国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律
法律第八十七号(昭三九・五・三〇)
(国民年金法の一部改正)
第一条 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
第三十条第一項中「(以下「傷病」という。)がなおつた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含むものとし、以下「廃疾認定日」という。)」を「(以下「傷病」という。)についてはじめて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)から起算して三年を経過した日(その期間内にその傷病がなおつた場合においては、そのなおつた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。)とし、以下「廃疾認定日」という。)」に、「当該傷病についてはじめて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)」を「初診日」に改める。
第六十五条第五項中「七万円」を「八万円」に改め、同条第六項中「十八万円」を「二十万円」に改める。
第六十六条第一項及び第二項を次のように改める。
障害福祉年金は、受給権者の配偶者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以下この条及び次条において「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額をこえるときは、その年の五月から翌年の四月まで、その支給を停止する。
一 扶養親族等がない場合 所得税法第十二条の規定を適用した場合に所得税が課せられないこととなる同法第九条第一項第五号に規定する給与所得の最高額
二 扶養親族等が一人である場合 前号の額に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額に相当する額を加算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 前号の額に扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額に相当する額を加算した額
2 障害福祉年金は、受給権者の民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十七条第一項に定める扶養義務者で当該受給権者の生計を維持するものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月まで、その支給を停止する。
一 扶養親族等がない場合 給与所得の収入金額四十万円につき所得税法第九条第一項の規定により計算した額
二 扶養親族等が一人である場合 給与所得の収入金額四十万円に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額を加算した額につき同法第九条第一項第五号の規定により計算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 給与所得の収入金額四十万円に次に掲げる額を加算した額につき所得税法第九条第一項第五号の規定により計算した額
イ 所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
ロ 扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額と同号ロに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
第六十六条第三項中「前項の規定に基づく政令で定める額」を「その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ前項各号の規定により計算した額」に改め、同条第四項中「前三項」を「第一項から第三項まで」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 前三項の規定により所得の額と比較すべき額の計算につき所得税法の規定を適用すべき場合においては、当該所得につき適用される同法の当該規定によるものとする。
第六十七条第二項第一号中「十八万円」を「二十万円」に改め、同項第二号中「前条第一項の規定に基づく政令で定める額」を「その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ前条第一項各号の規定の例により計算した額」に改め、同項第三号中「前条第二項の規定に基づく政令で定める額」を「その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ前条第二項各号の規定の例により計算した額」に改める。
第七十九条の二第六項中「及び第四項」を「、第四項及び第五項」に改める。
第八十一条第二項中「同日以後になおつた者又は初診日が同日以後昭和三十六年三月三十一日以前である傷病が」を「同日以後昭和三十九年七月三十一日までの間になおつた者又は初診日が昭和三十四年十一月一日以後昭和三十六年三月三十一日以前である傷病が昭和三十九年七月三十一日までの間に」に改め、同条第三項中「であつて、初診日が昭和三十六年四月一日以後である傷病がなおつたもの(廃疾認定日において七十歳以上であつた者を除く。)が、そのなおつた日」を「が、初診日が昭和三十六年四月一日以後である傷病に係る廃疾認定日」に改め、「廃疾の状態にあるとき」の下に「(廃疾認定日において七十歳以上であるときを除く。)」を加える。
別表の一級の項中
「 |
九 |
前各号に掲げるもののほか、これらと同程度以上と認められる身体障害であつて、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(内科的疾患に基く身体障害であつて、前各号のいずれにも該当しないものを除く。) |
」 |
を
「 |
九 |
結核性疾患による身体の様能の障害(呼吸器の機能の障害にあつては、結核性疾患以外の疾患によるものを含む。以下この表において同じ。)又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であつて、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
