国民年金法の一部を改正する法律
法律第八十六号(昭四四・一二・一〇)
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四節の二 死亡一時金(第五十二条の二―第五十二条の五)」を「第四節の二 死亡一時金(第五十二条の二―第五十二条の六)」に、「第九章 罰則(第百十一条―第百十四条)」を
「 |
第九章 罰則(第百十一条―第百十四条) |
」 |
第十章 国民年金基金 |
||
第一節 通則(第百十五条―第百二十七条) |
||
第二節 基金の業務(第百二十八条―第百三十二条) |
||
第三節 費用の負担(第百三十三条・第百三十四条) |
||
第四節 雑則(第百三十五条―第百四十二条) |
||
第五節 罰則(第百四十三条―第百四十八条) |
に改める。
第二十七条中「二百円」を「三百二十円」に改め、同条に次の一項を加える。
2 第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間を有する者に支給する老齢年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額と、百八十円に当該保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とを合算した額とする。
第二十七条の次に次の一条を加える。
(国民年金基金の解散の場合の取扱い)
第二十七条の二 国民年金基金が解散したときは、解散前に納付された掛金に係る国民年金基金の加入員であつた期間(第八十七条の規定による保険料に係る保険料納付済期間である期間に限る。)は、第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間とみなして、前条第二項の規定を適用する。
2 前項の場合において、国民年金基金の加入員であつた者が老齢年金の受給権を取得した後に当該国民年金基金が解散したものであるときは、その国民年金基金が解散した月の翌月から、当該老齢年金の額を改定する。
第二十八条第三項中「前条」を「第二十七条」に改める。
第二十九条の四に次の一項を加える。
2 第二十七条の二の規定は、通算老齢年金の額について準用する。
第三十二条第二項中「第三十六条」の下に「第一項」を加える。
第三十三条第一項中「第二十七条」の下に「第一項」を加え、「六万円」を「九万六千円」に改め、同条第二項中「同項に定める額に一万二千円を加算した額」を「同項に定める額の百分の百二十五に相当する額」に改める。
第三十五条を次のように改める。
(失権)
第三十五条 障害年金の受給権は、第三十一条第二項の規定によつて消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。
一 死亡したとき。
二 厚生大臣の定める程度の廃疾の状態に該当しなくなつたとき。
三 別表に定める程度の廃疾の状態に該当しなくなつた日から起算して同表に定める程度の廃疾の状態に該当することなく三年を経過したとき。
第三十六条に次の一項を加える。
2 障害年金は、受給権者が別表に定める程度の廃疾の状態に該当しなくなつたときは、その廃疾の状態に該当しない間、その支給を停止する。
第三十八条中「五万五千二百円」を「九万一千二百円」に改める。
第四十三条を次のように改める。
(年金額)
第四十三条 遺児年金の額は、九万一千二百円とする。
第五十条中「第二十七条」の下に「第一項」を加える。
第五十二条の四の表中
「 |
三年以上五年未満 |
五、〇〇〇円 |
」 |
五年以上一〇年未満 |
七、〇〇〇円 |
を
「 |
三年以上一〇年未満 |
一〇、〇〇〇円 |
」 |
に改め、同条に次の一項を加える。
2 第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間が三年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額と、死亡日の属する月の前月までの被保険者期間に係る死亡日の前日における当該保険料納付済期間に応じてそれぞれ同項の表の下欄に定める額の二分の一に相当する額とを合算した額とする。
第三章第四節の二中第五十二条の五を第五十二条の六とし、同条の前に次の一条を加える。
第五十二条の五 第二十七条の二第一項の規定は、死亡一時金について準用する。この場合において、同項中「前条第二項」とあるのは、「第五十二条の四第二項」と読み替えるものとする。
第五十八条中「三万二千四百円」を「三万四千八百円」に改める。
第五十九条中「該当しなくなつたとき」を「該当しなくなつた日から起算して同表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態に該当することなく三年を経過したとき」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(障害福祉年金の支給停止)
第五十九条の二 障害福祉年金は、受給権者が別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態に該当しなくなつたときは、その廃疾の状態に該当しない間、その支給を停止する。
第六十二条中「二万六千四百円」を「二万八千八百円」に改める。
第六十五条第二項中「第三十六条」の下に「第一項」を加え、同条第六項を次のように改める。
6 第一項に規定する福祉年金は、受給権者の前年の所得が、受給権者が前年の十二月三十一日において生計を維持した受給権者又はその配偶者の子、孫又は弟妹であつて義務教育終了前であるか又は二十歳未満で別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあるものの有無及び数に応じて、政令で定める額をこえるときは、その年の五月から翌年の四月まで、その支給を停止する。
第六十六条第一項中「それぞれ次の各号に規定する額」を「政令で定める額」に改め、同項各号を削り、同条第二項中「それぞれ前項各号の規定により計算した額」を「前項に規定する政令で定める額」に改め、同条第三項を削り、同条第四項中「第一項及び第二項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とする。
第六十七条第二項第一号を次のように改める。
一 当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者がその年の十二月三十一日において生計を維持した当該被災者又はその配偶者の子、孫又は弟妹であつて義務教育終了前であるか又は二十歳未満で別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあるものの有無及び数に応じて、第六十五条第六項に規定する政令で定める額をこえること。 当該被災者に支給する障害福祉年金、母子福祉年金又は準母子福祉年金
第六十七条第二項第二号中「それぞれ前条第一項各号の規定の例により計算した額」を「前条第一項に規定する政令で定める額」に改める。
第七十七条を次のように改める。
(老齢年金の額についての特例)
