ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く大蔵省関係ゥ命令の措置に関する法律
法律第四十三号(昭二七・三・三一)
(閉鎖機関令の一部改正)
第一条 閉鎖機関令(昭和二十二年勅令第七十四号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「連合国最高司令官の要求に基き、」を削る。
第二条を削り、第一条の二を第二条とする。
第五条第六項を削る。
第十八条の二を削る。
第十九条第一項中「連合国最高司令官の要求に基き」を削る。
第十九条の八から第十九条の二十四までを削る。
第二十条第三項を削る。
第二十四条を削り、第二十三条の二を第二十四条とする。
第二十九条の二中「左の各号の一に該当する者」を「第一条の規定による指定があつたことを知りながら、第七条第一項の規定に違反して報告をせず若しくは虚偽の報告をし又は特殊清算人の要求に係る財産を引き渡さなかつた者」に改め、同条各号を削る。
第三十条中「左の各号の一に該当する者」を「第五条第五項の規定に違反した者」に改め、同条各号を削る。
第三十一条の二を削る。
第三十二条中「第二十九条の二第二号又は第三十条第一号」を「第二十九条の二又は第三十条」に改める。
(閉鎖機関整理委員会令の一部改正)
第二条 閉鎖機関整理委員会令(昭和二十二年勅令第七十五号)の一部を次のように改正する。
第十四条中「昭和二十一年勅令第五百六十七号(会社の証券保有制限等に関する勅令)第十一条及び」を削る。
第十六条第二項を削る。
第二十条を次のように改める。
第二十条 整理委員会は、大蔵大臣の命令によつて解散する。
前項に定めるものの外、整理委員会の解散に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第二十二条を削り、第二十三条を第二十二条とし、第二十四条を第二十三条とする。
(閉鎖機関に関する債権の時効等の特例に関する政令の一部改正)
第三条 閉鎖機関に関する債権の時効等の特例に関する政令(昭和二十三年政令第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第三条を削る。
(旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部改正)
第四条 旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令(昭和二十四年政令第二百九十一号)の一部を次のように改正する。
第一条及び第二条第一項第一号中「連合国最高司令官の要求に基き、」を削る。
第二十五条第四項及び第五項を削り、同条第六項を同条第四項とする。
第三十四条の三第四項中「法律」を「別に法律」に改める。
(国外居住外国人等に対する債務の弁済のためにする供託の特例に関する政令の一部改正)
第五条 国外居住外国人等に対する債務の弁済のためにする供託の特例に関する政令(昭和二十五年政令第二十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「国外居住外国人に対する債務(」の下に「旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令(昭和二十四年政令第二百九十一号)第二条第一項第一号に規定する在外会社の債務以外の債務で日本国との平和条約の最初の効力発生の日以後生じたもの並びに」を加える。
第七条中「別に」を削る。
第九条を次のように改める。
第九条 削除
第十条第一項中「前条第四項の規定によりする場合を除く外、」を削り、「承諾書」を「還付を承諾する旨の承諾書(以下「承諾書」という。)」に改め、同条第二項中「前条第四項又は」を削る。
第十二条中「附則第四項」を「附則第三項」に改める。
第十三条中「(昭和二十四年政令第二百九十一号)」を削る。
第十四条を削る。
附則第二項から附則第五項までを次のように改める。
2 この政令施行前国外居住外国人に対する債務の弁済のため供託した供託者は、その供託した供託物が金銭である場合において当該債務が国外居住外国人に対する債務であることの主務大臣の認定を受けたときは、法務府令、大蔵省令で定めるところにより、その供託金を保管する供託所に対しこれを東京法務局に保管替することを請求することができる。
3 前項の規定による主務大臣の認定があつたときは、第三条第一項の認定があつたものとみなす。
(国外居住外国人等に対する債務の弁済のためにする供託の特例に関する政令の一部改正に伴う経過規定)
