農林漁業団体職員共済組合法
律第九十九号(昭三三・四・二八)
目次
第一章 総則(第一条―第十三条)
第二章 組合員(第十四条―第十八条)
第三章 給付
第一節 通則(第十九条―第三十五条)
第二節 退職給付(第三十六条―第三十八条)
第三節 障害給付(第三十九条―第四十五条)
第四節 遺族給付(第四十六条―第五十二条)
第四章 福祉事業(第五十三条)
第五章 掛金及び国の補助(第五十四条―第六十二条)
第六章 審査会(第六十三条―第六十七条)
第七章 会計(第六十八条―第七十一条)
第八章 監督(第七十二条―第七十五条)
第九章 雑則(第七十六条―第七十九条)
第十章 罰則(第八十条―第八十三条)
附則(第一条―第十四条)
第一章 総則
(目的)
第一条 農林漁業団体職員共済組合は、次に掲げる法律に基き設立された法人(以下「農林漁業団体」という。)の職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、もつて農林漁業団体の事業の円滑な運営に資することを目的とする。
一 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)
二 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)
三 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)
四 農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)
五 漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)
六 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)
七 農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)
八 開拓融資保証法(昭和二十八年法律第九十一号)
九 中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)
(法人格)
第二条 農林漁業団体職員共済組合(以下「組合」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 組合は、主たる事務所を東京都に置く。
2 組合は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(定款)
第四条 組合は、定款をもつて次の各号に掲げる事項を規定しなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 組合会議員の定数及び選挙の方法並びに組合会の招集及び議事の手続に関する事項
四 理事の定数、役員の選挙の方法その他役員に関する事項
五 組合員及び任意継続組合員に関する事項
六 業務及びその執行に関する事項
七 掛金に関する事項
八 資産の管理その他財務に関する事項
九 公告に関する事項
2 定款の変更は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第五条 組合は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称使用の制限)
第六条 組合でない者は、農林漁業団体職員共済組合という名称又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
(組合会)
第七条 組合に組合会を置く。
2 組合会は、組合会議員をもつて組織する。
3 組合会議員は、定款で定めるところにより、農林漁業団体並びに農林漁業団体及び組合の役員以外の組合員が、それぞれのうちから、それぞれ同数を選挙する。
4 組合会議員の任期は、三年とする。ただし、補欠の組合会議員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 組合員から選挙された組合会議員は、組合員の資格を失つたときは、当然組合会議員の職を失う。
6 組合会の議長は、組合会議員がこれを互選する。
7 議長は、組合会の会議を総理する。
(組合会の権限)
第八条 次に掲げる事項は、組合会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 毎事業年度の予算及び決算
三 第五十三条の福利及び厚生に関する事業の毎事業年度の実施計画の設定及び重要な変更
四 重要な財産の処分又は重大な義務の負担
五 訴訟又は訴願の提起及び和解
六 その他組合の業務に関する重要事項で定款で定めるもの
2 組合会は、監事に対し、組合の業務を監査し、及びその結果を報告すべきことを請求することができる。
3 組合会は、総組合会議員の三分の二以上の多数による議決をもつて、役員を解任することができる。
4 前項の規定による解任は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員)
第九条 組合に、役員として理事長一人、理事若干人及び監事二人を置く。
2 役員は、定款で定めるところにより、組合会議員が組合会において選挙する。
3 役員の任期は、三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 役員は、その職を辞し、又はその任期が満了しても、後任の役員が就任するまでの間は、なおその職務を行う。
5 監事は、理事長又は理事と兼ねてはならない。
6 理事長及び理事は、他の職業に従事してはならない。ただし、農林大臣がこれらの役員としての職務の執行に支障がないものと認めて許可した場合は、この限りでない。
7 前条第四項の規定は、役員の就任に準用する。
8 組合は、役員が就任し、又は退任したときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。
(役員の職務)
第十条 理事長は、組合を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、定款で定めるところにより、理事長を補佐して組合の業務を掌理し、理事長に事故があるときにはその職務を代理し、理事長が欠員のときにはその職務を行う。
3 監事は、組合の業務を監査する。
4 組合と理事長(第二項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う者を含む。以下本項において同じ。)との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が組合を代表する。
(業務方法書)
第十一条 理事長は、定款で定めるもののほか、組合の業務の執行に関し必要な事項を業務方法書で定めなければならない。
(給与の範囲)
第十二条 この法律において「給与」とは、給料、俸給、賃金、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、勤務の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月をこえる期間ごとに受けるものを含まない。
(非課税)
第十三条 障害給付及び遺族給付については、その支給を受ける金額を標準として、租税その他の公課を課してはならない。
第二章 組合員
(組合員)
第十四条 農林漁業団体又は組合(以下「農林漁業団体等」という。)に使用される者(役員を含む。以下同じ。)で農林漁業団体等から給与を受けるもの(以下「職員」という。)は、すべて組合員とする。ただし、次の各号に掲げる者は、組合員としない。
一 常時勤務に服しない者
二 臨時に使用される者で次に掲げるもの。ただし、イに掲げる者にあつては一月をこえ、ロに掲げる者にあつては所定の期間をこえ、引き続き使用されるに至つた場合(役員に就任した場合を含む。)を除く。
イ 日日雇い入れられる者
ロ 二月以内の期間を定めて使用される者
三 船員保険の被保険者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第二十条の規定による被保険者を除く。)
2 休職又は停職の処分を受けた職員は、前項の規定の適用については、常時勤務に服する者とみなす。
(組合員の資格の得喪)
第十五条 職員は、その職員となつた日(前条第一項各号の一に該当する者がこれに該当しない者となつたときは、そのなつた日)から、組合員の資格を取得する。
2 組合員は、次に掲げる事由の一に該当するに至つたときは、その翌日から、組合員の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 退職(免職及び失職を含む。以下同じ。)をしたとき(退職の日又はその翌日に再び農林漁業団体等の職員となつたときを除く。)。
三 前条第一項各号に掲げる者となつたとき。
四 給与を受けなくなつたとき。
(組合員資格の得喪の届出等)
第十六条 農林漁業団体は、農林省令で定めるところにより、その職員につき、組合員の資格の取得及び喪失に関する事項を組合に届け出なければならない。
2 組合員、組合員であつた者又はその遺族は、組合に対し、いつでも、組合員の資格の取得又は喪失について、その確認を請求することができる。