第七十七条 前条の表の上欄に掲げる者であつて、被保険者期間が二十五年未満であり、かつ、保険料納付済期間、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間又は保険料免除期間が十年以上であるものに支給する老齢年金の額は、第二十七条の規定にかかわらず、同条第一項に定める額と、次の第一号に掲げる額に次の第二号に掲げる数を乗じて得た額とを合算した額とする。ただし、七十歳に達した者に支給する老齢年金の額が二万一千六百円に満たないときは、二万一千六百円とする。
一 百二十円に、三百から被保険者期間の月数を控除した数を乗じて得た額
二 保険料納付済期間と保険料免除期間の三分の一に相当する期間とを合算した期間の月数を、被保険者期間の月数で除して得た数
2 第八十七条の二第一項の規定による保険料に係る保険料納付済期間を有する者に支給する老齢年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額と、百八十円に当該保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とを合算した額とする。
3 前二項の規定によつて老齢年金の額が計算される者については、第二十七条の二第一項中「前条第二項」とあるのは「第七十七条第二項」と、第二十八条第三項及び第二十八条の二第四項中「第二十七条」とあるのは「第七十七条第一項又は第二項」と読み替えるものとする。
第七十九条の二第三項中「二万四百円」を「二万一千六百円」に改め、同条第五項を削り、同条第六項中「、第三項及び第四項」を「及び第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第七項を同条第六項とする。
第八十五条第一項を次のように改める。
国庫は、毎年度、国民年金事業に要する費用(次項及び第三項に規定する費用を除く。以下同じ。)に充てるため、次に掲げる額を負担する。
一 当該年度において納付された保険料(第八十七条の二第一項の規定による保険料を除く。)の総額の二分の一に相当する額
二 当該年度において保険料免除期間を有する者に係る給付に要する費用(次号及び次項に規定する費用を除く。)の額に、次のイに掲げる数を次のロに掲げる数で除して得た数を乗じて得た額の合算額
イ 当該保険料免除期間の月数を三で除して得た数
ロ イに掲げる数と当該保険料納付済期間の月数とを合算した数
三 当該年度において老齢年金(老齢福祉年金を除く。)、通算老齢年金及び死亡一時金の給付に要する費用(第二十七条第一項(第二十九条の四第一項において例による場合を含む。)、第五十二条の四第一項及び第七十七条第一項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の百分の二十五に相当する額
第八十七条第三項を次のように改める。
3 保険料の額は、当分の間、一月につき四百五十円とする。
第八十七条の次に次の一条を加える。
第八十七条の二 被保険者(第八十九条各号又は第九十条第一項各号のいずれかに該当する被保険者で政令で定める者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、都道府県知事に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、前条第三項に定める額の保険料のほか、三百五十円の保険料を納付する者となることができる。
2 前項の規定による保険料の納付は、前条第三項に定める額の保険料の納付が行なわれた月(第九十四条第二項の規定により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)についてのみ行なうことができる。
3 第一項の規定により保険料を納付する者となつたものは、いつでも、都道府県知事に申し出て、その申出をした日の属する月前における直近の基準月以後の各月に係る保険料(すでに納付されたもの及び第九十三条第一項の規定により前納されたもの(国民年金基金の加入員となつた日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき第一項の規定により保険料を納付する者でなくなることができる。
4 第一項の規定により保険料を納付する者となつたものが、同項の規定による保険料を納期限までに納付しなかつたときは、その納期限の日に、国民年金基金の加入員となつたときは、その加入員となつた日に、前項の申出をしたものとみなす。
第九十条第一項第三号中「二十八万円」を「政令で定める額」に改め、同項第四号中「二十八万円」を「前号に規定する政令で定める額」に改める。
第九十四条第一項中「被保険者」を「被保険者又は被保険者であつた者(老齢年金又は通算老齢年金の受給権者を除く。)」に改める。
第九十五条中「その他この法律」の下に「(第十章を除く。以下この章から第八章までにおいて同じ。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(国民年金基金の解散に伴う責任準備金相当額の徴収)
第九十五条の二 政府は、国民年金基金が解散したときは、その解散した日において当該国民年金基金が年金の支給に関する義務を負つている者に係る政令の定めるところにより算出した責任準備金に相当する額を当該解散した国民年金基金から徴収する。
第九十九条及び第百条を次のように改める。
第九十九条及び第百条 削除
第百九条の次に次の一条を加える。
(国民年金事務組合)
第百九条の二 同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体その他被保険者を構成員とするこれに類する団体で政令で定めるものは、当該構成員である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る第十二条第一項の届出をすることができる。
2 前項に規定する団体(以下「国民年金事務組合」という。)は、同項に規定する委託を受けようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3 都道府県知事は、前項の認可を受けた国民年金事務組合がその行なうべき事務の処理を怠り、又はその処理が著しく不当であると認めるときは、同項の認可を取り消すことができる。
第百十一条の次に次の一条を加える。
第百十一条の二 解散した国民年金基金が、正当な理由がなくて、第九十五条の二の規定による徴収金を督促状に指定する期限までに納付しないときは、その代表者、代理人又は使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
2 前項の国民年金基金の代表者、代理人又は使用人その他の従業者が、その国民年金基金の業務に関して同項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その国民年金基金に対しても、同項の罰金刑を科する。
第九章の次に次の一章を加える。
第十章 国民年金基金
第一節 通則
(基金の給付)
