日本輸出入銀行法の一部を改正する法律
法律第百三十四号(昭二八・八・一)
日本輸出入銀行法(昭和二十五年法律第二百六十八号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一項第一号中「本邦で生産されたもの」の下に「並びに本邦で生産されたその他の製品でその輸出が本邦の輸出市場の開拓若しくは確保又は本邦の輸入市場の国際収支上より有利な地域への転換に著しく寄与すると認められるもの」を加え、同項第四号中「本邦からの輸出の振興を図るために」を「国民経済の健全な発展のために」に改め、同項第六号を同項第八号とし、同項第五号を次のように改める。
五 本邦からの輸出及びこれに伴つてなされる本邦法人若しくは本邦人からの技術の提供を促進し、又は本邦の輸入市場の国際収支上より有利な地域への転換を促進するため、本邦輸出入業者、本邦製造業者その他の本邦法人又は本邦人に対して、外国為替の管理に関する法令の規定に従い外国法人に出資し、若しくはその株式を取得し、又は外国法人に設備等を貸し付けるため必要な資金を貸し付けること。
六 本邦からの輸出及びこれに伴つてなされる本邦法人若しくは本邦人からの技術の提供を促進し、又は本邦の輸入市場の国際収支上より有利な地域への転換を促進するため、本邦製造業者その他の本邦法人又は本邦人に対して、外国において行う生産事業に要する設備を新設又は拡充するため必要な資金を貸し付けること。
七 第一号及び第四号から前号までの規定により資金の貸付を受けることができる者に対し当該資金に係る債務を保証すること。
第十八条第二項及び第三項を削る。
第十八条の二中「前条第一項第五号」を「第十八条第七号」に改め、同条を第十八条の三とし、第十八条の次に次の一条を加える。
第十八条の二 日本輸出入銀行が資金の貸付、手形の割引又は債務の保証を行うことができる場合は、第二項から第六項までの規定に該当し、且つ、銀行が通常の条件により資金の供給を行うことが困難な場合であつて、当該貸付に係る資金の償還、当該割引に係る手形の支払又は当該保証に係る債務の履行が確実であると認められる場合とする。
2 前条第一号から第三号までの規定による資金の貸付若しくは手形の割引又は同条第一号の規定により資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、本邦からの設備等の輸出若しくは輸入(これに伴つてなされる技術の提供又は受入を含む。)の契約が締結され、又はその締結が確実になつた場合であつて、当該契約に基く債務の履行が確実であると認められるときに限り、行うことができる。
3 前条第一号の規定による資金の貸付、同条第二号の規定による手形の割引又は当該資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、左に掲げる場合には、前項の規定にかかわらず、行うことができる。
一 当該資金の貸付、手形の割引又は債務の保証が本邦からの設備等の輸出及びこれに伴つてなされる技術の提供を促進するため特に緊要であり、且つ、その輸出に係る設備等の売さばきの見込が確実であると認められる場合
二 当該資金の貸付、手形の割引又は債務の保証が本邦からの設備等の輸出(これに伴つてなされる技術の提供を含む。)の契約が競争入札の方法によりなされる場合における入札保証金に充てるため必要な資金について行うものであつて、且つ、当該契約が締結された場合におけるその契約に基く債務の履行が確実であると認められる場合
4 前条第四号の規定による資金の貸付若しくは手形の割引又は当該資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、物資等の輸入契約が締結され、又はその締結が確実になつた場合で当該契約に基く債務の履行が確実であると認められるときであつて、且つ、左の各号のいずれにも該当するときに限り、行うことができる。
一 物資等の輸入契約に基きその対価の一部の前払が行われる場合であつて、当該前払に係る資金が、その前払を受ける者によつて、当該輸入契約に基く物資等の本邦への輸出を行うために必要な資源の開発その他事業の拡充に充てられるとき、又は当該前払をしなければ当該輸入契約に基く物資等の本邦への輸出が著しく困難であると認められるとき。但し、当該前払を受ける者の信用状態が良好であり、且つ、当該前払に関する債務の履行が確実であると認められる場合に限る。