3 第一項の規定による届出又は前項の規定による確認の請求があつたときは、組合は、遅滞なく、これを審査し、その結果を当該届出をした農林漁業団体又は確認の請求をした者及びその者に係る農林漁業団体に通知しなければならない。
4 農林漁業団体は、第一項の規定による届出につき前項の規定による通知を受けたときは、すみやかに、これを当該届出に係る職員、職員であつた者又はその遺族に通知しなければならない。
(任意継続組合員)
第十七条 組合員であつた期間が十五年以上である者は、組合員の資格を喪失したときは、組合に申し出て、任意継続組合員となることができる。
2 前項の申出は、その資格を喪失した日の前日の属する月の翌月からその申出をする日の属する月までの各月の掛金を添えて、組合員の資格を喪失した日から起算して三月以内にしなければならない。ただし、組合は、正当な事由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であつても、受理することができる。
3 第一項の申出をした者は、組合がその申出を受理したときは、最後に組合員の資格を喪失した日にさかのぼつて、任意継続組合員の資格を取得するものとする。
4 任意継続組合員は、次に掲げる事由の一に該当するに至つたときは、その翌日(第三号に掲げる事由に該当するに至つたときは、その日)から、任意継続組合員の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 組合員であつた期間と任意継続組合員であつた期間とを合算した期間(次条第四項の規定により給付の基礎となるべき期間に算入されない期間を除く。)が二十年に達したとき。
三 組合員の資格を取得したとき。
四 任意継続組合員の資格の喪失を申し出たとき。
五 掛金を滞納し、第五十七条第一項の規定による指定の期限までに、その掛金を納付しなかつたとき。
(組合員又は任意継続組合員であつた期間)
第十八条 組合員又は任意継続組合員であつた期間は、その資格を取得した日の属する月から起算し、その資格を喪失した日の前日の属する月をもつて終るものとする。
2 組合員又は任意継続組合員の資格を喪失した日の前日の属する月に組合員又は任意継続組合員の資格を取得した場合には、その取得した資格に係る期間の計算については、前項の規定にかかわらず、その資格を取得した日の属する月は、その期間に算入しない。
3 組合員がその資格を喪失した後再び組合員の資格を取得したときは、前後の組合員であつた期間は、すべて合算する。ただし、退職一時金又は遺族一時金の給付の額の計算の基礎となるべき期間の計算については、この限りでない。
4 掛金を徴収する権利が時効によつて消滅したときは、当該掛金に係る組合員であつた期間は、給付の基礎となるべき期間に算入しない。ただし、当該組合員であつた期間に係る組合員の資格の取得について第十六条第一項の規定による届出又は同条第二項の規定による確認の請求があつた後に、掛金を徴収する権利が時効によつて消滅したものであるときは、この限りでない。
第三章 給付
第一節 通則
(組合の給付)
第十九条 組合は、この法律で定めるところにより、次に掲げる給付を行う。
一 退職給付
二 障害給付
三 遺族給付
(標準給与)
第二十条 標準給与の等級及び月額は、組合員の給与月額に基き次の区分により定める。
標準給与の等級 |
標準給与の月額 |
給与月額 |
第一級 |
三、〇〇〇円 |
三、五〇〇円未満 |
第二級 |
四、〇〇〇円 |
三、五〇〇円以上 四、五〇〇円未満 |
第三級 |
五、〇〇〇円 |
四、五〇〇円以上 五、五〇〇円未満 |
第四級 |
六、〇〇〇円 |
五、五〇〇円以上 六、五〇〇円未満 |
第五級 |
七、〇〇〇円 |
六、五〇〇円以上 七、五〇〇円未満 |
第六級 |
八、〇〇〇円 |
七、五〇〇円以上 八、五〇〇円未満 |
第七級 |
九、〇〇〇円 |
八、五〇〇円以上 九、五〇〇円未満 |
第八級 |
一〇、〇〇〇円 |
九、五〇〇円以上 一一、〇〇〇円未満 |
第九級 |
一二、〇〇〇円 |
一一、〇〇〇円以上 一三、〇〇〇円未満 |
第十級 |
一四、〇〇〇円 |
一三、〇〇〇円以上 一五、〇〇〇円未満 |
第十一級 |
一六、〇〇〇円 |
一五、〇〇〇円以上 一七、〇〇〇円未満 |
第十二級 |
一八、〇〇〇円 |
一七、〇〇〇円以上 一九、〇〇〇円未満 |
第十三級 |
二〇、〇〇〇円 |
一九、〇〇〇円以上 二一、〇〇〇円未満 |
第十四級 |
二二、〇〇〇円 |
二一、〇〇〇円以上 二三、〇〇〇円未満 |
第十五級 |
二四、〇〇〇円 |
二三、〇〇〇円以上 二五、〇〇〇円未満 |
第十六級 |
二六、〇〇〇円 |
二五、〇〇〇円以上 二七、〇〇〇円未満 |
第十七級 |
二八、〇〇〇円 |
二七、〇〇〇円以上 二九、〇〇〇円未満 |
第十八級 |
三〇、〇〇〇円 |
二九、〇〇〇円以上 三一、五〇〇円未満 |
第十九級 |
三三、〇〇〇円 |
三一、五〇〇円以上 三四、五〇〇円未満 |
第二十級 |
三六、〇〇〇円 |
三四、五〇〇円以上 三七、五〇〇円未満 |
第二十一級 |
三九、〇〇〇円 |
三七、五〇〇円以上 四〇、五〇〇円未満 |
第二十二級 |
四二、〇〇〇円 |
四〇、五〇〇円以上 四三、五〇〇円未満 |
第二十三級 |
四五、〇〇〇円 |
四三、五〇〇円以上 四六、五〇〇円未満 |
第二十四級 |
四八、〇〇〇円 |
四六、五〇〇円以上 五〇、〇〇〇円未満 |
第二十五級 |
五二、〇〇〇円 |
五〇、〇〇〇円以上 |
2 農林漁業団体は、農林省令で定めるところにより、その組合員である職員の給与に関する事項を組合に届け出なければならない。
3 組合は、組合員が毎年八月一日現に使用される農林漁業団体等において同日前三月間(当該農林漁業団体等で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、給与の支払の基礎となつた日数が二十日に満たないときは、その月を除く。)に受けた給与の総額をその期間の月数で除して得た額を給与月額として、標準給与を定める。ただし、七月一日から八月一日までの間に当該農林漁業団体等の職員となつた者及び第七項の規定により八月から十月までのいずれかの月から標準給与が改定されるべき組合員に係るその年については、この限りでない。
4 前項本文の規定によつて定められた標準給与は、その年の十月から翌年の九月までの各月の標準給与とする。
5 組合は、組合員の資格を取得した者があるとき、又は組合員たる一の農林漁業団体等の職員が引き続き組合員たる他の農林漁業団体等の職員となつたときは、その資格を取得した日又はその職員となつた日の現在により標準給与を定める。この場合において、日、週その他月以外の一定期間により支給される給与については、その給与の額をその支給される期間の総日数をもつて除して得た額の三十倍に相当する額を給与月額とする。
6 前項の規定によつて定められた標準給与は、組合員の資格を取得した日又は職員となつた日の属する月からその年の九月(七月一日から十二月三十一日までの間に組合員の資格を取得し、又は職員となつた者については、翌年の九月)までの各月の標準給与とする。
7 組合は、第三項又は第五項の規定によつて標準給与が定められた組合員について、当該農林漁業団体等において継続した三月間(各月とも、給与の支払の基礎となつた日数が二十日以上でなければならない。)に受けた給与の総額を三で除して得た額が、その組合員の標準給与の基礎となつた給与月額にくらべて、著しく高低を生じたときは、その額を給与月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準給与を改定することができる。標準給与が改定された組合員についてさらに同様の事由が生じたときも、同様とする。
8 前項の規定によつて改定された標準給与は、その年の九月(八月から十二月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の九月)までの各月の標準給与とする。
9 任意継続組合員の各月の標準給与は、その資格を取得する前の最後の標準給与によるものとする。
10 給与の一部が金銭以外のものであるときは、その価額は、時価により、理事長が定める。
(平均標準給与)
第二十一条 平均標準給与の月額は、最後に組合員又は任意継続組合員の資格を喪失した日の前日の属する月から起算してその前組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)の五年間の各月における標準給与の月額の合算額の六十分の一に相当する額とし、平均標準給与の日額は、平均標準給与の月額の三十分の一に相当する額とする。
2 前項の規定により算出した平均標準給与の月額が、組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)の全期間の各月における標準給与の月額の合算額をその期間の総月数で除して得た額よりも少いときは、その除して得た額をもつて平均標準給与の月額とする。
3 組合員であつた全期間が五年に満たない者の平均標準給与の月額は、組合員であつた全期間の各月における標準給与の月額の合算額をその期間の総月数で除して得た額とする。
(給付額等の端数計算)
第二十二条 平均標準給与の月額若しくは日額又は給付の額に一円に満たない端数を生じたときは、その端数を一円に切り上げる。
(年金の支給の始期及び終期)
第二十三条 年金である給付は、その給付事由が発生した月の翌月からその事由のなくなつた月まで支給する。
