在外公館等借入金整理準備審査会法
法律第百七十三号(昭二四・六・一)
(定義)
第一条 この法律において「借入金」とは、太平洋戦争の終結に際して在外公館又は邦人自治団体若しくはこれに準ずる団体が引揚費、救済費その他これらに準ずる経費に充てるため国が後日返済する条件のもとに在留邦人から借り入れた資金をいう。
2 この法律において「借入金の確認」とは、政府が現地通貨で表示された借入金を、法律の定めるところに従い、且つ、予算の範囲内において、将来返済すべき国の債務として承認することをいう。
(在外公館等借入金整理準備審査会)
第二条 借入金の整理に必要な準備をするため、外務省に、在外公館等借入金整理準備審査会を置く。
第三条 在外公館等借入金整理準備審査会(以下「審査会」という。)は、外務次官、大蔵次官、外務省管理局長及び大蔵省理財局長並びに外務大臣が命ずる委員六人以内で組織する。
2 委員長は、外務次官とする。
3 委員は、給与を受けない。但し、外務大臣が命ずる委員は、旅費及び政府職員の新給与実施に関する法律(昭和二十三年法律第四十六号)に基く手当を受ける。
4 審査会の庶務は、外務省管理局において行う。
5 前四項及び他の法律に規定するものを除く外、審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
第四条 審査会は、左の各号に掲げる事項を審査し、外務大臣に対し審査の結果を報告し、及び借入金整理のため適当と認める措置についての意見を申し出なければならない。
一 第五条に規定する借入金確認の請求
二 その他借入金の整理に関する重要事頂
(借入金の確認の請求)
第五条 借入金を提供した者(その者が死亡した場合においては、その相続人)は、この法律施行後九十日以内(未引揚者については、本邦上陸後一年以内とし、この法律施行後現地において死亡した者については、その死亡の確認があつた日以後九十日以内とする。)に、政令の定めるところにより、証拠書類を添えて外務大臣に対し借入金の確認を請求することができる。
2 借入金を提供した者は、前項の期間内に確認の請求をしないときは、借入金の確認を請求する権利を失う。
(借入金確認証書)
第六条 外務大臣は、審査会がした審査の結果の報告に基き借入金の確認をしたときは、政令で定める手続に従い、借入金確認証書を発給する。
附 則
この法律の施行期日は、昭和二十五年五月一日までの間において、政令で定める。
(外務・大蔵・内閣総理大臣署名)