国土利用計画法の一部を改正する法律

法律第四十七号(昭六二・六・二)

 国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二十七条」を「第二十七条の五」に改める。

 第二十三条第二項第三号中「国又は地方公共団体」を「国等」に改め、同条第三項に次のただし書を加える。

  ただし、次条第一項の規定による勧告又は同条第三項の規定による通知を受けた場合は、この限りでない。

 第二十四条に次の一項を加える。

3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告をする必要がないと認めたときは、遅滞なく、その旨を前条等一項の規定による届出をした者に通知しなければならない。

 第五章中第二十七条の次に次の四条を加える。

 (監視区域の指定)

第二十七条の二 都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域(第十二条第一項の規定により規制区域として指定された区域を除く。)を、期間を定めて、監視区域として指定することができる。

2 都道府県知事は、監視区域を指定しようとする場合には、あらかじめ、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

3 第十二条第二項から第五項まで及び第十項から第十二項までの規定は、監視区域について準用する。この場合において、同条第十一項中「第一項」とあるのは「第二十七条の二第一項」と、「行うものとする」とあるのは「行うことができる」読み替えるものとする。

4 第二項及び第十二条第五項の規定は、前項において準用する同条第十二項の規定による監視区域の指定の解除及びその公告について準用する。この場合において、同条第五項中「第三項」とあるのは「第二十七条の二第三項において準用する第十二条第十二項」と、「指定された区域及び期間その他総理府令で定める事項」とあり、及び「当該事項」とあるのは「その旨」と読み替えるものとする。

5 第三項において準用する第十二条第十二項及び前項の規定は、監視区域に係る区域の減少及びその公告について準用する。

6 監視区域の全部又は一部の区域が、第十二条第一項の規定により規制区域として指定された場合においては、当該監視区域の指定が解除され、又は当該一部の区域について監視区域に係る区域の減少があつたものとする。この場合においては、同条第三項の規定による公告をもつて監視区域の指定の解除又は区域の減少の公告があつたものとみなす。

 (土地に関する権利の移転等の届出に関する特例)

第二十七条の三 監視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合における第二十三条第二項の規定の適用については、同項中「次の各号の一に」とあるのは「第一号又は第三号に」と、同項第一号中「次のイからハまでに規定する面積未満」とあるのは「次のイからハまでに規定する面積に満たない範囲内で都道府県知事が都道府県の規則で別に定める面積未満」と、「次のイからハまでに規定する面積以上」とあるのは「当該都道府県の規則で定められた面積以上」とする。

2 都道府県知事は、前条第一項の規定により監視区域を指定するときは、前項の規定により読み替えて適用される第二十三条第二項第一号に規定する都道府県の規則を定めなければならない。

3 都道府県知事は、前条第三項において準用する第十二条第十項の規定による調査の結果、必要があると認めるときは、前項の都道府県の規則で定める面積を変更するものとする。

4 前条第二項の規定は、第二項の都道府県の規則を定めようとする場合について準用する。

 (報告の徴収)

第二十七条の四 都道府県知事は、第二十七条の二第三項において準用する第十二条第十項の規定による調査を適正に行うため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、監視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結した者(第二十三条第一項の規定による届出をした者及び同条第二項第三号に該当するため同条第一項の規定による届出をしないで土地売買等の契約を締結した者を除く。)に対し、当該土地売買等の契約及び当該契約に係る土地の利用について報告を求めることができる。

 (国等の適正な地価の形成についての配慮)

第二十七条の五 国等は、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、適正な地価の形成が図られるよう配慮するものとする。

 第三十九条第九項中「第二十四条第一項」の下に「、第二十七条の二第二項(同条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)及び第二十七条の三第四項において準用する場合を含む。)」を加える。

 第四十八条中「同項の期間内に」を削る。

   附 則

 (施行期日等)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、目次の改正規定、第二十三条及び第二十四条の改正規定、第二十七条の次に四条を加える改正規定(第二十七条の五に係る部分に限る。)、第四十八条の改正規定並びに次項及び附則第五項の規定は、公布の日から施行する。

2 改正後の国土利用計画法(以下「新法」という。)第二十七条の二第一項の規定による監視区域の指定及び新法第二十七条の三第二項の規定による都道府県の規則の制定(新法第四十四条の規定により地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の長に適用があるものとされた新法第二十七条の三第二項の規定による指定都市の規則の制定を含む。)については、都道府県知事及び指定都市の長は、この法律の施行前においても土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴くことができる。

 (条例との関係)

3 都道府県又は指定都市の条例の規定で新法第五章の規定に相当するもの(新法第五章の規定に係る新法第八章及び第九章の規定に相当する規定を伴うものに限る。以下単に「条例の規定」という。)に基づく新法第二十三条第一項の規定による届出に相当する行為(以下「届出相当行為」という。)のうち、この法律の施行前に行われたものについて、条例で、この法律の施行後も土地売買等の契約(新法第十四条第一項の土地売買等の契約をいう。以下同じ。)に関し従前の例による規制を行う旨を規定する場合においては、当該届出相当行為を行つた者がこの法律の施行後に当該届出相当行為に係る土地売買等の契約を締結しようとするときにおいても、新法第二十三条第一項の規定による届出を要しない。

4 この法律の施行前に行われた届出相当行為に係る土地又はこの法律の施行前に条例の規定に違反して届出相当行為を行わないで土地売買等の契約が締結された土地を含む一団の土地につき土地に関する権利の移転又は設定(新法第十四条第一項の土地に関する権利の移転又は設定をいう。)をすることとなるときは、当該土地の面積を含めて、新法第二十七条の三第一項の規定により読み替えて適用される新法第二十三条第二項第一号に規定する当該一団の土地の面積を算定する。

 (公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正)

5 公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

  第四条第三項中「土地を有償で譲り渡す場合」を「同法第二十四条第一項の規定による勧告又は同条第三項の規定による通知を受けないで土地を有償で譲り渡す場合」に、「土地を有償で譲り渡した者」を「同法第二十四条第一項の規定による勧告又は同条第三項の規定による通知を受けないで土地を有償で譲り渡した者」に改める。

(内閣総理・建設・自治大臣署名) 

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