2 年金の支給については、月割計算とし、毎年三月、六月、九月及び十二月において、その前月分までを支給する。ただし、年金の給付事由がなくなつたとき、又はその支給を停止したとき、若しくはこれを受ける権利が消滅したときは、その支給期月にかかわらず、そのときまでの分を支給する。
(遺族年金を受けるべき遺族の範囲)
第二十四条 遺族年金を受けるべき遺族の範囲は、組合員又は組合員であつた者の配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)並びに子、父母、孫及び祖父母で組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していたものとする。ただし、組合員又は組合員であつた者の死亡当時十八歳未満の子又は孫にあつては、婚姻(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。以下同じ。)をしていない場合に限り、十八歳以上の子又は孫にあつては、組合員又は組合員であつた者の死亡当時から引き続き不具廃疾で生活資料を得るみちがない場合に限る。
2 組合員又は組合員であつた者の死亡当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していた者とみなす。
(遺族一時金又は年金者遺族一時金を受けるべき遺族の範囲)
第二十五条 遺族一時金又は年金者遺族一時金を受けるべき遺族の範囲は、次に掲げるものとする。
一 組合員又は組合員であつつた者の配偶者
二 組合員又は組合員であつた者の子、父母、孫及び祖父母で組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していたもの
三 前号に掲げる者を除くほか、組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していた者
四 組合員又は組合員であつた者の子、父母、孫及び祖父母で第二号に該当しないもの
(遺族給付を受けるべき遺族の順位)
第二十六条 遺族給付を受けるべき遺族の順位は、次に掲げるとおりとする。
一 遺族年金を受ける者の順位は、第二十四条第一項本文に規定する順序
二 遺族一時金又は年金者遺族一時金の給付を受ける者の順位は、前条各号の順序。ただし、同条第二号又は第四号に規定する者の間においては、それぞれ当該各号に規定する順序
2 前項の場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。
(同順位者が二人以上あるときの給付)
第二十七条 前条の規定により給付を受けるべき遺族に同順位者が二人以上あるときは、その給付は、その人数によつて等分して支給する。
2 前項の規定により年金である給付を等分して受ける同順位者のうちにその権利を失つた者があるときは、残りの同順位者の人数によつてその年金を等分して支給する。
(支払未済の給付の受給者の特例)
第二十八条 退職給付又は障害給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者が支給を受けるべき給付でその支払を受けなかつたものがあるときは、第二十四条から前条までの規定に準じて、これをその者の遺族に支給する。
2 遺族給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者が支給を受けるべき給付でその支払を受けなかつたものがあるときは、第二十四条から前条までの規定に準じて、これをその者以外の遺族に支給する。
(任意継続組合員に対する給付の特例)
第二十九条 任意継続組合員で厚生年金保険若しくは船員保険の破保険者又は国家公務員共済組合、専売共済組合、国鉄共済組合、日本電信電話公社共済組合、市町村職員共済組合若しくは私立学校教職員共済組合の組合員となつたものが、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)若しくは船員保険法に基く給付又はこれらの共済組合からの給付(以下この条において「厚生年金等の給付」という。)を受けることとなつた場合において、その給付を受けることとなつた事由と同一の事由に基き組合から給付を受けるときは、厚生年金等の給付のうち国の補助(国の補助に相当するものを含む。)に係る部分に相当する金額を、この法律に基いて給付すべき額から控除して支給する。
(給付の制限)
第三十条 遺族給付は、組合員、組合員であつた者又は遺族給付を受ける権利を有する者を故意に死亡させた者には、支給しない。組合員、組合員であつた者又は遺族給付を受ける権利を有する者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族給付を受ける権利を取得することとなる者を故意に死亡させた者にも、同様とする。
2 前項の場合において、遺族給付の支給を受ける権利を有する同順位者がなく、後順位者があるときは、その者にこれを支給する。
3 この法律に基く給付を受けるべき者が禁錮以上の刑に処せられたときは、その給付の全部又は一部を行わないことができる。
(給付金からの控除)
第三十一条 組合員であつた者又は組合員であつた者の遺族に支給すべき給付金がある場合において、当該組合員であつた者が組合に対して支払うべき金額があるときは、給付金からこれを控除する。
(給付を受ける権利の時効)
第三十二条 この法律に基く給付を受ける権利は、その給付事由が発生した日から五年間行わないときは、時効により消滅する。
2 前項の時効は、この法律の規定によつて給付の支給を停止する期間は、進行しない。
3 前項に規定するもののほか、第一項の時効の中断、停止その他の事項については、民法(明治二十九年法律第八十九号)の時効に関する規定を準用する。
(給付を受ける権利の保護)
第三十三条 この法律に基く給付を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
2 年金である給付を受ける権利は、前項の規定にかかわらず、国民金融公庫に担保に供することができる。
(損害賠償の請求権)
第三十四条 組合は、第三者の行為によつて発生した給付事由に基いて給付をしたときは、その給付の額の限度で、給付を受ける権利を有する者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
(不正受給者等からの費用の徴収)
第三十五条 偽りその他不正の行為により給付金を受けた者があるときは、組合は、その者から、その給付に要した費用の全部又は一部を徴収することができる。
第二節 退職給付
(退職年金)
第三十六条 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年以上である組合員が第十五条第二項第二号、第三号若しくは第四号に規定する事由(以下「生存脱退事由」と総称する。)に該当してその資格を喪失したとき、又は任意継続組合員が第十七条第四項第二号に規定する事由に該当してその資格を喪失したときは、その者の死亡に至るまで、退職年金を支給する。ただし、その者が五十五歳に達するまで、又はその者が障害年金の給付を受けている間は、その支給を停止する。
2 退職年金の年額は、組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)二十年以上二十一年未満に対し平均標準給与の月額の四月分に相当する額とし、その期間二十年以上一年を増すごとにその一年につき平均標準給与の日額の四日分に相当する額を加算する。
3 退職一時金又は障害一時金の支給を受けた後再び組合員となつた者に退職年金を支給するときは、前項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した退職年金の額から、前に支給を受けた退職一時金又は障害一時金の額を基準として、政令で定めるところにより算定した額を控除した額を退職年金の額とする。ただし、政令で定めるところにより、当該退職一時金又は障害一時金の額を基準として政令で定める額を返還したときは、この限りでない。
4 退職年金を受ける権利を有する者で五十五歳未満のもの(障害年金を受ける権利を有する者を除く。)が別表第二に掲げる程度の廃疾の状態となつたときは、その状態にある間は、第一項ただし書の規定にかかわらず、その者に退職年金を支給する。
(再就職した場合の退職年金の停止等)
第三十七条 退職年金を受けている者が再び組合員となつたときは、その組合員となつた日の属する月から退職年金の支給を停止する。前条第一項ただし書の規定により退職年金の支給を停止されている者が再び組合員となつた後同項ただし書の停止事由がなくなつたときも、同様とする。
2 前項の規定により退職年金の支給を停止された組合員が、生存脱退事由に該当してその資格を喪失したときは、前の組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)と後の組合員であつた期間を合算して退職年金の額を改定する。この場合において、その改定額が、従前の退職年金の額に後の組合員であつた期間一年につきその資格を喪失した当時の平均標準給与の日額の四日分に相当する額を加算して得た額より少いときは、その加算して得た額をもつてその者の退職年金の額とする。
(退職一時金)
