証券取引法の一部を改正する法律

法律第百四十二号(昭二八・八・一)

 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項第七号中「投資信託」を「証券投資信託又は貸付信託」に改め、同条第七項中「同条第三項」を「同条第二項」に改め、同条第九項中「できることとなつた者」を「できることとなつた株式会社」に改め、同条第十一項中「目的とする者」を「目的としてこの法律に基いて設立された者」に改める。

 第三条第一項中「及び第五号」を「、第五号及び第七号」に改める。

 第四条第三項中「第一項の規定の適用を除外される」を「前項但書の規定により同項の規定を適用されないこととなる」に、「同項の規定の適用を除外されている」を「同項の規定を適用されない」に改め、「大蔵省令で定める様式により、」を削り、同条第四項中「第一項の規定の適用を除外される」を「第一項但書の規定により同項の規定を適用されないこととなる」に改め、同条第二項を削り、同条第一項に次の但書を加える。

  但し、募集又は売出券面額(当該有価証券のうちに無額面株式があるときは、当該株式については、その発行価額。以下同じ。)の総額が五千万円以下の有価証券で大蔵省令で定めるものの募集又は売出については、この限りでない。

 第五条及び第六条を次のように改める。

第五条 前条第一項の規定による届出をしようとする発行者は、その者が会社である場合(当該有価証券の発行により会社を設立する場合を含む。)においては、大蔵省令で定めるところにより、当該会社の目的、商号及び資本又は出資に関する事項、当該会社の営業及び経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項、当該会社の役員(取締役、監査役又はこれに準ずべき者をいう。以下同じ。)又は発起人に関する事項、当該有価証券に関する事項その他の事項で大蔵大臣が公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めて大蔵省令で定めるものを記載した届出書三通を大蔵大臣に提出しなければならない。

  前項の届出書には、定款、目論見書その他の書類で大蔵大臣が公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めて大蔵省令で定めるものを添附しなければならない。

第六条 第四条第一項の規定による届出がその効力を生じた有価証券の発行者は、その者が同項の規定による届出をする前に発行した有価証券が証券取引所に上場されている場合においては、その届出が効力を生じた後遅滞なく、前条第一項及び第二項の規定による届出書類(届出がその効力を生ずることとなる日前に第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定により提出される訂正届出書を含む。)の写を、当該証券取引所に提出しなければならない。

 第七条第一項中「第三項」を「第二項」に改め、同条第二項を削る。

 第八条第三項及び第九条第一項中「第三項」を「第二項」に改める。

 第十一条を削り、第十二条を第十一条とし、同条の次に次の一条を加える。

第十二条 第六条の規定は、第四条第一項の規定による届出がその効力を生じた日以後に第十条第一項の規定により訂正届出書が提出された場合及び前条の規定により訂正届出書がその訂正の効力を生じた場合に、これを準用する。

 第十三条第二項中「有価証券届出書のうち第五条第一項に掲げる事項について」を「第五条第一項に規定する届出書に」改め、同条第三項中「事項」を「内容」に改める。

 第十四条第一項中「一年以内」を「六箇月以内」に改める。

 第十五条第一項中「取得させ若しくはその取得の申込をし、又は売付若しくは売付後の受渡のためにこれを交付し」を「取得させ又は売り付け」に改め、同項に次の但書を加える。

  但し、第四条第一項但書の規定により同項の規定を適用されないこととなる有価証券については、この限りでない。

 第十五条第二項中「取得させ、又は売付のためにこれを交付し」を「取得させ又は売り付け」に改め、同項に次の但書を加える。

  但し、証券業者が他の証券業者に取得させ又は売り付ける場合には、この限りでない。

 第十五条第三項第四号中「なす場合」を「当該顧客に取得させ又は売り付ける場合」に改める。

 第十六条中「第四条第一項又は」を削る。

 第十八条第一項各号列記以外の部分中「左の各号に掲げる者」を「当該有価証券届出書の届出者」に改め、「連帯して」を削り、同項各号を削る。

 第十九条を次のように改める。

第十九条 削除

 第二十条第二項中「第十八条第一項の規定により賠償の責に任ずべき者」を「有価証券届出書の届出者」に、有価証券届出書のうちその者が責に任ずべき部分について」を「有価証券届出書に」に改める。

