金属鉱物探鉱融資事業団法の一部を改正する法律

法律第七十二号(昭三九・四・二七)

 金属鉱物探鉱融資事業団法(昭和三十八年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。

 題名を次のように改める。

   金属鉱物探鉱促進事業団法

 目次中「第二十条」を「第二十条の十五」に、「(第二十九条・第三十条)」を「(第二十九条―第三十条)」に、「第三十三条」を「第三十二条の二」に改める。

 第一条中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に、「貸付け」を「貸付け等」に改める。

 第二条及び第六条中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 第八条に次の一項を加える。

2 事業団に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事一人を置くことができる。

 第十八条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 事業団は、前項の業務のほか、同項の業務に関連して必要な場合には、通商産業大臣の認可を受けて、金属鉱物の探鉱を急速に促進する必要がある地域の地質構造の調査(以下「地質構造調査」という。)及びこれに附帯する業務を行なうことができる。

 第二十条第二項中「要領」の下に「並びに地質構造調査に関する業務の方法」を加える。

 第三章中第二十条の次に次の十四条を加える。

 (地質構造調査の実施計画)

第二十条の二 事業団は、第十八条第二項の認可を受けようとするときは、通商産業省令で定めるところにより、地質構造調査の実施計画を作成し、これを通商産業大臣に提出しなければならない。

2 事業団は、前項の規定により実施計画を作成しようとするときは、通商産業省令で定めるところにより、当該実施計画案を公表して、これにつき意見を有する利害関係人(当該地質構造調査を行なう地域内に存する鉱業権に係る鉱業権者及び租鉱権者並びに当該地域内の土地又はその土地に定着する物件につき所有権その他の権利を有する者をいう。)に対し、意見書を提出する機会を与えなければならない。

第二十条の三 事業団は、前条第一項の実施計画を変更しようとするときは、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣の認可を受けなければならない。

2 前条第二項の規定は、前項の規定による実施計画の変更に準用する。

第二十条の四 事業団は、第十八条第二項又は前条第一項の認可があつたときは、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、当該実施計画又はその変更に係る部分の要旨を公示しなければならない。

 (都道府県知事との協議)

第二十条の五 通商産業大臣は、第十八条第二項又は第二十条の三第一項の認可をしようとするときは、関係都道府県知事に協議しなければならない。

 (補助金)

第二十条の六 政府は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、事業団に対し、地質構造調査に要する費用の一部を補助する。

 (都道府県の負担金)

第二十条の七 事業団が地質構造調査を行なう地域の全部又は一部をその区域に含む都道府県は、政令で定めるところにより、当該地質構造調査に要する費用の一部を負担金として事業団に支払うものとする。

 (鉱業権者の負担金)

第二十条の八 事業団は、政令で定めるところにより、地質構造調査を行なう地域内に存する鉱業権であつて第十八条第二項に規定する金属鉱物を目的とするものに係る鉱業権者に、当該地質構造調査に要する費用の一部を負担させるものとする。

 (強制徴収)

第二十条の九 事業団は、前条の規定による負担金の納付義務者がその納期限までにその負担金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。

2 事業団は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。

3 事業団は、第一項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその負担金及び第五項の規定による延滞金を納付しないときは、国税の滞納処分の例により、通商産業大臣の認可を受けて、滞納処分をすることができる。

4 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。

5 事業団は、第一項の規定により督促をしたときは、同項の負担金の額百円につき一日四銭の割合で、納期限の翌日からその負担金の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。ただし、通商産業省令で定める場合は、この限りでない。

 (納付金)

第二十条の十 事業団は、地質構造調査のため行なつたボーリングにより金属鉱物の鉱床が発見された場合において、当該金属鉱物の鉱床が発見されたことにより利益を受ける者があるときは、政令で定めるところにより、その利益を受ける限度において、当該ボーリングに要した費用に相当する金額の全部又は一部を納付させるものとする。

2 事業団は、前項の規定による納付金を徴収したときは、政令で定めるところにより、同項の規定による納付金に相当する金額を国庫、第二十条の七の負担金を支払つた都道府県及び第二十条の八の規定による負担金を納付した鉱業権者に支払わなければならない。

3 前条の規定は、第一項の規定による納付金に準用する。

 (土地等の立入り)

第二十条の十一 事業団は、地質構造調査のためやむを得ない必要があるときは、その職員に他人の土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の坑道、採鉱場、選鉱場、土石の捨場その他これらに類する施設(以下「事業場」という。)に立ち入らせることができる。