第三十八条 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が六月以上二十年未満である組合員が生存脱退事由に該当してその資格を喪失したとき、又は任意継続組合員が第十七条第四項第三号、第四号若しくは第五号に規定する事由に該当してその資格を喪失したときは、退職一時金を支給する。ただし、障害年金を受ける権利を有する者には、支給しない。
2 退職一時金の額は、平均標準給与の日額に、組合員又は任意継続組合員であつた期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額とする。
第三節 障害給付
(障害年金)
第三十九条 組合員であつた期間が六月以上である者であつて組合員若しくは任意継続組合員であつた間に疾病にかかり、若しくは負傷したものにつき、組合員の資格の喪失等(組合員については生存脱退事由に該当することによる組合員の資格の喪失、任意継続組合員にあつては、障害給付の請求をいう。以下本節において同じ。)があつた場合において、その組合員の資格の喪失等があつた時(その時までに当該疾病若しくは負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」と総称する。)がなおらなかつた者については、これらの者のうち、当該傷病につき健康保険の療養の給付又は療養費の支給を受けるものにあつては、最初に健康保険の療養の給付若しくは療養費の支給を受ける診療を受けた日から起算して三年を経過する時又は当該傷病がなおつた時のどちらか早い時、その他のものにあつては、当該傷病につき最初に医師又は歯科医師の診療を受けた日から起算して三年を経過する時又は当該傷病のなおつた時のどちらか早い時。以下本節において同じ。)に、その者が当該傷病の結果として別表第二に掲げる程度の廃疾の状態にあるとき、又は障害一時金の支給を受けた者の廃疾の程度が、当該廃疾による組合員の資格の喪失等があつた時から起算して五年以内に増進して別表第二に掲げる程度の廃疾の状態に該当することとなつた場合において、その者が当該期間の経過後一月を経過するまでに請求があつたときは、その程度に応じて、その者の死亡に至るまで障害年金を支給する。
2 障害年金の年額は、別表第二で定める一級の廃疾の程度にあつては平均標準給与の月額の五月分に相当する額、同表で定める二級の廃疾の程度にあつては平均標準給与の月額の四月分に相当する額とする。
3 組合員であつた期間十年以上の者に支給する障害年金の年額は、前項の額に、組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)二十年に至るまでは十年以上一年を増すごとにその一年につき平均標準給与の日額の三日分に相当する額を、二十年以上については二十年以上一年を増すごとにその一年につき平均標準給与の日額の四日分に相当する額を加算する。
4 退職一時金の支給を受けた後に障害年金を支給すべき事由が発生した者に障害年金を支給するとき、又は障害一時金の支給を受けた者に当該廃疾により障害年金を支給するときは、前二項の規定にかかわらず、前二項の規定により算定した障害年金の額から、前に支給を受けた退職一時金又は障害一時金の額を基準として政令で定めるところにより算定した額を控除した額を障害年金の額とする。ただし、政令で定めるところにより、当該退職一時金又は障害一時金の額を基準として政令で定める額を返還したときは、この限りでない。
(廃疾の程度が変つた場合の障害年金の額の改定)
第四十条 障害年金を受ける権利を有する者の廃疾の程度が、減退したとき、又はその者につき当該廃疾による組合員の資格の喪失等があつた時から五年以内に増進した場合において、その期間経過後一月内までに請求があつたときは、その減退し、又は増進した後において該当する別表第二に掲げる廃疾の程度に応じて、その障害年金の額を改定する。
(廃疾の併合による障害年金)
第四十一条 障害年金を受ける権利を有する者若しくは障害一時金の支給を受けた者に対してさらに障害年金を支給すべき事由が発生したとき、又は障害一時金の支給を受けた者に対してさらに障害一時金を支給すべき事由が発生した場合において、当該事由が発生した時における前後の廃疾を併合した廃疾の程度が別表第二に掲げる廃疾の程度に該当するときは、その併合した廃疾の程度に応じて、障害年金を支給する。この場合には、従前の障害年金を受ける権利は、消滅する。
2 第三十九条第四項の規定は、障害一時金の支給を受けた者が前項の規定により障害年金を支給されることとなつた場合に準用する。
(再就職した場合の障害年金の停止等)
第四十二条 障害年金を受ける権利を有する者が再び組合員となつたときは、その組合員となつた日の属する月から障害年金の支給を停止する。
2 前項の規定により障害年金の支給を停止された組合員が、その者につき組合員の資格の喪失等があつた時に別表第二に掲げる程度の廃疾の状態にあるときは、その廃疾の程度に応じて、前の組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)と後の組合員であつた期間を合算して障害年金の額を改定する。
3 前項の場合において、その改定額が、従前の障害年金の額(同項の廃疾の程度が従前の障害年金の基礎となつた廃疾の程度より低い場合にあつては、従前の障害年金の基礎となつた廃疾の程度が同項の廃疾の程度に相当するものであつたものとみなして算定した額)に、組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)十年以上二十年に至るまでは十年以上一年を増すごとにその一年につきその資格を喪失した当時の平均標準給与の日額の三日分に相当する額を、二十年以上については二十年以上一年を増すごとにその一年につき当該平均標準給与の日額の四日分に相当する額を加算して得た額より少いときは、その加算して得た額をもつてその者の障害年金の額とする。
第四十三条 障害年金を受ける権利を有する者が当該傷病について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第七十七条の規定による障害補償又は労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第十二条第一項第三号の規定による障害補償費の支給を受ける権利を取得したときは、六年間、障害年金の支給を停止する。
(障害年金を受ける権利の消滅)
第四十四条 障害年金を受ける権利を有する者が障害年金の支給を受ける程度の廃疾の状態に該当しなくなつたときは、その障害年金を受ける権利は、消滅する。
2 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年未満である者で障害年金を受ける権利を有するものが前項の規定により障害年金の支給を受けなくなつた場合において、すでに支給を受けた障害年金の総額が、その者が組合員又は任意継続組合員の資格を喪失した際受けるべきであつた退職一時金の額と平均標準給与の月額の十月分に相当する額とを合算した額(その合算した額が平均標準給与の月額の二十二月分に相当する額をこえるときは、平均標準給与の月額の二十二月分に相当する額)に満たないときは、その差額を支給する。
(障害一時金)
第四十五条 組合員であつた期間が六月以上である者であつて組合員又は任意継続組合員であつた間に疾病にかかり、又は負傷したものにつき、組合員の資格の喪失等があつた場合において、その組合員の資格の喪失等があつた時に、その者が当該傷病の結果として別表第三に掲げる程度の廃疾の状態にあるときは、その者に障害一時金を支給する。ただし、次の各号の一に該当する者には、支給しない。
一 退職年金を受ける権利を有する者
二 当該傷病について労働基準法第七十七条の規定による障害補償又は労働者災害補償保険法第十二条第一項第三号の規定による障害補償費の支給を受ける権利を有する者
2 障害一時金の額は、平均標準給与の月額の十月分に相当する額とする。ただし、退職一時金の支給を受ける者に支給すべき額は、退職一時金の額と合算して平均標準給与の月額の二十二月分に相当する額をこえることができない。
第四節 遺族給付
(遺族年金)
第四十六条 組合員であつた期間が十年以上である組合員若しくは任意継続組合員が死亡したとき、又は組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年以上である者が死亡したときは、その者の遺族に遺族年金を支給する。
第四十七条 遺族年金の年額は、次の区分による額とする。
一 退職年金の支給を受けている者が死亡したときは、その退職年金の額の二分の一
二 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年以上である者が、退職年金の支給を受けないで死亡したときは、その者が支給を受けるべきであつた退職年金の額(第三十七条第一項の規定により退職年金の支給を停止された組合員が死亡したことによりその資格を喪失した場合にあつては、同条第二項の規定を準用して算出して得た額)の二分の一
三 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年以上である者で障害年金の支給を受けているもの(第四十二条第一項又は第四十三条の規定によりその支給を停止されている者を含む。第五十一条第三号において同じ。)が死亡したときは、その者が支給を受けるべきであつた退職年金の額(第四十二条第一項の規定により障害年金の支給を停止された組合員が死亡したことによりその資格を喪失した場合にあつては、第三十七条第二項の規定を準用して算出して得た額。第五十二条第三号において同じ。)の二分の一