第百十五条 国民年金基金(以下「基金」という。)は、第一条の目的を達成するため、加入員の老齢に関して必要な給付を行なうものとする。
(組織)
第百十六条 基金は、被保険者(第八十七条の二第一項に規定する第八十九条各号又は第九十条第一項各号のいずれかに該当する被保険者で政令で定める者を除く。第百十九条及び第百二十七条第一項において同じ。)であつて、同種の事業又は業務に従事する者をもつて組織する。
(法人格)
第百十七条 基金は、法人とする。
2 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(名称)
第百十八条 基金は、その名称中に国民年金基金という文字を用いなければならない。
2 基金でない者は、国民年金基金という名称を用いてはならない。
(設立)
第百十九条 基金を設立しようとするときは、厚生大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の認可の申請は、加入員となろうとする十五人以上の被保険者が発起人となり、当該発起人の従事する事業又は業務と同種の事業又は業務に従事する被保険者の三分の二以上の同意を得て、規約を作成して行なうものとする。
3 基金は、設立の認可を受けた時に成立する。
4 基金が成立したときは、発起人のうち一人は、理事長が選任されるまでの間、理事長の職務を行なう。
5 第二項の同意をした被保険者は、当該基金が成立したときは、その成立の日に加入員の資格を取得するものとする。
(規約)
第百二十条 基金は、規約をもつて次に掲げる事項を定めなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 基金の設立に係る事業又は業務の種類
四 代議員会に関する事項
五 役員に関する事項
六 加入員に関する事項
七 年金及び一時金に関する事項
八 掛金に関する事項
九 資産の管理その他財務に関する事項
十 解散及び清算に関する事項
十一 公告に関する事項
十二 その他組織及び業務に関する重要事項
2 前項の規約の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、厚生大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 基金は、前項の政令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生大臣に届け出なければならない。
(公告)
第百二十一条 基金は、政令の定めるところにより、基金の名称、事務所の所在地、役員の氏名その他政令で定める事項を公告しなければならない。
(代議員会)
第百二十二条 基金に、代議員会を置く。
2 代議員会は、代議員をもつて組織する。
3 代議員は、加入員において互選する。
4 代議員の任期は、二年とする。ただし、補欠の代議員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 代議員会は、理事長が招集する。代議員の定数の三分の一以上の者が会議に付議すべき事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して代議員会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあつた日から二十日以内に代議員会を招集しなければならない。
6 代議員会に議長を置く。議長は、理事長をもつて充てる。
7 前各項に定めるもののほか、代議員会の招集、議事の手続その他代議員会に関し必要な事項は、政令で定める。
第百二十三条 次に掲げる事項は、代議員会の議決を経なければならない。
一 規約の変更
二 毎事業年度の予算
三 毎事業年度の事業報告及び決算
四 その他規約で定める事項
2 理事長は、代議員会が成立しないとき、又は理事長において代議員会を招集する暇がないと認めるときは、代議員会の議決を経なければならない事項で臨時急施を要するものを処分することができる。
3 理事長は、前項の規定による処置については、次の代議員会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。
4 代議員会は、監事に対し、基金の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。
(役員)
第百二十四条 基金に、役員として理事及び監事を置く。
2 理事は、代議員会において選挙する。
3 理事の定数の少なくとも三分の二は、代議員でなければならない。
4 理事のうち一人を理事長とし、理事が選挙する。
5 監事は、代議員会において、学識経験を有する者及び代議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。
6 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 役員は、その任期が満了しても、後任の役員が就任するまでの間は、なお、その職務を行なう。
8 監事は、理事又は基金の職員と兼ねることができない。
(役員の職務)
第百二十五条 理事長は、基金を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行なう。
2 基金の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。
3 監事は、基金の業務を監査する。
4 基金と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、学識経験を有する者のうちから選任された監事が基金を代表する。
(基金の役員及び職員の公務員たる性質)
第百二十六条 基金の役員及び基金に使用され、その事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(加入員)
第百二十七条 被保険者は、その者が従事する事業又は業務に係る基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。
2 前項の申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得するものとする。
3 加入員は、いつでも、基金に申し出て、加入員の資格を喪失することができる。
4 加入員は、次の各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日(第一号に該当するに至つたときは、その日とし、第三号に該当するに至つたときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日とする。)に、加入員の資格を喪失する。
一 被保険者の資格を喪失したとき。
二 当該事業又は業務に従事する者でなくなつたとき。
三 第八十九条又は第九十条の規定により保険料を納付することを要しないものとされたとき。
四 前項の申出が受理されたとき。
五 当該基金が解散したとき。
5 加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼつて、加入員でなかつたものとみなす。