2 事業団は、前項の規定によりその職員に他人の土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の事業場に立ち入らせようとするときは、通商産業大臣の承認を受けなければならない。

3 第一項の規定により他人の土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の事業場に立ち入る職員は、あらかじめ土地の占有者又は鉱業権者若しくは租鉱権者に通知しなければならない。ただし、宅地若しくはかき、さく等で囲まれた土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の事業場に立ち入る場合を除き、あらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。

4 日出前及び日没後においては、土地の占有者又は鉱業権者若しくは租鉱権者の承諾があつた場合を除き、宅地若しくはかき、さく等で囲まれた土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の事業場に立ち入つてはならない。

5 第一項の規定により他人の土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の事業場に立ち入る職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

6 事業団は、第一項の規定による立入りによつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。

第二十条の十二 土地の占有者又は鉱業権者若しくは租鉱権者は、正当な理由がなければ、前条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

 (植物の伐採)

第二十条の十三 第二十条の十一第一項の規定により他人の土地に立ち入る職員は、地質構造調査のためやむを得ない必要があつて障害となる植物を伐採しようとする場合において、その障害となる植物が山林、原野その他これらに類する土地にあつて、その伐採についてあらかじめ所有者の承諾を得ることが困難であり、かつ、植物の現状を著しく損傷しないときは、その承諾を得ないで伐採することができる。この場合においては、遅滞なく、その旨を所有者に通知しなければならない。

2 第二十条の十一第六項の規定は、前項の場合に準用する。

 (鉱物等の採取)

第二十条の十四 第二十条の十一第一項の規定により他人の土地又は鉱業権者若しくは租鉱権者の事業場に立ち入る職員は、地質構造調査のためやむを得ない必要があるときは、あらかじめ所有者若しくは占有者又は鉱業権者若しくは租鉱権者に通知して、必要な最少限度の量に限り、鉱物又は土石を採取することができる。

2 第二十条の十一第六項の規定は、前項の場合に準用する。

 (調査結果の公表等)

第二十条の十五 事業団は、地質構造調査が終了したときは、当該地質構造調査の結果を通商産業大臣に報告するとともに、これを公表しなければならない。

 第二十三条の次に次の一条を加える。

 (区分経理)

第二十三条の二 事業団は、第十八条第二項の業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。

 第二十九条の次に次の一条を加える。

 (審査請求)

第二十九条の二 この法律に基づいてした事業団の処分に不服がある者は、通商産業大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

 第三十二条第一号を削り、同条第二号中「第十九条第一項、第二十条第一項」を「第十八条第二項、第十九条第一項、第二十条第一項、第二十条の三第一項」に改め、同号を同条第一号とし、同号の次に次の一号を加える。

 二 第十八条第三項又は第二十八条の通商産業省令を定めようとするとき。

 第七章中第三十三条の前に次の一条を加える。

第三十二条の二 第二十条の十二の規定に違反して第二十条の十一第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げた者は、三万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

 第三十四条第三号中「第十八条第一項」の下に「及び第二項」を加える。

 第三十五条中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。


   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (金属鉱物探鉱促進事業団の設立等)

第二条 改正前の第一条の規定により設置された金属鉱物探鉱融資事業団は、この法律の施行の日において、改正後の同条に規定する金属鉱物探鉱促進事業団となるものとする。

2 改正前の金属鉱物探鉱融資事業団法の規定によつて金属鉱物探鉱融資事業団に対してした処分又は同法の規定によつて金属鉱物探鉱融資事業団がした手続その他の行為は、改正後の金属鉱物探鉱促進事業団法の規定によつて金属鉱物探鉱促進事業団に対してした処分又は同法の規定によつて金属鉱物探鉱促進事業団がした手続その他の行為とみなす。

 (経過規定)

第三条 この法律の施行の際現に金属鉱物探鉱促進事業団という名称を用いている者については、改正後の第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

 (登録税法の一部改正)

第四条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に、「金属鉱物探鉱融資事業団法」を「金属鉱物探鉱促進事業団法」に改め、同条第十八号中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 (印紙税法の一部改正)

第五条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六号ノ十二ノ三中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 (所得税法の一部改正)

第六条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第十号中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 (法人税法の一部改正)

第七条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二号中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第八条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の四第一項第二号中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 (地方財政再建促進特別措置法の一部改正)

第九条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第二項中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

 (行政管理庁設置法の一部改正)

第十条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第十二号中「金属鉱物探鉱融資事業団」を「金属鉱物探鉱促進事業団」に改める。

(内閣総理・大蔵・通商産業・自治大臣署名) 

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