心身障害者福祉協会法

法律第四十四号(昭四五・五・四)

目次

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 役員及び職員(第七条―第十六条)

第三章 業務(第十七条・第十八条)

第四章 財務及び会計(第十九条―第二十八条)

第五章 監督(第二十九条・第三十条)

第六章 雑則(第三十一条―第三十三条)

第七章 罰則(第三十四条・第三十五条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 心身障害者福祉協会は、独立自活の困難な心身障害者が必要な保護及び指導の下における社会生活を営むことができる総合的な福祉施設を設置して、これを適切に運営し、もつて心身障害者の福祉の向上を図ることを目的とする。

 (法人格)

第二条 心身障害者福祉協会(以下「協会」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第三条 協会は、事務所を群馬県に置く。

 (資本金)

第四条 協会の資本金は、協会の設立の際現に国の有する別表に掲げる不動産及び政令で定めるその他の財産の価格の合計額に相当する金額とし、政府がその全額を出資する。

2 政府は、必要があると認めるときは、協会に追加して出資することができる。

3 協会は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

4 政府は、第二項の規定により協会に出資するときは、金銭以外の財産を出資の目的とすることができる。

5 政府が出資の目的とする金銭以外の財産の価格は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価格とする。

6 前項の評価委員その他同項の規定による評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (登記)

第五条 協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (民法の準用)

第六条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、協会について準用する。

   第二章 役員及び職員

 (役員)

第七条 協会に、役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事一人を置く。

 (役員の職務及び権限)

第八条 理事長は、協会を代表し、その業務を総理する。

2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して協会の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。

3 監事は、協会の業務を監査する。

4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は厚生大臣に意見を提出することができる。

 (役員の任命)

第九条 理事長及び監事は、厚生大臣が任命する。

2 理事は、厚生大臣の認可を受けて理事長が任命する。

 (役員の任期)

第十条 役員の任期は、四年とする。

2 役員は、再任されることができる。

 (役員の欠格条項)

第十一条 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。

 (役員の解任)

第十二条 厚生大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 厚生大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、厚生大臣の認可を受けなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第十三条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、厚生大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 (代表権の制限)

第十四条 協会と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が協会を代表する。

 (職員の任命)

第十五条 協会の職員は、理事長が任命する。

 (役員及び職員の公務員たる性質)

第十六条 協会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 業務

 (業務)

第十七条 協会は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。

 一 精神薄弱の程度が著しい等のため独立自活の困難な心身障害者を必要な保護及び指導の下に生活させるために総合的に整備された福祉施設を設置し、及び運営すること。

 二 心身障害者の保護及び指導に関する調査研究を行なうこと。

 三 心身障害者の保護及び指導の業務に従事する職員の養成及び研修を行なうこと。

 四 前三号の業務に附帯する業務

2 前項第一号の福祉施設の名称は、厚生大臣の承認を受けて協会が定める。


 (業務方法書)

第十八条 協会は、業務開始の際、業務方法書を作成し、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生省令で定める。

   第四章 財務及び会計


 (事業年度)

第十九条 協会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。


 (予算等の認可)

第二十条 協会は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生大臣の認可を受けなければならない。これに重要な変更を加えようとするときも、同様とする。


 (決算)

第二十一条 協会は、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。


 (財務諸表)

第二十二条 協会は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、これに予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、監事の意見をつけて、決算完結後一月以内に厚生大臣に提出し、その承認を受けなければならない。


 (利益及び損失の処理)

 

第二十三条 協会は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。

2 協会は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。


 (借入金)

第二十四条 協会は、厚生大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。


 (余裕金の運用)

第二十五条 協会は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 国債その他厚生大臣の指定する有価証券の取得

 二 銀行への預金又は郵便貯金

 三 信託会社又は信託業務を行なう銀行への金銭信託


 (財産の処分等の制限)

第二十六条 協会は、厚生省令で定める重要な財産を譲り受け、貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、厚生大臣の認可を受けなければならない。


 (給与及び退職手当の支給の基準)

第二十七条 協会は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、厚生大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


 (厚生省令への委任)

第二十八条 この法律に規定するもののほか、協会の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

   第五章 監督


 (監督)

第二十九条 協会は、厚生大臣が監督する。

2 厚生大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。


 (報告及び検査)

第三十条 厚生大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対しその業務に関し報告をさせ、又はその職員に協会の事務所その他の施設に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第六章 雑則


 (解散)

第三十一条 協会の解散については、別に法律で定める。


 (大蔵大臣との協議)

第三十二条 厚生大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。

 一 第十八条第一項、第二十条、第二十四条第一項若しくは第二項ただし書又は第二十六条の規定による認可をしようとするとき。

 二 第二十二条又は第二十七条の規定による承認をしようとするとき。

 三 第十八条第二項、第二十六条又は第二十八条の規定により厚生省令を定めようとするとき。

 四 第二十五条第一号の規定による指定をしようとするとき。


 (不動産取得税の非課税)