 第二十二条を次のように改める。

第二十二条 削除

 第二十四条第一項を次のように改める。

  第四条第一項の規定による届出がその効力を生じた有価証券の発行者は、その者が会社である場合においては、大蔵省令で定めるところにより、事業年度ごとに、当該会社の目的、商号及び資本又は出資に関する事項、当該会社の営業及び経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項、当該会社の役員に関する事項、当該有価証券に関する事項その他の事項で大蔵大臣が公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めて大蔵省令で定めるものを記載した報告書三通を、毎事業年度経過後三箇月以内に大蔵大臣に提出するとともに、当該有価証券が証券取引所に上場されている場合には、その写を当該証券取引所に提出しなければならない。

 第二十四条第二項の次に次の一項を加える。

  有価証券の発行者が前項において準用する第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定により第一項の報告書について訂正報告書を提出した場合において、当該有価証券が証券取引所に上場されているときは、当該発行者は、その提出後遅滞なく、当該訂正報告書の写を当該証券取引所に提出しなければならない。

 第二十五条第二項中「前項」を「前三項」に改め、同条第三項を次のように改める。

  前項の承認を受けた有価証券の発行者が第六条(第十二条において準用する場合を含む。)の規定により届出書類の写又は前条の規定により報告書若しくは訂正報告書の写を証券取引所に提出する場合には、前項の規定により公衆の縦覧に供しないこととされた部分は、これを当該書類から削除して提出することができる。

  第一項但書の規定は、第二項及び第三項に規定する有価証券届出書、届出書類、報告書及び訂正報告書の写について、これを準用する。

 第二十五条第一項中「及び前条の規定による報告書」を「並びに前条に規定する報告書及び訂正報告書」に改め、同項に次の但書を加える。

  但し、有価証券届出書についてはこれに係る届出がその効力を生じた日から五年(第十条第一項の規定による停止命令があつた場合においては、当該停止命令があつた日からその解除があつた日までの期間は、これを算入しない。)、報告書及び訂正報告書については当該書類を大蔵大臣が受理した日から五年を経過した場合においては、この限りでない。

 第二十五条第一項の次に次の二項を加える。

  有価証券の発行者は、有価証券届出書の写並びに前条に規定する報告書及び訂正報告書の写を、大蔵省令で定めるところにより、当該発行者の本店及び主要な支店に備え置き、これを公衆の縦覧に供しなければならない。

  証券取引所は、第六条(第十二条において準用する場合を含む。)の規定により提出された届出書類の写並びに前条の規定により提出された報告書及び訂正報告書の写を、大蔵省令で定めるところにより、当該証券取引所に備え置き、これを公衆の縦覧に供しなければならない。

 第二十七条中「第五条乃至第十四条、第十八条乃至第二十三条及び前二条」を「第五条乃至第十二条、第十八条、第二十条、第二十一条及び第二十四条」に改める。

 第二十八条第一項中「登録された者」を「登録された株式会社」に改め、同条第二項第三号及び第四号を次のように改める。

 三 資本の額及び役員の氏名

 第二十八条第三項及び第四項を次のように改める。

  前項の登録申請書には、定款、会社登記簿の謄本その他の書類で大蔵省令で定めるものを添附しなければならない。

 第二十九条中「第三十一条」の下に「第一項」を加え、同条第三号を次のように改める。

 三 資本の額及び役員の氏名

 第二十九条第四号を削り、同条第五号を同条第四号とする。

 第三十条の二中「第四項」を「第二項」に改める。

 第三十一条各号を次のように改める。

 一 株式会社でない者

 二 資本の額が公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認められる金額で政令で定めるものに満たない会社