第二節 基金の業務
(基金の業務)
第百二十八条 基金は、加入員又は加入員であつた者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であつた者の死亡に関し、一時金の支給を行なうものとする。
2 基金は、加入員の脱退に関し、一時金の支給を行なうことができる。
3 基金は、信託会社(信託業務を営む銀行を含む。)又は生命保険会社と、当該基金が支給する年金又は一時金に関して信託又は保険の契約を締結するときは、政令の定めるところによらなければならない。
(基金の給付の基準)
第百二十九条 基金が支給する年金(以下「基金年金」という。)は、少なくとも、当該基金の加入員であつた者が老齢年金(老齢福祉年金を除く。以下この章において同じ。)又は通算老齢年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。
2 老齢年金又は通算老齢年金の受給権者に支給する基金年金は、当該老齢年金又は通算老齢年金の受給権の消滅事由以外の事由によつて、その受給権を消滅させるものであつてはならない。
3 基金が支給する一時金(以下「基金一時金」という。)であつて、死亡を支給事由とするものは、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であつた者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。
第百三十条 基金年金は、政令の定めるところにより、その額が算定されるものでなければならない。
2 老齢年金又は通算老齢年金の受給権者に支給する基金年金の額は、百八十円(第二十八条第二項(第二十九条の五において準用する場合を含む。)又は第二十八条の二第三項の規定により支給される老齢年金又は通算老齢年金の受給権者に支給する基金年金については、政令で定める額。以下同じ。)に納付された掛金に係る当該基金の加入員であつた期間(第八十七条の規定による保険料に係る保険料納付済期間である期間に限る。以下「加入員期間」という。)の月数を乗じて得た額をこえるものでなければならない。
3 死亡を支給事由とする基金一時金の額は、当該基金の加入員期間に応じて第五十二条の四第一項の表の下欄に定める額の二分の一に相当する額をこえるものでなければならない。
第百三十一条 老齢年金又は通算老齢年金の受給権者に支給する基金年金は、当該老齢年金又は通算老齢年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することができない。ただし、当該基金年金の額のうち、百八十円に当該基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額をこえる部分については、この限りでない。
(資金の運用等)
第百三十二条 基金の業務上の余裕金の運用は、政令の定めるところにより、基金の業務の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。
2 基金は、事業年度その他その財務に関しては、前項の規定によるほか、政令の定めるところによらなければならない。
第三節 費用の負担
(国庫負担)
第百三十三条 国庫は、毎年度、次の各号に掲げる費用について、それぞれ当該各号に定める額を負担する。
一 当該年度において老齢年金又は通算老齢年金(その全額につき支給を停止されているものを除く。)の受給権者に支給する基金年金に要する費用 百八十円に当該基金の加入員期間の月数を乗じて得た額の百分の二十五に相当する額
二 当該年度において死亡を支給事由とする基金一時金に要する費用 当該基金の加入員期間に応じて第五十二条の四第一項の表の下欄に定める額の二分の一に相当する額の百分の二十五に相当する額
(掛金)
第百三十四条 基金は、基金年金及び基金一時金に関する事業に要する費用に充てるため、掛金を徴収する。
2 掛金は、加入員の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の属する月の前月までの間の各月につき、徴収するものとする。
3 掛金は、政令の定めるところにより、その額が算定されるものでなければならない。
第四節 雑則
(解散)
第百三十五条 基金は、次に掲げる理由により解散する。
一 代議員の定数の四分の三以上の多数による代議員会の議決
二 基金の事業の継続の不能
三 第百四十二条第五項の規定による解散の命令
2 基金は、前項第一号又は第二号に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生大臣の認可を受けなければならない。
(基金の解散による基金年金等の支給に関する義務の消滅)
第百三十六条 基金は、解散したときは、当該基金の加入員であつた者に係る基金年金及び基金一時金の支給に関する義務を免れる。ただし、解散した日までに支給すべきであつた基金年金又は基金一時金でまだ支給していないものの支給に関する義務については、この限りではない。
(清算)
第百三十七条 基金が第百三十五条第一項第一号又は第二号の規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、代議員会において他人を選任したときは、この限りでない。
2 次に掲げる場合には、厚生大臣が清算人を選任する。
一 前項の規定により清算人となる者がないとき。
二 基金が第百三十五条第一項第三号の規定により解散したとき。
三 清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるとき。
3 前項の場合において、清算人の職務の執行に要する費用は、基金が負担する。
4 第百二十六条の規定は、基金の清算人について、民法第七十三条及び第七十八条から第八十条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十八条の規定は、基金の清算について準用する。この場合において、同法第百三十八条第四号中「裁判所」とあるのは、「厚生大臣」と読み替えるものとする。
5 解散した基金の財産の処分の方法その他清算に関し必要な事項は、政令で定める。
(準用規定)
第百三十八条 次の表の第一欄に掲げる規定は、同表の第二欄に掲げるものについて準用する。この場合において、同表の第一欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
第一欄 |
第二欄 |
第三欄 |
第四欄 |
第十二条第一項 |
加入員 |
市町村長 |
基金 |
第十二条第二項 |
加入員の属する世帯の世帯主 |
被保険者 |
加入員 |
第十六条 |
基金年金及び基金一時金を受ける権利 |
社会保険庁長官 |
基金 |
第十八条第一項及び第二項 |
基金年金の支給 |
||
第十九条第一項、第三項本文、第五項及び第六項 |
未支給の基金年金 |
||
第二十二条 |
基金 |
||
第二十三条 |
基金 |
||
第二十四条 |
基金年金及び基金一時金を受ける権利 |
老齢年金(第七十九条の二第一項の規定によつて支給されるものを除く。)又は通算老齢年金 |
