公認会計士法の一部を改正する法律

法律第八十五号(昭四一・六・二三)

第一条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第六章 公認会計士審査会」を

第五章の二 監査法人

第六章 公認会計士審査会

第六章の二 日本公認会計士協会

 に改める。

  第一条に次の一項を加える。

 3 この法律で「監査法人」とは、次条第一項の業務を組織的に行なうことを目的として、この法律の定めるところにより、公認会計士が共同して設立した法人をいう。

  第二条第一項及び第二項中「求」を「求め」に改め、同条第三項中「他の公認会計士」の下に「又は監査法人」を加える。

  第三条第一項中「ついて、公認会計士」の下に「又は監査法人」を加え、同条第二項中「求」を「求め」に改める。

  第十条第二項中「公認会計士」の下に「若しくは監査法人」を加える。

  第十一条第一号中「公認会計士」の下に「又は監査法人」を加える。

  第十三条第一項中「第一次試験」を「公認会計士試験の各試験」に、「五百円、第二次試験又は第三次試験を受けようとする者は、千円を、受験手数料として」を「当該試験の種類ごとに実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を」に改める。

  第三十条に次の一項を加える。

 3 監査法人が虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合において、当該証明に係る業務を執行した社員である公認会計士に故意又は相当の注意を怠つた事実があるときは、当該公認会計士について前二項の規定を準用する。

  第三十三条第一項中「前条第二項」の下に「(第四十六条の十第二項において準用する場合を含む。)」を加え、同項に次の一号を加える。

  四 事件に関係のある事務所その他の場所に立ち入り、事件に関係のある帳簿書類その他の物件を検査すること。

  第三十四条の次に次の一章を加える。

    第五章の二 監査法人

  (設立)

 第三十四条の二 公認会計士(外国公認会計士を含む。以下この章及び第六章の二において同じ。)は、この章の定めるところにより、監査法人を設立することができる。

  (名称)

 第三十四条の三 監査法人は、その名称中に監査法人という文字を使用しなければならない。

  (要件)

 第三十四条の四 監査法人は、次に掲げる要件を備えなければならない。

  一 社員は、公認会計士のみであること。

  二 社員の数は、五人以上であること。

  三 社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負うこと。

  四 社員のうちに次のいずれかに該当する者がいないこと。

   イ 第三十条又は第三十一条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者

   ロ 第三十四条の二十一の規定により監査法人が設立の認可を取り消され、又は業務の停止を命ぜられた場合において、その処分の日以前三十日内にその社員であつた者でその処分の日から三年(業務の停止を命ぜられた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

  五 業務を公正かつ的確に遂行することができる人的構成及び施設を有すること。

  (業務の範囲)

 第三十四条の五 監査法人は、第二条第一項の業務を行なうほか、その業務に支障のない限り、定款で定めるところにより、次に掲げる業務の全部又は一部を行なうことができる。

  一 第二条第二項の業務

  二 会計士補又は会計士補となる資格を有する者に対する実務補習

  (登記)

 第三十四条の六 監査法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

 2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

  (設立の手続)

 第三十四条の七 監査法人を設立するには、その社員になろうとする公認会計士が、共同して定款を定め、大蔵省令で定める手続に従い、その設立につき大蔵大臣の認可を受けなければならない。

 2 定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 目的

  二 名称

  三 事務所の所在地

  四 社員の氏名及び住所

  五 社員の出資に関する事項

  六 業務の執行に関する事項

  (認可)

 第三十四条の八 大蔵大臣は、前条第一項に規定する認可の申請があつたときは、その申請に係る監査法人が第三十四条の四各号に掲げる要件を備えているかどうか並びに設立の手続及び定款の内容が法令の規定に違反していないかどうかを審査したうえで、その認可をしなければならない。

  (成立の時期)

 第三十四条の九 監査法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。

  (定款の変更)

 第三十四条の十 定款の変更は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 2 第三十四条の八の規定は、定款の変更の認可について準用する。

  (特定の事項についての業務の制限)

 第三十四条の十一 監査法人は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第二条第一項の業務を行なつてはならない。

