郵便貯金法の一部を改正する法律

法律第九十八号(昭四七・六・二三)

 郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。

 郵便貯金法目次中「第七章 住宅積立郵便貯金」を

第七章 住宅積立郵便貯金

 

 

第八章 預金者に対する貸付け

に改める。

 第二十四条中「を除いては」を「に限り」に、「できない」を「できる」に改め、同条に次のただし書を加える。

  但し、当該郵便貯金を担保として第六十四条の規定による貸付けがされているときは、この限りでない。

 第二十九条第一項中「若しくは届出」の下に「、第六十四条の規定による貸付け若しくはこれに係る債務の弁済」を加える。

 第七章の次に次の一章を加える。

   第八章 預金者に対する貸付け

第六十四条(預金者に対する貸付け) 郵政大臣は、預金者の生活上の必要をみたすため、積立郵便貯金、定額郵便貯金又は定期郵便貯金の預金者に対し、当該郵便貯金を担保として貸付けをすることができる。

第六十五条(貸付金の金額の制限) 前条の規定による貸付金の金額は、貸付けを受けようとする預金者が担保とする積立郵便貯金、定額郵便貯金又は定期郵便貯金の当該貸付けの申込みの日における現在高に十分の九を乗じて得た額に相当する金額を超えてはならず、その総額は、一の預金者ごとに十万円を超えてはならない。

  前条の規定による貸付金の総額が前項に規定する制限額を超えたときは、郵政省は、その旨を当該貸付けを受けた預金者に通知する。

  前項の規定による通知があつたときは、預金者は、当該貸付金の総額が第一項に規定する制限額以内の金額となるように当該貸付金の一部を返還しなければならない。

  第二項の規定により通知を発した日から一箇月以内に当該預金者が前項の規定による返還をしないときは、郵政省は、貸付金のうちその貸付けにより貸付金の総額が第一項に規定する制限額を超えることとなつたもの及びその利子に係る債務の弁済の期限を繰り上げ、当該貸付金の担保とされた郵便貯金を当該債務の弁済に充当するものとする。この場合において、当該郵便貯金に関する契約は、消滅する。

第六十六条(貸付期間及び利率) 第六十四条の規定による貸付金の貸付期間及び利率は、政令で定める。

  郵政大臣は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、郵政審議会に諮問しなければならない。

第六十七条(法定弁済) 第六十四条の規定による貸付金の貸付期間内に当該貸付けの担保とされた郵便貯金の払いもどしの請求があつたときは、当該払いもどし金の金額は当該郵便貯金のその時における現在高からその時における当該貸付金及びその利子の合計額に相当する金額を控除した金額とし、当該貸付金及びその利子に係る債務の弁済の期限はその時となるものとし、その控除された金額はその債務の弁済に充当される。

  第六十四条の規定による貸付金の貸付期間が経過した場合において、その時までに貸付金及びその利子に係る債務の弁済がないときは、当該貸付けの担保とされた郵便貯金は、当該貸付金及びその利子に係る債務の弁済に充当される。この場合において、当該郵便貯金に関する契約は、消滅する。

第六十八条(省令への委任) 第六十四条から前条までに定めるもののほか、第六十四条の規定による貸付けの条件及び手続に関し必要な事項は、省令で定める。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、昭和四十八年一月一日から施行する。


 (郵政審議会への諮問)

2 改正後の第六十六条第二項の規定による郵政大臣の郵政審議会に対する諮問は、この法律の施行前においても行なうことができる。


 (資金運用部資金法の一部改正)

3 資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「払いもどし」の下に「及び郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の規定に基づく貸付け」を加える。

 (郵便貯金特別会計法の一部改正)

4 郵便貯金特別会計法(昭和二十六年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

第三条第一項中「預託金」の下に「、郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の規定に基づく貸付金」を加える。

  第五条中「資金運用部預託金の利子」の下に「、郵便貯金法の規定に基づく貸付金の利子」を加える。

  第十二条の見出し中「払いもどし資金」を「払いもどし資金等」に改め、同条中「払いもどし資金」の下に「及び郵便貯金法の規定に基づく貸付資金」を加える。

(大蔵・郵政・内閣総理大臣署名) 

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