第三十三条 都道府県は、協会が第四条第一項の規定により政府から不動産の出資を受けた場合には、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。

   第七章 罰則

第三十四条 第三十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした協会の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。

第三十五条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした協会の役員は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により厚生大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 第五条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠つたとき。

 三 第十七条第一項に規定する業務以外の業務を行なつたとき。

 四 第二十五条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

 五 第二十九条第二項の規定による厚生大臣の命令に違反したとき。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。


 (協会の設立)

第二条 厚生大臣は、協会の理事長又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、協会の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。

第三条 厚生大臣は、設立委員を命じて、協会の設立に関する事務を処理させる。

2 設立委員は、協会の設立の準備を完了したときは、遅滞なく、政府に対し、出資の目的たる財産の給付を求めなければならない。

3 設立委員は、出資の目的たる財産の給付があつた日において、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第三項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

第五条 協会は、設立の登記をすることによつて成立する。


 (経過規定)

第六条 協会の最初の事業年度は、第十九条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十六年三月三十一日に終わるものとする。

第七条 協会の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第二十条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「協会の成立後遅滞なく」とする。


 (精神薄弱者福祉法の一部改正)

第八条 精神薄弱者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。

  第十六条第二項中「精神薄弱者援護施設」の下に「又は心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)第十七条第一項第一号の規定により心身障害者福祉協会の設置する福祉施設」を加え、同条第四項中「措置」を「精神薄弱者援護施設に係る措置」に改める。

  第二十七条中「精神薄弱者援護施設」の下に「又は心身障害者福祉協会の設置する福祉施設」を加える。


 (所得税法の一部改正)

第九条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中新東京国際空港公団の項の前に次のように加える。

心身障害者福祉協会

心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)


 (法人税法の一部改正)

第十条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中新技術開発事業団の項の次に次のように加える。

心身障害者福祉協会

心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)


 (印紙税法の一部改正)

第十一条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第二中新技術開発事業団の項の次に次のように加える。

心身障害者福祉協会

心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)


 (登録免許税法の一部改正)

第十二条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  別表第二中新技術開発事業団の項の次に次のように加える。

心身障害者福祉協会

心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)


 (地方税法の一部改正)

第十三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の四第一項第三号中「社会福祉事業振興会」の下に「、心身障害者福祉協会」を加える。

  第七十三条の四第一項第五号の次に次の一号を加える。

  五の二 心身障害者福祉協会が心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)第十七条第一項第一号又は第二号に規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの

  第三百四十八条第二項中第十一号の三を第十一号の四とし、第十一号の二を第十一号の三とし、第十一号の次に次の一号を加える。

  十一の二 心身障害者福祉協会が心身障害者福祉協会法第十七条第一項第一号又第二号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの


 (地方財政再健促進特別措置法の一部改正)

第十四条 地方財政再健促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第二項中「こどもの国協会」の下に「、心身障害者福祉協会」を加える。


 (厚生省設置法の一部改正)

第十五条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  第五条第五十六号の四の次に次の一号を加える。

  五十六の五 心身障害者福祉協会を監督すること。

  第十三条第十二号の二の次に次の一号を加える。

  十二の三 心身障害者福祉協会を監督すること。

別表

 一 土地

  群馬県高崎市乗附町字雨坪三千六百十番の二 所在

   山林 三十六万三千七百四十八平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字雨坪三千六百十一番 所在

   山林 五百二十二平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   宅地 五千四百八十七・五五平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の百四 所在

   山林 六・六一平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松甲三千六百七十八番 所在

   山林 七千九百二十四平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松三千六百九十四番 所在

   山林 千七十四平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字城山二千三百七十一番の五十九 所在

   宅地 五千八百三十二・一平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字宮尾根千二十六番の四 所在

   宅地 三百五十七・〇二平方メートル

 二 建物

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   木造かわらぶき二階建

   床面積 一階 五百四十六・七平方メートル

       二階 百三十四・七平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 九十・九平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   木造スレートぶき平家建

   床面積 四十九・五八平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 三十九・六六平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 二十九・七五平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   木造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建

   床面積 九・九一平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字三本松二千三百七十一番の六十七 所在

   軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建

   床面積 七・二七平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字城山二千三百七十一番の五十九 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 二百三十九・二三平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字城山二千三百七十一番の五十九 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 七十七・七六平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字城山二千三百七十一番の五十九 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 七十七・七六平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字城山二千三百七十一番の五十九 所在

   木造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建

   床面積 六十二・七六平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字宮尾根千二十六番の四 所在

   木造かららぶき平家建

   床面積 五十九・五平方メートル

  群馬県高崎市乗附町字宮尾根千二十六番の四 所在

   木造かわらぶき平家建

   床面積 四十二・五四平方メートル

  群馬県高崎市石原町字川久保四千二百二十二番の一 所在

   軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板ぶき平家建

   床面積 十九・四四平方メートル

(法務・大蔵・厚生・自治・内閣総理大臣署名) 

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