四 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が十年以上二十年未満である組合員又は任意継続組合員が死亡したときは、その者の平均標準給与の月額の一月分に相当する金額にその期間十年以上一年を増すごとにその一年につき平均標準給与の日額の三日分に相当する金額を加算して得た額(その額が一万九千円に達しないときは、一万九千円)
(遺族年金の転給)
第四十八条 遺族年金を受ける権利を有する者が次の各号の一に該当するに至つたときは、その年金を受ける権利を失う。この場合において、遺族年金の支給を受けるべき同順位者がなくて後順位者があるときは、その者にこれを支給する。
一 死亡したとき。
二 婚姻したとき、又は直系姻族以外の者の養子となつたとき。
三 子又は孫(不具廃疾で生活資料を得るみちがない者を除く。)が十八歳に達したとき。
四 不具廃疾で生活資料を得るみちがないため遺族年金を受けていた者につき、その事情がなくなつたとき。
第四十九条 遺族年金を受ける権利を有する者が一年以上所在不明であるときは、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請により、所在不明中その者の受けるべき年金の支給を停止することができる。
2 前項の規定により年金の支給を停止した場合においては、その停止期間中、その年金は、同順位者から申請があつたときは同順位者に、次順位者から申請があつたときは次順位者に支給する。
(遺族一時金)
第五十条 組合員であつた期間が六月以上十年未満である組合員が死亡したときは、その者の遺族に遺族一時金を支給する。
2 遺族一時金の額は、平均標準給与の日額に、組合員であつた期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額とする。
(年金者遺族一時金)
第五十一条 次の各号の一に該当するときは、組合員であつた者の遺族に年金者遺族一時金を支給する。
一 退職年金を受けている者が死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
二 組合であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年以上である者が退職年金の支給を受けないで死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
三 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年以上である者で障害年金を受けているものが死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
四 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が二十年未満である者で障害年金を受けているもの(第四十二条第一項又は第四十三条の規定によりその支給を停止されている者を含む。)が死亡したとき。
五 組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が十年以上二十年未満である組合員又は任意継続組合員(障害年金を受けている者を除く。)が死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
六 遺族年金を受ける権利を有する者がその権利を失い、以後当該年金を受けるべき遺族がないとき。
第五十二条 年金者遺族一時金の額は、次の区分による額とする。
一 前条第一号に該当する場合においては、すでに支給を受けた年金の総額が、退職年金の額の六年分に満たないときは、その差額
二 前条第二号に該当する場合においては、その者が受けるべきであつた退職年金の額の六年分
三 前条第三号に該当する場合においては、すでに支給を受けた年金の総額が、その者に係る第四十七条第三号の退職年金の額の六年分に満たないときは、その差額
四 前条第四号に該当する場合においては、すでに支給を受けた年金の総額が、平均標準給与の日額に組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額と平均標準給与の月額の十月分に相当する額とを合算した額(その合算した額が平均標準給与の月額の二十二月分に相当する額をこえるときは、平均標準給与の月額の二十二月分に相当する額)に満たないときは、その差額
五 前条第五号に該当する場合においては、その者が死亡したときに、もし生存脱退事由又は第十七条第四項第三号、第四号若しくは第五号に規定する事由に該当して組合員又は任意継続組合員の資格を喪失したとすれば受けるべきであつた退職一時金の額
六 前条第六号に該当する場合においては、すでに支給を受けた退職年金、障害年金及び遺族年金の総額が、その組合員であつた者が受けていた退職年金又は受けるべきであつた退職年金の額の六年分(組合員であつた期間(任意継続組合員であつた期間を含む。)が十年以上二十年未満である組合員又は任意継続組合員が死亡したことにより遺族年金の支給を受けていた場合にあつては、前号に規定する退職一時金の額)に満たないときは、その差額
第四章 福祉事業
(福祉事業)
第五十三条 組合は、前章に規定する給付を行うほか、組合員(任意継続組合員を含む。以下この条において同じ。)の福祉を増進するため、定款で定めるところにより、次の各号に掲げる福利及び厚生に関する事業を行うことができる。
一 組合員の保健及び保養並びに教養に資する施設の経営
二 組合員の利用に供する財産の取得、管理又は貸付
三 組合員の臨時の支出に対する貸付
四 前各号に掲げるもののほか、組合員の福祉を増進するために必要な事業
第五章 掛金及び国の補助
(掛金)
第五十四条 組合は、その業務に要する費用に充てるため、掛金を徴収する。
2 前項の規定による掛金は、組合員の標準給与の月額を標準として算定するものとし、その標準給与の月額と掛金との割合は、組合員と任意継続組合員ごとに、政令で定める範囲内において、定款で定める。
3 掛金を計算するにあたり、掛金額に一円に満たない端数を生じたときは、その端数は、切り捨てる。
(掛金の負担)
第五十五条 組合員及びその組合員を使用する農林漁業団体等は、前条の規定による掛金を折半して負担する。
2 任意継続組合員は、前条の規定による掛金の全額を負担する。
(掛金の納付義務及び給与からの控除等)
第五十六条 農林漁業団体は、自己及びその使用する組合員の負担する毎月の掛金を、翌月の末日までに組合に納付する義務を負う。
2 任意継続組合員は、第十七条第二項に規定する場合を除き、自己の負担する毎月の掛金を、翌月の末日までに組合に納付する義務を負う。
3 農林漁業団体等は、組合員の給与を支給するときは、その給与から当該組合員が負担すべき当該給与に係る月の前月分の掛金(組合員がその資格を喪失した場合においては、前月分及びその月分の掛金)に相当する金額を控除することができる。
4 農林漁業団体は、組合員が組合に対して支払うべき第五十三条第三号の規定による貸付金の返還の債務で弁済期が到来しているものがある場合において、組合から求められたときは、当該組合員に支給すべき給与からその債務の額に相当する金額を控除して、その金額を組合員に代り組合に支払わなければならない。
5 組合は、その使用する組合員が組合に対して支払うべき第五十三条第三号の規定による貸付金の返還の債務で弁済期が到来しているものがあるときは、当該組合員に支給すべき給与からその債務の額に相当する金額を控除することができる。
(督促及び延滞金の徴収)
第五十七条 組合は、掛金を滞納した農林漁業団体又は任意継続組合員に対し、期限を指定して、その掛金の納付を督促しなければならない。
2 前項の規定による督促は、督促状を発してしなければならない。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上を経過した日でなければならない。
3 第一項の規定により督促したときは、組合は、掛金額百円につき一日六銭の割合で、納付期限の翌日から掛金完納又は財産差押の日の前日までの日数によつて計算した延滞金を徴収する。ただし、掛金額が千円未満であるとき、又は滞納につきやむを得ない事情があると認められるときは、この限りでない。
4 前項の場合において、掛金額の一部について納付があつたときは、その納付の日の翌日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる掛金は、その納付のあつた掛金額を控除した金額による。
5 掛金額に千円未満の端数があるときは、延滞金は、その端数を切り捨てて計算する。
6 督促状に指定した期限までに掛金を完納したとき、又は前三項の規定により計算した金額が十円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。
7 延滞金の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
(滞納処分)