 三 資産の合計金額から負債の合計金額を控除した金額が前号の規定による資本の額の百分の九十に相当する額に満たない会社

 四 商号のうちに証券という文字を使用しない会社

 五 他の証券業者が現に使用する商号と同一の商号又は他の証券業者の営業と誤認される虞のある商号を使用しようとする会社

 六 第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項又は第五十九条の規定により登録を取り消され、取消の日から五年を経過するまでの会社

 七 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終つた後又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの会社

 八 第百八十七条の規定による裁判所の命令を受けた後一年を経過するまでの会社

 九 取締役(相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、会社に対し取締役と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下本条中同じ。)又は監査役のうちに左のイ乃至ホの一に該当する者のある会社

  イ 破産者で復権を得ないもの

  ロ 禁こ以上の刑又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終つた後又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの者

  ハ 証券業者が第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項又は第五十九条の規定により登録を取り消された場合において、当該処分のあつた日以前三十日内に当該会社の取締役であつた者で当該会社がその取消処分を受けた日から五年を経過するまでのもの

  ニ 第五十九条の規定により解任を命ぜられた役員でその処分を受けた日から五年を経過するまでのもの

  ホ 第百八十七条の規定による裁判所の命令を受けた後一年を経過するまでの者

 第三十一条に次の一項を加える。

  前項第三号の資産の合計金額及び負債の合計金額は、政令で定めるところにより計算しなければならない。

 第三十二条第一項中「遅滞なく」を「大蔵省令で定めるところにより、遅滞なく」に改め、同条第四項中「前条」を「前条第一項」に、「第一項の規定」を「前項の規定」に改め、同条第二項及び第三項を削る。

 第三十三条第二項に後段として次のように加える。

  この場合において、同条第五項中「その登録」とあるのは、「当該営業所の登録」と読み替えるものとする。

 第三十六条中「第三十一条」の下に「第一項」を加え、「第四項」を「第二項」に改める。

 第三十七条中「証券業者は、」の下に「第二十九条(第三十二条第二項において準用する場合を含む。以下第三十八条及び第三十九条において同じ。)の規定により登録を受けた各営業所又は代理店において」を加える。

 第三十八条中「三箇月以内に」の下に「第二十九条の規定による登録を受けた各営業所若しくは代理店において」を、「三箇月以上」の下に「当該営業所若しくは代理店において」を加え、「その登録」を「その営業を開始せず、又は休止した営業所又は代理店の登録(当該営業所が本店である場合には、当該証券業者の登録)」に改める。

 第三十九条第一項中「第三十一条第一号、第二号又は第三号の二乃至第十号」を「第三十一条第一項第一号、第二号又は第四号乃至第九号」に、「同条各号」を「同項各号」に改め、同条第二項中「その登録」を「その不正の手段により登録を受けた営業所又は代理店の登録(当該営業所が本店である場合には、当該証券業者の登録)」に改める。

 第四十条第一項中「命じなければならない。」を「命ずることができる。」に改め、同条第二項中「前項の場合において」を「大蔵大臣は、前項の規定により営業の停止を命じた場合において」に改め、「大蔵大臣は、」を削り、同条第三項中「第一項の場合において」を「大蔵大臣は、第一項の規定により営業の停止を命じた場合において」に改め、「大蔵大臣は、」を削る。

 第四十一条第二項中「、特別の法律により法人の発行する債券又は社債券」を「又は特別の法律により法人の発行する債券若しくは社債券で大蔵省令で定めるもの」に改める。

 第四十八条中「様式により」を「ところにより」に改める。

 第四十九条及び第五十条を次のように改める。

第四十九条 証券業者が顧客に信用を供与して行う有価証券の売買その他の取引その他の大蔵省令で定める取引については、当該証券業者は、大蔵省令で定めるところにより、当該顧客から当該取引に係る有価証券の時価に大蔵大臣が百分の三十を下らない範囲において定める率を乗じた額を下らない額の金銭の預託を受けなければならない。

