特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法

法律第九十三号(平五・一一・二五)

 (目的)

第一条 この法律は、近年における国際分業の進展、需要構成の変化その他の経済の多様かつ構造的な変化に適応するために特定中小企業者が行う新たな事業の分野への進出及び海外の地域における事業の開始等を円滑にするための措置等を講ずることにより、新たな経済的環境に即した中小企業の活力ある発展を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「中小企業者」とは、次の各号の一に該当する者をいう。

 一 資本の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、工業、鉱業、運送業その他の業種(次号に掲げる業種及び第三号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

 二 資本の額又は出資の総額が千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であって、小売業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの並びに資本の額又は出資の総額が三千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、卸売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

 三 資本の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの

 四 企業組合

 五 協業組合

 六 事業協同組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの

2 この法律において「組合等」とは、前項第六号に掲げる者及び民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された社団法人であって中小企業者を直接又は間接の構成員(以下単に「構成員」という。)とするもの(政令で定める要件に該当するものに限る。)をいう。

3 この法律において「特定中小企業者」とは、海外の地域における工業化の進展等による競争条件の変化、情報化及び技術の高度化に伴う投資の一巡、技術革新による生産工程等の変化その他の近年における経済の多様かつ構造的な変化による影響を受けている工業その他の業種であって政令で定めるもの(以下「特定業種」という。)に属する事業を営む中小企業者のうち、その事業がこれらの変化による影響を受け、又は受けるおそれがあるものであって、その生産額又は取引額が相当程度減少していることその他の政令で定める要件に該当するもの並びにこれらの者がその構成員の相当程度を占める組合等をいう。

 (新分野進出等計画の承認)

第三条 特定中小企業者は新たな事業の分野への進出又は海外の地域における事業の開始若しくは拡大(特定業種その他の政令で定める業種に属する事業に係るものに限るものとし、特定中小企業者が前条第一項第四号から第六号までに掲げる組合若しくは連合会を設立し、又は合併し、若しくは資本の額若しくは出資の総額の全部を出資して会社を設立しようとする場合にあってはその組合若しくは連合会又はその合併若しくは出資により設立される会社(合併後存続する会社を含む。)が行うものを、同項第四号から第六号までに掲げる者であって特定中小企業者であるものが協業組合、事業協同組合又は商工組合に組織を変更しようとする場合にあってはその協業組合、事業協同組合又は商工組合が行うものを含む。以下「新分野進出等」という。)に関する計画を、組合等はその構成員たる特定中小企業者が行おうとする新分野進出等(当該組合等又はその構成員たる組合等がその構成員たる特定中小企業者が行う新分野進出等と一体として自ら行おうとする新分野進出等を含む。)に関する計画を作成し、これをその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、その承認を受けることができる。

2 前項に規定する新分野進出等に関する計画(以下「新分野進出等計画」という。)には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 新分野進出等の目標

 二 新分野進出等の内容

 三 新分野進出等の実施時期

 四 新分野進出等を実施するために必要な資金の額及びその調達方法

 五 新分野進出等に伴う労務に関する事項

 六 組合等がその構成員の新分野進出等の円滑化を図るため次の事業を行おうとする場合にあっては、その事業に関する事項

  イ 新商品又は新技術の研究開発、需要の開拓その他の事業

  ロ 新分野進出等を行うその構成員たる特定中小企業者であって政令で定める要件に該当するもの(これらの特定中小企業者が合併して設立する会社(合併後存続する会社を含む。)を含む。)に対しその事業活動に必要な資金を貸し付ける事業

 七 組合等が新分野進出等に係る試験研究のための費用に充てるためその構成員に対し負担金の賦課をしようとする場合にあっては、その賦課の基準

3 都道府県知事は、第一項の承認の申請があった場合において、その新分野進出等計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする。

 一 その新分野進出等計画に係る新分野進出等が当該特定中小企業者の能力を有効かつ適切に発揮させるものであり、かつ、国民経済の健全な発展を阻害するものでないこと。

 二 その新分野進出等計画が当該新分野進出等を円滑かつ確実に遂行するために適切なものであること。

 三 前項第七号に規定する負担金の賦課をしようとする場合にあっては、その賦課の基準が適切なものであること。

 (新分野進出等計画の変更等)

第四条 前条第一項の承認を受けた特定中小企業者又は組合等は、当該承認に係る新分野進出等計画を変更しようとするときは、その承認をした都道府県知事の承認を受けなければならない。

