電波法の一部を改正する法律
法律第五十五号(昭六二・六・二)
電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第四条に次の一号を加える。
三 空中線電力が〇・〇一ワツト以下である無線局のうち郵政省令で定めるものであつて、次条第一項の規定により指定された呼出符号又は呼出名称を自動的に送信し、又は受信するもので、かつ、第三十八条の二第一項の技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用するもの
第四条の次に次の一条を加える。
(呼出符号又は呼出名称の指定等)
第四条の二 郵政大臣は、前条第三号に掲げる無線局に使用するための無線設備について、当該無線設備を使用する無線局の呼出符号又は呼出名称の指定を受けようとする者から申請があつたときは、郵政省令で定めるところにより、呼出符号又は呼出名称の指定を行う。
2 無線設備について前項の規定による呼出符号又は呼出名称の指定を受けた者は、郵政省令で定めるところにより、当該無線設備に、その指定された呼出符号又は呼出名称その他郵政省令で定める事項を表示しなければならない。
3 第一項の規定による呼出符号又は呼出名称の指定を受けた無線設備以外の無線設備には、前項の表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならない。
第八条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「含む。以下同じ。)又は呼出名称」を「含む。)、呼出名称その他の郵政省令で定める識別信号(以下「識別信号」という。)」に改める。
第十三条第二項中「基く」を「基づく」に、「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 九百三メガヘルツから九百五メガヘルツまでの周波数の電波を使用し、かつ、空中線電力が五ワット以下である無線局であつて、第三十八条の二第一項の技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用するものの免許の有効期間は、前項本文の規定にかかわらず、十年とする。
第十四条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第八号を次のように改める。
八 識別信号
第十九条中「呼出符号若しくは呼出名称」を「識別信号」に改める。
第五十三条中「呼出符号又は呼出名称」を「識別信号」に、「但し」を「ただし」に改める。
第五十四条中「免許状に記載されたものの範囲内で通信を行うため必要最小のものでなければ」を「次の各号の定めるところによらなければ」に、「但し」を「ただし」に改め、同条に次の各号を加える。
一 免許状に記載されたものの範囲内であること。
二 通信を行うため必要最小のものであること。
第九十九条の十一第一項第一号中「及び第二号」を「、第二号及び第三号」に改め、「無線局)」の下に「、第四条の二第一項(呼出符号又は呼出名称の指定)」を、「根本的基準)」の下に「、第八条第一項第三号(識別信号)」を加え、同項第二号中「第三十八条の十四第二項(第四十七条の二及び第七十三条の二第五項」を「第三十八条の十四第二項(第四十七条の二、第七十三条の二第五項及び第百二条の十三第六項」に、「若しくは指定検査機関の指定」を「、指定検査機関若しくはセンターの指定」に改め、同項第三号中「又は第百二条の二第一項の規定による伝搬障害防止区域の指定」を「、第百二条の二第一項の規定による伝搬障害防止区域の指定又は第百二条の十三第一項の規定によるセンターの指定」に改める。
第百二条の十の次に次の三条を加える。
(基準不適合設備に関する勧告等)
第百二条の十一 郵政大臣は、無線局が他の無線局の運用を著しく阻害するような混信その他の妨害を与えた場合において、その妨害が第三章に定める技術基準に適合しない設計に基づき製造され、又は改造された無線設備を使用したことにより生じたと認められ、かつ、当該設計と同一の設計に基づき製造され、又は改造された無線設備(以下この項及び次条において「基準不適合設備」という。)が広く販売されており、これを放置しては、当該基準不適合設備を使用する無線局が他の無線局の運用に重大な悪影響を与えるおそれがあると認めるときは、無線通信の秩序の維持を図るために必要な限度において、当該基準不適合設備の製造業者又は販売業者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 郵政大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
3 郵政大臣は、第一項の規定による勧告をしようとするときは、通商産業大臣の同意を得なければならない。
(報告の徴収)
第百二条の十二 郵政大臣は、前条の規定の施行に必要な限度において、基準不適合設備の製造業者又は販売業者から、その業務に関し報告を徴することができる。
(電波有効利用促進センター)