  前項の金銭は、大蔵省令で定めるところにより、有価証券を以て充てることができる。

第五十条 削除

 第五十一条中第一項を次のように改める。

  証券業者は、顧客から預託を受けた有価証券又はその計算において自己が占有する有価証券をその他の者の有価証券と混同して担保に供する場合又は他人に貸し付ける場合には、当該顧客から書面による同意を受けなければならない。

 第五十一条第三項を削る。

 第五十四条第一項第五号中「第一号、第二号又は第三号の二乃至第六号」を「第一項第七号乃至第九号」に改め、同項第五号の二を削り、同項第五号の三を同項第五号の二とし、同条第二項中「又は社員の同意があつたことを知るに足る書面」を削る。

 第五十五条の二中「借入をなし」を「金銭若しくは有価証券の借入をなし若しくは過当な数量の有価証券の借入をなし若しくは預託を受け」に改め、「ならない旨」の下に「、あらたな有価証券の借入をなし若しくは預託(顧客が有価証券の売買の委託に際しこれについてなす有価証券の預託を除く。)を受けてはならない旨、顧客から借り入れ若しくは預託を受けている有価証券の全部若しくは一部を返還すべき旨」を加える。

 第五十六条第一項第二号を次のように改める。

 二 住所及び所属する営業所名

 第五十九条中「その登録」を「その証券業者の登録若しくは支店その他の営業所若しくは代理店の登録」に改め、「その営業」を「その営業の全部若しくは一部」に改める。

 第六十二条第一号中「業務を執行する役員」を「取締役」に改め、同条第三号及び第四号を次のように改める。

 三 証券業を廃止した場合においては、取締役

 第六十九条第一項第二号中「第一号乃至第五号」を「第一項第九号イ乃至ホ」に改める。

 第七十三条を次のように改める。

第七十三条 削除

 第八十条に次の二項を加える。

  証券取引所は、その名称のうちに証券取引所という文字を用いなければならない。

  証券取引所でない者は、その名称のうちに証券取引所であると誤認される虞のある文字を用いてはならない。

 第八十一条第二項中「大蔵省に備える証券取引所登録原簿に登録」を「大蔵大臣の免許」に改める。

 第八十二条第一項中「前条第二項の登録」を「前条第二項の免許」に、「登録申請書」を「免許申請書」に改め、同条第二項各号列記以外の部分中「登録申請書」を「免許申請書」に、「左に掲げる書類」を「定款、業務規程、受託契約準則その他大蔵省令で定める書類」に改め、同項各号を削る。

 第八十三条から第八十五条までを次のように改める。

第八十三条 大蔵大臣は、前条第一項の規定による免許の申請があつた場合においては、その申請が左の各号に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 定款、業務規程又は受託契約準則の規定が法令に適合し、且つ、有価証券市場における売買取引の公正を確保し、及び投資者を保護するために十分であること

 二 当該申請に係る証券取引所がこの法律の規定に適合するように組織されるものであること

 三 当該証券取引所の設立される地方における証券業者の数、有価証券の取引の状況、その地方に本店、支店その他の事務所又は事業所を有する会社でその発行する有価証券が当該証券取引所における上場を予定されるものの数その他その地方における経済の状況に照らし、当該証券取引所を設立することが公益又は投資者保護のため必要且つ適当であること

  大蔵大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、左の各号の一に該当する場合を除いて、設立の免許を与えなければならない。

 一 免許申請者がこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終つた後又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの会社であるとき

 二 免許申請者が第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項又は第五十九条の規定により登録を取り消され、取消の日から五年を経過するまでの会社であるとき

 三 役員のうちに第三十一条第一項第九号イ乃至ホの一に該当する者のあるとき

 四 免許申請書又はその添附書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があるとき

第八十四条 大蔵大臣は、第八十二条第一項の規定による免許の申請があつた場合において、その免許を与えることが適当でないと認めるときは、免許申請者に通知して、当該職員をして審問を行わせなければならない。