  一 監査法人が株式を所有し、又は出資している会社その他の者の財務書類

  二 前号に定めるもののほか、監査法人又はその社員が著しい利害関係を有し、又は過去一年以内に著しい利害関係を有した会社その他の者の財務書類

 2 前項第二号の著しい利害関係とは、監査法人又はその社員が会社その他の者との間にその者の営業、経理その他に関して有する関係で、大蔵大臣が監査法人の行なう第二条第一項の業務の公正を確保するため必要かつ適当と認めて大蔵省令で定めるものをいう。

 3 監査法人の社員のうち会社その他の者と第二十四条に規定する関係を有する者は、当該監査法人が行なう第二条第一項の業務で当該会社その他の者の財務書類に係るものには関与してはならない。

  (監査又は証明の業務の執行方法)

 第三十四条の十二 監査法人は、その社員以外の者に監査又は証明の業務を行なわせてはならない。

 2 監査法人が会社その他の者の財務書類について証明をする場合には、当該証明に係る業務を執行した社員は、当該証明書にその資格を表示して自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。

 3 第二十五条の規定は、監査法人が会社その他の者の財務書類について証明をする場合に準用する。

  (広告事項の制限)

 第三十四条の十三 監査法人は、その名称、事務所の所在地、社員の氏名その他大蔵省令で定める事項以外の事項を広告してはならない。

  (社員の競業の禁止)

 第三十四条の十四 監査法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその監査法人の業務の範囲に属する業務を行ない、又は他の監査法人の社員となつてはならない。

  (会計年度)

 第三十四条の十五 監査法人の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

  (財務諸表等の作成及び提出)

 第三十四条の十六 監査法人は、毎会計年度経過後二月以内に、貸借対照表及び損益計算書並びに業務の概況その他大蔵省令で定める事項を記載した業務報告書を作成し、これらの書類を大蔵大臣に提出しなければならない。

  (法定脱退)

 第三十四条の十七 監査法人の社員は、次に掲げる理由によつて脱退する。

  一 公認会計士の登録の抹消

  二 定款に定める理由の発生

  三 総社員の同意

  四 除名

  (解散)

 第三十四条の十八 監査法人は、次に掲げる理由によつて解散する。

  一 定款に定める理由の発生

  二 総社員の同意

  三 他の監査法人との合併

  四 破産

  五 設立の認可の取消し

 2 前項第二号に掲げる理由による解散は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 3 清算人は、第一項第一号に掲げる理由により監査法人が解散した場合には、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

  (合併)

 第三十四条の十九 監査法人は、総社員の同意があるときは、他の監査法人と合併することができる。

 2 合併は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 3 合併は、合併後存続する監査法人又は合併によつて設立した監査法人が、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて、その効力を生ずる。

  (要件を欠いたことによる設立の認可の取消し)

 第三十四条の二十 大蔵大臣は、監査法人が第三十四条の四各号の一に掲げる要件を欠くこととなつたときは、その設立の認可を取り消すことができる。

  (虚偽又は不当の証明等についての処分)

 第三十四条の二十一 大蔵大臣は、監査法人が次の各号の一に該当するときは、その監査法人に対し、戒告し、若しくは一年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は設立の認可を取り消すことができる。

  一 社員の故意により、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明したとき。

  二 社員が相当の注意を怠つたことにより、重大な虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明したとき。

  三 この法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるとき。

 2 第三十二条から第三十四条までの規定は、前項の処分について準用する。

 3 第一項の規定は、同項の規定により監査法人を処分する場合において、当該監査法人の社員につき第三十条又は第三十一条に該当する事実があるときは、その社員である公認会計士に対し、懲戒の処分をあわせて行なうことを妨げるものと解してはならない。

  (民法の準用等)

 第三十四条の二十二 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十条、第五十五条及び第八十一条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第百三十六条から第百三十七条まで、第百三十八条及び第百三十八条ノ三の規定は、監査法人について準用する。

 2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第六十八条、第六十九条、第七十二条、第七十三条、第七十四条第二項及び第三項並びに第七十五条の規定は、監査法人の内部の関係について準用する。この場合において、同法第七十四条第二項中「前項」とあるのは、「公認会計士法第三十四条の十四」と読み替えるものとする。