第五十八条 前条第一項の規定による督促を受けた農林漁業団体が、同項の規定による指定の期限までに掛金を完納しないときは、農林漁業団体の住所又は財産がある市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区とする。以下同じ。)は、組合の請求により、市町村税の滞納処分の例によつて、これを処分することができる。この場合においては、組合は、徴収金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。
2 市町村が、前項の請求を受けた日から三十日以内にその処分に着手せず、又は九十日以内にこれを結了しないときは、組合は、農林大臣の認可を受け、国税滞納処分の例によつて、これを処分することができる。
(先取特権の順位)
第五十九条 掛金その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぎ、他の公課に先だつものとする。
(国税徴収法の準用)
第六十条 国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第四条ノ二から第四条ノ五まで、第四条ノ九、第四条ノ十及び第九条ノ二の規定は、掛金その他この法律の規定による徴収金に準用する。
(掛金徴収権等の時効)
第六十一条 掛金その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年間行わないときは、時効によつて消滅する。
2 第十六条第一項の規定による届出があつたときは、当該届出は、当該届出をした農林漁業団体及び当該届出に係る職員たる組合員に対して組合が有する掛金を徴収する権利の時効を中断し、同条第二項の規定による確認の請求があつたときは、当該請求は、当該請求をした者及びその者に係る農林漁業団体に対して組合が有する掛金を徴収する権利の時効を中断する。
3 前項に定めるもののほか、第一項の時効の中断、停止その他の事項については、民法の時効に関する規定を準用する。ただし、組合のなす掛金その他この法律の規定による徴収金の督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
(国の補助)
第六十二条 国は、毎年度、予算の範囲内において、次の各号に掲げる経費を補助することができる。
一 給付に要する費用(政令で定めるところにより算出した額を除く。以下この号において同じ。)の百分の十五に相当する額(第二十九条の規定により控除すべき金額があるときは、その金額を給付に要する費用に加え、その得た額の百分の十五に相当する額からその控除すべき金額を差し引いて得た額)
二 組合の事務に要する費用
第六章 審査会
(審査会)
第六十三条 給付に関する決定又は掛金その他組合員若しくは任意継続組合員が組合に対して支払うべき金額の徴収に対する異議を審査するため、組合に審査会を置く。
2 審査会は、委員九人をもつて組織する。
3 委員は、組合員を代表する者、農林漁業団体等を代表する者及び公益を代表する者それぞれ三人とし、理事長が農林大臣の承認を受けて委嘱する。
4 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第六十四条 審査会に会長を置く。会長は、審査会において、公益を代表する委員のうちから選挙する。
2 会長は、会務を総理する。
第六十五条 審査会は、会長が招集し、その議事は、会長以外の出席した委員の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
2 審査会は、組合員を代表する委員、農林漁業団体等を代表する委員及び公益を代表する委員がそれぞれ少くとも一人以上出席しなければ、会議を開き、及び議決することができない。
(審査)
第六十六条 給付に関する決定又は掛金その他組合員若しくは任意継続組合員が組合に対して支払うべき金額の徴収に対する異議がある者は、その決定又は徴収の通知のあつた日から起算して六十日以内に、文書又は口頭で審査会に対して審査の請求をすることができる。
2 前項の規定による請求があつたときは、会長は、遅滞なく、審査会を招集しなければならない。
3 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、審査を請求した者若しくは関係人に対し、報告若しくは意見を求め、その出頭を命じ、又は医師に診断若しくは検案をさせることができる。
4 関係人及び証人は、審査会の会議に出席して意見を述べることができる。
5 審査会は、審査の請求を受けた日から起算して六十日以内に審査の決定を行い、決定の日から起算して七日以内に、文書で、組合及び審査を請求した者に対し、これを通知しなければならない。
6 第一項の規定による給付に関する決定に対する審査の請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(審査会に関する事項の政令への委任)
第六十七条 審査会の委員並びに前条第三項の規定により出頭を命じた関係人及び同項の規定により診断又は検案をさせた医師の報酬及び旅費その他審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
第七章 会計
(事業年度)
第六十八条 組合の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
2 組合は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
(予算及び決算)
第六十九条 組合は、毎事業年度、収入及び支出の予算を作成し、事業年度開始前に農林大臣の認可を受けなければならない。これに重要な変更を加えようとするときも、同様とする。
2 理事長は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに予算の区分に従つて作成した当該事業年度の決算報告書を添附し、監事の意見をつけて、決算完結後一月以内に組合会に提出し、その議決を受けなければならない。
3 組合は、前項の書類を決算完結後二月以内に農林大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
4 組合は、前項の規定による農林大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を公告し、かつ、各事務所に備えて置かなければならない。
(余裕金の運用)
第七十条 組合は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 農業協同組合法第十条第一項第二号の事業を行う農業協同組合連合会、水産業協同組合法第八十七条第一項第二号の事業を行う漁業協同組合連合会、農林中央金庫若しくは銀行への預金又は郵便貯金
二 銀行又は信託会社への金銭信託
三 国債、地方債その他農林省令で定める有価証券の取得
四 不動産の取得
(会計等に関する事項の省令への委任)
第七十一条 前三条に規定するもののほか、余裕金の運用その他組合の会計及び財務に関し必要な事項は、農林省令で定める。
第八章 監督
(監督)
第七十二条 組合は、農林大臣が監督する。
2 農林大臣は、第四条第二項の規定による認可をし、若しくは第六十九条第一項の規定による認可若しくは同条第三項の規定による承認をし、又は第七十条第三号若しくは前条の規定により農林省令を定めるときは、あらかじめ、大蔵大臣と協議しなければならない。
(監督命令)
第七十三条 農林大臣は、この法律を施行するために必要があると認めるときは、組合に対し、その業務に関して、監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第七十四条 農林大臣は、必要があると認めるときは、組合に対し、その業務及び資産の状況に関して報告をさせ、又は当該職員をして組合の事務所に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の職員は、同項の規定による立入検査をする場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
4 厚生大臣は、必要があると認めるときは、組合に対し、その業務及び資産の状況について報告をさせることができる。
(役員の就任の認可の取消)
第七十五条 農林大臣は、役員が次の各号の一に該当するに至つたときは、第九条第七項において準用する第八条第四項の規定によつてした認可を取り消すことができる。
一 この法律、この法律に基く命令(第七十三条の規定による農林大臣の監督上の命令を含む。)又は定款に違反したとき。
二 準禁治産の宣告を受けたとき。
三 心身の故障により職務を執ることができないとき。
2 前項の規定による認可の取消があつたときは、その役員は、その職を失う。
第九章 雑則
(関係書類の備えつけ及び閲覧)
第七十六条 理事長は、定款、業務方法書、財務諸表及び決算報告書を組合の事務所に備えつけて置かなければならない。
2 組合員又は任意継続組合員は、理事長に対し、前項の書類の閲覧を請求することができる。この場合には、理事長は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
(組合の報告徴取等)
第七十七条 組合は、農林省令で定めるところにより、農林漁業団体に、その使用する組合員の異動、給与等に関して報告をさせ、又は文書を提示させることができる。
