へき地教育振興法の一部を改する法律
法律第百一号(昭三三・四・二八)
へき地教育振興法(昭和二十九年法律第百四十三号)の一部を次のように改正する。
第二条中「交通困難で」を「交通条件及び」に改める。
第三条第一項に次の二号を加え、同条第二項を削る。
四 へき地学校における教員及び職員並びに児童及び生徒の健康管理の適正な実施を図るため必要な措置を講ずること。
五 へき地学校の児童及び生徒の通学を容易にするため必要な措置を講ずること。
第四条を次のように改める。
(都道府県の任務)
第四条 都道府県は、へき地における教育の振興を図るため、当該地方の必要に応じ、左に掲げる事務を行う。
一 へき地における教育の特殊事情に適した学習指導、教材、教具等について必要な調査、研究を行い、及び資料を整備すること。
二 へき地学校に勤務する教員の養成施設を設けること。
三 前条に規定する市町村の事務の遂行について、市町村に対し、適切な指導、助言又は援助を行うこと。
2 都道府県は、へき地学校に勤務する教員及び職員の定員の決定について特別の考慮を払わなければならない。
3 都道府県は、へき地学校に勤務する教員の研修について教員に十分な機会を与えるように措置するとともに研修旅費その他研修に関し必要な経費の確保に努めなければならない。
第五条の次に次の二条を加える。
(へき地手当)
第五条の二 都道府県は、条例で定めるところにより、へき地学校に勤務する教員及び職員に対して、特殊勤務手当として、へき地手当を支給しなければならない。
第五条の三 前条の規定により都道府県が支給すべきへき地手当の月額は、教員又は職員の給料の月額と扶養手当の月額との合計額を基礎とし、これにへき地手当に関するへき地学校の級別に応ずる支給割合を乗じて算出するものとし、当該級別の指定は条例で行い、当該支給割合は条例で定めるものとする。
2 へき地手当に関するへき地学校の級別は、へき地学校の所在地のへき地条件の程度の軽重に応じ、一級から五級までとし、その級別指定の基準は、文部省令で定める。
3 第一項の規定によるへき地手当に関するへき地学校の級別の指定は、前項の規定により文部省令で定める級別指定の基準に準拠して、これを行わなければならない。
4 第一項の規定により条例で定める支給割合は、次に掲げる級別ごとの割合を基準として、これを定めなければならない。
一級 百分の八
二級 百分の十二
三級 百分の十六
四級 百分の二十
五級 百分の二十五
第六条第一項及び第二項を次のように改める。
国は、市町村が行う第三条各号に掲げる事務に要する経費(当該経費のうち、他の法律に基き国が負担し、又は補助する部分を除く。)について、その二分の一を補助する。
2 国は、都道府県が行う第四条第一項第二号に掲げる事務に要する経費(当該経費のうち、他の法律に基き国が負担し、又は補助する部分を除く。)について、その二分の一を補助する。
第六条第三項中「、算定基準及び補助の比率」を「及び算定基準」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和三十四年四月一日から施行する。
2 この法律による改正後のへき地教育振興法第五条の二及び第五条の三の規定に基くへき地手当に関する条例(以下「条例」という。)の制定にあたつては、都道府県は、当該都道府県内のへき地学校に勤務する教員及び職員のうちに、条例の施行により、条例の規定によるへき地手当の月額が当該手当に相当する従前の特殊勤務手当の月額より低額であるものを生ずることとなるときは、これらの教員及び職員につき不利益な結果が生じないように必要な経過的措置を当該条例において定めなければならない。
(内閣総理・大蔵・文部大臣署名)