  大蔵大臣が、第八十一条第二項の規定による免許を与えることとし、又はこれを与えないこととした場合においては、遅滞なくその旨を書面を以て免許申請者に通知しなければならない。この場合において、免許を与えない旨の通知には、その理由を示さなければならない。

第八十五条 大蔵大臣は、証券取引所がその設立の免許を受けた当時第八十三条第二項各号の一に該当していたことを発見したときは、当該証券取引所に通知して当該職員をして審問を行わせた後、その免許を取り消すことができる。

第八十五条の二 証券取引所は、定款、業務規程又は受託契約準則を変更しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

  証券取引所は、第八十二条第一項第二号又は第三号に掲げる事項について変更があつたときは、遅滞なくその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 第八十六条に第一項として次のように加える。

  証券取引所は、営利の目的を以て業務を営んではならない。

 第八十八条第二項を削る。

 第九十五条第二号中「死亡又は」を削る。

 第九十七条第二項中「地方債証券又は」の下に「特別の法律により法人の発行する債券若しくは」を加え、同条第三項中「政令で」を「証券取引所が大蔵大臣の承認を受けて」に改める。

 第百条第三項中「第三十一条第一号乃至第五号の規定」を「第三十一条第一項第九号イ乃至ホの一」に改め、同条第二項を次のように改める。

  理事及び監事は、第三項の規定により選任される理事を除き、定款の定めるところにより、会員が、これを選挙し、理事長は、定款の定めるところにより、理事(同項の規定により選任される理事を除く。)が、これを選挙する。

  理事長は、定款に特別の定がある場合には、理事の過半数の同意を得て、定款で定める数の理事を選任する。

 第百二条第一項中「第三十一条第一号乃至第五号」を「第三十一条第一項第九号イ乃至ホ」に改める。

 第百三条中「役員が法令」の下に「、定款」を加え、「命じなければならない。」を「命ずることができる。」に改める。

 第百五条第三号中「大蔵省令で定めるところによる信託会社」を「信託会社又は信託業務を営む銀行」に改める。

 第百八条第二項を削る。

 第百十条から第百十六条までを次のように改める。

第百十条 証券取引所は、第百十一条の規定による命令に基き上場する場合を除く外、有価証券を売買取引のため上場しようとするときは、当該有価証券の上場について、大蔵大臣の承認を受けなければならない。

第百十一条 大蔵大臣は、証券取引所に上場されている株式の発行者があらたに発行する株式を、当該証券取引所に上場することが公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めるときは、当該証券取引所に対し、その株式を売買取引のため上場すべきことを命ずることができる。

第百十二条 証券取引所は、有価証券の上場を廃止しようとするときは、当該有価証券の上場の廃止について、大蔵大臣の承認を受けなければならない。

第百十三条 証券取引所に上場されている有価証券の発行者は、予め大蔵大臣の承認を受けた場合においては、当該有価証券の上場の廃止を当該証券取引所に請求することができる。この場合においては、証券取引所は、直ちにその上場を廃止しなければならない。

第百十四条乃至第百十六条 削除

 第百十八条を次のように改める。

第百十八条 証券取引所に上場されている有価証券の発行者(第二十四条の規定により報告書を大蔵大臣に提出する者を除く。)は、大蔵省令で定めるところにより、事業年度ごとに、当該発行者の目的、商号及び資本又は出資に関する事項、当該発行者の営業及び経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項、当該発行者の役員に関する事項、当該有価証券に関する事項その他の事項で大蔵大臣が公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めて大蔵省令で定めるものを記載した報告書を作成し、毎事業年度経過後三箇月以内に、これを当該証券取引所に提出しなければならない。