」 |
一〇 |
精神の障害(精神病質、神経症及び精神薄弱によるものを除く。以下この表において同じ。)であつて、前各号と同程度以上と認められる程度のもの |
||
一一 |
前各号に掲げるもののほか、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、咀嚼機能障害、音声若しくは言語機能障害、肢体不自由、結核性疾患による身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であつて、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの |
に改め、同表の二級の項中
「 |
一五 |
前各号に掲げるもののほか、これらと同程度以上と認められる身体障害であつて、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(内科的疾患に基く身体障害であつて、前各号のいずれにも該当しないものを除く。) |
」 |
を
「 |
一五 |
結核性疾患による身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であつて、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
」 |
一六 |
精神の障害であつて、前各号と同程度以上と認められる程度のもの |
||
一七 |
前各号に掲げるもののほか、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、咀嚼機能障害、音声若しくは言語機能障害、肢体不自由、結核性疾患による身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であつて、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの |
に改める。
(児童扶養手当法の一部改正)
第二条 児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「別表第一号から第八号までに定める程度の廃疾の状態若しくは内科的疾患に基づかない同表第九号に定める程度の廃疾の状態にある」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同項に次の各号を加える。
一 別表第一号から第八号までに規定する障害でそれぞれ当該各号に定める程度の廃疾の状態にある者
二 結核性疾患による身体の機能の障害(呼吸器の機能の障害にあつては、結核性疾患以外の疾患によるものを含む。以下第四号において同じ。)又は長期にわたる安静を必要とする病状で別表第九号に定める程度の廃疾の状態にある者
三 精神の障害(精神病質、神経症及び精神薄弱によるものを除く。次号において同じ。)で別表第十号に定める程度の廃疾の状態にある者
四 前三号に掲げるもののほか、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、咀嚼機能障害、音声若しくは言語機能障害、し体不自由、結核性疾患による身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害を重複して有する者であつて、前三号に定める程度と同程度以上の廃疾の状態にあるもの
第九条中「十八万円」を「二十万円」に改める。
第十条から第十二条までを次のように改める。
第十条 手当は、第四条に定める支給要件に該当する者の配偶者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額をこえるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
一 扶養親族等がない場合 所得税法第十二条の規定を適用した場合に所得税が課せられないこととなる同法第九条第一項第五号に規定する給与所得の最高額
二 扶養親族等が一人である場合 前号の額に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額に相当する額を加算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 前号の額に扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額に相当する額を加算した額
第十一条 母に対する手当は、その母の民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその母と生計を同じくするものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
一 扶養親族等がない場合 給与所得の収入金額四十万円につき所得税法第九条第一項の規定により計算した額
二 扶養親族等が一人である場合 給与所得の収入金額四十万円に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額を加算した額につき同法第九条第一項第五号の規定により計算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 給与所得の収入金額四十万円に次に掲げる額を加算した額につき所得税法第九条第一項第五号の規定により計算した額
イ 所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
ロ 扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額と同号ロに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
第十二条 養育者に対する手当は、その養育者の民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその養育者の生計を維持するものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ前条各号の規定により計算した額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
