社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する法律

法律第百六十七号(昭二四・五・三一)

 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

 「主務大臣」を「厚生大臣」に改める。

 第七条に次の一項を加える。

2 基金が前条第一項の規定によつてなす登記、及び基金がその事務所の用に供する建物又は土地の権利の取得若しくは所有権の保存のためになす登記には、登録税を課さない。

 第十三条第一項第一号を次のように改める。

 一 各保険者から、毎月、その保険者が過去三箇月において最高額の費用を要した月の診療報酬のおおむね一箇月半分に相当する金額の委託を受けること。

 第十三条第一項第三号を次のように改める。

 三 診療担当者の提出する診療報酬請求書を審査すること。

 第十四条を次のように改める。

第十四条 基金は、前条第一項第三号の審査を行うため、従たる事務所ごとに、審査委員会を設けるものとする。

2 審査委員会の委員は、診療担当者を代表する者、保険者を代表する者及び学識経験者のうちから、各々七人以下の同数を幹事長が委嘱する。

3 前項の委嘱は、診療担当者を代表する者及び保験者を代表する者についてはそれぞれ所属団体の推薦により、学識経験者については都道府県知事の推薦により、行わなければならない。

 第十四条の次に次の五条を加える。

第十四条の二 基金の従たる事務所の幹事は、審査委員会に出席して、審査に関して意見を述べ、必要ある場合には、審査の内容につき説明を求めることができる。

第十四条の三 審査委員会は、診療報酬請求書の審査のため必要があると認めるときは、都道府県知事の承認を得て、当該診療担当者に対して出頭及び説明を求め、報告をさせ、又は診療録その他の帳簿書類の提出を求めることができる。

2 前項の規定によつて、審査委員会の請求により出頭した診療担当者に対しては、基金は、定款の定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。但し、その提出した診療報酬請求書、報告書又は診療録その他の帳簿書類の記載が不備又は不当であつたため出頭を求められて出頭した者に対しては、この限りでない。

第十四条の四 前条第一項の規定により審査委員会の要求があつた場合において、診療担当者が、正当の理由がなく、出頭若しくは説明を拒み、報告をせず、又は診療録その他の帳簿書類の提出を拒んだときは、基金は、都道府県知事の承認を得て、その者に対して、診療報酬の支払を一時差し止めることができる。

第十四条の五 審査委員若しくは幹事又はこれらの職にあつた者は、診療報酬請求書の審査に関して知得した医師若しくは歯科医師の業務上の秘密又は個人の秘密を漏らしてはならない。

第十四条の六 前五条に定めるものを除く外、審査委員会に関して必要な事項は、命令でこれを定める。

 第十五条の次に次の三条を加える。

第十五条の二 基金は、事業年度ごとに、その事務の執行に要する費用について、収入支出の予算を調整して、厚生大臣の認可を受けなければならない。予算を更正又は追加したときも、同様とする。

2 予算に定めた各款の金額は、他の款に流用することができない。

3 予算に定めた各項の金額は、理事会の議決を経て、流用することができる。

第十五条の三 基金は、予見し難い予算の不足に充てるため、予備費として相当と認める金額を収入支出予算に計上しなければならない。

2 予備費は、定款をもつて定めた費途以外の費途に充てることはできない。

第十五条の四 基金において、毎事業年度所属の収入金を収納し、又は毎事業年度に属する経費を精算して支出するのは、翌年度の四月三十日限りとする。

 第二十三条第一項中「一万円」を「三万円」に改める。

 第二十三条の次に次の一条を加える。

第二十三条の二 審査委員若しくは幹事又はこれらの職にあつた者が、診療報酬請求書の審査に関して知得した医師若しくは歯科医師の業務上の秘密又は個人の秘密を故なく漏らしたときは、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

附 則

 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。

(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名)

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