水資源開発公団法の一部を改正する法律

法律第七十一号(昭三七・四・四)

 水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。

 第三条の次に次の一条を加える。

 (資本金)

第三条の二 公団の資本金は、三億円とし、政府がその全額を出資する。

2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公団に追加して出資することができる。

3 公団は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増額するものとする。

 第二十条の次に次の一条を加える。

 (事業の承継等)

第二十条の二 建設大臣が河川法(明治二十九年法律第七十一号)にいう河川に関する工事として行なつている事業又は国が土地改良事業として行なつている事業のうち、第十九条第一項の事業実施方針で定められた公団の業務に相当する部分(以下この条及び第三十条において「国の水資源開発事業」という。)は、当該業務について次項の規定による公示があった日の翌日から、公団がその業務として行なうものとする。都道府県が土地改良事業として行なつている事業のうち、当該都道府県から主務大臣に対し公団において行なうべき旨の申出があり、かつ、第十九条第一項の事業実施方針で定められた公団の業務に相当する部分(以下この条において「都道府県の水資源開発事業」という。)についても、同様とする。

2 主務大臣は、国の水資源開発事業又は都道府県の水資源開発事業に係る公団の業務について前条第一項の規定による事業実施計画の認可をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

3 第一項の規定により公団が国の水資源開発事業をその業務として行なうこととなつた時において当該国の水資源開発事業に関し国が有する権利及び義務(当該国の水資源開発事業に関する特定土地改良工事特別会計の資金運用部特別会計からの負債を含み、政令で定める権利又は義務を除く。)は、その時において公団が承継する。

4 第一項の規定により公団が国の水資源開発事業をその業務として行なうこととなる場合において、建設大臣が当該国の水資源開発事業と密接な関連を有する工事(以下この条において「関連工事」という。)で発電に係るものを行なつているとき、又は国が委託に基づき関連工事を行なつているときは、公団が当該国の水資源開発事業をその業務として行なうこととなつた時において当該関連工事に関し国が有する権利及び義務(政令で定める権利又は義務を除く。)は、その時において公団が承継する。ただし、当該関連工事が委託に基づくものである場合において、国がその委託をしている者の同意を得ることができなかつたときは、この限りでない。

5 前項の規定により公団が国の有する権利及び義務を承継する場合において、公団が当該関連工事に係る業務を行なうについては、第十八条第二項ただし書の規定は、適用しない。

6 第一項の規定により公団が都道府県の水資源開発事業をその業務として行なうこととなつた時において当該都道府県の水資源開発事業に関し当該都道府県が有する権利及び義務の公団への承継については、当該都道府県と公団とが協議して定めるものとする。

7 第一項の規定により公団がその業務として行なうこととなつた国の水資源開発事業が土地改良事業に係るものであるときは、公団は、政令で定めるところにより、第二十九条、第三十条又は第三十一条の規定による負担金の額のうち、当該国の水資源開発事業を行なうにつき国が要した費用の一部に相当する金額を国庫に納付しなければならない。

 第二十三条第一項中「(明治二十九年法律第七十一号)」を削る。

 第三十条中「費用」の下に「(その業務が第二十条の二第一項の規定により公団が行なうこととなつた国の水資源開発事業に係るものであるときは、当該国の水資源開発事業を行なうにつき国が要した費用を含む。)」を加える。

 第四十一条中「債券」を「公団の長期借入金又は債券」に改める。


   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (地方税法の一部改正)

2 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十三条の四第一項第一号中「原子燃料公社」の下に「、水資源開発公団」を加える。

  第三百四十八条第二項第二号中「日本電信電話公社」の下に「、水資源開発公団」を加える。

 (治水特別会計法の一部改正)

3 治水特別会計法(昭和三十五年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

  附則第十七項を附則第二十四項とし、附則第十四項から附則第十六項までを七項ずつ繰り下げ、附則第十三項の次に次の七項を加える。

 14 昭和三十七年度に限り、第四条及び第五条の規定にかかわらず、次項の規定による一般会計からの繰入金並びに第四条第一項第三号に掲げる負担金及び納付金は、この会計の特定多目的ダム建設工事勘定の歳入とし、同条第二項第四号に掲げる交付金は、同勘定の歳出とする。

 15 昭和三十七年度に限り、第一条第二項第五号に規定する事業に係る交付金で国庫が負担するものの額に相当する金額は、第七条第一項の規定にかかわらず、一般会計から、工事別等の区分に従つて、特定多目的ダム建設工事勘定に繰り入れるものとする。この場合においては、同条第三項の規定を準用する。

 16 特定多目的ダム建設工事勘定の昭和三十七年度の歳出予算における第一条第二項第五号に規定する事業に係る交付金の経費の金額のうち財政法第十四条の三第一項の規定により翌年度に繰り越して使用することができるものがあるときは、その使用は、治水勘定において行なうことができる。

 17 水資源開発公団法第二十条の二第一項の規定により水資源開発公団がその業務として行なうこととなつた事業(これと密接な関連を有する工事を含む。)で建設大臣が行なつていたものに関する特定多目的ダム建設工事勘定に属する資産及び負債のうち、同条第三項及び第四項の規定により水資源開発公団が承継した権利及び義務以外のものは、政令で定めるところにより、治水勘定に帰属するものとする。

 18 前項の規定により治水勘定に帰属した地方債証券又は借入金の償還金及び利子は、同勘定の歳入又は歳出とする。

 19 附則第八項の規定は、附則第十七項の規定により治水勘定に帰属した地方債証券の償還金及び利子について準用する。この場合において、附則第八項中「同項に規定する借入金」とあるのは「附則第十八項に規定する借入金」と、「多目的ダム建設工事に関する費用」とあるのは「直轄治水事業に関する費用」と読み替えるものとする。

 20 附則第九項及び第十項の規定は、附則第十八項に規定する借入金の償還について準用する。この場合において、附則第十項中「工事別等の区分に従つて、特定多目的ダム建設工事勘定から」とあるのは、「治水勘定から」と読み替えるものとする。

(内閣総理・大蔵・農林・建設・自治大臣署名) 

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