基金年金又は脱退を支給事由とする基金一時金 |
第二十五条 |
基金年金及び基金一時金 |
老齢年金(第七十九条の二第一項の規定によつて支給されるものを除く。)及び通算老齢年金 |
基金年金及び脱退を支給事由とする基金一時金 |
第七十条後段及び第七十一条第一項 |
死亡を支給事由とする基金一時金 |
夫、男子たる子、父、祖父又は被保険者若しくは被保険者であつた者 |
加入員又は加入員であつた者 |
第八十八条 |
加入員 |
保険料 |
掛金 |
第九十五条、第九十六条第一項から第五項まで、第九十七条及び第九十八条 |
掛金及びこの条において準用する第二十三条の規定による徴収金 |
社会保険庁長官 |
基金 |
厚生大臣 |
基金 |
||
前条第一項 |
この条において準用する第九十六条第一項 |
||
第百一条第一項から第三項まで及び第五項並びに第百一条の二 |
加入員の資格に関する処分、基金年金若しくは基金一時金に関する処分又は掛金若しくはこの条において準用する第二十三条の規定による徴収金に関する処分に不服がある者 |
前条第一項 |
この条において準用する第百一条第一項 |
第百二条第一項及び第二項 |
基金年金 |
||
第百二条第三項及び第四項 |
掛金及びこの条において準用する第二十三条の規定による徴収金並びに基金一時金 |
||
第百三条 |
この章又はこの章の規定に基づく命令に規定する期間の計算 |
この法律 |
この章 |
第百五条 |
加入員及び基金年金又は基金一時金の受給権を有する者 |
都道府県知事又は市町村長 |
基金 |
社会保険庁長官又は都道府県知事 |
基金 |
||
社会保険庁長官、都道府県知事又は市町村長 |
基金 |
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第百十条 |
この章の実施のための手続その他その執行について必要な細則 |
この法律 |
この章 |
(届出)
第百三十九条 基金は、厚生省令の定めるところにより、その加入員の資格の取得及び喪失に関する事項を当該加入員の住所地の都道府県知事に届け出なければならない。
(報告書の提出)
第百四十条 基金は、厚生省令の定めるところにより、その業務についての報告書を厚生大臣に提出しなければならない。
(報告の徴収等)
第百四十一条 厚生大臣は、基金又は解散した基金について、必要があると認めるときは、その事業若しくはその清算事務の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして当該基金若しくは解散した基金の事務所に立ち入つて関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
2 前項の規定によつて質問及び検査を行なう当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(基金に対する監督)
第百四十二条 厚生大臣は、前条の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、基金の事業の管理若しくは執行若しくは解散した基金の清算事務(以下「基金の事業の執行」という。)が法令、規約若しくは厚生大臣の処分に違反していると認めるとき、基金の事業の執行が著しく適正を欠くと認めるとき、又は基金の役員若しくは解散した基金の清算人が基金の事業の執行を明らかに怠つていると認めるときは、期間を定めて、基金若しくはその役員又は解散した基金若しくはその清算人に対し、基金の事業の執行について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
2 厚生大臣は、基金の事業の健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、期間を定めて、当該基金に対し、その規約の変更を命ずることができる。
3 基金若しくはその役員若しくは解散した基金若しくはその清算人が第一項の命令に違反したとき、又は基金が前項の命令に違反したときは、厚生大臣は、当該基金又は解散した基金に対し、期間を定めて、当該違反に係る役員又は清算人の全部又は一部の改任を命ずることができる。
4 基金又は解散した基金が前項の命令に違反したときは、厚生大臣は、同項の命令に係る役員を改任し、又は同項の命令に係る清算人を解任することができる。
5 基金が第一項の命令に違反したとき、又はその事業の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生大臣は、当該基金の解散を命ずることができる。
6 厚生大臣は、前二項の規定による処分をするときは、当該役員又は清算人に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、書面で、弁明すべき日時、場所及び当該処分をすべき理由を通知しなければならない。
第五節 罰則
第百四十三条 第百四十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第百四十四条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対しても、同条の罰金刑を科する。
第百四十五条 基金又は解散した基金が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした基金の役員、代理人若しくは使用人その他の従業者又は解散した基金の清算人は、三万円以下の過料に処する。
一 第百二十条第三項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第百三十九条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第百四十条の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
四 第百四十二条第一項の規定による命令に違反したとき。
五 この章の規定により基金が行なうものとされた事業以外の事業を行なつたとき。
第百四十六条 基金が、第百二十一条の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をしたときは、その役員は、一万円以下の過料に処する。
第百四十七条 次の各号に掲げる場合には、一万円以下の過料に処する。
一 加入員が、第百三十八条において準用する第十二条第一項又は第百五条第一項の規定に違反して、届出をしなかつたとき。ただし、第百三十八条において準用する第十二条第二項(第百五条第二項において準用する場合を含む。)の規定によつて世帯主から届出がなされたときを除く。
二 加入員が、第百三十八条において準用する第十二条第一項又は第百五条第一項の規定に違反して、虚偽の届出をしたとき。
三 加入員の属する世帯の世帯主が、第百三十八条において準用する第十二条第二項(第百五条第二項において準用する場合を含む。)の規定により届出をする場合に虚偽の届出をしたとき。