第百二条の十三 郵政大臣は、電波の有効かつ適正な利用に寄与することを目的として設立された民法第三十四条の法人であつて、次項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、電波有効利用促進センター(以下「センター」という。)として指定することができる。
2 センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
一 混信に関する調査その他の無線局の開設等に際して必要とされる事項について、照会及び相談に応ずること。
二 電波の利用に関する調査及び研究を行うこと。
三 電波の有効かつ適正な利用について啓発活動を行うこと。
四 前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
3 郵政大臣は、センターの役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は第六項において準用する第三十八条の八第一項の業務規程に違反したときは、そのセンターに対し、その役員の解任を勧告することができる。
4 センターは、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、郵政大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
5 郵政大臣は、センターに対し、第二項第一号に掲げる業務の実施に必要な無線局に関する情報の提供又は指導及び助言を行うことができる。
6 第三十八条の三第二項(第一号を除く。)、第三十八条の四、第三十八条の七、第三十八条の八、第三十八条の九第二項、第三十八条の十一、第三十八条の十二及び第三十八条の十四の規定は、センターについて準用する。この場合において、第三十八条の三第二項中「前条第二項」とあるのは「第百二条の十三第一項」と、同項第四号中「次のいずれか」とあるのは「次のイ」と、第三十八条の四第一項中「指定に係る区分、技術基準適合証明の業務を行う事務所の所在地並びに技術基準適合証明の」とあるのは「第百二条の十三第二項に規定する業務を行う事務所の所在地並びに同項に規定する」と、同条第二項、第三十八条の十一並びに第三十八条の十四第二項(第四号を除く。)及び第三項中「技術基準適合証明の」とあるのは「第百二条の十三第二項に規定する」と、第三十八条の七、第三十八条の八及び第三十八条の十四第二項第四号中「技術基準適合証明の」とあるのは「第百二条の十三第二項第一号に掲げる」と、第三十八条の七中「職員(証明員を含む。)」とあるのは「職員」と、第三十八条の十二第一項中「対し、技術基準適合証明の」とあるのは「対し、第百二条の十三第二項に規定する」と、「立ち入り、技術基準適合証明の」とあるのは「立ち入り、同項に規定する」と、第三十八条の十四第二項第一号中「この章」とあるのは「第百二条の十三第六項において準用するこの章」と、同項第二号中「第三十八条の三第一項各号(第四号を除く。)の一に適合しなくなつた」とあるのは「第百二条の十三第二項に規定する業務を適正かつ確実に実施することができない」と、同項第三号中「第三十八条の六第三項、第三十八条の八第二項」とあるのは「第三十八条の八第二項」と読み替えるものとする。
第百九条の二中「及び第七十三条の二第五項」を「、第七十三条の二第五項及び第百二条の十三第六項」に改める。
第百十条第三号中「第五十三条」の下に「、第五十四条第一号」を加える。
第百十条の二中「及び第七十三条の二第五項」を「、第七十三条の二第五項及び第百二条の十三第六項」に、「又は指定検査機関」を「、指定検査機関又はセンター」に改める。
第百十二条中第五号を第六号とし、第一号から第四号までを一号ずつ繰り下げ、同条に第一号として次の一号を加える。
一 第四条の二第三項の規定に違反した者
第百十三条に次の一号を加える。
九 第百二条の十二の規定により報告を徴された場合において、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第百十三条の二中「又は指定検査機関」を「、指定検査機関又はセンター」に改め、同条第二号中「及び第七十三条の二第五項」を「、第七十三条の二第五項及び第百二条の十三第六項」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十三条の改正規定及び附則第四項の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行の際現に免許を受けている無線局のうち、改正後の電波法(以下「新法」という。)第四条第三号の郵政省令で定める無線局に該当するものの無線設備は、この法律の施行の日に、新法第三十八条の二第一項の規定による技術基準適合証明を受け、かつ、新法第四条の二第一項の規定による呼出符号又は呼出名称の指定を受けたものとみなす。
3 前項の無線局の免許は、この法律の施行の日に、その効力を失う。
4 第十三条の改正規定の施行の際現に新法第十三条第二項の無線局の免許を受けている者は、当該無線局の免許状に記載された免許の有効期間に関する事項については、新法第二十一条の規定による訂正を受けることを要しない。
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(郵政・内閣総理大臣署名)