  第七条、第二十五条第三項及び同条第六項において準用する同条第一項但書の規定は、前項の規定による報告書について、これを準用する。

 第百十九条中「証券取引所が第百十二条第三項の規定による登録をした」を「証券取引所に上場されている」に改める。

 第百二十九条第二項中「六箇月以下」を「六箇月以内の期間を定めて」に改める。

 第百三十条第三項を削る。

 第百三十二条を次のように改める。

第百三十二条 削除

 第百三十四条第一項第五号中「登録」を「設立の免許」に改め、同条第二項を次のように改める。

  証券取引所の解散に関する総会の決議は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 第百三十八条第一項中「第八十三条第二項」を「第八十四条第二項」に改め、同条第二項第四号を次のように改める。

 四 大蔵大臣の設立免許の年月日

 第百四十九条第三項中「登録」を「設立の免許」に改める。

 第百五十五条第一号中「法令若しくは」を「法令、定款若しくは」に、「又は当該証券取引所の定款」を「若しくは証券取引所の定款、業務規程若しくは受託契約準則(以下本号中定款等と総称する。)」に、「法令又は定款」を「法令又は定款等」に、「登録」を「設立の免許」に、「又は一年以内」を「若しくは一年以内」に改め、「一部の禁止」の下に「を命じ若しくはその役員の解任を命じ、又は定款に定める必要な措置をなすこと」を加え、同条第二号中「業務の全部」の下に「若しくは一部」を加える。

 第百六十六条第一項中「九人」を「十三人」に改める。

 第百八十五条第一項中「(第二十七条において準用する場合を含む。)、第五十条第二項」を削る。

 第百八十六条中「、日当」を削る。

 第百八十八条を次のように改める。

第百八十八条 削除

 第百八十九条第一項中「主要株主」の下に「(自己又は他人(仮設人を含む。)の名義を以て発行済株式の総数又は出資の総額の百分の十以上の株式又は出資を有している株主又は出資者をいう。以下同じ。)」を加える。

 第百九十三条の二第三項の次に次の一項を加える。

  大蔵大臣は、公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めるときは、第一項の監査証明を行つた公認会計士に対し、参考となるべき報告又は資料の提出を命ずることができる。

 第百九十七条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第三号を削り、同条第四号を同条第三号とする。

 第百九十八条中「三万円」を「十万円」に改める。

 第百九十九条中「取引所」を「証券取引所」に、「三万円」を「十万円」に改め、同条中第二号を第三号とし、第三号を第四号とし、第一号の次に次の一号を加える。

 二 第八十六条第一項の規定に違反したとき

 第二百条中「一万五千円」を「五万円」に改め「、同条第四号中「第六十六条」を「第六十六条、第八十条第四項」に改める。

 第二百一条中「三万円」を「十万円」に改める。

 第二百三条第三項中「十万円」を「三十万円」に改める。

 第二百四条中「又は第百七十六条」を削り、「三万円」を「十万円」に改める。

 第二百五条中「一万円」を「三万円」に改め、同条第一号中「第十三条第五項」を「第四条第三項、第十三条第五項」に改め、「(第二十七条において準用する場合を含む。)」を削り、「第三十条第四項」を「第二十五条第二項若しくは第三項(第百十八条第二項において準用する場合を含む。)、第三十条第四項」に改め、同条第二号を次のように改める。

 二 第六条(第十二条において準用する場合を含む。)の規定による届出書類の写を提出せず、又は虚偽の記載をした届出書類の写を提出した者

 二の二 第二十四条第一項若しくは第二項若しくは第百十八条の規定による報告書若しくは訂正報告書若しくは第二十四条第一項若しくは第三項の規定による報告書若しくは訂正報告書の写を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書、訂正報告書若しくはこれらの写を提出した者

 第二百五条第三号中「(第二十七条において準用する場合を含む。)又は第五十五条」を「、第五十五条又は第百九十三条の二第四項」に改め、同条第四号中「若しくは添附書類」を削り、同条第五号中「第五十条第二項、」を削り、同条第七号中「又は第百三十二条」及び「若しくは発送」を削り、同号の次に次の一号を加える。