第十三条第二項第一号中「十八万円」を「二十万円」に改め、同項第二号中「第十条の規定に基づく政令で定める額」を「当該被災者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ第十条各号の規定の例により計算した額」に改め、同項第三号中「第十一条の規定に基づく政令で定める額」を「当該被災者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ第十一条各号の規定の例により計算した額」に改める。
第十三条の二に次の一項を加える。
2 第十条から第十二条までの規定により所得の額と比較すべき額の計算につき所得税法の規定を適用すべき場合においては、当該所得につき適用される同法の当該規定によるものとする。
第二十条中「第十七条第一項」を「第十七条」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中国民年金法第三十条第一項、第八十一条及び別表の改正規定並びに第二条中児童扶養手当法第三条第一項の改正規定は、昭和三十九年八月一日から施行する。
(障害年金の支給要件に関する経過措置)
第二条 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、国民年金法第三十条第一項第一号の要件に該当する者が、昭和三十九年八月一日前になおつたその傷病により、同日においてこの法律による改正後の同法別表に定める程度の廃疾の状態(この法律による改正前の同法別表に定める程度の廃疾の状態を除く。以下同じ。)にあるときは、この法律による改正後の同法第三十条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の障害年金を支給する。
2 初診日が二十歳に達する日前である傷病により廃疾の状態にある者が、二十歳に達した日以後にさらに疾病にかかり又は負傷した場合において、国民年金法第三十条第一項第一号の要件に該当し、新たに発した傷病が昭和三十九年八月一日前になおり、かつ、同日において前後の廃疾を併合してこの法律による改正後の同法別表に定める程度の廃疾の状態にあるときは、同法第三十条第二項本文の規定にかかわらず、その者に同条の障害年金を支給する。ただし、二十歳に達する日前におけるその傷病に係る初診日において同法第七条第二項第一号から第四号までのいずれかに該当した者については、この限りでない。
3 昭和十六年四月一日以前に生まれた者(昭和三十六年四月一日において二十歳をこえた者)については、前項中「二十歳に達する日」又は「二十歳に達した日」とあるのは、それぞれ「昭和三十六年四月一日」と読み替えるものとする。
(母子年金及び準母子年金の額の改定)
第三条 昭和三十九年八月一日において、母子年金又は準母子年金の受給権を有する妻又は祖母若しくは姉が、国民年金法第三十七条第一項に規定する要件に該当する子又は同法第四十一条の二第二項に規定する要件に該当する孫若しくは弟妹であつて、この法律による改正後の同法別表に定める程度の廃疾の状態にあるもの(十八歳未満のものを除く。)と生計を同じくするときは、同年九月から、その子又は孫若しくは弟妹の数に応じて、その母子年金又は準母子年金の額を改定する。
(母子年金及び準母子年金の支給要件に関する経過措置)
第四条 夫の死亡日の前日において国民年金法第三十七条第一項第一号の要件に該当し、かつ、夫の死亡の当時夫によつて生計を維持した妻(前条に規定する妻を除く。)が、昭和三十九年八月一日において夫又は妻の子であつてこの法律による改正後の同法別表に定める程度の廃疾の状態にあり、かつ、十八歳以上二十歳未満であるもの(夫の死亡の当時夫によつて生計を維持した者に限る。)と生計を同じくするときは、同法第三十七条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の母子年金を支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 妻が、現に婚姻をしているとき。
二 妻が、現に直系血族及び直系姻族以外の者の養子となつているとき(夫の死亡後に養子となつた場合に限る。)。
三 妻と生計を同じくする子のすべてが、現に婚姻をしているか、又は妻以外の者の養子となつているとき(その子のすべてが、夫の死亡後に婚姻をし、又は養子となつた場合に限る。)。
2 夫、男子たる子、父又は祖父の死亡日の前日において国民年金法第四十一条の二第一項第一号の要件に該当し、かつ、死亡者の死亡の当時その死亡者によつて生計を維持した女子(前条に規定する祖母又は姉を除く。)が、昭和三十九年八月一日において同法第四十一条の二第二項に規定する準母子状態(同項に規定する孫又は弟妹は、この法律による改正後の同法別表に定める程度の廃疾の状態にある十八歳以上である者に限る。)にあるときは、同条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の準母子年金を支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 女子が、現に婚姻をしているとき。
二 女子が、現に直系血族及び直系姻族以外の者の養子となつているとき(その死亡者の死亡後に養子となつた場合に限る。)。
三 女子と生計を同じくする孫又は弟妹のすべてが、現に婚姻をしているか、又は女子以外の者の養子となつているとき(その孫又は弟妹のすべてが、その死亡者の死亡後に婚姻をし、又は養子となつた場合に限る。)。
(遺児年金の支給要件に関する経過措置)
第五条 国民年金法第四十二条第一号の要件に該当する父又は母の死亡の当時父又は母によつて生計を維持した子が、昭和三十九年八月一日においてこの法律による改正後の同法別表に定める程度の廃疾の状態にあり、かつ、十八歳以上二十歳未満であるときは、同条本文の規定にかかわらず、その者に同条の遺児年金を支給する。ただし、その子が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 現に婚姻をしているか又は養子となつているとき(父又は母の死亡後に婚姻をし、又は養子となつた場合に限る。)。
二 現に離縁によつて、死亡した父又は母の子でなくなつているとき。
三 現に母又は父と生計を同じくしているとき。
2 前項の場合において、同項の子以外の子で、昭和三十九年八月一日において当該父又は母の死亡について遺児年金の受給権を有するものがあるときは、同年九月から、その子の遺児年金の額を国民年金法第四十四条第一項に規定する額に改定する。
