裁判官弾劾法の一部を改正する法律
法律第九十三号(昭二三・七・五)
裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。
第四条の二(予算) 弾劾裁判所の予算は、裁判長がこれを調成し、両議院の議院運営委員会に提出する。
各議院の議院運営委員会は、前項の予算を審査して勧告を附し、又は勧告を附さないで、各議院の議長に送付する。
訴追委員会の予算は、委員長がこれを調成し、衆議院の議院運営委員会に提出する。
衆議院の議院運営委員会は、前項の予算を審査して勧告を附し、又は勧告を附さないで衆議院の議長に迭付する。
第七条(事務局) 訴追委員会に事務局を置く。
事務局に参事及び主事各二人を置く。
参事の中一人を事務局長とする。
事務局長は、委員長の監督を受けて、庶務を掌理し、他の参事及び主事を指揮監督する。
事務局長以外の参事及び主事は、上司の命を受けて、庶務に従事する。
事務局長その他の参事及び主事は、委員長が衆議院議長の同意及び衆議院の議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。
第十一条(調査) 訴追委員会は裁判官について、訴追の請求があつたとき又は弾劾による罷免の事由があると思料するときは、その事由を調査しなければならない。
訴追委員会は、官公署に前項の調査を嘱託することができる。
訴追委員会及び前項の嘱託を受けた官公署は、その調査に関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。
前項の要求により出頭した証人には、弾劾裁判所に証人が出頭した場合の例により、旅費、日当及び止宿料を支給する。
第十一条の二(訴追委員の派遣)訴追委員会は、調査のため訴追委員を派遣することができる。
国会の開会中、訴追委員会において、調査のため、訴追委員を派遣しようとするときは、衆議院議長の承認を得なければならない。
第十二条(訴追期間) 罷免の訴追は、弾劾による罷免の事由があつた後三年を経過したときは、これをすることができない。但し、その期間内に、衆議院議員の任期が満了し、又は衆議院が解散されたときは、その後初めて召集される国会において訴追委員が選挙されて後一箇月を経過するまで、又、同一の事由について刑事訴追があつたときは、事件の判決が確定した後一年を経過するまで罷免の訴追をすることができる。
第十五条(訴追の請求) 何人も、裁判官について弾劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員会に対し、罷免の訴追をすべきことを求めることができる。
高等裁判所長官及び地方裁判所長は、その勤務する裁判所及びその管轄区域内の下級裁判所の裁判官について弾劾による罷免の事由があると思料するときは、最高裁判所長官に対し、その事由を通知しなければならない。
最高裁判所長官は、裁判官について、前項の通知があつたとき又は弾劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員会に対し罷免の訴追をすべきことを求めなければならない。
第一項及び前項の規定による訴追の請求をするには、その事由の簡単な説明を添えなければならない。但し、その証拠は、これを要しない。
第十八条(事務局) 弾劾裁判所に事務局を置く。
事務局に参事及び主事各二人を置く。
参事の中一人を事務局長とする。
事務局長は、裁判長の監督を受けて、庶務を掌理し、他の参事及び主事を指揮監督する。
事務局長以外の参事及び主事は、上司の命を受けて、庶務に従事する。
事務局長その他の参事及び主事は、前二項の外、裁判員の命を受けて事件に関する事務に従事する。
事務局長その他の参事及び主事は、裁判長が両議院の議長の同意及び議院運営委員会の承認を得てこれを任免する。
第二十九条の二(裁判員の派遣) 弾該裁判所は、審理又は裁判のため、裁判員を派遣することができる。
国会の開会中、弾劾裁判所において、審理又は裁判のため、裁判員を派遣しようとするときは、衆議院議員たる裁判員については衆議院議長の承認を、参議院議員たる裁判員については参議院議長の承認を得なければならない。
第三十条(刑事訴訟に関する法令の準用)裁判員、事務局長その他の参事及び主事の除斥、忌避及び回避、法廷における審理、調書の作成並びに手続の費用については、刑事訴訟に関する法令の規定を準用する。
第四十三条第二項 前項の罪を犯した者が申告した事件の裁判の宣告前であつて、且つ、犯罪の発覚する前に自白したときは、その刑を減軽又は免除することができる。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
(内閣総理大臣署名)