中小企業金融公庫法の一部を改正する法律

法律第六十五号(昭三九・四・二〇)

 中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

 第十条に次の一項を加える。

5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、総裁又は主務大臣に意見を提出することができる。

 第二十五条の次に次の二条を加える。

 (債券の発行)

第二十五条の二 公庫は、資本金の額の二十倍に相当する金額を限度として、中小企業債券(以下「債券」という。)を発行することができる。ただし、その発行した債券の借換えのためには、一時その限度をこえて債券を発行することができる。

2 公庫は、前項の規定により債券を発行しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

3 第一項の規定による債券の債権者は、公庫の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

4 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

5 公庫は、主務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。

6 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条から第三百十一条まで(受託会社の権限及び義務)の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。

7 前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。

 (債務保証)

第二十五条の三 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、債券の元本の償還及び利息の支払について保証することができる。


   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)の一部を次のように改正する。

  第五条第二項第三号中「及び住宅金融公庫宅地債券」を「、住宅金融公庫宅地債券及び中小企業債券」に改め、同条第三項中「公営企業債券」の下に「、中小企業金融公庫にあつては中小企業債券」を加える。

(大蔵・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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