四 戸籍法の規定による死亡の届出義務者が、第百三十八条において準用する第百五条第四項の規定に違反して、届出をしなかつたとき。
第百四十八条 第百十八条第二項の規定に違反して、国民年金基金という名称を用いた者は、一万円以下の過料に処する。
附則第七条の二第四項中「昭和三十六年四月一日以降の通算対象期間を合算した期間」を「被保険者期間(一年未満のものを除く。)と昭和三十六年四月一日以降の他の公的年金制度に係る通算対象期間(一年未満のものを除く。)とを合算した期間」に改める。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる改正規定は、それぞれ当該各号に掲げる日から施行する。
一 附則第十五条及び附則第十六条の規定 昭和四十五年一月一日
二 第八十五条第一項の改正規定 昭和四十五年四月一日
三 第二十七条の改正規定(同条に一項を加える部分を除く。)、第三十二条第二項の改正規定、第三十三条の改正規定(同条第一項中「第二十七条」の下に「第一項」を加える部分を除く。)、第三十五条の改正規定、第三十六条に一項を加える改正規定、第三十八条の改正規定、第四十三条の改正規定、第五十二条の四の改正規定(同条に一項を加える部分を除く。)、第五十九条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第六十五条第二項の改正規定、第七十七条の改正規定(第二項に係る部分を除く。)及び第八十七条第三項の改正規定並びに附則第十三条、附則第十四条及び附則第十八条の規定 昭和四十五年七月一日
四 目次の改正規定、第二十七条に一項を加える改正規定、第二十七条の次に一条を加える改正規定、第二十八条第三項の改正規定、第二十九条の四に一項を加える改正規定、第三十三条第一項の改正規定(同項中「第二十七条」の下に「第一項」を加える部分に限る。)、第五十条の改正規定、第五十二条の四に一項を加える改正規定、第五十二条の五を第五十二条の六とし、同条の前に一条を加える改正規定、第七十七条の改正規定(第二項に係る部分に限る。)、第八十七条の次に一条を加える改正規定、第九十五条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第百九条の次に一条を加える改正規定、第百十一条の次に一条を加える改正規定及び第九章の次に一章を加える改正規定並びに附則第十七条、附則第十九条から附則第二十三条まで、附則第二十六条及び附則第二十九条の規定 昭和四十五年十月一日
2 この法律による改正後の第五十八条、第六十二条及び第七十九条の二第三項の規定は、昭和四十四年十月一日から適用する。
(従前の年金給付の額の改定)
第二条 昭和四十五年七月一日において現に老齢年金(老齢福祉年金を除く。以下同じ。)、通算老齢年金、障害年金(障害福祉年金を除く。以下同じ。)、母子年金(母子福祉年金を除く。以下同じ。)、準母子年金(準母子福祉年金を除く。以下同じ。)又は遺児年金を受ける権利を有する者に支給する当該年金給付については、同月から、その額をこの法律による改正後の第二十七条の規定を適用する第二十八条第三項(第二十九条の五において準用する場合を含む。)又はこの法律による改正後の第三十三条、第三十八条(第四十一条の三において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の規定を適用して計算して得た額に、それぞれ改定する。
第三条 昭和四十四年十月一日において現に障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金又は老齢福祉年金(以下「福祉年金」という。)を受ける権利を有する者に支給する当該福祉年金については、同月から、その額をこの法律による改正後の第五十八条、第六十二条(第六十四条の四において準用する場合を含む。)又は第七十九条の二第三項の規定を適用して計算して得た額に、それぞれ改定する。
第四条 老齢年金、通算老齢年金、障害年金、母子年金、準母子年金及び遺児年金の額で昭和四十五年六月以前の月分のもの並びに障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金の額で昭和四十四年九月以前の月分のもの並びに死亡一時金で昭和四十五年七月一日においてまだ支給していないものの額については、なお従前の例による。
(障害年金等の支給に関する経過措置)
第五条 昭和四十五年七月一日前に別表に定める程度の廃疾の状態に該当しなくなつたため障害年金の受給権者でなくなつた者が、当該障害年金の支給事由となつた傷病により、同日において同表に定める程度の廃疾の状態にあるとき、又は同月二日から当該障害年金の受給権者でなくなつた日から起算して三年を経過した日の前日までの間において、同表に定める程度の廃疾の状態に該当するに至つたとき(昭和四十五年七月一日以後同表に定める程度の廃疾の状態に該当するに至るまでの間において、第三十五条第二号に規定する厚生大臣の定める程度の廃疾の状態に該当しなくなつたときを除く。)は、第三十条第一項の規定にかかわらず、その者に同条の障害年金を支給する。
2 前項の規定は、障害福祉年金について準用する。この場合において、同項中「別表に定める程度」とあるのは「別表に定める一級に該当する程度」と、「同表に定める程度」とあるのは「同表に定める一級に該当する程度」と、「第三十条第一項」とあるのは「第五十六条第一項本文」と、それぞれ読み替えるものとする。
(福祉年金の支給停止に関する経過措置)
第六条 この法律による改正後の第六十五条第六項、第六十六条第一項及び第二項並びに第六十七条第二項(第七十九条の二においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は、昭和四十三年以降の年の所得による福祉年金の支給の停止について適用し、昭和四十二年以前の年の所得による福祉年金の支給の停止については、なお従前の例による。
2 夫及び妻がともに老齢福祉年金を受けることができることによる当該老齢福祉年金の支給の停止は、昭和四十四年十月以降の月分については行なわないものとし、同月前の月分の当該老齢福祉年金の支給の停止については、なお従前の例による。
(国庫負担に関する経過措置)
第七条 この法律による改正後の第八十五条第一項の規定による国庫の負担は、昭和四十五年度以降の年度分から適用し、この法律による改正後の同項の規定による国庫負担の額とこの法律による改正前の同項の規定による国庫負担の額との調整に関して必要な措置は、政令で定める。
(保険料等に関する経過措置)
第八条 昭和四十五年六月以前の月に係る保険料については、なお従前の保険料の額による。
第九条 昭和四十七年七月以後の月分の保険料については、この法律による改正後の第八十七条第三項中「四百五十円」とあるのは、「五百五十円」とする。
第十条 昭和四十五年七月一日前に同日以後の期間に係る保険料を前納した者が、当該前納に係る期間につき追加して納付すべき保険料の額は、被保険者が三十五歳に達する日の属する月の前月までは一月につき三百五十円(昭和四十七年七月以後の各月については、四百五十円)、被保険者が三十五歳に達した日の属する月以後は一月につき三百円(昭和四十七年七月以後の各月については、四百円)とする。