第六条 改正前の国外居住外国人等に対する債務の弁済のためにする供託の特例に関する政令(以下本条において「旧令」という。)第九条及び第十四条の規定は、この法律施行前旧令第九条第二項の規定によりされた使節団の請求、当該請求に基く主務大臣の措置及び当該措置としての命令を受けた供託者については、この法律施行後も、なお、その効力を有する。
2 旧令附則第三項から附則第五項までの規定は、この法律施行前旧令附則第二項の規定によりされた主務大臣の命令、当該命令に係る措置及び当該措置を命ぜられた供託者については、この法律施行後も、なお、その効力を有する。
3 旧令第十二条の規定は、前項の規定によりなおその効力を有する旧令附則第四項の規定により旧令第三条第一項の認定があつたものとみなされた債務の弁済のためにする供託及び当該供託に係る供託物の還付については、この法律施行後も、なお、その効力を有する。
(日本証券取引所の有価証券売買取引事業特別会計に属する財産の管理に関する件の一部改正)
第七条 日本証券取引所の有価証券売買取引事業特別会計に属する財産の管理に関する件(昭和二十二年大蔵省令、司法省令第一号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項中「閉鎖機関整理委員会」を「大蔵大臣の選任する清算人(以下清算人という。)」に改める。
第二条中「閉鎖機関整理委員会」を「清算人」に改める。
第三条第二項中「大蔵大臣及び司法大臣」を「法務総裁及び大蔵大臣」に改める。
(将来存続すべき命令)
第八条 第一条から第五条まで及び前条に規定する命令並びに左に掲げる命令及び命令の規定は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日以後も、法律としての効力を有するものとする。
一 明治三十九年法律第二十四号官国幣社経費に関する法律廃止等の件(昭和二十一年勅令第七十一号)附則第六項
二 軍需金融等特別措置法等の一部を改正する勅令(昭和二十一年勅令第二百八十三号)附則第二項及び第三項
三 横浜正金銀行の旧勘定の資産の整理に関する政令(昭和二十四年政令第二百八十八号)
四 外国為替資産の分離保管に関する勅令を廃止する政令(昭和二十五年政令第三十五号)附則第二項
五 日本銀行に対する外国通貨等の引渡に関する勅令を廃止する政令(昭和二十五年政令第二百二十四号)附則第二項から附則第四項まで
六 閉鎖機関の所有する在外記名証券等の処理に関する政令(昭和二十五年政令第三百五十六号)
七 特定在外活動閉鎖機関等の引当財産の管理に関する政令(昭和二十五年政令第三百六十九号)
八 特別調達資金設置令(昭和二十六年政令第二百五号)
九 会社の解散の制限等に関する勅令を廃止する政令(昭和二十六年政令第二百四十七号)附則第八項
十 持株会社整理委員会令の廃止に関する政令(昭和二十六年政令第二百六十一号)
十一 学校及び保育所の給食用ミルクの譲与並びにこれに伴う財政措置に関する政令(昭和二十六年政令第三百七号)
十二 外貨債処理法等の廃止及び外国為替管理法等中改正の件(昭和二十年大蔵省令第百一号)附則第二項及び第四項
十三 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く中国銀行(中華民国法人)大阪支店の業務及び財産の管理に関する省令を廃止する省令(昭和二十四年大蔵省令第十号)附則第三項及び第四項
(命令の廃止)
第九条 左に掲げる命令は、廃止する。
一 戦争終結後復員したる陸海軍の軍人等に対し支給したる退職賞与金の国庫返納に関する件(昭和二十一年勅令第百五号)
二 臨時軍事費特別会計の終結に関する件(昭和二十一年勅令第百十号)
三 軍人及び軍属に交付せられたる賜金国庫債券を無効とすることに関する件(昭和二十一年勅令第百十二号)
四 会社の証券保有制限等に関する勅令(昭和二十一年勅令第五百六十七号)
五 ジエー・アンド・ピー・コウツ・リミテツドに対する財産の返還に関する政令(昭和二十四年政令第四十六号)
六 金、外国通貨及び外貨表示証書の買上に関する政令(昭和二十四年政令第五十二号)
七 日本ナシヨナル金銭登録機販売株式会社に対する財産の返還に関する政令(昭和二十四年政令第三百七十四号)
八 三井物産株式会社及び三菱商事株式会社の旧役職員の就職制限等に関する政令(昭和二十五年政令第三百四十号)
九 指定外国証券の報告に関する政令(昭和二十六年政令第二百五十九号)
十 日本カタン糸株式会社の再設立に関する政令(昭和二十六年政令第三百二十九号)