 3 商法第七十六条から第八十三条までの規定は、監査法人の外部の関係について準用する。

 4 商法第八十四条、第八十六条第一項及び第二項(除名及び代表権の喪失に関する部分に限る。)並びに第八十七条から第九十三条までの規定は、監査法人の社員の脱退について準用する。この場合において、同法第八十六条第一項第二号中「第七十四条第一項」とあるのは、「公認会計士法第三十四条の十四」と読み替えるものとする。

 5 商法第百条及び第百三条の規定は、監査法人の合併について準用する。この場合において、同法第百条第一項中「合併ノ決議ノ日」とあるのは、「合併ノ認可アリタルトキハソノ認可ノ通知アリタル日」と読み替えるものとする。

 6 商法第百十六条から第百十九条まで、第百二十条から第百二十二条まで、第百二十四条第一項及び第二項、第百二十五条、第百二十六条、第百二十八条から第百三十三条まで、第百三十四条ノ二、第百三十五条並びに第百四十三条から第百四十五条までの規定は、監査法人の清算について準用する。この場合において、同法第百十七条第二項及び第百二十二条中「第九十四条第四号又ハ第六号」とあるのは、「公認会計士法第三十四条の十八第一項第五号」と読み替えるものとする。

 7 破産法(大正十一年法律第七十一号)第百二十七条の規定の適用については、監査法人は、合名会社とみなす。

  第三十五条中「重要事項並びに」を「重要事項、」に改め、「懲戒処分」の下に「並びに監査法人に対する処分」を加える。

  第四十一条中「理財局」を「証券局」に改める。

  第四十三条から第四十六条までを削り、第四十二条の次に次の一章を加える。

    第六章の二 日本公認会計士協会

  (設立、目的及び法人格)

 第四十三条 公認会計士は、この法律の定めるところにより、全国を通じて一箇の日本公認会計士協会(以下「協会」という。)を設立しなければならない。

 2 協会は、公認会計士の品位を保持し、第二条第一項の業務の改善進歩を図るため、会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行なうことを目的とする。

 3 協会は、法人とする。

  (会則)

 第四十四条 協会は、会則を定め、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 名称及び事務所の所在地

  二 入会及び退会に関する規定

  三 会員の種別及びその権利義務に関する規定

  四 役員に関する規定

  五 会議に関する規定

  六 支部に関する規定

  七 会員の品位保持に関する規定

  八 会員の受ける報酬に関する標準を示す規定

  九 会員の研修に関する規定

  十 会計士補又は会計士補となる資格を有する者の実務補習に関する規定

  十一 会員の業務に関する紛議の調停に関する規定

  十二 会費に関する規定

  十三 会計及び資産に関する規定

  十四 事務局に関する規定

 2 会則の変更は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

  (支部)

 第四十五条 協会は、その目的を達成するため必要があるときは、支部を設けることができる。

  (登記)

 第四十六条 協会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

 2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

  (入会及び退会)

 第四十六条の二 公認会計士及び監査法人は、当然、協会の会員となり、公認会計士がその登録を抹消されたとき及び監査法人が解散したときは、当然、協会を退会する。

 2 会計士補は、会則の定めるところにより、協会の会員となることができる。

  (会則を守る義務)

 第四十六条の三 会員は、協会の会則を守らなければならない。

  (役員)

 第四十六条の四 協会に、会長、副会長その他会則で定める役員を置く。

 2 会長は、協会を代表し、その会務を総理する。

 3 副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠けたときはその職務を行なう。

   (総会)

 第四十六条の五 協会は、毎年、定期総会を開かなければならない。

 2 協会は、必要と認める場合には、臨時総会を開くことができる。

  (総会の決議を必要とする事項)

 第四十六条の六 協会の会則の変更、予算及び決算は、総会の決議を経なければならない。

  (総会の決議等の報告)

 第四十六条の七 協会は、総会の決議並びに役員の就任及び退任を大蔵大臣に報告しなければならない。

  (紛議の調停)

 第四十六条の八 協会は、会員の業務に関する紛議につき、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。

  (建議及び答申)

 第四十六条の九 協会は、公認会計士に係る業務又は制度について、官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。

  (懲戒事由に該当する事実の報告)