2 組合は、農林省令で定めるところにより、組合員、任意継続組合員又はこの法律により給付を受けるべき者に、農林漁業団体等に対して組合の業務の執行に必要な申出若しくは届出をさせ、又は文書を提出させることができる。
(戸籍書類の無料証明)
第七十八条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長とする。)は、組合員、任意継続組合員又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者に対し、当該市町村の条例で定めるところにより、組合員、組合員であつた者又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者の戸籍に関して、無料で証明を行うことができる。
(施行手続等の省令への委任)
第七十九条 この法律に特別の定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その施行について必要な事項は、農林省令で定める。
第十章 罰則
第八十条 第七十四条第一項又は第四項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
2 組合の役員、代理人又は使用人その他の従業者が、組合の業務又は財産に関して、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、組合に対しても同項の刑を科する。
第八十一条 次の各号の一に該当する場合には、組合の役員を三万円以下の過料に処する。
一 この法律に違反して、登記をすることを怠つたとき。
二 この法律又は定款に規定する業務以外の業務を行つたとき。
三 第六十九条第四項の規定に違反して、公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
四 第七十条の規定に違反して、業務上の余裕金を運用したとき。
五 第七十三条の規定による農林大臣の監督上の命令に違反したとき。
第八十二条 第十六条第一項若しくは第二十条第二項の規定による届出をせず、又は第七十七条の規定による報告、申出若しくは届出をせず、虚偽の報告、申出若しくは届出をし、又は文書の提示若しくは提出を怠つた者は、一万円以下の過料に処する。
第八十三条 第六条の規定に違反して、農林漁業団体職員共済組合という名称又はこれと紛らわしい名称を用いた者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十四年一月一日から施行する。ただし、附則第二条及び附則第七条の規定は、公布の日から施行する。
(組合の設立)
第二条 農林大臣は、この法律の公布の日から三十日以内に、農林漁業団体及び農林漁業団体の役員以外の職員のうちからそれぞれ三十人以内の同数の者を組合設立委員として指名しなければならない。
2 組合設立委員は、指名の日から六十日以内に、第四条第一項各号に掲げる事項についての定款並びに当初の事業年度の収入及び支出の予算を作成し、農林大臣の認可を受けなければならない。
3 農林大臣は、前項の規定により認可をしようとするときは、あらかじめ、大蔵大臣と協議しなければならない。
4 組合設立委員は、第二項の認可を受けた日から三十日以内に、理事長となるべき者一人及び監事となるべき者二人並びに定款で定める員数の理事となるべき者を選挙し、農林大臣の認可を受けなければならない。
5 農林大臣は、前項の規定により認可をしたときは、直ちに、その旨を告示するものとする。
第三条 組合は、前条第五項の規定による告示があつたときは、昭和三十四年一月一日に成立する。
2 前条第二項の規定により作成した定款及び予算並びに同条第四項の理事長、理事及び監事となるべき者は、組合の成立の日において、それぞれ、組合の定款及び予算並びに理事長、理事及び監事となるものとする。この場合においては、組合は、遅滞なく、その定款を公告しなければならない。
3 前項の理事長、理事及び監事の任期は、第九条第三項本文の規定にかかわらず、一年をこえない範囲内において定款で定める。
(厚生年金保険の被保険者であつた期間の取扱)
第四条 組合の成立の日の前日において厚生年金保険の被保険者であつた者で組合の成立と同時に組合員となつたものの組合の成立の日の前日以前における厚生年金保険の被保険者であつた期間(その期間の計算については、厚生年金保険法の規定による。以下同じ。)は、この法律(第二十一条を除く。)の適用については、組合員であつた期間とみなし、これとその者が組合員となつた後の組合員である期間とを合算する。この場合においては、組合員となつた者(組合の成立の日の前日において厚生年金保険法に基く給付を受けている者を除く。)の厚生年金保険の被保険者であつた期間は、組合の成立の日以後における同法の適用については、厚生年金保険の被保険者でなかつたものとみなす。
(給付の調整)
第五条 前条の規定により組合員であつた期間とみなされる期間(以下「通算期間」という。)を有する組合員又は任意継続組合員に係る退職年金、退職一時金、遺族年金又は遺族一時金の額については、第三十六条第二項、第三十八条第二項、第四十七条第四号又は第五十条第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる額をそれぞれ当該規定に定められる退職年金、退職一時金、遺族年金又は遺族一時金の額とする。ただし、退職一時金又は遺族一時金については、その計算の基礎となるべき期間に通算期間が含まれている場合に限る。
一 退職年金の年額 第三十六条第二項の規定により算定した額から、当該額に通算期間を組合員であつた期間(通算期間及び任意継続組合員であつた期間を含む。以下「全組合員期間」という。)で除して得た割合を乗じて算出した額の百分の二十(組合の成立の日におけるその者の標準給与の月額が一万八千円をこえる場合にあつては、百分の二十に当該月額を一万八千円で除して得た割合を乗じて算出した比率。以下この条において同じ。)に相当する額を控除した額
二 退職一時金の額 第三十八条第二項の規定により算定した額から、平均標準給与の日額に通算期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額の百分の二十に相当する額を控除した額
三 遺族年金の年額 第四十七条第四号の規定により算定した額から、当該額に通算期間を全組合員期間で除して得た割合を乗じて算出した額の百分の二十に相当する額を控除した額(その額が一万九千円に達しないときは、一万九千円)
四 遺族一時金の額 第五十条第二項の規定により算定した額から、平均標準給与の日額に通算期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額の百分の二十に相当する額を控除した額
(厚生保険特別会計からの交付金)
第六条 政府は、政令で定めるところにより、厚生保険特別会計から一定の金額を組合に交付するものとする。
2 前項の一定の金額は、昭和三十三年十二月三十一日における厚生保険特別会計の年金勘定の積立金総額から、同日において厚生年金保険法の規定により年金たる保険給付を受ける権利を有する者が同日以後受けるべき年金額の百分の八十五に相当する額の現価の総額を控除して得た額に、同日において厚生年金保険の被保険者であり、かつ、組合の成立と同時に組合員となる者の厚生年金保険の被保険者であつた期間のそれぞれの期間の標準報酬月額に当該期間に係る所定の保険料率をそれぞれ乗じて得た額の総額を同日における厚生年金保険のすべての被保険者及び同日以前に厚生年金保険の被保険者であつたすべての者の被保険者であつた期間のそれぞれの期間の標準報酬月額に当該期間に係る所定の保険料率をそれぞれ乗じて得た額の総額で除して得た割合を乗じて算出した額とする。
3 政府は、昭和三十四年度において、第一項の規定により交付すべき金額の概算額を、政令で定めるところにより、厚生保険特別会計から組合に交付することができる。
4 前項の規定により交付した額が、第二項の規定により計算して得た額をこえたときは、組合は、その超過額を、政令で定めるところにより、厚生保険特別会計に返還しなければならない。
(農林省設置法の一部改正)
第七条 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項第二号の次に次の一号を加え、同条第二項中「第二号」の下に「、第二号の二」を加える。
二の二 農林漁業団体職員共済組合の指導監督及び助成を行うこと。
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第八条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第二十三条中「当分ノ間」の下に「農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)附則第六条第四項ノ規定ニ依ル農林漁業団体職員共済組合ヨリノ返還金ハ年金勘定ノ歳入トシ」を加え、「及」を「並ニ」に改め、「附則第三十五項」の下に「並ニ農林漁業団体職員共済組合法附則第六条第一項及第三項」を加え、「年金勘定」を「同勘定」に改める。
(国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律の一部改正)
