モーターボート競走法の一部を改正する法律
法律第八十五号(昭三七・四・二〇)
モーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「海事思想の普及宣伝と観光事業」を「海事思想の普及及び観光に関する事業並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興」に改める。
第二条第三項中「競走を行わなかつたとき」の下に「、又はこれらの市町村について指定の理由がなくなつたと認めるとき」を加え、同条中第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。
4 自治大臣は、第一項の規定による指定をし、又は前項の規定による指定の取消しをしようとするときは、運輸大臣に協議しなければならない。
第三条を次のように改める。
(競走の実施事務の委託)
第三条 施行者は、競走の競技に関する事務その他の競走の実施に関する事務(運輸省令で定めるものを除く。)を当該都道府県に設立するモーターボート競走会に委託することができる。この場合においては、競走に出場する選手並びに競走に使用するボート及びモーターの競走前の検査、競走の審判その他の競走の競技に関する事務であつて運輸省令で定めるものは、一括して委託しなければならない。
第四条第一項中「設置しようとする者」を「設置し又は移転しようとする者」に改め、同条に次の二項を加える。
7 競走場設置者について相続若しくは合併があり、又は競走場の譲渡しがあつたときは、相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は競走場を譲り受けた者は、当該競走場設置者の地位を承継する。
8 前項の規定により競走場設置者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
第五条中「設置された」を「設置され又は移転された」に改める。
第六条第一項中「並びに審判員」を「、審判員並びに競走に使用するボート及びモーターの検査員(以下単に「検査員」という。)」に改め、同条第二項中「及び審判員」を「、審判員及び検査員」に改め、同条に次の一項を加える。
3 全国モーターボート競走会連合会は、競走の公正かつ安全な実施を確保するため必要があると認めるときは、運輸省令の定めるところにより、第一項の規定による登録を消除することができる。
第六条の二第一項中「範囲をこえて」を「範囲をこえ、又は運輸省令で定める日取りに反して」に改め、同条第二項中「日取」を「日取り」に改める。
第七条中「入場者から」を「入場者(第九条各号に掲げる者その他の者であつて運輸省令で定めるものを除く。)から運輸省令で定める額以上の」に改める。
第八条第一項中「一口金」を「券面金額」に改め、同条第二項中「十枚分又は百枚分」を「十枚分以上」に改める。
第九条の二の次に次の一条を加える。
(勝舟投票法)
第九条の三 勝舟投票法は、単勝式、複勝式、連勝単式及び連勝複式の四種とし、各勝舟投票法における勝舟の決定の方法並びに勝舟投票法種類の組合せ及び限定その他その実施の方法については、運輸省令で定める。
第十条第一項中「施行者は」の下に「、勝舟投票法の種類ごとに」を加える。
第十二条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 単勝式又は複勝式勝舟投票法において、発売した勝舟投票券に表示されたモーターボートが出走しなかつたときは、そのモーターボートに対する投票は、無効とする。
3 連勝単式又は連勝複式勝舟投票法において、左の各号の一に該当する事由が生じたときは、その組に対する投票は、無効とする。
一 異なる連勝式番号をつけられたモーターボートを一組とした場合にあつては、発売した勝舟投票券に表示されたモーターボートのうち連勝式番号を同じくするモーターボートのすべてが出走しなかつたこと。
二 同一の連勝式番号をつけられたモーターボートを一組とした場合にあつては、発売した勝舟投票券に表示されたモーターボートのすべてが出走せず、又はそのうちいずれか一隻のみが出走したこと。
第十五条中「第十二条第三項」を「第十二条第四項」に改める。
第十九条を次のように改める。
(日本船舶振興会への交付金)
第十九条 施行者は、左の各号に掲げる金額を日本船舶振興会に交付しなければならない。
一 一回の開催による勝舟投票券の売上金の額が別表第一の上欄に掲げる金額に相当するときは、同表の下欄に掲げる金額に相当する金額
二 一回の開催による勝舟投票券の売上金の額が別表第二の上欄に掲げる金額に相当するときは、同表の下欄に掲げる金額に相当する金額
第二十条中「競走の実施を委任したとき」を「競走の実施に関する事務を委託したとき」に改める。
第三章中第二十条の次に次の一条を加える。
(収益の使途)
第二十条の二 施行者は、その行なう競走の収益をもつて、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、体育の振興その他住民の福祉の増進を図るための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。
第二十二条の見出しを「(全国モーターボート競走会連合会)」に改め、同条第一項中「(以下本章中「連合会」という。)」を削り、同条第二項を次のように改める。
2 全国モーターボート競走会連合会は、競走の公正かつ円滑な実施を図ることを目的とし、その目的を達成するため左の業務を行なう。
一 選手、競走に使用するボート及びモーター、審判員並びに検査員の登録を行なうこと。
二 選手の出場のあつせんを行なうこと。
三 選手、審判員及び検査員の養成及び訓練を行なうこと。
四 その他競走の公正かつ円滑な実施を図るため必要な業務
第二十二条第三項中「連合会」を「全国モーターボート競走会連合会」に改め、同条に次の一項を加える。
4 前条第三項から第五項までの規定は、全国モーターボート競走会連合会について準用する。
