第五十七条の二の規定の例による。

6 この法律の施行前に新法第五十七条の三第一項に規定する事業計画を策定した同項に規定する国の機関等(当該事業計画の実施につき旧法第五十七条の二第一項の規定による届出をしたものを除く。)に対する新法第五十七条の三の規定の適用については、同条第一項中「当該発掘に係る事業計画の策定に当たつて、あらかじめ」とあるのは、「この法律の施行後遅滞なく」とする。

7 この法律の施行前に旧法第八十四条第一項の規定によりした届出に係る遺跡と認められるものについては、新法第五十七条の五(旧法第八十七条に規定する各省各庁の長に該当しない新法第五十七条の三第一項に規定する国の機関等にあつては、新法第五十七条の六)の規定にかかわらず、旧法第八十四条の規定は、なお、その効力を有する。

8 この法律の施行前に旧法第八十七条に規定する各省各庁の長が旧法第九十条第一項第八号の規定によりした通知に係る遺跡と認められるものについては、新法第五十七条の六の規定にかかわらず、旧法第九十条第一項第八号の通知に係る旧法第九十条第三項の規定は、なお、その効力を有する。

9 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用ついては、なお、従前の例による。

10 前七項に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


 (関係法律の一部改正)

11 文部省設置法(昭和二十四年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十五条第二号中「文化財の指定」を「文化財等の指定等」に改める。

12 屋外広告物法(昭和二十四年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「又は風致地区」を「、風致地区又は伝統的建造物群保存地区」に改め、同項第二号中「地域及び」を「地域、」に改め、「仮指定された地域」の下に「及び同法第八十三条の三第二項に規定する条例の規定により市町村が定める地域」を加え、同項第六号中「ものの外」を「もののほか」に改める。

13 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

  第八十五条の次に次の一条を加える。  (伝統的建造物群保存地区内の制限の緩和)

 第八十五条の二 文化財保護法第八十三条の三第一項又は第二項の伝統的建造物群保存地区内においては、市町村は、同条第一項後段(同条第二項後段において準用する場合を含む。)の条例において定められた現状変更の規制及び保存のための措置を確保するため必要と認める場合においては、建設大臣の承認を得て、条例で、第二十一条から第二十五条まで、第二十八条、第四十三条、第四十四条、第五十二条、第五十三条、第五十五条、第五十六条及び第六十一条から第六十四条までの規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。

14 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三百四十八条第二項第八号中「重要民俗資料」を「重要有形民俗文化財」に改める。

15 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第八条第一項に次の一号を加える。

  十四 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第八十三条の三第一項の規定による伝統的建造物群保存地区

  第十三条第三項中「第十三号」を「第十四号」に改める。

(文部・建設・自治・内閣総理大臣署名) 

 

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