3 第一項の遺児年金については、同項の子は、当該父又は母の死亡につき昭和三十九年八月一日前に国民年金法第五十二条の二の規定による死亡一時金の請求をした場合においても、なお同法第五十二条の五の規定により遺児年金を選択することができる。
4 前項の場合において、その子が遺児年金を請求したときは、その子に対してすでに支払われた当該死亡一時金は、遺児年金の内払とみなす。遺児年金を請求した後にその子に対して死亡一時金が支払われた場合におけるその死亡一時金についても、同様とする。
(障害福祉年金の支給要件に関する経過措置)
第六条 明治二十七年八月三日から昭和十九年八月一日までの間に生まれた者(昭和三十九年八月一日において二十歳をこえ七十歳未満である者)が、昭和三十九年八月一日前になおつた傷病(初診日において国民年金法第七条第二項第一号から第四号までのいずれかに該当した者のその傷病を除く。)により、同日においてこの法律による改正後の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態(この法律による改正前の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態を除く。次項を除き、以下同じ。)にあるときは、同法第五十六条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の障害福祉年金を支給する。ただし、初診日が昭和三十六年四月一日(同日において二十歳未満であつた者にあつては、二十歳に達した日)以後である二以上の傷病により廃疾の状態にある者であつて、これらの傷病による廃疾を併合してのみこの法律による改正後の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあるものについては、この限りでない。
2 明治二十七年八月三日から昭和十九年八月一日までの間に生まれた者(昭和三十九年八月一日において二十歳をこえ七十歳未満である者)が、昭和三十九年八月一日において、初診日が昭和三十六年七月三十一日以前である傷病(初診日において国民年金法第七条第二項第一号から第四号までのいずれかに該当した者のその傷病を除く。)でなおらないもの(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた傷病を除く。)があることにより、この法律による改正後の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあるときは、同法第五十六条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の障害福祉年金を支給する。ただし、初診日が昭和三十六年四月一日(同日において二十歳未満であつた者にあつては、二十歳に達した日)以後である二以上の傷病により廃疾の状態にある者であつて、これらの傷病による廃疾を併合してのみこの法律による改正後の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあるものについては、この限りでない。
3 前二項の規定は、初診日が昭和三十六年四月一日(同日において二十歳未満であつた者にあつては、二十歳に達した日)以後である傷病により、又は初診日が同日前である傷病による廃疾と初診日が同日以後である傷病による廃疾とを併合して前二項に規定する廃疾の状態にある者については、同日以後である初診日において被保険者であつた者であつて、その初診日の前日において同法第五十六条第一項第二号に該当しなかつたものであるときに限り、適用する。ただし、明治四十四年四月一日以前に生まれた者(昭和三十六年四月一日において五十歳をこえた者)については、この限りでない。
(母子福祉年金及び準母子福祉年金の額の改定)
第七条 昭和三十九年八月一日において、母子福祉年金又は準母子福祉年金の受給権を有する妻又は祖母若しくは姉が、国民年金法第六十一条第一項に規定する要件に該当する子又は同法第六十四条の三第二項に規定する要件に該当する孫若しくは弟妹であつて、この法律による改正後の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあるもの(義務教育終了前のものを除く。)と生計を同じくするときは、同年九月から、その子又は孫若しくは弟妹の数に応じて、その母子福祉年金又は準母子福祉年金の額を改定する。
(母子福祉年金及び準母子福祉年金の支給要件に関する経過措置)
第八条 夫の死亡の当時夫によつて生計を維持した妻(前条に規定する妻を除く。)であつて昭和十九年八月一日以前に生まれたもの(昭和三十九年八月一日において二十歳をこえる者)が、昭和三十九年八月一日において夫又は妻の子であつてこの法律による改正後の国民年金法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあり、かつ、義務教育終了後で二十歳未満であるもの(夫の死亡の当時夫によつて生計を維持した者に限る。)と生計を同じくするときは、同法第六十一条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の母子福祉年金を支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 妻が、現に婚姻をしているとき。
二 妻が、現に直系血族及び直系姻族以外の者の養子となつているとき(夫の死亡後に養子となつた場合に限る。)。
三 妻と生計を同じくする子のすべてが、現に婚姻をしているか、又は妻以外の者の養子となつているとき(その子のすべてが、夫の死亡後に婚姻をし、又は養子となつた場合に限る。)。
2 夫、男子たる子、父又は祖父の死亡の当時その死亡者によつて生計を維持した女子(前条に規定する祖母又は姉を除く。)であつて、昭和十九年八月一日以前に生まれたもの(昭和三十九年八月一日において二十歳をこえる者)が、昭和三十九年八月一日において国民年金法第六十四条の三第二項に規定する準母子状態(同項に規定する孫又は弟妹は、この法律による改正後の同法別表に定める一級に該当する程度の廃疾の状態にあり、かつ、義務教育終了後である者に限る。)にあるときは、同条第一項本文の規定にかかわらず、その者に同条の準母子福祉年金を支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 女子が、現に婚姻をしているとき。
二 女子が、現に直系血族及び直系姻族以外の者の養子となつているとき(その死亡者の死亡後に養子となつた場合に限る。)。