 七の二 第五十三条第一項の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者

 第二百五条第八号中「第五十三条第二項」の下に「又は第五十五条の二」を加え、同条第十一号及び第十二号を次のように改める。

 十一 削除

 十二 削除

 第二百五条第十五号中「(第二十七条において準用する場合を含む。)、第五十条第二項」を削る。

 第二百六条中「取引所」を「証券取引所」に、「一万円」を「三万円」に改め、同条第一号から第三号までを次のように改める。

 一 第八十五条の二第一項、第百五条又は第百十三条後段の規定に違反したとき

 二 第八十五条の二第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき

 三 削除

 第二百六条第四号中「又は第百十三条第一項」を削り、同条第五号を次のように改める。

 五 第百十一条の規定による命令に違反したとき

 第二百六条第六号中「第百十四条第一項」を「第百十二条」に改める。

 第二百八条中「五千円」を「一万円」に改め、同条第一号中「第四条第三項」を「第四条第二項」に改め、同条第八号から第十号までを次のように改める。

 八乃至十 削除

 第二百九条中「三千円」を「五千円」に改める。

 第二百十条中「千円」を「三千円」に改める。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 この法律施行の際現に証券業者である会社(株式会社を除く。)に対する改正後の証券取引法(以下「新法」という。)の適用については、この法律施行の日から一年を限り、新法第二条第九項、第二十八条第一項及び第三十一条第一項第一号中「株式会社」とあるのは「会社」と、新法第三十一条第一項第九号中「取締役(相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、会社に対し取締役と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下本条中同じ。)又は監査役」とあるのは「役員」と、新法第五十四条第二項中「総会の議事録の謄本」とあるのは「社員の同意があつたことを知るに足る書面」と、新法第六十二条第一号及び第三号中「取締役」とあるのは「会社の業務執行社員」とする。

3 改正前の証券取引法(以下「旧法」という。)第二条第九項に規定する証券業者(株式会社であるものを除く。)は、新法第三十一条第一項第九号ハの規定の適用については、同号ハの証券業者とみなす。この場合において、同号ハの規定中「取締役」とあるのは、「業務執行社員」とする。

4 この法律施行の際旧法第八十一条第二項の規定による登録がされている証券取引所は、新法第八十一条第二項の規定による大蔵大臣の免許を受けて設立された証券取引所とみなす。

5 この法律施行の際旧法第百十条又は第百十三条の規定により証券取引所に上場されている有価証券は、この法律施行の日から一月を限り、新法第百十条の規定による大蔵大臣の承認を受けて上場されている有価証券とみなす。

6 新法第百六十六条第一項の規定により新たに任命される委員の任期は、新法第百六十七条の規定にかかわらず、昭和二十九年八月十五日までとする。

7 担保附社債券及び法令により優先弁済を受ける権利を保証されている社債券(転換社債券を除く。)の募集又は売出は、新法第四条第一項の規定にかかわらず、当分の間、同項の規定による届出をしないで、することができる。この場合において、これらの社債券は、新法第十五条第一項但書に規定する有価証券とみなす。

8 この法律施行の際旧法第四条第一項の規定による届出が効力を生じている有価証券のうち、その募集又は売出が新法第四条第一項但書の規定に基いて同項の規定を適用されないこととなるものについては、その有価証券の発行者は、この法律施行後は、新法第二十四条の規定による報告書を提出することを要しない。

9 附則第七項に規定する社債券のうち、この法律施行の際旧法第四条第一項の規定による届出が効力を生じているものの発行者は、この法律施行後は、前項の規定による場合の外、当該届出が効力を生じたため提出すべき新法第二十四条の規定による報告書は、提出することを要しない。

10 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

11 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第四条第四十七号及び第十条第二十号中「を登録し」を「の設立を免許し」に改める。

(法務・大蔵・内閣総理大臣署名) 

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