二 物資等の輸入が、思惑、投機、買だめその他不健全な目的のために行われるものでないと認められる場合
5 前条第五号の規定による資金の貸付又は当該資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、外国法人への出資若しくはその株式の取得若しくは外国法人への設備等の貸付に関する契約が締結され、又はその締結が確実になつた場合であつて、当該出資、株式の取得又は設備等の貸付に因り同条第五号に規定する貸付の目的が確実に達成されると認められるときに限り、行うことができる。
6 前条第六号の規定による資金の貸付又は当該資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、外国における設備の新設又は拡充に因り同条第六号に規定する貸付の目的が確実に達成されると認められる場合に限り、行うことができる。
7 前条第一号但書及び第四号但書の規定は、銀行が日本輸出入銀行とともに資金の貸付をすることが著しく困難であり、且つ、日本輸出入銀行による資金の貸付が当該各号に規定する貸付の目的を達するため特に緊要であると認められる場合には、適用しない。
第十九条第一項中「第一項第一号から第五号まで」を「第一号から第七号まで」に改める。
第二十条及び第二十一条を次のように改める。
(貸付金の償還期限、割引に係る手形の支払期限及び保証に係る債務の履行期限)
第二十条 第十八条第一号、第三号若しくは第四号の規定による資金の貸付又は当該資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、その貸付金の償還期限又はその保証に係る債務の履行期限が六月をこえ五年以内である場合に限り、行うことができ、同条第二号又は第四号の規定による手形の割引は、その手形の支払期限が六月をこえる場合に限り、行うことができる。
2 前項に規定する資金の貸付、債務の保証又は手形の割引は、本邦からの設備等の輸出若しくは輸入(これに伴つてなされる技術の提供又は受入を含む。)又は物資等の輸入の契約に基く対価の支払の条件その他の事由により同項の規定によることが著しく困難であり、又は同項の規定によることが取引の実情に著しく沿わないと認められる場合であつて、本邦からの輸出及びこれに伴つてなされる本邦法人若しくは本邦人からの技術の提供を促進し、又は本邦の輸入市場の国際収支上より有利な地域への転換を促進するため特に緊要であると認められるときは、同項の規定にかかわらず、その貸付金の償還期限若しくはその保証に係る債務の履行期限が六月以内若しくは五年をこえ十年以内である場合又はその手形の支払期限が六月以内である場合においても、行うことができるものとする。
3 前項の規定による場合の外、第十八条第二号又は第四号の規定により割り引いた手形の書換のために振り出された手形の割引は、第一項の規定にかかわらず、支払期限が六月以内の手形について行うことができるものとする。
4 第十八条第五号若しくは第六号の規定による資金の貸付又は当該資金の貸付を受けることができる者に対する同条第七号の規定による債務の保証は、その貸付金の償還期限又はその保証に係る債務の履行期限が一年をこえ十年以内である場合に限り、行うことができる。
5 前項に規定する資金の貸付又は債務の保証は、当該貸付又は保証の目的である出資、株式の取得若しくは設備等の貸付に係る外国法人の事業の収益の見込又は設備の新設若しくは拡充に係る外国における事業の収益の見込その他の事由により同項の規定によることが著しく困難であると認められるときは、同項の規定にかかわらず、その貸付金の償還期限又はその保証に係る債務の履行期限が十年をこえ十五年以内である場合においても、行うことができるものとする。
(外国為替及び外国貿易管理法の適用)
第二十一条 日本輸出入銀行は、外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)の適用については、銀行とみなす。
第三十九条第一項中「第一項」を削る。
第四十六条第四号中「第一項」を削り、同条第五号中「第十八条の二」を「第十八条の三」に改める。
附則第九項中「他の法令」を「第二十一条に規定する場合を除き、他の法令」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
(大蔵・内閣総理大臣署名)