三 女子と生計を同じくする孫又は弟妹のすベてが、現に婚姻をしているか、又は女子以外の者の養子となつているとき(その孫又は弟妹のすべてが、その死亡者の死亡後に婚姻をし、又は養子となつた場合に限る。)。
3 前二項の規定は、死亡者の死亡日が昭和三十六年四月一日以後である妻又は女子については、死亡者の死亡日において被保険者であつた者であつて、その死亡日の前日において国民年金法第六十一条第一項第二号又は第六十四条第一項第二号にそれぞれ該当しなかつたものであるときに限り、適用する。ただし、明治四十四年四月一日以前に生まれた者(昭和三十六年四月一日において五十歳をこえた者)については、この限りでない。
(障害福祉年金等の支給停止に関する経過措置)
第九条 この法律による改正後の国民年金法第六十五条第五項(同法第七十九条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定は、昭和三十九年一月以降の月分の障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金について適用し、昭和三十八年十二月以前の月分のこれらの福祉年金についての受給権者が同法第六十五条第五項に規定する給付を受けることができることによる支給の停止については、なお従前の例による。
2 国民年金法第六十五条第六項及び第六十七条第二項(同法第七十九条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定による障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金の支給の停止については、この法律による改正後の同法別表の規定は、昭和三十九年九月以降の月分のこれらの福祉年金について適用し、同年八月以前の月分のこれらの福祉年金については、なお従前の例による。
3 この法律による改正後の国民年金法第六十五条第六項、第六十六条第一項から第三項まで及び第六十七条第二項(同法第七十九条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定は、昭和三十八年以降の年の所得による障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金の支給の停止について適用し、昭和三十七年以前の年の所得によるこれらの福祉年金の支給の停止については、なお従前の例による。
4 前項の場合において、当該所得が昭和三十八年の所得であるときは、この法律による改正後の国民年金法第六十六条第一項及び第二項(同条第三項の規定を適用する場合及び同法第六十七条第二項において例による場合を含む。)中「所得税法第十一条の九」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第二十号)による改正前の所得税法第十一条の八」と、「所得税法第十一条の十」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第二十号)による改正前の所得税法第十一条の九」とそれぞれ読み替えるものとし、当該所得が昭和三十九年の所得であるときは、同条第二項第三号ロ(同条第三項の規定を適用する場合及び同法第六十七条第二項において例による場合を含む。)中「同号ロに規定する控除額」とあるのは、「三万八千八百円」と読み替えるものとする。
5 この法律による改正後の国民年金法第六十六条第二項第二号(同条第三項の規定を適用する場合及び同法第六十七条第二項において例による場合を含む。)に規定する額は、同号の規定にかかわらず、当分の間、三十九万六千円とする。
(手当の支給制限に関する経過措置)
第十条 児童扶養手当法第九条の規定による手当の支給の制限については、この法律による改正後の同法第三条第一項の規定は、昭和三十九年九月以降の月分の手当について適用し、同年八月以前の月分の手当については、なお従前の例による。
2 この法律による改正後の児童扶養手当法第九条から第十二条までの規定は、昭和三十八年以降の年の所得による支給の制限について適用し、昭和三十七年以前の年の所得による支給の制限については、なお従前の例による。
3 前項の場合において、当該所得が昭和三十八年の所得であるときは、この法律による改正後の児童扶養手当法第十条及び第十一条(同法第十二条の規定を適用する場合及び同法第十三条第二項において例による場合を含む。)中「所得税法第十一条の九」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第二十号)による改正前の所得税法第十一条の八」と、「所得税法第十一条の十」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第二十号)による改正前の所得税法第十一条の九」とそれぞれ読み替えるものとし、当該所得が昭和三十九年の所得であるときは、同法第十一条第三号ロ(同法第十二条の規定を適用する場合及び同法第十三条第二項において例による場合を含む。)中「同号ロに規定する控除額」とあるのは、「三万八千八百円」と読み替えるものとする。
4 この法律による改正後の児童扶養手当法第十一条第二号(同法第十二条の規定を適用する場合及び同法第十三条第二項において例による場合を含む。)に規定する額は、同号の規定にかかわらず、当分の間、三十九万六千円とする。
(手当に相当する金額の返還に関する経過措置)
第十一条 児童扶養手当法第十三条第二項の規定による同項第一号に規定する手当に相当する金額の返還については、この法律による改正後の同法第三条第一項の規定は、昭和三十九年九月以降の月分の手当について適用し、昭和三十九年八月以前の月分の手当に相当する金額の返還については、なお従前の例による。
2 この法律による改正後の児童扶養手当法第十三条第二項の規定は、昭和三十八年以降の年の所得による手当に相当する金額の返還について適用し、昭和三十七年以前の年の所得による手当に相当する金額の返還については、なお従前の例による。
(国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律の一部改正)
第十二条 国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律(昭和三十八年法律第百五十号)の一部を次のように改正する。
附則第四項中「義務教育終了後」の下に「で二十歳未満」を加える。
(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名)