 第四十六条の十 協会は、その会員に第三十条、第三十一条又は第三十四条の二十一の規定に該当する事実があると認めたときは、大蔵大臣に対し、その事実を報告するものとする。

 2 第三十二条第二項の規定は、前項の報告があつた場合について準用する。

  (報告及び検査)

 第四十六条の十一 大蔵大臣は、協会の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、協会に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に協会の事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

 2 前項の規定により立入検査をしようとする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

  (総会の決議の取消し及び役員の解任)

 第四十六条の十二 大蔵大臣は、協会の総会の決議又は役員の行為が法令又は協会の会則に違反し、その他公益を害するときは、総会の決議の取消し又は役員の解任を命ずることができる。

  (民法の準用)

 第四十六条の十三 民法第四十四条、第五十条及び第五十五条の規定は、協会について準用する。

  第四十七条中「又は外国公認会計士」を「、外国公認会計士又は監査法人」に改める。

  第四十七条の二中「公認会計士」の下に「又は監査法人」を加え、「求」を「求め」に改める。

  第四十八条の次に次の一条を加える。

 第四十八条の二 監査法人でない者は、その名称中に監査法人又は監査法人と誤認させるような文字を使用してはならない。

 2 協会でない者は、協会の名称又は協会と誤認させるような名称を使用してはならない。

  第四十九条中「公認会計士」の下に「又は監査法人」を加え、第七章中同条の次に次の二条を加える。

  (公認会計士の使用人等の秘密を守る義務)

 第四十九条の二 公認会計士、会計士補、外国公認会計士若しくは監査法人の使用人その他の従業者又はこれらの者であつた者は、正当な理由がなく、第二条第一項又は第二項の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らし、又は窃用してはならない。

  (報告等の徴取)

 第四十九条の三 大蔵大臣は、第二条第一項又は第二項の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、公認会計士、会計士補、外国公認会計士又は監査法人に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。

  第五十一条を次のように改める。

 第五十一条 偽りその他不正の手段により公認会計士、会計士補又は外国公認会計士の登録を受けた者は、六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

  第五十二条第一項中「場合を含む。)」の下に「又は第四十九条の二」を加える。

  第五十三条第一項を次のように改める。

   次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。

  一 第四十八条第一項又は第二項の規定に違反した者

  二 第四十八条の二第一項又は第二項の規定に違反した者

  第五十三条第二項中「前項」の下に「第一号」を加え、同条の次の次に二条を加える。

 第五十三条の二 次の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。

  一 第四十六条の十一第一項又は第四十九条の三の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

  二 第四十六条の十一第一項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 第五十三条の三 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第五十条、第五十三条第一項第二号又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を課する。

  第五十四条第二号中「第四十八条」の下に「第一項又は第二項」を加える。

  第五十五条中「第十六条の二第四項」の下に「及び第三十四条の二十一第二項」を加え、同条に次の一号を加える。

  四 第三十三条第一項第四号の規定(第十六条の二第四項及び第三十四条の二十一第二項において準用する場合を含む。)による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

  本則中第五十五条の次に次の一条を加える。

 第五十五条の二 次の各号の一に該当する場合においては、監査法人の社員若しくは清算人又は協会の役員は、一万円以下の過料に処する。

  一 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠つたとき。

  二 第三十四条の十六の規定に違反して書類の提出を怠り、又はこれに虚偽の記載をして提出したとき。

  三 第三十四条の二十二第一項において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して破産の宣告の請求を怠つたとき。

  四 第三十四条の二十二第五項において準用する商法第百条第一項又は第三項(同法第百十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して合併し、又は財産を処分したとき。

  五 第三十四条の二十二第六項において準用する商法第百三十一条の規定に違反して財産を分配したとき。

  第六十三条第三項中「並びに第四十九条」を「、第四十九条並びに第四十九条の三」に改め、同条第十項に次の一号を加える。

  四 第三項において準用する第三十三条第一項第四号の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第二条 公認会計士法の一部を次のように改正する。

  第十六条の二第一項中「大蔵省に備える」を「日本公認会計士協会による」に、「に登録」を「への登録」に改め、同条第三項中「大蔵大臣」を「日本公認会計士協会」に改め、同条第四項中「第十九条」の下に「、第十九条の二」を加える。