2 都道府県知事は、前条第一項の承認に係る新分野進出等計画(前項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの。以下「承認新分野進出等計画」という。)に従って新分野進出等が行われていないと認めるときは、その承認を取り消すことができる。

3 前条第三項の規定は、第一項の承認について準用する。

 (中小企業近代化資金等助成法の特例)

第五条 中小企業近代化資金等助成法(昭和三十一年法律第百十五号)第三条第一項に規定する中小企業設備近代化資金の貸付事業に係る貸付金(以下「近代化資金貸付金」という。)であって、承認新分野進出等計画に従って行われる新分野進出等(その新分野進出等を行う特定中小企業者が第三条第二項第六号ロの政令で定める要件に該当するものであるときは、その特定中小企業者(これらの特定中小企業者が合併して設立する会社(合併後存続する会社を含む。)を含む。以下「特例中小企業者」という。)が行うその他の事業活動を含む。)に必要な設備に係るものについては、同法第五条の規定にかかわらず、その償還期間は、七年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

2 近代化資金貸付金であって、特例中小企業者に対しこの法律の施行の日前に貸し付けられたもの(中小企業近代化資金等助成法第三条第一項第二号の貸与機関が当該特例中小企業者に対しその事業の用に供する設備を同日前に譲り渡し、又は貸し付けた場合にあっては、当該設備の譲渡又は貸付けを行うのに必要な資金として当該貸与機関に対し貸し付けられたものを含む。)については、同法第五条の規定にかかわらず、その償還期間を三年を超えない範囲内において延長することができる。

 (中小企業信用保険法の特例)

第六条 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条第一項に規定する普通保険(以下「普通保険」という。)、同法第三条の二第一項に規定する無担保保険(以下「無担保保険」という。)又は同法第三条の三第一項に規定する特別小口保険(以下「特別小口保険」という。)の保険関係であって、新分野進出等関連保証(同法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証であって、承認新分野進出等計画に従って行われる新分野進出等(特例中小企業者が行うものを除く。)又は第三条第二項第六号に規定する事業に必要な資金に係るものをいう。以下同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての次の表の上欄に掲げる同法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

第三条第一項

保険価額の合計額が

特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法第六条第一項に規定する新分野進出等関連保証(以下「新分野進出等関連保証」という。)に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ

第三条の二第一項、第三条の三第一項

保険価額の合計額が

新分野進出等関連保証に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ

第三条の二第三項、第三条の三第二項

当該保証をした

新分野進出等関連保証及びその他の保証ごとに、それぞれ当該保証をした

当該債務者

新分野進出等関連保証及びその他の保証ごとに、当該債務者

2 普通保険、無担保保険又は特別小口保険の保険関係であって、中小企業信用保険法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証を受けた特例中小企業者に係るものについての同法第三条第一項、第三条の二第一項及び第三項並びに第三条の三第一項及び第二項の規定の適用については、同法第三条第一項中「二億円」とあるのは「四億円」と、「四億円」とあるのは「八億円」と、同法第三条の二第一項及び第三項中「二千万円」とあるのは「四千万円」と、同法第三条の三第一項及び第二項中「五百万円」とあるのは「千万円」とする。

3 中小企業信用保険法第三条の六第一項に規定する海外投資関係保険(以下「海外投資関係保険」という。)の保険関係であって、海外事業関連保証(同項に規定する債務の保証であって、承認新分野進出等計画に従って行われる海外の地域における事業の開始若しくは拡大又は第三条第二項第六号に規定する事業に必要な資金に係るものをいう。以下同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての同法第三条の六第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項中「二億円」とあるのは「四億円(特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法第四条第二項に規定する承認新分野進出等計画に従って行われる海外の地域における事業の開始又は拡大に必要な資金(以下「海外事業資金」という。)以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、二億円)」と、「四億円」とあるのは「八億円(海外事業資金又は同法第四条第二項に規定する承認新分野進出等計画に従って行われる同法第三条第二項第六号に規定する事業に必要な資金以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、四億円)」と、同条第二項中「二億円」とあるのは「四億円(海外事業資金以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、二億円)」とする。

4 中小企業信用保険法第三条の七第一項に規定する新事業開拓保険(以下「新事業開拓保険」という。)の保険関係であって、新分野事業関連保証(同項に規定する債務の保証であって、承認新分野進出等計画に従って行われる新たな事業の分野への進出又は第三条第二項第六号に規定する事業に必要な資金に係るものをいう。以下同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての同法第三条の七第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項中「一億五千万円」とあるのは「三億円(特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法第四条第二項に規定する承認新分野進出等計画に従って行われる新たな事業の分野への進出に必要な資金(以下「新分野事業資金」という。)以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、一億五千万円)」と、「三億円」とあるのは「六億円(新分野事業資金又は同法第四条第二項に規定する承認新分野進出等計画に従って行われる同法第三条第二項第六号に規定する事業に必要な資金以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、三億円)」と、同条第二項中「一億五千万円」とあるのは「三億円(新分野事業資金以外の資金に係る債務の保証に係る保険関係については、一億五千万円)」とする。

