財政法等の一部を改正する法律

法律第九十号(昭二九・五・八)

第一条 財政法(昭和二十二年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第一項中「歳出予算の金額」の下に「(第四十三条の三に規定する承認があつた金額を含む。)」を加え、同条第三項中「三箇年度」を「五箇年度」に改める。

  第三十四条第三項中「及び会計検査院」を削る。

  第四十三条第二項を次のように改める。

   前項の承認があつたときは、当該経費に係る歳出予算は、その承認があつた金額の範囲内において、これを翌年度に繰り越して使用することができる。

  第四十三条に次の二項を加える。

   各省各庁の長は、前項の規定による繰越をしたときは、事項ごとに、その金額を明らかにして、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。

   第二項の規定により繰越をしたときは、当該経費については、第三十一条第一項の規定による予算の配賦があつたものとみなす。この場合においては、同条第三項の規定による通知は、これを必要としない。

  第四十三条の二第三項中「前条第二項」を「前条第三項及び第四項」に、「第一項」を「前項」に改め、同条第二項を削り、同条の次に次の一条を加える。

 第四十三条の三 各省各庁の長は、繰越明許費の金額について、予算の執行上やむを得ない事由がある場合においては、事項ごとに、その事由及び金額を明らかにし、大蔵大臣の承認を経て、その承認があつた金額の範囲内において、翌年度にわたつて支出すべき債務を負担することができる。

第二条 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  第十三条第五項中「代理支出負担行為担当官という。」を「代理支出負担行為担当官といい、第四項の規定により支出負担行為担当官の事務の一部を分掌する職員は、これを分任支出負担行為担当官という。」に改め、同条第四項中「前三項」を「前四項」に改め、同条第三項中「第四項」を「第五項」に改め、同項の次に次の一項を加える。

   各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定めるところにより、当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に、支出負担行為担当官の事務の一部を分掌せしめることができる。

  第十三条の二に次の一項を加える。

   分任支出負担行為担当官が支出負担行為をなす場合における前項の規定の適用については、同項前段中「支出負担行為担当官が」とあるのは「分任支出負担行為担当官が」と、「支出負担行為の内容を表示する書類」とあるのは「支出負担行為担当官が所属の各分任支出負担行為担当官のなす支出負担行為の限度額及びその内訳を記載した書類」と読み替えるものとする。

  第十三条の四中「第十三条の二」を「第十三条の二第一項」に改める。

  第四十二条中「遅滞なく、」を「政令の定めるところにより、」に改める。

  第四十六条の次に次の一条を加える。

 第四十六条の二 各省各庁の長は、財政法第四十三条第一項に規定する繰越の手続に関する事務を当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に、大蔵大臣は、同項に規定する承認に関する事務を大蔵省所属の職員に、政令の定めるところにより、委任することができる。

  第四十七条第一項中「大蔵省」を「大蔵大臣」に改める。

  第四十八条中「又は認証」の下に「、繰越の手続」を加え、「吏員」を「長又は吏員」に改める。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 改正後の財政法の規定は、昭和二十九年度分の予算から適用する。

3 昭和二十八年度分以前の予算に係る繰越については、なお従前の例による。

4 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。

  第八条中第十九号を第二十号とし、第六号から第十八号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。

  六 各省各庁の繰越明許費に関し、翌年度にわたつて支出すべき債務の負担を承認すること。

5 予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年法律第百七十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第七号中「吏員」を「長又は吏員」に改める。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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