第九条 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律(昭和二十九年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第四号中「市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)第十五条(組合の給付)」の下に「、農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)第十九条(組合の給付)」を加える。
(登録税法の一部改正)
第十条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「私立学校教職員共済組合」の下に「、農林漁業団体職員共済組合」を、「私立学校教職員共済組合法」の下に「、農林漁業団体職員共済組合法」を加え、同条第十八号中「私立学校教職員共済組合」の下に「、農林漁業団体職員共済組合」を加え、同条第二十三号の次に次の一号を加える。
二十三ノ二 農林漁業団体職員共済組合ガ農林漁業団体職員共済組合法第五十三条ノ事業ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記
(印紙税法の一部改正)
第十一条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ十ノ六の次に次の一号を加える。
六ノ十ノ七 農林漁業団体職員共済組合ノ農林漁業団体職員共済組合法第十九条ニ掲グル給付、同法第五十三条第二号ノ貸付及同条第三号ノ事業ニ関スル証書、帳簿
(所得税法の一部改正)
第十二条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第十二号中「並びに私立学校教職員共済組合」を「、私立学校教職員共済組合並びに農林漁業団体職員共済組合」に改める。
第八条第六項第六号の四の次に次の一号を加える。
六の五 農林漁業団体職員共済組合法の規定により組合員(任意継続組合員を含む。)として負担する掛金
第九条第二項中「第六号の四」を「第六号の五」に改める。
(法人税法の一部改正)
第十三条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第四号中「並びに私立学校教職員共済組合」を「、私立学校教職員共済組合並びに農林漁業団体職員共済組合」に改める。
(地方税法の一部改正)
第十四条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第四号中「並びに私立学校教職員共済組合」を「、私立学校教職員共済組合並びに農林漁業団体職員共済組合」に改める。
別表第一
組合員又は任意継続組合員であつた期間 |
日数 |
六月以上 一年未満 |
一〇日 |
一年以上 一年六月未満 |
二〇日 |
一年六月以上 二年未満 |
三〇日 |
二年以上 二年六月未満 |
四〇日 |
二年六月以上 三年未満 |
五〇日 |
三年以上 三年六月未満 |
六〇日 |
三年六月以上 四年未満 |
七〇日 |
四年以上 四年六月未満 |
八〇日 |
四年六月以上 五年未満 |
九〇日 |
五年以上 五年六月未満 |
一〇〇日 |
五年六月以上 六年未満 |
一一〇日 |
六年以上 六年六月未満 |
一二〇日 |
六年六月以上 七年未満 |
一三〇日 |
七年以上 七年六月未満 |
一四〇日 |
七年六月以上 八年未満 |
一五〇日 |
八年以上 八年六月未満 |
一六〇日 |
八年六月以上 九年未満 |
一七〇日 |
九年以上 九年六月未満 |
一八〇日 |
九年六月以上 一〇年未満 |
一九〇日 |
一〇年以上 一〇年六月未満 |
二〇〇日 |
一〇年六月以上 一一年未満 |
二一五日 |
一一年以上 一一年六月未満 |
二三〇日 |
一一年六月以上 一二年未満 |
二四五日 |
一二年以上 一二年六月未満 |
二六〇日 |
一二年六月以上 一三年未満 |
二七五日 |
一三年以上 一三年六月未満 |
二九〇日 |
一三年六月以上 一四年未満 |
三〇五日 |
一四年以上 一四年六月未満 |
三二〇日 |
一四年六月以上 一五年未満 |
三三五日 |
一五年以上 一五年六月未満 |
三五〇日 |
一五年六月以上 一六年未満 |
三六五日 |
一六年以上 一六年六月未満 |
三八〇日 |
一六年六月以上 一七年未満 |
三九五日 |
一七年以上 一七年六月未満 |
四一〇日 |
一七年六月以上 一八年未満 |
四二五日 |
一八年以上 一八年六月未満 |
四四〇日 |
一八年六月以上 一九年未満 |
四五五日 |
一九年以上 一九年六月未満 |
四七〇日 |
一九年六月以上 二〇年未満 |
四八五日 |
別表第二
障害年金を支給すべき程度の廃疾の状態
廃疾の程度 |
番号 |
廃疾の状態 |
一級 |
一 |
両眼の視力が〇・〇二以下に減じたもの又は一眼が失明し他眼の視力が〇・〇六以下に減じたもの |
二 |
咀嚼又は言語の機能を廃したもの |
|
三 |
両腕を腕関節以上で失つたもの |
|
四 |
両足を足関節以上で失つたもの |
|
五 |
両腕の用を全く廃したもの |
|
六 |
両足の用を全く廃したもの |
|
七 |
十指を失つたもの |
|
八 |
前各号のほか、傷病により廃疾となり、高度の精神障害又は身体障害を残し、勤労能力を喪失したもの |
|
二級 |
一 |
両眼の視力が〇・一以下に減じたもの |
二 |
鼓膜の大部分の欠損その他により両耳の聴力が耳殻に接しなければ大声を解し得ない状態にあるもの |
|
三 |
脊柱に著しく機能障害を残すもの |
|
四 |
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
|
五 |
一手のおや指及びひとさし指をあわせて四指以上を失つたもの |
|
六 |
十指の用を廃したもの |
|
七 |
一腕の三大関節中二関節の用を廃したもの |
|
八 |
一足の三大関節中二関節の用を廃したもの |
|
九 |
一足を足関節以上で失つたもの |
|
十 |
十のあしゆびを失つたもの |
|
十一 |
前各号のほか、傷病により廃疾となり、精神障害又は身体障害を残し、勤労能力に高度の制限を有するもの |
備考
一 視力の測定は、万国式視力表によるものとし、屈折異状があるものについては、矯正視力につき測定する。
二 指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の指は第一指関節以上を失つたものをいう。
三 指の用を廃したものとは、指の末節の半分以上を失い、又は掌指関節若しくは第一指関節(おや指にあつては、指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 あしゆびを失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
別表第三
障害一時金を支給すべき程度の廃疾の状態
番号 |
廃疾の状態 |
一 |
一眼の視力が○・一以下に減じたもの又は両眼の視力が○・六以下に減じたもの |
二 |
両眼のまぶたに著しい欠損又は両眼に半盲症、視野狭窄若しくは視野変状を残すもの |
三 |
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
四 |
鼓膜の大部分の欠損その他により一耳の聴力が耳殻に接しなければ大声を解し得ない状態にあるもの |
五 |
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの |
六 |
脊柱に著しい運動障害を残すもの |
七 |
おや指、ひとさし指又はおや指及びひとさし指以外の二指以上を失 つたもの |
八 |
おや指の用を廃したもの、ひとさし指をあわせて二指の用を廃した もの又はおや指及びひとさし指以外の三指の用を廃したもの |
九 |
一腕の三大関節中一関節以上に著しい機能障害を残すもの |
十 |
一足の三大関節中一関節以上に著しい機能障害を残すもの |
十一 |
一腕の長管状骨に仮関節を残すもの |
十二 |
一足の長管状骨に仮関節を残すもの |
十三 |
一足を三センチメートル以上短縮したもの |
十四 |
一足の第一のあしゆび又はその他の四のあしゆびを失つたもの |
十五 |
一足の五のあしゆびの用を廃したもの |
十六 |
前各号のほか、傷病により廃疾となり、精神障害、身体障害又は神 経系統に障害を残し、勤労能力に制限を有するもの |
備考
一 視力測定は、万国式視力表によるものとし、屈折異状があるものについては、矯正視力につき測定する。
二 指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の指は第一指関節以上を失つたものをいう。
三 指の用を廃したものとは、指の末節の半分以上を失い、又は掌指関節若しくは第一指関節(おや指にあつては、指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 あしゆびを失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五 あしゆびの用を廃したものとは、第一のあしゆびは末節の半分以上、その他のあしゆびは末関節以上を失つたもの又は蹠趾関節若しくは第一趾関節(第一のあしゆびにあつては、趾関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
(内閣総理・大蔵・厚生・農林大臣署名)