十一 通貨等製造工場管理規則(昭和二十一年大蔵省令第二十八号)
十二 軍人軍属に支給した帰郷旅費等の国庫返還に関する件(昭和二十一年大蔵省令第七十三号)
十三 連合国占領軍の発行する「A」号円表示軍票の取締等に関する件(昭和二十一年大蔵省令第七十七号)
十四 外国人出資の報告に関する件(昭和二十一年大蔵省令第百二十号)
十五 外国に本店を有する会社の本邦内にある支店、出張所等の報告に関する件(昭和二十二年大蔵省令第九号)
十六 皇族に対し租税に関する法令を適用する場合に関する件(昭和二十二年大蔵省令、内務省令第一号)
十七 イースト・エイシヤ・ミツシヨンの財産に関する件(昭和二十二年大蔵省令、司法省令第四号)
十八 在外会社等の本邦内にある支店、出張所、その他の事務所の貸借対照表の提出に関する省令(昭和二十三年大蔵省令第六十五号)
十九 ハンス・ゼーリツヒの財産の登記に関する命令(昭和二十三年大蔵省令、法務庁令第二号)
二十 株式会社イリス商会の財産に関する命令(昭和二十三年大蔵省令、法務庁令第三号)
二十一 ドイツ国有限会社ハインリツヒ コツペルスの不動産移転に関する命令(昭和二十四年大蔵省令、法務庁令第一号)
二十二 スタンダード・ブランヅ・オブ・エシア・インコーポレーテツド及びドツドウエル・エンド・コンパニー・リミテツドに関する登記の抹消に関する命令(昭和二十四年法務府令、大蔵省令第二号)
(廃止した命令に関する経過規定)
第十条 旧臨時軍事費特別会計所属の歳入金又は歳出金であつて、昭和二十五年度以降において収納又は支出若しくは支払の判明した金額については、当分の間、これを旧臨時軍事費特別会計分として別途に整理し、据え置くものとする。
2 前項の場合において、内閣は、旧臨時軍事費特別会計の歳入歳出の決算額と前項の規定による毎会計年度の整理金額(旧臨時軍事費特別会計の終結に関する件第三条第二項の規定による整理金額を含む。)との合計額の計算書を調製し、これを当該年度の一般会計の歳入歳出決算に添附して国会に提出しなければならない。
第十一条 旧会社の証券保有制限等に関する勅令第十七条の二第一項(同令第十七条の四第二項において準用する場合を含む。)において準用する同令第二条第一項第一号ロ又はハの規定により株式の取得を認められた会社がこの法律施行の際当該株式を所有する場合における当該株式の取得及び所有並びに当該株式についての議決権の行使については、同令第十七条の二第一項(同令第十七条の四第二項において準用する場合を含む。)において準用する同令第二条第二項から第四項までの規定(これに係る罰則の規定を含む。)は、この法律施行後も、なお、その効力を有する。
第十二条 帝国製糸株式会社が旧ジエー・アンド・ピー・コウツ・リミテツドに対する財産の返還に関する政令(以下本条において「旧令」という。)第四条の規定により富士紡績株式会社から無償で財産の譲渡を受けたことに因り生じた益金に対する法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)又は地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)上の取扱については、なお従前の例による。
2 富士紡績株式会社が旧令第四条の規定により無償で帝国製糸株式会社に譲渡したことに因り生じた損金に対する法人税法又は地方税法上の取扱については、なお従前の例による。
第十三条 第六条に規定する場合を除く外、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第十四条 第六条及び前四条に定めるものを除く外、この法律の施行に伴う必要な経過的措置は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。但し、第二条中閉鎖機関整理委員会令第二十条の改正規定、第七条、第九条第二号及び第十条の規定は、公布の日から施行し、第十条の規定は、昭和二十五年度以降の旧臨時軍事費特別会計所属の歳入金又は歳出金の整理について適用する。
2 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第五十号を削り、同条第五十一号を同条第五十号とする。
第五十条中「第五十号」を「第四十九号」に改める。
第五十三条第三号を削り、同条第四号を同条第三号とし、以下一号ずつ繰り上げる。
(内閣総理大臣・法務総裁・外務・大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政・電気通信・労働・建設大臣・経済安定本部総裁署名)