5 普通保険の保険関係であって、新分野進出等関連保証に係るもの及び特例中小企業者に係るもの(特例中小企業者に係るものにあっては、平成五年十月二十二日以後に成立したもののうち、その保険価額の合計額が二億円(その特例中小企業者が中小企業等協同組合、協業組合、商工組合、商工組合連合会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、環境衛生同業組合、環境衛生同業小組合、環境衛生同業組合連合会又は酒類業組合であるときは、四億円。次項において同じ。)を超えない部分に限る。)についての中小企業信用保険法第三条第二項及び第五条の規定の適用については、同法第三条第二項中「百分の七十」とあり、及び同法第五条中「百分の七十(無担保保険、特別小口保険、公害防止保険、エネルギー対策保険、海外投資関係保険及び新事業開拓保険にあっては、百分の八十)」とあるのは、「百分の八十」とする。

6 普通保険、無担保保険又は特別小口保険の保険関係であって新分野進出等関連保証に係るもの及び特例中小企業者に係るもの(特例中小企業者に係るものにあっては、平成五年十月二十二日以後に成立したもののうち、普通保険の保険関係にあってはその保険価額の合計額が二億円を超えない部分、無担保保険の保険関係にあってはその保険価額の合計額が二千万円を超えない部分、特別小口保険の保険関係にあってはその保険価額の合計額が五百万円を超えない部分に限る。)、海外投資関係保険の保険関係であって海外事業関連保証に係るもの並びに新事業開拓保険の保険関係であって新分野事業関連保証に係るものについての保険料の額は、中小企業信用保険法第四条の規定にかかわらず、保険金額に年百分の二以内において政令で定める率を乗じて得た額とする。

7 中小企業信用保険法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証を平成五年十月二十二日以後に受けた第三条第二項第六号ロの政令で定める要件に該当する特定中小企業者が行う新分野進出等に関する計画が同条第一項の承認を受けたときは、中小企業信用保険公庫は、第二項の規定により読み替えて適用される同法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項の規定にかかわらず、その承認以後において、当該債務の保証について、普通保険、無担保保険又は特別小口保険の保険関係を成立させる旨の契約を締結することができるものとする。

 (特定業種に属する事業の開始)

第七条 特定業種に属する事業を営んでいない中小企業者(第二条第一項第六号に掲げる者にあっては、その構成員の相当程度が特定業種に属する事業を営んでいないものに限る。以下同じ。)又は事業を営んでいない個人はその行おうとする特定業種に属する事業の開始(以下「事業開始」という。)に関する計画を、組合等はその構成員たる特定業種に属する事業を営んでいない中小企業者が行おうとする事業開始(当該組合等又はその構成員たる組合等がその構成員たる中小企業者が行う事業開始と一体として自ら行おうとする特定業種に属する事業の開始又は拡大を含む。)に関する計画を作成し、これをその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、その承認を受けることができる。

2 第三条第二項(第六号ロに係る部分を除く。)及び第三項並びに第四条の規定は、前項に規定する事業開始に関する計画(以下「事業開始計画」という。)について準用する。この場合において、第三条第三項第一号中「当該特定中小企業者の能力を有効かつ適切に発揮させるものであり」とあるのは、「当該中小企業者又は個人の能力を有効かつ適切に発揮させるものであり、特定業種に属する事業の活性化を促すことにより、特定中小企業者の近年における経済の多様かつ構造的な変化への適応に資するものであり」と読み替えるものとする。

第八条 第五条第一項の規定は、前条第一項の承認に係る事業開始計画(同条第二項において準用する第四条第一項の規定による変更の承認があったときは、その変更後のもの。以下「承認事業開始計画」という。)に従って行われる事業開始に必要な設備に係る近代化資金貸付金について準用する。

2 第六条第一項及び第四項から第六項までの規定は、普通保険、無担保保険、特別小口保険又は新事業開拓保険の保険関係のうち、中小企業信用保険法第三条第一項、第三条の二第一項、第三条の三第一項又は第三条の七第一項に規定する債務の保証であって、承認事業開始計画に従って行われる事業開始(前条第二項において準用する第三条第二項第六号イに規定する事業の実施を含む。)に係るものを受けた中小企業者に係るものについて準用する。