  第十八条中「及び会計士補名簿は、大蔵省」を「、会計士補名簿及び外国公認会計士名簿は、日本公認会計士協会」に改める。

  第十九条第一項中「大蔵大臣」を「日本公認会計士協会」に改め、同条第三項中「大蔵大臣は、前二項の規定により書類」を「日本公認会計士協会は、第一項の規定により登録申請書」に、「場合には」を「場合において、登録を受けようとする者が公認会計士又は会計士補となることができる者であると認めたときは」に、「登録をしなければならない」を「登録を行ない、登録を受けようとする者が公認会計士又は会計士補となることができない者であると認めたときは、第四十六条の十一に規定する資格審査会の議決に基づいて、登録を拒否しなければならない」に改め、同条に次の一項を加える。

 4 日本公認会計士協会は、前項の規定により登録を拒否するときは、その理由を附記した書面によりその旨を当該申請者に通知しなければならない。

  第十九条の次に次の一条を加える。

  (登録を拒否された場合の審査請求)

 第十九条の二 前条第三項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、大蔵大臣に対して、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

 2 前条第一項の規定により登録申請書を提出した者は、当該申請書を提出した日から三月を経過しても当該申請に対してなんらの処分がされない場合には、当該登録を拒否されたものとして、大蔵大臣に対して、前項の審査請求をすることができる。

 3 前二項の規定による審査請求が理由があるときは、大蔵大臣は、日本公認会計士協会に対し、相当の処分をすべき旨を命じなければならない。

  第二十一条中「大蔵大臣」を「日本公認会計士協会」に改める。

  第二十一条の次に次の一条を加える。

  (登録及び登録の抹消の公告)

 第二十一条の二 日本公認会計士協会は、公認会計士、会計士補又は外国公認会計士の登録をしたとき及び当該登録を抹消したときは、遅滞なく、その旨を官報をもつて公告しなければならない。

  第四十三条第二項中「事務」の下に「を行ない、並びに公認会計士及び会計士補の登録に関する事務」を加える。

  第四十四条第一項中第十四号を第十六号とし、第七号から第十三号までを二号ずつ繰り下げ、第六号の次に次の二号を加える。

  七 公認会計士及び会計士補の登録に関する規定

  八 資格審査会に関する規定

  第四十六条の十三を第四十六条の十四とし、第四十六条の十二を第四十六条の十三とし、第四十六条の十一を第四十六条の十二とし、第四十六条の十の次に次の一条を加える。

  (資格審査会)

 第四十六条の十一 協会に、資格審査会を置く。

 2 資格審査会は、協会の請求により、第十九条第三項の規定による登録の拒否につき必要な審査を行なうものとする。

 3 資格審査会は、会長及び委員四人をもつて組織する。

 4 会長は、協会の会長をもつてこれに充てる。

 5 委員は、会長が、大蔵大臣の承認を受けて、公認会計士、公認会計士に係る行政事務に従事する大蔵省の職員及び学識経験者のうちから委嘱する。

 6 委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 7 前各項に規定するもののほか、資格審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

  第五十三条の二中「第四十六条の十一」を「第四十六条の十二」に改める。

  第六十三条第三項中「第十九条」の下に「、第二十条、第二十一条、第二十二条」を、「とあるのは、「計理士」と」の下に「、「日本公認会計士協会」とあるのは、「大蔵大臣」と」を加える。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律中第一条及び次項から附則第二十一項までの規定は公布の日から起算して十日を経過した日から、第二条及び附則第二十二項から第二十五項までの規定は公布の日から起算して九月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。


 (協会の設立に関する経過措置)

2 日本公認会計士協会(以下「協会」という。)を設立しようとするときは、三十人以上の公認会計士及び外国公認会計士が設立委員となり、設立に関する事務を行なわなければならない。

3 設立委員は、第一条の規定の施行の日から五月以内に、協会の会則を定め、設立総会の議を経て、当該会則について大蔵大臣の認可を受けなければならない。

4 設立委員が設立総会を招集しようとするときは、その日時及び場所並びに会議の目的となる事項を、会日の二週間前までに、公認会計士及び外国公認会計士に書面で通知するとともに、大蔵大臣に報告しなければならない。