2 前項に規定する者については、第八十七条の二第一項及び第二項中「前条第三項」とあるのは、「国民年金法の一部を改正する法律(昭和四十四年法律第八十六号)附則第十条第一項」と読み替えるものとする。
3 昭和四十二年一月一日から昭和四十五年六月三十日までの間に同年七月一日以後の期間について前納された保険料のうち、国民年金法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第九十二号)附則第十四条第一項に規定する保険料の額に相当する部分は、第一項の規定により当該期間について追加して納付すべき額の保険料に、さきに到来する月の分から順次充当するものとする。
第十一条 前条第一項の期間を有する者について、第二十七条第一項の規定により年金額の計算を行なう場合(同条の例により年金額の計算を行なう場合を含む。)において、前条第一項の額による保険料の納付が行なわれなかつた月があるときは、第二十七条第一項第一号に規定する額は、同号の規定にかかわらず、次の各号に掲げる月について、それぞれ当該各号に定める額とする。
一 第八十九条又は第九十条の規定により前条第一項の額による保険料を納付することを要しないものとされた月 二百四十円
二 前号に掲げる月以外の月 二百円
2 前条第一項の期間を有する者について、第七十七条第一項の規定により年金額の計算を行なう場合において、前条第一項の額による保険料の納付が行なわれなかつた月があるときは、第七十七条第一項第一号中「百二十円」とあるのは、第八十九条又は第九十条の規定により前条第一項の額による保険料を納付することを要しないものとされた月については「九十円」と、これらの月以外の月については「七十五円」と、それぞれ読み替えるものとする。
3 昭和四十五年七月前の前納に係る期間につき国民年金法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第九十二号)附則第十四条第一項の額による保険料の納付が行なわれなかつた月は、前条第一項の額による保険料の納付が行なわれなかつた月とみなして、前二項の規定を適用する。
第十二条 昭和五十年四月以後であつて政令で定める月以後の月分の保険料の額は、第八十七条第三項又は附則第十条第一項に規定する額にそれぞれ百円を加えた額とする。
2 前項の規定は、同項の規定による保険料の額に、第四条第二項の規定により行なわれるべき再計算の結果に照らして変更が加えられることを妨げるものではない。
(保険料納付の特例)
第十三条 被保険者又は被保険者であつた者は、都道府県知事に申し出て、昭和四十五年七月一日前のその者の被保険者期間(国民年金法附則第六条第一項の規定による被保険者に係る被保険者期間及びこの法律附則第十五条第一項の規定による被保険者に係る被保険期間を除く。)のうち、保険料納付済期間又は保険料免除期間以外の期間(当該期間に係る保険料を徴収する権利が時効によつて消滅している期間に限る。)について、一月につき四百五十円を納付することができる。
2 前項の規定による納付は、昭和四十七年六月三十日までに行なわなければならない。ただし、同日までに六十五歳に達する者は、六十五歳に達する日の前日までとする。
3 第一項の規定による納付は、さきに経過した月の分から順次に行なうものとする。
4 第一項の規定により納付が行なわれたときは、納付が行なわれた日に、納付に係る月の保険料が納付されたものとみなす。
(任意加入被保険者の特例)
第十四条 第七十五条第一項又は国民年金法附則第七条第一項の規定による被保険者であつた者であつて、第七条第二項第一号、第二号又は第三号のいずれにも該当しないものは、都道府県知事に申し出て、被保険者となることができる。ただし、日本国民でない者又は日本国内に住所を有しない者は、この限りでない。
2 前項の申出は、昭和四十五年九月三十日までに行なわなければならない。
3 第一項の申出をした者は、その申出をした日に被保険者の資格を取得するものとする。
4 第一項の申出をした者は、昭和四十七年六月三十日(同日以前に六十五歳に達する者にあつては、六十五歳に達する日の前日)までに、昭和三十六年四月から当該申出をした日の属する月の前月までの期間であつて、その者の次に掲げる期間以外のものの各月につき四百五十円を納付することができる。
一 被保険者期間
二 他の公的年金制度に係る通算対象期間
5 第七十五条第三項から第五項まで、国民年金法附則第七条第三項並びに前条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定による被保険者について準用する。この場合において、第七十五条第五項第四号中「被保険者期間」とあるのは、「昭和三十六年四月から国民年金法の一部を改正する法律(昭和四十四年法律第八十六号)附則第十四条第一項の申出をした日の属する月の前月までの期間とその申出をした日以降の被保険者期間とを合算した期間(他の公的年金制度に係る通算対象期間で一年未満のもの及び他の公的年金制度に係る通算対象期間以外の期間で一年未満のものを除く。)」と読み替えるものとする。
6 第一項の規定による被保険者が第七条第二項第一号に該当するに至つたため被保険者でなくなつた後同号に該当しなくなつた場合における国民年金法附則第七条の二の規定の適用については、同条第四項中「被保険者期間(一年未満のものを除く。)と昭和三十六年四月一日以降の他の公的年金制度に係る通算対象期間(一年未満のものを除く。)とを合算した期間」とあるのは、「昭和三十六年四月から国民年金法の一部を改正する法律(昭和四十四年法律第八十六号)附則第十四条第一項の申出をした日の属する月の前月までの期間、その申出をした日以降の被保険者期間及び同日以降の他の公的年金制度に係る通算対象期間を合算した期間(他の公的年金制度に係る通算対象期間で一年未満のもの及び他の公的年金制度に係る通算対象期間以外の期間で一年未満のものを除く。)」と読み替えるものとする。
(任意加入の特例)
第十五条 明治三十九年四月二日から明治四十四年四月一日までの間に生まれた者(昭和三十六年四月一日において五十歳をこえ、五十五歳をこえない者)であつて、昭和三十六年四月一日において被保険者とならなかつたもののうち、第七条第二項第一号から第三号までのいずれにも該当しない者は、同項及び第七十四条の規定にかかわらず、都道府県知事に申し出て、被保険者となることができる。ただし、その者が、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 日本国国民でないとき。
二 日本国内に住所を有しないとき。
三 被用者年金各法に基づく通算老齢年金若しくは通算退職年金を受けることができるとき、又はこれらの年金の受給資格要件たる期間を満たしているとき。
2 前項の申出は、昭和四十五年六月三十日までに行なわなければならない。ただし、同項の規定による被保険者が、第七条第二項第一号に該当するに至つたため被保険者でなくなつた後同号に該当しなくなつた場合において行なう申出は、その者が同号に該当しなくなつた日から起算して三月以内に行なわれなければならない。