 (資金の確保)

第九条 国及び都道府県は、承認新分野進出等計画に従って行われる新分野進出等若しくは第三条第二項第六号に規定する事業又は承認事業開始計画に従って行われる事業開始若しくは第七条第二項において準用する第三条第二項第六号イに規定する事業に必要な資金の確保に努めるものとする。

 (課税の特例)

第十条 承認新分野進出等計画に従って新分野進出等を行おうとする特定中小企業者であって、その営んできた事業の縮小が確実であると都道府県知事が認めたもの(以下「特別中小企業者」という。)が、当該承認新分野進出等計画に従って取得し、又は製作した機械及び装置については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。

2 組合等が、承認新分野進出等計画又は承認事業開始計画で定める賦課の基準(以下単に「賦課の基準」という。)に基づいて、その構成員たる中小企業者に対し、試験研究に必要な機械装置(工具、器具及び備品を含む。)を取得し、又は製作するための費用に充てるための負担金を賦課した場合において、当該中小企業者が当該負担金を納付したときは、租税特別措置法で定めるところにより、当該負担金について特別償却を行うことができる。

3 組合等が賦課の基準に基づいてその構成員に対し試験研究のための費用に充てるための負担金を賦課した場合において、その構成員が当該負担金を納付したときは、租税特別措置法で定めるところにより、当該負担金について試験研究費の額が増加した場合等の課税の特例の適用があるものとする。

4 組合等が、賦課の基準に基づいてその構成員に対し賦課した負担金の全部又は一部をもって、試験研究の用に直接供する固定資産を取得し、又は製作したときは、租税特別措置法で定めるところにより、所得の金額の計算について特別の措置を講ずる。

5 特別中小企業者について欠損金を生じた場合には、租税特別措置法で定めるところにより、法人税の還付について特別の措置を講ずる。

 (指導及び助言)

第十一条 国及び都道府県は、新分野進出等又は事業開始の円滑な実施に必要な指導及び助言を行うものとする。

 (雇用の安定等)

第十二条 特定中小企業者は、新分野進出等を行うに当たっては、その雇用する労働者について、その雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 国は、特定中小企業者が事業活動の縮小を余儀なくされた場合においては、その特定中小企業者の雇用する労働者について、失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

3 国及び都道府県は、特定中小企業者が事業活動の縮小を余儀なくされた場合においては、その特定中小企業者に雇用されていた労働者について、職業訓練の実施、就職のあっせんその他その者の職業及び生活の安定に資するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (関連施策の推進)

第十三条 国は、特定中小企業者の新分野進出等の円滑化に資するため、研究開発の推進等による新たな産業分野の開拓、人材の養成その他の関連施策を積極的に推進するよう努めるものとする。

 (国際経済環境等の考慮)

第十四条 国及び都道府県は、この法律に基づく措置を実施するに当たっては、国際経済環境等を考慮し、特定中小企業者がこれらの環境に適合した事業を適切に実施することができるように努めるものとする。

 (報告の徴収)

第十五条 都道府県知事は、第三条第一項若しくは第七条第一項の承認を受けた者、承認新分野進出等計画に従って新分野進出等若しくは第三条第二項第六号に規定する事業を行う者又は承認事業開始計画に従って事業開始若しくは第七条第二項において準用する第三条第二項第六号イに規定する事業を行う者に対し、承認新分野進出等計画又は承認事業開始計画の実施状況について報告を求めることができる。

 (事務の委任)

第十六条 この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務は、市町村長又は特別区の長に委任することができる。

 (罰則)

第十七条 第十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (この法律の失効)

第二条 この法律は、この法律の施行の日から起算して七年を経過した日に、その効力を失う。

2 前項の規定にかかわらず、この法律の施行の日から起算して七年を経過した時までに第六条並びに第八条第二項において準用する第六条第一項及び第四項から第六項までの規定の適用を受けて成立している保険関係については、その時以後も、なお従前の例によるものとし、その時までにした行為に対する罰則の適用については、この法律は、その時以後も、なおその効力を有する。

 (中小企業庁設置法の一部改正)

第三条 中小企業庁設置法(昭和二十三年法律第八十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第七号の五を次のように改める。

  七の五 特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法(平成五年法律第九十三号)の施行に関すること。

(大蔵・厚生・農林水産・通商産業・運輸・内閣総理大臣署名) 

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