5 設立総会は、公認会計士法第四十六条の四の規定による会長及び副会長となるべき者を選任しなければならない。

6 設立総会の議決は、公認会計士及び外国公認会計士の二分の一以上が出席し、その出席者の三分の二以上の多数によらなければならない。

7 設立委員は、附則第三項の認可があつたときは、遅滞なく、その事務を附則第五項の規定により選任された会長となるべき者に引き継がなければならない。

8 附則第五項の規定により選任された会長となるべき者は、前項の規定により事務を引き継いだときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、協会の主たる事務所の所在地において設立の登記をしなければならない。

9 協会は、設立の登記をすることによつて成立する。

10 この法律に規定するもののほか、協会の設立に関し必要な事項は、政令で定める。

11 昭和二十八年四月一日に設立された社団法人日本公認会計士協会は、定款で定めるところにより、設立委員に対して、協会においてその一切の権利及び義務を承継すベき旨を申し出ることができる。

12 設立委員は、前項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、大蔵大臣の認可を申請しなければならない。

13 前項の認可があつたときは、社団法人日本公認会計士協会の一切の権利及び義務は、協会の成立の時において協会に承継されるものとし、社団法人日本公認公計士協会は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。

14 社団法人日本公認会計士協会の解散の登記に関し必要な事項は、政令で定める。


 (登録税法の一部改正)

15 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「税理士会」を「日本公認会計士協会、税理士会」に、「税理士法」を「公認会計士法、税理士法」に改める。

16 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第百九十三条の二第一項中「公認会計士」の下に「(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第三項に規定する外国公認会計士を含む。以下この条において同じ。)又は監査法人」を加え、同条第二項中「公認会計士」の下に「若しくは監査法人」を加え、「(昭和二十三年法律第百三号)」を削り、「第二十四条」の下に「若しくは第三十四条の十一第一項」を加え、同条第三項中「公認会計士の」を削り、同条第四項中「公認会計士」の下に「又は監査法人」を加え、同条第五項中「公認会計士」の下に「又は監査法人」を、「第三十条」の下に「又は第三十四条の二十一第一項第一号若しくは第二号」を、「当該公認会計士」の下に「又は監査法人」を加える。


 (大蔵省設置法の一部改正)

17 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第四条第五十三号及び第十条の二第九号中「監督」の下に「並びに監査法人及び日本公認会計士協会の監督」を加える。


 (地方税法の一部改正)

18 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第二号中「弁理士会」の下に「、日本公認会計士協会」を加える。


 (税理士法の一部改正)

19 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項第六号中「又は計理士」を「、計理士又は監査法人」に改める。

  第九条第一項中「五百円を受験手数料として」を「実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を」に改める。


 (所得税法の一部改正)

20 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中日本原子力船開発事業団の項の次に次のように加える。

日本公認会計士協会

公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)


 (法人税法の一部改正)

21 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第二第一号の表中日本原子力船開発事業団の項の次に次のように加える。

日本公認会計士協会

公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)

 (協会への登録事務の委譲に関する経過措置)

22 第二条の規定による改正前の公認会計士法(以下「旧法」という。)の規定により大蔵大臣に提出された登録申請書その他の書類でまだその登録がされていないものは、その提出の日において同条の規定による改正後の公認会計士法(以下「新法」という。)の規定により協会に提出されたものとみなす。

23 旧法の規定により公認会計士名簿、会計士補名簿又は外国公認会計士名簿にされた登録は、その登録の日において、それぞれ新法の規定によりこれらの名簿にされた登録とみなす。

24 大蔵大臣は、第二条の規定の施行の日において、大蔵省に備えた公認会計士名簿、会計士補名簿及び外国公認会計士名簿その他公認会計士、会計士補及び外国公認会計士の登録に関する書類を協会に引き継がなければならない。

 (大蔵省設置法の一部改正)

25 大蔵省設置法の一部を次のように改正する。

  第四条第五十三号中「の登録及び監督並びに監査法人」を「、監査法人」に改める。

  第十条の二第九号を次のように改める。

  九 公認会計士、会計士補、監査法人及び日本公認会計士協会の監督並びに計理士の登録及び監督を行なうこと。

(大蔵・自治・内閣総理大臣署名) 

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