第二十二条の二から第二十二条の七までを削り、第二十二条の八を第二十二条の十一とし、第四章の次に次の一章を加える。
第四章の二 日本船舶振興会
(目的等)
第二十二条の二 日本船舶振興会(以下本章中「振興会」という。)は、モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の製造に関する事業並びに海難防止に関する事業の振興に寄与し、あわせて海事思想の普及及び観光に関する事業並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に資することを目的とし、国内に一個を限り設立するものとする。
2 振興会は、民法第三十四条の規定により設立される財団法人とする。
(監事)
第二十二条の三 振興会には、監事を置かなければならない。
(役員の解任)
第二十二条の四 運輸大臣は、振興会の役員が左の各号の一に該当するとき、その他振興会の役員たるに適しないと認めるときは、振興会に対し、その役員を解任すべき旨を命ずることができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
(業務)
第二十二条の五 振興会は、第二十二条の二第一項に規定する目的を達成するため、左の業務を行なう。
一 モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の製造に関する事業の振興に必要な資金の融通のため、銀行その他の金融機関に対し、資金の貸付けを行なうこと。
二 モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の製造に関する事業並びに海難防止に関する事業並びにこれらの事業の振興を目的とする事業を補助すること。
三 前二号に掲げるものの外、モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の製造に関する事業並びに海難防止に関する事業の振興を図るため必要な業務
四 海事思想の普及及び観光に関する事業並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業並びにこれらの事業の振興を目的とする事業を補助すること。
五 前号に掲げるものの外、海事思想の普及及び観光に関する事業並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興を図るため必要な業務
六 第十九条の規定による交付金の受入れを行なうこと。
2 振興会は、前項第三号又は第五号に掲げる業務を行なおうとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(業務の方法)
第二十二条の六 振興会は、業務開始の際、業務の方法を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務の方法には、左の事項を定めておかなければならない。
一 資金の貸付けの利率、償還期限及び償還の方法
二 補助の対象とする事業の選定の基準及び補助の方法
三 前二号に掲げるものの外、運輸省令で定める事項
(交付金及び区分経理)
第二十二条の七 振興会は、第十九条の規定による交付金については、左の各号の区分に従い、それぞれ当該各号に掲げる業務に必要な経費に充てるものとする。
一 第十九条第一号の規定による交付金 次号に掲げる業務以外の業務
二 第十九条第二号の規定による交付金 第二十二条の五第一項第四号及び第五号に掲げる業務
2 振興会は、運輸省令の定めるところにより、前項第一号に掲げる業務に関する経理と同項第二号に掲げる業務に関する経理とを区分して整理しなければならない。
(準用規定)
第二十二条の八 第二十一条第三項から第五項までの規定は、振興会について準用する。
(監督)
第二十二条の九 振興会は、運輸大臣が監督する。
2 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、振興会に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(残余財産の処分)
第二十二条の十 振興会が解散した場合の残余財産の処分については、別に法律で定める。
第二十三条の二の見出し中「設置」を「設置等」に改め、同条中「当該競走場の設置」の下に「又は移転」を加える。
第二十五条中「全国モーターボート競走会連合会」の下に「、日本船舶振興会」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(選手の福利厚生に関する措置)
第二十五条の二 運輸大臣は、選手の福利厚生の増進を図り、競走の公正及び安全の確保に資するため、施行者又は全国モーターボート競走会連合会に対し、選手の相互救済を目的とする事業に対する助成その他の措置に関し必要な助言又は勧告をすることができる。
第二十六条中「並びに審判員」を「、審判員並びに検査員」に改める。
第五章中第二十六条の次に次の一条を加える。
(職権の委任)
第二十六条の二 この法律の規定により運輸大臣の権限に属する事項は、運輸省令の定めるところにより、海運局長に行なわせることができる。
第二十七条第一号中「第二条第四項」を「第二条第五項」に改める。
第三十一条を次のように改める。
第三十一条 削除
第三十四条中「若しくは全国モーターボート競走会連合会」を「、全国モーターボート競走会連合会若しくは日本船舶振興会」に改める。
第四十条中「又は全国モーターボート競走会連合会」を「、全国モーターボート競走会連合会又は日本船舶振興会」に改め、同条第一号中「第二十二条の七」を「第二十二条第四項及び第二十二条の八」に、「又は第二十二条の五第三項」を「、第二十二条の五第二項又は第二十二条の六第一項」に改め、同条第二号中「第二十二条の七」を「第二十二条第四項及び第二十二条の八」に改め、同条第三号中「第二十二条の五第二項」を「第二十二条の七第二項」に改め、同条に次の一号を加える。
