沖縄住民の国政参加特別措置法
法律第四十九号(昭四五・五・七)
(目的)
第一条 この法律は、日本国民たる沖縄住民の意思をわが国のあらゆる施策に反映させるため、沖縄住民の選挙した代表者が国会議員として国会における国政の審議に参加するための特別の措置を定めることを目的とする。
(選挙)
第二条 日本国民たる沖縄住民は、沖縄(沖縄県の区域とされていた地域をいう。)を選挙区として、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)に準じて琉球政府立法院が制定する選挙法の定めるところにより、衆議院及び参議院における国政の審議に参加すべき者を選挙する。
(地位)
第三条 前条の選挙により選挙された衆議院における国政の審議に参加すべき者は衆議院議員とし、同条の選挙により選挙された参議院における国政の審議に参加すべき者は参議院議員とする。
(定数)
第四条 前条の規定による衆議院議員の数は五人、参議院議員の数は二人とする。
(任期の起算)
第五条 第三条の規定による衆議院議員又は参議院議員の任期の起算については、公職選挙法第二百五十六条及び第二百五十七条の規定の例による。
(内閣総理大臣の告示等)
第六条 内閣総理大臣は、琉球政府行政主席から第二条の選挙における当選人の氏名その他選挙の結果の通知を受けたときは、直ちに、その旨を告示するとともに、それぞれ衆議院議長又は参議院議長に対し通知しなければならない。同条の選挙により選挙された者がその資格を失つた旨の通知を受けたときも、同様とする。
2 内閣総理大臣は、第三条の規定による衆議院議員又は参議院議員がその資格を失つたときは、直ちに、その旨を告示するとともに、琉球政府行政主席に通知しなければならない。
(政令への委任)
第七条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、政令で定める日から施行する。
2 衆議院議員の定数は、公職選挙法第四条第一項及び同法附則第二項の規定にかかわらず、当分の間、四百九十一人とする。
3 参議院議員の定数は、公職選挙法第四条第二項の規定にかかわらず、当分の間、二百五十二人とする。
4 この法律の施行後最初に行なわれる第二条の選挙により選挙された者で第三条の規定により衆議院議員又は参議院議員となるものの任期は、当該衆議院議員又は参議院議員となる際現に在職する衆議院議員又は参議院議員の任期による。この場合において、参議院議員となる者の任期は、その得票数の多い者については当該参議院議員となる際現に在職する参議院議員のうち任期満了の日までの期間が長い者の任期に、その得票数の少ない者については当該参議院議員となる際現に在職する参議院議員のうち任期満了の日までの期間が短い者の任期による。
(内閣総理・自治大臣署名)