3 第一項の申出をした者は、その申出をした日に被保険者の資格を取得するものとする。
4 第十三条第一項の規定は、第一項の申出があつた場合に準用する。
5 第一項の規定による被保険者は、いつでも、都道府県知事に申し出て、被保険者の資格を喪失することができる。
6 第一項の規定による被保険者は、第九条各号(第四号を除く。)及び次の各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日(次の第一号、第四号又は第五号に該当するに至つたときは、その日)に被保険者の資格を喪失する。
一 第七条第二項第一号に該当するに至つたとき。
二 前項の申出が受理されたとき。
三 保険料を滞納し、第九十六条第一項の規定による指定の期限までに、その保険料を納付しないとき。
四 被保険者期間(一年未満のものを除く。)と昭和三十六年四月一日以降の他の公的年金制度に係る通算対象期間(一年未満のものを除く。)とを合算した期間が十年に達したとき。
五 被保険者期間が五年に達したとき。
六 第七十八条第一項に規定する老齢年金の裁定の請求をしたとき。
7 第一項の規定による被保険者の保険料の額は、第八十七条第三項の規定にかかわらず、一月につき七百五十円とする。
8 第一項の規定による被保険者については、第八十七条の二、第八十九条、第九十条及び国民年金法附則第七条の二の規定を適用しない。
第十六条 前条第一項の規定により被保険者となつた者が、その者の保険料納付済期間が五年に達した後に六十五歳に達したとき、又は六十五歳に達した後にその者の保険料納付済期間が五年に達したときは、第二十六条に定める老齢年金の支給要件に該当するものとみなして、その者に老齢年金を支給する。
2 前項の規定によつて支給する老齢年金の額は、第二十七条第一項の規定にかかわらず、三万円とする。
3 第二十八条及び第二十八条の二の規定は、第一項の規定により支給する老齢年金に関しては、適用しない。
4 第一項の規定により支給する老齢年金は、通算年金通則法(昭和三十六年法律第百八十一号)第五条の規定の適用については、第七十八条第一項の規定によつて支給される老齢年金とみなす。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第十七条 昭和四十五年十月一日において現に国民年金基金という名称を使用している者については、第百十八条第二項の規定は、同日以後六月間は、適用しない。
附則第十五条を次のように改める。
第十五条 削除
(地方税法の一部改正)
第十九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第四号中「石炭鉱業年金基金」の下に「、国民年金基金」を加える。
(社会保険審査官及び社会保険審査会法の一部改正)
第二十条 社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「第百一条」の下に「(同法第百三十八条において準用する場合を含む。以下同じ。)」を加える。
第三条第二号中「又は石炭鉱業年金基金」を「、石炭鉱業年金基金又は国民年金基金」に改める。
第四条第一項中「被保険者」の下に「若しくは加入員」を加え、同条第二項中「被保険者」の下に「若しくは加入員」を加え、「若しくは標準報酬」を「、標準報酬」に改める。
第九条第一項中「又は国民年金事業の管掌者」を「、国民年金事業の管掌者又は国民年金基金」に改める。
(通算年金通則法の一部改正)
第二十一条 通算年金通則法の一部を次のように改正する。
第三条第一号中「(昭和三十四年法律第百四十一号)」の下に「(第十章を除く。)」を加える。
(所得税法の一部改正)
第二十二条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中国民生活研究所の項の次に次のように加える。
国民年金基金 |
(法人税法の一部改正)
第二十三条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表中国民生活研究所の項の次に次のように加える。
国民年金基金 |
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号) |
(労働者災害補償保険法の一部を改正する法律の一部改正)
第二十四条 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
附則第十八条第二項、附則第二十六条第二項、附則第三十二条第三項及び附則第四十二条第六項中「第六項」を「第五項」に改める。
(国家公務員災害補償法の一部を改正する法律の一部改正)
第二十五条 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
附則第六条第四項、附則第十三条第二項、附則第十九条第二項及び附則第二十五条第三項中「第六項」を「第五項」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第二十六条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第三中九の項の次に次のように加える。
九の二 国民年金基金 |
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号) |
事務所用建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記 |
第三欄の登記に該当するものであることを証する大蔵省令で定める書類の添附があるものに限る。 |
(地方公務員災害補償法の一部改正)
第二十七条 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。
附則第六条第四項中「第六項」を「第五項」に改める。
(公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)
第二十八条 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律等の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
附則第四項中「第六項」を「第五項」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第二十九条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条中第六十二号の七を第六十二号の八とし、第六十二号の六を第六十二号の七とし、第六十二号の五の次に次の一号を加える。
六十二の六 国民年金基金の設立又は規約の変更を認可し、これに対しその事業の状況に関する報告をさせ、その状況を検査し、その他監督上必要な命令又は処分をすること。
第十四条の二中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。
七 国民年金基金を指導監督すること。
第三十六条の四中「第六十二号の六」を「第六十二号の七」に改める。
(法務・大蔵・厚生・自治・内閣総理大臣署名)