四 第二十二条の九第二項の規定による運輸大臣の命令に違反したとき。
別表中「全国モーターボート競走会連合会」を「日本船舶振興会」に改め、同表を別表第一とし、同表の次に次の一表を加える。
別表第二
売上金の額 |
日本船舶振興会に交付すべき金額 |
六千万円以上 八千万円未満 |
当該売上金の額と六千万円との差額の千分の六 |
八千万円以上 一億円未満 |
十二万円に、当該売上金の額と八千万円との差額の千分の八を加算した金額 |
一億円以上 二億円未満 |
二十八万円に、当該売上金の額と一億円との差額の千分の十を加算した金額 |
二億円以上 三億円未満 |
百二十八万円に、当該売上金の額と二億円との差額の千分の十二を加算した金額 |
三億円以上 |
二百四十八万円に、当該売上金の額と三億円との差額の千分の十七を加算した金額 |
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第二条から第六条まで及び第十三条の規定は、公布の日から施行する。
(振興会の設立)
第二条 運輸大臣は、設立委員を命じて、日本船舶振興会(以下「振興会」という。)の設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、振興会の寄附行為を作成しなければならない。
3 設立委員は、運輸大臣の認可を受けて、振興会の理事又は監事となるべき者を指名しなければならない。
4 前項の規定により指名された理事又は監事となるべき者は、振興会の成立の時において、改正後の第二十二条の八において準用する第二十一条第三項の規定による認可を受けて理事又は監事に選任されたものとする。
第三条 全国モーターボート競走会連合会は、改正前の第十九条の規定による交付金のうち運輸大臣の定める金額を、振興会の設立のために寄附しなければならない。
2 全国モーターボート競走会連合会は、設立委員の請求により、前項の規定による寄附金を前条第三項の規定により指名された理事となるべき者に交付しなければならない。その寄付金は、振興会の成立の時において振興会に帰属する。
第四条 設立委員は、前条第二項の規定による寄附金の交付があつたときは、遅滞なく、運輸大臣に対して民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の許可を申請しなければならない。
(承継)
第五条 振興会の成立の際現に全国モーターボート競走会連合会に属する改正前の第二十二条の四第三号から第六号までに掲げる業務に係る一切の権利及び義務は、その成立の時において振興会が承継する。
2 振興会は、運輸大臣の定めるところにより、前項の規定により振興会が承継することとなつた権利及び義務の範囲を公示しなければならない。
第六条 昭和三十四年八月二十四日に設立された財団法人日本船舶工業振興会は、その寄附行為で定めるところにより、設立委員に対して、その一切の権利及び義務を振興会において承継すべき旨を申し出ることができる。
2 設立委員は、前項の規定による申出があつた時は、遅滞なく、運輸大臣の認可を申請しなければならない。
3 前項の認可があつたときは、財団法人日本船舶工業振興会の一切の権利及び義務は、振興会の成立の時において振興会に承継されるものとし、財団法人日本船舶工業振興会は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
4 前項の規定により財団法人日本船舶工業振興会が解散したときは、登記官吏は、運輸大臣の嘱託によりその解散の登記をし、当該登記用紙を閉鎖しなければならない。
(寄附金及び承継財産)
第七条 附則第三条第一項の規定による寄附金及び附則第五条又は前条第三項の規定により振興会が承継した財産は、改正後の第二十二条の七第一項の規定の適用については、改正後の第十九条第一号に掲げる交付金とみなす。附則第十二条の規定の適用についても、同様とする。
(経過規定)
第八条 この法律(附則第一条ただし書に規定する部分を除く。以下同じ。)の施行の際現に改正後の第六条第一項に規定する検査員である者は、この法律の施行後六月間は、同項の規定による登録を受けたものとみなす。
第九条 一回の開催がこの法律の施行の日の前後にまたがつている競走の実施並びに当該競走に係る交付金の交付及び受入れについては、なお従前の例による。
第十条 振興会の最初の事業年度の事業計画及び収支予算については、改正後の第二十二条の八において準用する第二十一条第四項中「毎事業年度開始前に」とあるのは、「振興会の成立後遅滞なく」とする。
第十一条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の通用については、なお従前の例による。
(交付金に関する業務の委託)
第十二条 振興会は、当分の間、運輸大臣の認可を受けて、改正後の第十九条の規定による交付金の運用に関する業務の一部を商工組合中央金庫に委託することができる。
2 振興会が前項の規定により運輸大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたときは、その行為をした役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
3 商工組合中央金庫は、当分の間、商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)第三十条の規定にかかわらず、振興会の委託を受けて、改正後の第十九条の規定による交付金の運用に関する業務を行なうことができる。
(モーターボート競走法の一部を改正する法律の一部改正)
第十三条 モーターボート競走法の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百七十号)の一部を次のように改正する。
附則第十一項を削り、附則第十二項を附則第十一項とする。
(法務・大蔵・通商産業・運輸・自治・内閣総理大臣署名)